JPH0740657Y2 - 2サイクルエンジンの排気装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気装置

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JPH0740657Y2
JPH0740657Y2 JP1990073095U JP7309590U JPH0740657Y2 JP H0740657 Y2 JPH0740657 Y2 JP H0740657Y2 JP 1990073095 U JP1990073095 U JP 1990073095U JP 7309590 U JP7309590 U JP 7309590U JP H0740657 Y2 JPH0740657 Y2 JP H0740657Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、2サイクルエンジンの排気装置におけるシリ
ンダ内の排気口、掃気口および排気通路の配置および形
状に関する。
〔従来の技術〕
2サイクルエンジンでは、エンジン本体(シリンダ)に
排気通路および掃気通路が形成され、これらの通路はシ
リンダに排気口および掃気口として開口し、ピストン行
程の所定タイミングで開閉されるように構成されてい
る。
また、2サイクルエンジンにあっては、低速回転時に
は、新気の吹き抜けを抑えるため、排気口の断面積を小
さくすることが好ましい場合があり、一方、高速回転時
には、出力の向上を図るため、排気口の断面積を大きく
することが好ましい場合がある。
そこで、上記2サイクルエンジンにおいては、排気口
を、主排気口とその両側に設けられた補助排気口とで構
成し、該補助排気口にエンジン回転数に応じて開閉する
ための制御弁を設けたり、あるいは、前記主排気口にも
エンジン回転数に応じて断面積制御するための制御弁を
設けることにより、排気口の開度、または開度と開閉タ
イミングを制御することが提案されている。
このような排気制御弁については、例えば、特開昭60-1
56925号、特開昭63-173816号、特開昭63-173817号の各
公報に開示されている。
また、2サイクルエンジンのシリンダには、ピストンの
ダウンストロークにおいて、上記排気口より所定のタイ
ミング遅れて開口する掃気口が形成されている。
この掃気口は、通常、前記排気口の両側に対称に配置さ
れ、該掃気口も必要に応じて主掃気口と補助掃気口で構
成される場合がある。
〔考案が解決しようとする技術的課題〕
ところで、上記2サイクルエンジンの排気装置において
は、充填効率を高めて出力の向上を図るためには、排気
をできるだけスムーズに排出するとともに、該排気の流
れを乱すことなくできるだけ多くの新気で掃気を行なう
ことが要請される。
また、排気に対する掃気の混合を抑止し、掃気抵抗およ
び吹き抜けを減少させて、掃気効率の向上を図ることも
要請される。
このような観点から、従来の補助排気口を有する2サイ
クルエンジンの排気装置について種々の検討を加えた結
果、未だ改良の余地があることが判明した。
本考案は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされ
たものであり、新気および排気の流れをスムーズにして
新気と排気の交換を円滑に行うことができ、該排気の流
れを乱すことなくできるだけ多くの新気で掃気を行なう
ことができ、充填効率または掃気効率の向上を図り得る
2サイクルエンジンの排気装置を提供することを目的と
する。
〔課題解決のための手段〕
請求項1の考案は、シリンダ内に開口する主排気口の両
側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置
において、前記主排気口の下縁を、中心部から両端へ行
くに従い上死点側へ行くように上反り状にし、前記補助
排気口の下縁を、前記主排気口から遠ざかるに従い上死
点側へ行くように10度〜25度の角度で傾斜させるととも
に前記主排気口の下縁のほぼ延長線上に位置させる構成
とすることにより、上記目的を達成するものである。
請求項2の考案は、シリンダ内に開口する主排気口の両
側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置
において、前記主排気口の下縁を、中心部から両端へ行
くに従い上死点側へ行くように上反り状にし、前記補助
排気口の下側に掃気口を設け、該掃気口の上縁の行程位
置と前記主排気口の両側垂直部の下端の行程位置を略同
じにする構成とすることにより、上記目的を達成するも
のである。
請求項3の考案は、シリンダ内に開口する主排気口の両
側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置
において、前記主排気口の上縁を、中心部が最も上死点
側にあり、両側へ行くに従い下死点側へ行くように下反
り方向に傾斜させ、さらに、前記補助排気口の上縁を、
前記主排気口の上縁の略延長線上に位置するように連続
的に傾斜させる構成とすることにより、上記目的を達成
するものである。
請求項4の考案は、シリンダ内に開口する主排気口の両
側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置
において、前記補助排気口の下縁を、前記主排気口から
遠ざかるに従い上死点側へ行くように傾斜させるととも
に、掃気口の主排気口側の上隅部を、前記補助排気口の
下縁を略平行なカット形状にすることにより、該掃気口
を該補助排気口の下側で前記主排気口を接近させて配置
し、さらに、前記カット形状部の肉厚部に吹き下げ角を
設ける構成とすることにより、上記目的を達成するもの
である。
請求項5の考案は、シリンダ内に開口する主排気口の両
側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置
において、前記主排気口および前記補助排気口から排気
管接続部まで、前記シリンダに形成される排気通路の断
面輪郭が連続的に偏平度が小さくなる楕円状の断面形状
を有している構成とすることにより、上記目的を達成す
るものである。
請求項6の考案は、請求項1〜請求項5のいずれかの構
成に加えて、エンジンの回転数が高いほど前記補助排気
口の開口面積が大きくなり、エンジンの回転数が低いほ
ど前記補助排気口の開口面積が小さくなるように、前記
補助排気口を開閉制御するための制御弁を有する構成と
することにより、全回転数領域で一層効率よく上記目的
を達成するものである。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。
第1図は本考案による2サイクルエンジンの排気装置の
一実施例を示す模式的水平断面図であり、第2図は第1
図中の線II-IIに沿った縦断面図であり、第3図は第1
図中の線III-IIIに沿った縦断面図である。
第1図〜第3図において、2サイクルエンジンのシリン
ダ1の内部にはピストン2が摺動するボア3が形成さ
れ、前記シリンダ1には、排気通路4および掃気通路5
が形成されている。
前記シリンダ1の上端面にはシリンダヘッド6が気密状
態で締結されており、該シリンダヘッド6と前記ピスト
ン2との間に燃焼室7が形成されている。
前記排気通路4は、前記ボア3において、主排気口8お
よび補助排気口9として開口しており、前記掃気通路5
は、前記ボア3において、主掃気口10および補助掃気口
11として開口している。
また、前記排気通路4は、シリンダボア3から外向き下
方へ傾斜しており、その外側端部12には排気管(不図
示)が接続される。
一方、前記掃気通路5は、第3図に示すごとく、前記掃
気口10、11からシリンダ1内を下方へ延び、他端13はク
ランク室(予圧縮室)14内へ開口している。
第4図は、前記主排気口8、前記補助排気口9、前記主
掃気口10、前記補助掃気口11の配置を示す円周方向展開
図である。
第1図〜第4図において、主排気口8の中心部にはピス
トン(詳しくは、ピストンリング)2のガイド部を確保
するためのリブ15が設けられている。
前記補助排気口9は、第4図に示すごとく、前記主排気
口8の両側に対称に(したがって、2箇所に)形成され
ている。
これらの補助排気口9は、第1図に示すごとく、それぞ
れの補助通路16を通して前記排気通路4に連通してお
り、それぞれの合流点近傍には補助通路16をエンジン速
度に応じて開閉するための制御弁17が設けられている。
前記主掃気口10は、主排気口8の両側に対称に(したが
って、2箇所に)設けられている。
図示の例では、各主掃気口10は、前記補助排気口9と円
周方向で一部重なる位置に形成されている。
前記補助掃気口11は、各主掃気口10の外側(主排気口8
と反対側)に対称に(したがって、2箇所に)形成され
ている。
なお、本考案は、前記補助掃気口11の有無には関係なく
実施できるものであり、したがって、以下では、補助掃
気口11の有無に係わり無く、主掃気口10単独、または該
主掃気口および該補助掃気口を含めて、“掃気口10"と
呼ぶことにする。
そこで、以下、第4図を参照して本考案による排気装置
の排気口および掃気口の配置について説明する。
第4図において、先ず、主排気口8の両側に配置される
各補助排気口9は、その下縁18が該主排気口8から遠ざ
かるに従い上死点側(上側)へ行くように傾斜した形状
を有している。
この場合、この補助排気口の下縁18の傾斜角度は、10度
〜25度の範囲、好ましくは15度〜20度の範囲に設定され
る。
第5図は主排気口8の排出方向の縦断面図であり、第6
図は補助排気口9の排出方向の縦断面図である。
すなわち、前記主排気口8および補助排気口9には、シ
リンダ上部の燃焼室7内の圧力排気が排気通路4および
補助通路16内へスムーズに排出されるように、図示のよ
うな吹き下がり角αが設けられている。
前述のように補助排気口9の下縁18を傾斜させれば、排
気行程の終期において、排気中央部に近い所ほど大面積
にして、中心部主流の排気の流れを作ることができ、排
気の流れをスムーズに保つとともに次第に中心部へ絞り
込むことができ、前記掃気口10からの新気と前記排気と
の衝突および混合を減少させることができる。
こうして、排気と掃気との干渉を減らすことにより、新
気の吹き抜けを防止するとともに、充填効率の向上を図
ることが可能となった。
さらに、前記主排気口8の下縁19は、図示のように、中
心部から両端へ行くに従い上死点側へ行くように上反り
状になっており、前記補助排気口9の下縁18がこの主排
気口の下縁19の略延長線上に位置するように配置されて
いる。
このように主排気口8の下縁19および補助排気口9の下
縁18を連続的に上反り方向に傾斜させることにより、排
気行程の終期における排気口断面を中心部が広くなった
形状にして、中心部主流の流れを作ることができ、この
ため、排気の流れがさらにスムーズ化され、新気の吹き
抜けを一層減少させて充填効率をさらに向上させること
ができた。
また、第4図の排気口および掃気口の配置においては、
前記主排気口8の下縁19を、前述のように、中心部から
両端へ行くに従い上死点側へ行くように上反り状にする
とともに、前記補助排気口9の下側に掃気口10が設けら
れ、該掃気口10の上縁20の行程位置(ピストンストロー
ク方向位置)と前記主排気口8の両側垂直部21の下端部
22行程位置が略同じになるように配置されている。
第7図は第4図中の線VII-VIIに沿った掃気口10の縦断
面を示す部分断面図であり、同図に示すごとく、掃気口
10には所定角度βの吹き上げ角が設けられている。
このような配置によれば、掃気口10の開きタイミングと
主排気口8の全開終了のタイミングが合わせられるの
で、新気(掃気)が排気へ混入することが防止され、渦
発生等による掃気抵抗増加を防止するとともに、新気の
吹き抜けを減少させることができ、充填効率および掃気
効率の向上を図ることができた。
さらに、第4図の排気口の配置によれば、シリンダ1内
に開口する主排気口8の両側に補助排気口9を有する2
サイクルエンジンの排気装置において、前記主排気口8
の上縁23を、図示のように、中心部が最も上死点側にあ
り、両側へ行くに従い下死点側へ行くように下反り方向
に傾斜させるとともに、前記補助排気口9の上縁24を、
前記主排気口8の上縁23の略延長上に位置するように連
続的に傾斜させる配置となっている。
このような配置によれば、主排気口8および補助排気口
9から成る排気口の開きタイミングを連続させることが
できる。
すなわち、排気口の中心部で開き始めた後、徐々に連続
的に排気口面積を増加させることができ、したがって、
両側の掃気口10から離れた位置、すなわち、通常では掃
気口10の反対側の位置から排気口が開かれ、排気の流れ
をさらにスムーズにすることができる。
従来のように排気口を一度に開くと、排気の中に渦が発
生し易く、排気流が乱されるが、本考案によれば、排気
の流れを掃気口10の略反対側から開始させるとともに、
該排気の流れをスムーズ化することができ、したがっ
て、理想に近いシュリーレン流れを作ることが可能とな
り、新気の吹き抜けを防止しながら掃気効率を向上させ
るとともに、新気の充填効率を向上させることができ
た。
また、第4図の排気口および掃気口の配置は、シリンダ
1内に開口する主排気口8の両側に補助排気口9を有す
る配置において、前記補助排気口9の下縁18を、前記主
排気口8から遠ざかるに従い上死点側へ行くように傾斜
させるとともに、掃気口10の主排気口側の上隅部を、前
記補助排気口9の下縁18と略平行なカット形状25にする
配置構成となっている。
第8図は上記カット形状25の部分の通路端部を示す断面
図であり、該カット形状部25の肉厚部には、他の周辺部
の吹き上げ角βとは異なり、該角度βより小さい角度、
または、図示のような逆方向の吹き下げ角γが設けられ
ている。
ところで、掃気口10の主排気口8側の上端に前記カット
形状25を形成したため、前記補助排気口9の下側に配置
するに際し、該掃気口10を該主排気口8に近づけること
が可能となる。
そこで、上記配置構成においては、さらに、前記掃気口
10を前記補助排気口9の下側で前記主排気口8に接近さ
せて配置する配置となっている。
一般に、掃気口の面積は排気口の面積より若干大きく選
定され、また、高出力を得るためには掃気口および排気
口の面積を充分に確保する必要がある。
第9図は、第4図について説明した排気口および掃気口
の配置を有する排気装置の排気および掃気の流れの状態
を模式的に示す平面図であり、第10図は第9図の模式的
立面図である。
なお、第9図においては、1行程中の排気および掃気の
流れが鎖線の状態から実線の状態へ変化することを示し
ている。
そこで、上記配置構成によれば、前記補助排気口9の下
縁18を、前記主排気口8から遠ざかるに従い上死点側へ
行くように傾斜させるとともに、掃気口10の主排気口8
側の上隅部を、前記補助排気口9の下縁18と略平行なカ
ット形状25にすることにより、該掃気口10を該補助排気
口9の下側で前記主排気口8に接近させて配置したの
で、排気をできるだけスムーズに排出するとともに、前
記掃気口10の面積を充分に大きく選定することが容易に
なり、該排気の流れを乱すことなくできるだけ多くの新
気で掃気を行なうことが可能となった。
また、上記配置構成に加えて、前記カット形状部25の肉
厚部に吹き下げ角γを設けたので、ピストン2の下降
(排気口の開放)に伴い、排気の波動(マス)が曲面27
から曲面26へ進むに従って、掃気(図示の例では主掃気
口からの掃気)の流入方向を鎖線から実線の方向へ排気
の波動に追従して変化させることができる。
同時に、前記カット形状部25の肉厚部に吹き下げ角γに
より、鎖線で示す初期の掃気を排気の下側へ送り込むこ
とができるので、掃気と排気との干渉を効果的に防止す
ることが可能となった。
こうして、上記配置構成によっても、排気をスムーズに
排出するとともに、該排気の流れを乱すことなくできる
だけ多くの新気で掃気を行なうことができ、充填効率ま
たは掃気効率の向上を図り得る2サイクルエンジンの排
気装置が得られた。
第11図は、第1図の排気装置における排気口8、9およ
び排気通路4、16のみを示すシリンダ1に直角方向の模
式的断面図であり、第12図は第11図中の線XII-XIIに沿
った模式的縦断面図であり、第13図の(A)〜(F)は
第11図および第12図中の各線A〜Fにおける排気通路4
の断面を示す図である。
本考案の上記実施例は、シリンダ1内に開口する主排気
口8の両側に補助排気口9を有する2サイクルエンジン
の排気装置において、第13図に示すごとく、前記主排気
口8および前記補助排気口9から排気管接続部(排気通
路4の外側端部)12までの排気通路(一部に補助通路16
を含む)4の形状構造は、前記シリンダ1に形成される
排気通路4の断面輪郭が連続的に偏平度が小さくなる楕
円状の断面形状を有する形状構造になっている。
このような排気通路の形状構造によれば、補助排気口9
からの排気を主排気口8からの排気とスムーズに合流さ
せることができる。
したがって、排気抵抗を減らして燃焼室7(第2図)か
らの排気をスムーズに排出させることができ、間接的に
掃気口10(図示の例では、主掃気口10および補助掃気口
11の総括名称)からの掃気効率を高めることができた。
したがって、このような排気通路の形状構造によって
も、排気をできるだけスムーズに排出するとともに、該
排気の流れを乱すことなくできるだけ多くの新気で掃気
を行なうことができ、充填効率または掃気効率の向上を
図り得る2サイクルエンジンの排気装置が得られた。
なお、上記排気通路の形状構造においては、断面輪郭が
楕円状であれば、種々の形状で実施できるものであり、
例えば、中心部の上縁および下縁の少なくとも一方に比
較的狭い範囲で直線部分を有する形状(長円など)、あ
るいは、上縁と下縁とで湾曲状態が異なる形状など、滑
らかに連続しかつ楕円に類似した輪郭であれば、これら
を適宜採用して実施できるものである。
第14図は、第13図の(A)〜(F)での各通路断面積S
の変化を例示する図表である。
本実施例においては、第14図に示すごとく、排気通路
(補助通路16を含む)の断面積は、排気口8、9から排
気管接続部12へ行くに従い、線型的に増加している。
しかし、この排気通路の断面積変化は、これに限られる
ものではなく、必要に応じて自由に選定することができ
る。
なお、以上の各実施例では、前記補助通路16の制御弁17
が開口位置にあり、補助排気口9からも排気される場合
を説明したが、本考案は、エンジン回転数に応じて(特
に、低速時)前記制御弁17を閉じ、補助排気口9から排
気を行なわない状態でも運転される2サイクルエンジン
の排気装置においても、同様に実施可能なものである。
〔考案の効果〕
以上の説明から明らかなごとく、請求項1の考案によれ
ば、シリンダ内に開口する主排気口の両側に補助排気口
を有する2サイクルエンジンの排気装置において、前記
主排気口の下縁を、中心部から両端へ行くに従い上死点
側へ行くように上反り状にし、前記補助排気口の下縁
を、前記主排気口から遠ざかるに従い上死点側へ行くよ
うに10度〜25度の角度で傾斜させるとともに前記主排気
口の下縁のほぼ延長線上に位置させる構成としたので、
新気および排気の流れをスムーズにして新気と排気の交
換を円滑に行うことができ、該排気の流れを乱すことな
くできるだけ多くの新気で掃気を行うことができ、充填
効率または掃気効率の向上を図り得る2サイクルエンジ
ンの排気装置が提供される。
請求項2の考案によれば、シリンダ内に開口する主排気
口の両側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排
気装置において、前記主排気口の下縁を、中心部から両
端へ行くに従い上死点側へ行くように上反り状にし、前
記補助排気口の下側に掃気口を設け、該掃気口の上縁の
行程位置と前記主排気口の両側垂直部の下端の行程位置
を略同じにする構成としたので、新気および排気の流れ
をスムーズにして新気と排気の交換を円滑に行うことが
でき、該排気の流れを乱すことなくできるだけ多くの新
気で掃気を行うことができ、充填効率または掃気効率の
向上を図り得る2サイクルエンジンの排気装置が提供さ
れる。
請求項3の考案によれば、シリンダ内に開口する主排気
口の両側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排
気装置において、前記主排気口の上縁を、中心部が最も
上死点側にあり、両側へ行くに従い下死点側へ行くよう
に下反り方向に傾斜させ、さらに、前記補助排気口の上
縁を、前記主排気口の上縁の略延長線上に位置するよう
に連続的に傾斜させる構成としたので、主排気口および
補助排気口から成る排気口の中心部で開き始めた後、徐
々に連続的に排気口面積を増加させることができ、通常
では反対側に掃気口が設けられることから、排気の流れ
を掃気口の略反対側から開始させて排気の流れをスムー
ズ化することができ、新気の吹き抜けを防止して充填効
率を向上させることができるという作用効果が得られ、
もって、新気および排気の流れをスムーズにして新気と
排気の交換を円滑に行うことができ、該排気の流れを乱
すことなくできるだけ多くの新気で掃気を行うことがで
き、充填効率または掃気効率の向上を図り得る2サイク
ルエンジンの排気装置が提供される。
請求項4の考案によれば、シリンダ内に開口する主排気
口の両側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排
気装置において、前記補助排気口の下縁を、前記主排気
口から遠ざかるに従い上死点側へ行くように傾斜させる
とともに、掃気口の主排気口側の上隅部を、前記補助排
気口の下縁と略平行なカット形状にすることにより、該
掃気口を該補助排気口の下側で前記主排気口に接近させ
て配置し、さらに、前記カット形状部の肉厚部に吹き下
げ角を設ける構成としたので、掃気口を主排気口に充分
に接近させ得ることから該掃気口の面積を充分に確保す
ることができ、掃気口の上隅部の吹き下げ角を設けるこ
とから、初期の掃気を排気の下側へ送り込むことにより
掃気と排気との干渉を防止または減少させることができ
るという作用効果が得られ、もって、新気および排気の
流れをスムーズにして新気と排気の交換を円滑に行うこ
とができ、該排気の流れを乱すことなくできるだけ多く
の新気で掃気を行うことができ、充填効率または掃気効
率の向上を図り得る2サイクルエンジンの排気装置が提
供される。
請求項5の考案によれば、シリンダ内に開口する主排気
口の両側に補助排気口を有する2サイクルエンジンの排
気装置において、前記主排気口および前記補助排気口か
ら排気管接続部まで、前記シリンダに形成される排気通
路の断面輪郭が連続的に偏平度が小さくなる楕円状の断
面形状を有している構成としたので、補助排気口からの
排気を主排気口からの排気とをスムーズに合流させ、排
気抵抗を減らして燃焼室からの排気をスムーズに排出さ
せることができ、間接的に掃気効率を高めることができ
るという作用効果が得られ、もって、新気および排気の
流れをスムーズにして新気と排気の交換を円滑に行うこ
とができ、該排気の流れを乱すことなくできるだけ多く
の新気で掃気を行うことができ、充填効率または掃気効
率の向上を図り得る2サイクルエンジンの排気装置が提
供される。
請求項6の考案によれば、請求項1〜請求項5のいずれ
かの構成に加えて、エンジン回転数が高いほど前記補助
排気口の開口面積が大きくなり、エンジン回転数が低い
ほど前記補助排気口の開口面積が小さくなるように、前
記補助排気口を開閉制御するための制御弁を有する構成
としたので、対応する請求項の考案による効果が得られ
る他に、回転数に見合った排気口面積を保持することが
でき、掃気効率または充填効率を全回転数領域において
更に高く維持することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本考案による2サイクルエンジンの排気装置の
一実施例を示す模式的水平断面図、第2図は第1図中の
線II-IIに沿った模式的縦断面図、第3図は第1図中の
線III-IIIに沿った模式的縦断面図、第4図は第1図の
排気装置の排気口および掃気口の配置を示すシリンダ内
面の展開図、第5図は第4図中の線V−Vに沿った部分
縦断面図、第6図は第4図中の線VI-VIに沿った部分縦
断面図、第7図は第4図中の線VII-VIIに沿った部分縦
断面図、第8図は第4図中の線VIII-VIIIに沿った部分
縦断面図、第9図は第1図の排気装置における排気およ
び掃気の流れ状態を示す模式的水平断面図、第10図は第
9図中の線X−Xに沿った模式的縦断面図、第11図は第
1図の排気装置の排気口および排気通路のみを示す模式
的水平断面図、第12図は第11図中の線XII-XIIに沿った
模式的縦断面図、第13図の(A)〜(F)は第12図中の
線A〜Fにおける排気通路の断面輪郭を示す模式図、第
14図は第13図の(A)〜(F)における断面積の変化状
態を示すグラフである。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙す
る。 1……シリンダ、2……ピストン、3……ピストンボ
ア、4……排気通路、5……掃気通路、7……燃焼室、
8……主排気口、9……補助排気口、10……掃気口(主
掃気口)、11……補助掃気口、12……排気管接続部(排
気通路の外側端部)、16……補助通路、17……補助通路
の開閉手段、25……カット形状(掃気口)、α……排気
の吹き下げ角度、β……掃気の吹き上げ角度、γ……カ
ット形状部の吹き下げ角度。

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内に開口する主排気口の両側に補
    助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置におい
    て、前記主排気口の下縁を、中心部から両端へ行くに従
    い上死点側へ行くように上反り状にし、前記補助排気口
    の下縁を、前記主排気口から遠ざかるに従い上死点側へ
    行くように10度〜25度の角度で傾斜させるとともに前記
    主排気口の下縁のほぼ延長線上に位置させることを特徴
    とする2サイクルエンジンの排気装置。
  2. 【請求項2】シリンダ内に開口する主排気口の両側に補
    助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置におい
    て、前記主排気口の下縁を、中心部から両端へ行くに従
    い上死点側へ行くように上反り状にし、前記補助排気口
    の下側に掃気口を設け、該掃気口の上縁の行程位置と前
    記主排気口の両側垂直部の下端の行程位置を略同じにす
    ることを特徴とする2サイクルエンジンの排気装置。
  3. 【請求項3】シリンダ内に開口する主排気口の両側に補
    助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置におい
    て、前記主排気口の上縁を、中心部が最も上死点側にあ
    り、両側へ行くに従い下死点側へ行くように下反り方向
    に傾斜させ、さらに、前記補助排気口の上縁を、前記主
    排気口の上縁の略延長線上に位置するように連続的に傾
    斜させることを特徴とする2サイクルエンジンの排気装
    置。
  4. 【請求項4】シリンダ内に開口する主排気口の両側に補
    助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置におい
    て、前記補助排気口の下縁を、前記主排気口から遠ざか
    るに従い上死点側へ行くように傾斜させるとともに、掃
    気口の主排気口側の上隅部を、前記補助排気口の下縁と
    略平行なカット形状にすることにより、該掃気口を該補
    助排気口の下側で前記主排気口に接近させて配置し、さ
    らに、前記カット形状部の肉厚部に吹き下げ角を設ける
    ことを特徴とする2サイクルエンジンの排気装置。
  5. 【請求項5】シリンダ内に開口する主排気口の両側に補
    助排気口を有する2サイクルエンジンの排気装置におい
    て、前記主排気口および前記補助排気口から排気管接続
    部まで、前記シリンダに形成される排気通路の断面輪郭
    が連続的に偏平度が小さくなる楕円状の断面形状を有し
    ていることを特徴とする2サイクルエンジンの排気装
    置。
  6. 【請求項6】エンジン回転数が高いほど前記補助排気口
    の開口面積が大きくなり、エンジン回転数が低いほど前
    記補助排気口の開口面積が小さくなるように、前記補助
    排気口を開閉制御するための制御弁を有することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の2サイクルエン
    ジンの排気装置。
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