JPH0740425Y2 - 車両用ヘッドアップ式表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は表示器の表示像を運転席の前方視野内に配設
された透光性反射板（ハーフミラー）に投影表示する車
両用ヘッドアップ式表示装置に関する。

【従来の技術】

従来の車両用ヘッドアップ式表示装置としては例えば第
５図に示すようなものがある。そして、この車両用ヘッ
ドアップ式表示装置は例えば第６図に示すように車両の
運転席側に設けられている。これは、運転席前方のイン
ストルメントパネル１内に上面に開口部２を有する本体
ケース３を埋設すると共に、この本体ケース３の内部に
は蛍光表示管またはブラウン管等の高輝度の表示器４
と、この表示器４からの表示像を反射させる平面鏡５と
が設けられている。また、前記インストルメントパネル
１の上方に位置するフロントガラス６の内側面にはハー
フミラー７が設けられ、表示器４の表示像を平面鏡５お
よびハーフミラー７で反射させてこのハーフミラー７で
車両前方の光量と共に表示器４による表示像を読み取る
ように構成したものである。 また、第４図において、８は輝度を高めるためのアップ
スイッチ、９は輝度を低めるためのダウンスイッチ、10
はクロックパルス発生器、11,12はアンドゲート、13は
クロックパルス発生器10からのクロックパルスを第１の
アップ／ダウンカウンタ14あるいは同一構成でカウント
スピードの異なる第２のアップ／ダウンカウンタ15へ択
一的に選択供給する切換回路、16は第１または第２のア
ップ／ダウンカウンタ14,15の計数出力（計数値）を択
一的に選択出力する切換回路、17は昼間用の調光特性お
よび夜間用の調光特性の各波形パルスを発生する波形発
生回路、18はこれら昼間用調光特性および夜間用調光特
性の波形データを記憶するメモリ回路、19は蛍光表示管
等の表示器４の調光駆動回路、20は切換回路13,16に切
換動作信号を与えるライティングスイッチで、このライ
ティングスイッチ20のオン・オフ状態に応じてメモリ回
路18に貯積されている波形データの調光特性のいずれか
を選択し、かつ第１および第２のアップ／ダウンカウン
タ14,15の計数値に応じて調光率に対応するデューティ
比のパルスを発生するものである。 次に動作について説明する。 まず、昼間のように自動車の車内が明るいときにはライ
ティングスイッチ20をオフにしておく。したがって、切
換回路13はライティングスイッチ20の出力によって第１
のアップ／ダウンカウンタ14を選択切換し、また切換回
路16は第１のアップ／ダウンカウンタ14の計数出力を選
択するように切換え動作し、さらに波形発生回路17はメ
モリ回路18から昼間用の調光特性の波形データを読出す
ように指令される。 その結果、アップスイッチ８またはダウンスイッチ９の
いずれか一方のオン操作に応じて第１のアップ／ダウン
カウンタ14はアップカウント動作またはダウンカウント
動作を行い、その計数値に応じた調光特性に基づくヂュ
ーティ比のパルスが波形発生回路17から出力し、調光駆
動回路12を介して表示器４に供給され、最適な輝度で表
示がなされる。 また、夜間のように周囲が暗いときにはライティングス
イッチ20をオンする。このときの出力によって切換回路
13は第２のアップ／ダウンカウンタ15を選択し、また切
換回路16は第２のアップ／ダウンカウンタ15の計数値を
選択出力し、さらに波形発生回路17はメモリ回路18から
夜間用の調光特性の波形データを読出すこととなる。 その結果、ライティングスイッチ20をオンした場合、ア
ップスイッチ８またはダウンスイッチ９のいずれか一方
のオン操作に応じて第２のアップ／ダウンカウンタ15は
アップカウント動作またはダウンカウント動作を実行
し、その計数値に応じて調光特性に基づくデューティ比
のパルスが波形発生回路17から出力し、調光駆動回路19
を介して表示器４に供給され、最適な輝度で表示がなさ
れる。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の車両用ヘッドアップ式
表示装置にあっては、周囲の輝度変化に対して手動調整
手段であるアップスイッチ８またはダウンスイッチ９に
よるマニュアル調整を行っていたので、アップスイッチ
８またはダウンスイッチ９によって指定した調光率の輝
度でしか表示せず、表示背景や周囲輝度が急に変化した
場合、表示輝度が明るすぎたり、また暗すぎたりしてそ
の都度調整する必要性が生じ、その操作が非常に煩雑で
あるという問題点があった。 この考案はこのような従来の問題点に着目してなされた
もので、表示背景や周囲輝度の急激な変化を自動的に検
知して表示輝度を自動調整するようにした車両用ヘッド
アップ式表示装置を得ることを目的とする。

【課題を解決するための手段】

この考案に係る車両用ヘッドアップ式表示装置は、車室
内インストメントパネル上面に設け、この受光素子の光
軸を表示像の結像方向に一致させる受光素子と、受光素
子の出力による外光強度信号、手動調光手段からの出力
による調光率指定信号、及び昼夜切り替えスイッチによ
る昼夜切り替え信号とにより調光率指定信号と外光強度
信号との差を演算するとともに、演算値に基づき調光率
指定段数に対する補正値を算出し、補正値に基づく調光
率信号を出力する補正回路と、補正回路からの調光率信
号と昼夜切り替え信号とに対応したパルス幅のパルス信
号を出力する波形発生回路と、波形発生回路からのパル
ス信号により表示器を駆動させる駆動回路とを備えたも
のである。

【作用】

この考案における車両用ヘッドアップ式表示装置は受光
素子を車室内インストメントパネル上面に設け、この受
光素子の光軸を表示像の結像方向に一致させ、補正回路
により受光素子の出力による外光強度信号、手動調光手
段からの出力による調光率指定信号、及び昼夜切り替え
スイッチによる昼夜切り替え信号とにより調光率指定信
号と外光強度信号との差を演算するとともに、演算値に
基づき調光率指定段数に対する補正値を算出し、補正値
に基づく調光率信号を出力し、駆動回路により補正回路
からの調光率信号と昼夜切り替え信号とに対応したパル
ス幅のパルス信号を出力する波形発生回路と、波形発生
回路からのパルス信号により表示器を駆動させることに
より表示輝度を自動調整するようにしたものである。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第１図はこの考案の一実施例を示すブロック図で、第１
図において第４図と同一または均等の構成部分には同一
符号を付して重複説明を省略する。 図において、21は調光率を指示するための調光用可変抵
抗器、22はこの調光用可変抵抗器21の出力電圧V_Aをデジ
タル量に変換するA/D変換器、23は表示背景の明るさを
検出する受光素子、24はこの受光素子23の出力レベルを
A/D変換器22の入力レベルにマッチングする増幅器で、
必要に応じてオペアンプ24aで電圧増幅している。そし
て、受光素子23と増幅器24とで表示像の明るさを制御す
る制御回路を構成する。25は調光モード選択用スイッ
チ、26は調光用可変抵抗器21よりの調光率信号と受光素
子23が検出する表示背景の明るさ検出信号（外光強度信
号）と調光モード選択用スイッチ25によって選択される
モード信号と必要に応じて入力されるライティングスイ
ッチ20よりの昼夜モード信号とが入力される補正回路
で、この補正回路26は表示器４の調光率を決定する。第
３図はヘッドアップ式表示装置の結像方向の外光を測光
する受光素子23の設定例を示す図である。 次に動作について説明する。 調光用可変抵抗器21により調光率が指示されることによ
りA/D変換器22には調光率指定信号である出力電圧V_Aが
取込まれ、バイナリーコードに変換される。増幅器24は
受光素子23の出力レベルをA/D変換器22の入力レベルに
マッチングするように必要に応じてオペアンプ24aで電
圧増幅し、A/D変換器22はオペアンプ24aの出力を取込ん
でバイナリーコードに変換する。この際、増幅器24はラ
イティングスイッチ20をオン・オフさせることにより増
幅率を切換える。すなわち、第２図に示すように増幅用
帰還抵抗R₁，R₂をアナログスイッチにより切換え、夜間
の信号レベルを確保している。 補正回路26はA/D変換器22よりボリューム変換データと
なる可変抵抗器21の調光率指定信号と、受光素子変換デ
ータとなる受光素子23の外光強度信号と、ライティング
スイッチ20よりの昼夜モード切換信号と、調光モード選
択用スイッチ25よりの調光モード指定信号とが入力され
る。すなわち、補正回路26は第４図に示すフローチャー
トより先ずステップST1においてA/D変換された可変抵抗
器15よりの調光率指定値を判断し、ステップST2におい
てA/D変換された受光素子23よりの外光強度値を判断
し、またステップST3においてライティングスイッチ20
の入力の有無、すなわち昼夜の別で増幅器24のゲインを
変え、受光素子23の外光強度値を補正する処理を行う。
次いで、ステップST4において調光モード選択用スイッ
チ25により指定されたモード、即ちマニュアルモード、
セミオートモード、フルオートモードのいずれかを選択
する切換えを行う。そして、ステップST4においてマニ
ュアルモードを選択することによりステップST5では外
光強度信号をキャンセルし、調光率指定信号をそのまま
調光率として補正回路26より出力する処理を行う。ま
た、ステップST4でフルオートモードを選択することに
よりステップST6はライティングスイッチ20の入力の有
無に基づいて補正された外光強度信号のみを調光率とし
て補正回路26より出力する処理を行う。さらに、ステッ
プST4でセミオートモードを選択することにより、ステ
ップST7において可変抵抗器21の調光率指定値と受光素
子23の外光強度値との差を演算し、ステップST8におい
て上記差に基づいて可変抵抗器15の指定段数に対する補
正値を演算する。次いで、ステップST9において補正値
に基づいて補正後の調光率を算出する。ステップST10で
は波形発生回路17に対してマニュアルモード・フルオー
トモード・セミオートモードのいずれかの補正後の調光
率を指定する処理を行う。しかるのち、波形発生回路17
は指定されたアドレスのPWMデータ（調光率）をメモリ
回路11より取込み、所定のPWM信号を発生する。波形発
生回路17は調光特性に基づくデューティ比のパルスを出
力し、調光駆動回路12を介して表示器４に供給され、最
適な輝度で表示がなされる。

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案によれば、その構成
を表示器（１）の表示像を運転席の前方視野内に配設さ
れた透光性反射板（７）に投影表示せしめてなる車両用
ヘッドアップ式表示装置において、車室内インストメン
トパネル上面に設け、この受光素子の光軸を表示像の結
像方向に一致させる受光素子と、受光素子の出力による
外光強度信号、手動調光手段からの出力による調光率指
定信号、及び昼夜切り替えスイッチによる昼夜切り替え
信号とにより調光率指定信号と外光強度信号との差を演
算するとともに、演算値に基ずき調光率指定段数に対す
る補正値を算出し、補正値に基ずく調光率信号を出力す
る補正回路と、補正回路からの調光率信号と昼夜切り替
え信号とに対応したパルス幅のパルス信号を出力する波
形発生回路と、波形発生回路からのパルス信号により表
示器を駆動させる駆動回路とを備え、前記表示器（４）
の表示像の明るさを制御してなることを特徴とする車両
用ヘッドアップ式表示装置としたため、急激な輝度変化
が生じても表示背景の明るさに応じた輝度が昼夜モード
で得られ、よって、常に確実に表示内容を確認できるも
のが得られるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る車両用ヘッドアップ式表示装置
の一実施例を示すブロック図、第２図は第１図の要部を
抽出して示す回路図、第３図は背景の明るさを測定する
受光素子の設置例を示す概略構成図、第４図はこの考案
の動作を説明するためのフローチャート、第５図は従来
の車両用ヘッドアップ式表示装置の一例を示すブロック
図、第６図は従来の車両用ヘッドアップ式表示装置の設
置例を示す概略構成図である。 ４……表示器、７……透光性反射板、23……受光素子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表示器（４）の表示像を運転席の前方視野
   内に配置された透光性反射板（７）に投影表示せしめて
   なる車両用ヘッドアップ式表示装置において、車室内イ
   ンストメントパネル上面に設けられ、光軸を前記表示像
   の結像方向に一致させる受光素子と、該受光素子の出力
   による外光強度信号、手動調光手段からの出力による調
   光率指定信号、及び昼夜切り替えスイッチによる昼夜切
   り替え信号とにより調光率指定信号と外光強度信号との
   差を演算するとともに、該演算値に基づき調光率指定段
   数に対する補正値を算出し、該補正値に基づく調光率信
   号を出力する補正回路と、該補正回路からの調光率信号
   と前記昼夜切り替え信号とに対応したパルス幅のパルス
   信号を出力する波形発生回路と、該波形発生回路からの
   パルス信号により表示器を駆動させる駆動回路とを備
   え、前記表示器（４）の表示像の明るさを制御してなる
   ことを特徴とする車両用ヘッドアップ式表示装置。