JPH0740390U - 自転車用変速操作装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 砂や水による故障が回避しやすい自転車用変
速操作装置を提供する。 【構成】 支軸８の基端側に巻き取り体９を取り付け、
先端側に変速レバー４，５を取り付けてある。巻き取り
体９と一体に回動する位置決め板２１、支軸８に固定し
た位置決め板２２、巻き取り体側の位置決め板２１を固
定側の位置決め板２２に係合するように摺動付勢する皿
ばね２３により、巻き取り体９を各変速位置に保持する
位置決め機構２０を構成してある。この位置決め機構２
０は巻き取り体９の組み付け凹入部９ａの内部に組み入
れ、砂や水が変速ケース６の内部に入りこんでも位置決
め機構２０に入り込みにくいように、巻き取り体９と変
速レバー４，５の基部４ａ，５ａとが位置決め機構２０
をカバーしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、変速ワイヤ用の巻き取り体を、原位置に復帰自在な第１変速レバー によってワイヤ巻き取り側に回動操作し、原位置に復帰自在な第２変速レバーに よってワイヤ繰り出し側に回動操作するように構成した自転車用変速操作装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記自転車用変速操作装置として、従来、たとえば特開平２−２６７０９４号 公報に示されるものがあった。 すなわち、複数本の支軸部分でなる支軸の一端側に変速レバーを揺動可能に取 り付け、支軸の他端側に巻き取り体を回動可能に取り付けるとともに、巻き取り 体の変速レバーとは反対側に位置決め機構を設けてある。変速レバーを原位置か ら一方側に揺動操作すると、巻き取り体は変速レバーにラチェット式連動機構と レバー連動体とによって連動しているために巻き取り側に回動して変速ワイヤを 巻き取り操作し、操作された所定の巻き取り位置を前記位置決め機構によって保 持する。変速レバーが所定の操作位置に達した後に変速レバーに対する操作を解 除すると、変速レバーはリターンばねの作用によって原位置に自動的に復帰する ようになっている。また、変速レバーを原位置から他方側に揺動操作すると、巻 き取り体は前記ラチェット式連動機構とレバー連動体とによる変速レバーとの連 動のために繰り出し側に回動して変速ワイヤを繰り出し操作し、操作された所定 の繰り出し位置を前記位置決め機構によって保持する。変速レバーが所定の操作 位置に達した後に変速レバーに対する操作を解除すると、変速レバーはリターン ばねの作用によって原位置に自動的に復帰するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来、巻き取り体や位置決め機構などをケースでカバーしても、ケースの変速 レバーが貫通している孔から砂ぼこりや水が入り込むとか、ケースが比較的簡単 なものであってケースとケース内機構との間に隙間ができ、この隙間から砂や水 などが入り込むと、位置決め機構にまで入り込む場合があった。また、位置決め 機構は固定側の位置決め部材が巻き取り体側の位置決め部材に係止するとか摩擦 制動することによって巻き取り体の位置決めを行うのが一般であることから、砂 や水が入り込むと、砂が詰まって巻き取り体が回動しなくなるとか、摩擦制動が 効きにくくなって巻き取り体が所定の操作位置に止まらないなどのトラブルが発 生することがあった。 本考案の目的は、砂や水がケース内に入り込んでも作動不良の発生を回避しや すいように改良することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による自転車用変速操作装置にあっては、目的達成のために、冒頭に記 したものにおいて、 前記巻き取り体を支軸の一端側に回動自在に取り付け、前記第１変速レバーの 基部および前記第２変速レバーの基部を前記支軸の他端側に回動自在に取り付け 、 前記巻き取り体に前記第１変速レバーおよび第２変速レバーの基部側に開口す る組み込み口を有する組み付け凹入部を備えるとともに、前記巻き取り体を各変 速位置に保持する位置決め機構を前記組み付け凹入部の内部に組み付け、 前記第１変速レバーおよび前記第２変速レバーの基部を前記組み込み口の近く に配置してあることを特徴とする。

【０００５】

【作用】

第１変速レバーおよび第２変速レバーの基部が前記組み込み口に対するカバー になり、砂や水がケース内に入り込んでも位置決め機構までは入り込みにくいよ うに、変速レバーの基部と巻き取り体とが位置決め機構をカバーする。

【０００６】

【考案の効果】

砂や水が位置決め機構まで入り込むことを巻き取り体と変速レバーのカバー作 用によって回避できることにより、砂や水がケース内に入り込んでも巻き取り体 の回動不能や位置決め不良などが発生することを回避して所望どおり変速操作で きるように信頼性の高いものにできた。

【０００７】

【実施例】

図１に示すように、自転車用のハンドルバー１にバンド部２ａによって締め付 け連結するように構成したレバーブラケット２に、ブレーキレバー３を揺動操作 可能に取り付けるとともに、２本の変速レバー４，５および変速ケース６などを 備える自転車用変速操作装置を取り付けて、自転車用の変速操作装置付きブレー キレバー装置を構成してある。

【０００８】 前記変速操作装置は図２に示すように、前記レバーブラケット２に取り付けボ ルト７によって回動不能に締め付け固定するように構成した支軸８、この支軸８ の基端側に取り付けた巻き取り体９、この巻き取り体９に形成した組み付け凹入 部９ａに組み込んである一対の位置決め板２１，２２などを備える位置決め機構 ２０、前記支軸８の先端側に取り付けた前記２本の変速レバー４，５および前記 変速ケース６、変速レバー４，５と巻き取り体９との間に配置して前記支軸８に 取り付けたカム部材１０、変速レバー４と５の一方の第１変速レバー４の基部４ ａに取り付けた第１送り爪３１を備える第１ラチェット機構３０、変速レバー４ と５の他方の第２変速レバー５の基部５ａに取り付けた第２送り爪４１を備える 第２ラチェット機構４０などでなり、詳しくはつぎの如く構成してある。

【０００９】 巻き取り体９は、支軸８に回動可能に外嵌しているとともに、自転車のフロン ト側またはリヤ側の変速装置（図示せず）からの変速ワイヤ１５のインナーワイ ヤ１５ａをワイヤ溝９ｂに沿わせて巻き取るように構成したドラム部を備えてお り、支軸８に対して正回転方向や逆回転方向に回動することにより、インナーワ イヤ１５ａを巻き取り操作したり、繰り出し操作する。

【００１０】 変速レバー４および５は、その基部４ａまたは５ａがブシュ１１ａまたは１１ ｂを介して支軸８に回動可能に外嵌していることにより、支軸８の軸芯まわりで 揺動操作できる。第１変速レバー４は、図２に示すように基部４ａのうちの前記 第１送り爪３１を支持している部分が前記カム部材１０の一部によって形成して ある第１ストッパー１０ａに当接する原位置Ｎ１にリターンばね１２ａによって 揺動付勢してある。第２変速レバー５は、図２に示すように基部５ａのうちの前 記第２送り爪４１を支持している部分が前記カム部材１０の一部によって形成し てある第２ストッパー１０ｂに当接する原位置Ｎ２にリターンばね１２ｂによっ て揺動付勢してある。

【００１１】 前記第１ラチェット機構３０は、巻き取り体９の外周面のうちの前記組み付け 凹入部９ａに対応する外周面部分に巻き取り体９の回動軸芯を中心として振り分 け配置して形成してある一対のラチェット３２，４２の一方の第１ラチェット３ ２と、第１変速レバー４の基部４ａから第１ラチェット３２の方に延設した第１ 爪支軸３３に回動自在に取り付けた前記第１送り爪３１とでなる。第１変速レバ ー４が原位置Ｎ１に位置していると、第１送り爪３１の爪先が前記カム部材１０ の備えている第１カム部１０ｃに乗り上がり、第１送り爪３１がカム部材１０の 第１カム部１０ｃによる押し外し操作のために第１ラチェット３２から外れて第 ２変速レバー５による巻き取り体９の回動操作を可能にしている。第１変速レバ ー４が原位置Ｎ１から操作方向Ｕに揺動する際、第１送り爪３１が第１カム部１ ０ｃから外れて第１爪ばね３４の付勢力による揺動操作のために第１ラチェット ３２の方に揺動し、第１ラチェット３２が備える複数個のラチェット歯のうちの いずれかに係合して第１変速レバー４と巻き取り体９とを一体回動するように連 結する。第１変速レバー４が所定の変速操作位置から原位置Ｎ１に揺動する際に は、第１送り爪３１が第１ラチェット３２のラチェット歯形状による押し操作の ために第１ラチェット３２との係合を自動的に解除する。したがって、第１ラチ ェット機構３０は、第１変速レバー４が原位置Ｎ１から変速操作位置に揺動する 際には、第１送り爪３１と第１ラチェット３２との係合によって第１変速レバー ４の回転力を巻き取り体９に伝達し、第１変速レバー４による巻き取り体９の巻 き取り回動操作を可能にする。そして、第１変速レバー４が変速操作位置から原 位置Ｎ１に揺動する際には、第１送り爪３１と第１ラチェット３２との係合を解 除して第１変速レバー４と巻き取り体９との相対回動を可能にし、巻き取り体９ を所定の変速位置に残して第１変速レバー４が原位置Ｎ１に復帰することを可能 にする。

【００１２】 前記第２ラチェット機構４０は、前記一対のラチェット３２，４２の他方の第２ ラチェット４２と、第２変速レバー５の基部５ａから第２ラチェット４２の方に 延設した第２爪支軸４３に回動自在に取り付けた前記第２送り爪４１とでなる。 第２変速レバー５が原位置Ｎ２に位置していると、第２送り爪４１の爪先が前記 カム部材１０の備えている第２カム部１０ｄに乗り上がり、第２送り爪４１がカ ム部材１０の第２カム部１０ｄによる押し外し操作のために第２ラチェット４２ から外れて第１変速レバー４による巻き取り体９の回動操作を可能にしている。 第２変速レバー５が原位置Ｎ２から操作方向Ｄに揺動する際、第２送り爪４１が 第２カム部１０ｄから外れて第２爪ばね４４の付勢力による揺動操作のために第 ２ラチェット４２の方に揺動し、第２ラチェット４２が備える複数個のラチェッ ト歯のうちのいずれかに係合して第２変速レバー５と巻き取り体９とを一体回動 するように連結する。そして、第２変速レバー５が所定の変速操作位置から原位 置Ｎ２に揺動する際には、第２送り爪４１が第２ラチェット４２のラチェット歯 形状による押し操作のために第２ラチェット４２との係合を自動的に解除する。 したがって、第２ラチェット機構４０は、第１変速レバー５が原位置Ｎ２から変 速操作位置に揺動する際には、第２送り爪４１と第２ラチェット４２との係合に よって第２変速レバー５の回転力を巻き取り体９に伝達し、第２変速レバー５に よる巻き取り体９の繰り出し回動操作を可能にする。そして、第２変速レバー５ が変速操作位置から原位置Ｎ２に揺動する際には、第２送り爪４１と第２ラチェ ット４２との係合を解除して第２変速レバー５と巻き取り体９との相対回動を可 能にし、巻き取り体９を所定の変速位置に残して第２変速レバー５が原位置Ｎ２ に復帰することを可能にする。

【００１３】 前記位置決め機構２０は、巻き取り体９の組み付け凹入部９ａの内部に配置し て支軸８に外嵌してある前記一対の位置決め板２１，２２、この位置決め板２１ と巻き取り体９のドラム部との間に配置して支軸８に外嵌してある一対の皿ばね ２３，２３でなり、前記組み付け凹入部９ａの内部に組み込んである。一対の位 置決め板２１と２２のうちの一方の位置決め板２１は、図４に示す如く中心部に 位置する円形の組み付け孔２１ａと外周囲に位置するスプライン突部２１ｂとを 備え、支軸８にこれの周方向にも軸芯方向にも摺動するように前記組み付け孔２ １ａによって外嵌し、巻き取り体９の前記組み付け凹入部９ａを形成している筒 状部９ｃに前記スプライン突部２１ｂによって一体回動のみ可能にスプライン係 合するようにして内嵌してある。すなわち、位置決め板２１は支軸８と巻き取り 体９のいずれに対しても巻き取り体９の回動軸芯に沿う方向に摺動でき、巻き取 り体９が回動する際に巻き取り体９とともに回動する。一対の位置決め板２１と ２２の他方の位置決め板２２は、図４に示す如きスプライン孔２２ａによって支 軸８に外嵌するとともにスプライン係合しており、かつ、締め付けナット２４に より間座部材２５を介して受け止め支持されていることにより、支軸８に回転も 摺動もしないように支持されている。皿ばね２３は、位置決め板２１を２２の方 に摺動付勢することにより、位置決め板２１の図４に示す如き複数本の突条２１ ｃが位置決め板２２の図４に示す如き複数本の凹入溝２２ｂに各別に入り込む係 合状態に位置決め板２１を操作する。位置決め板２１が前記係合状態になると、 位置決め板２２が２１を介して巻き取り体９に回り止め作用することにより、さ らに、皿ばね２３のばね力によって決まる設定力以上の操作力で巻き取り体９を 回動操作すると、位置決め板２１が皿ばね２３に抗して位置決め板２２から離れ る方に摺動して突条２１ｃが位置決め板２２の凹入溝２２ｂから抜け出た非係合 状態に切り換わって巻き取り体９の回動を可能する。したがって、位置決め機構 ２０は、前記設定力以上の操作力で巻き取り体９を回動操作することを可能にし 、かつ、位置決め板２１が前記非係合状態から前記係合状態に切り換わることに よって、巻き取り体９を各変速位置になったと位置決めするとともに、インナー ワイヤ１５ａを介して作用する変速装置の復元力に抗して各変速位置に保持する 。

【００１４】 つまり、第１変速レバー４を原位置Ｎ１から操作方向Ｕに揺動操作すると、第 １ラチェット機構３０がレバー操作力を位置決め機構２０の解除操作力および巻 き取り体９の回動操作力として伝達し、巻き取り体９が変速操作前の変速位置か ら巻き取り側に回動してインナーワイヤ１５ａを巻き取り操作する。第１変速レ バー４が変速操作位置に達すると、変速レバー４に対する操作を解除する。する と、巻き取り体９が変速目標の新たな変速位置になってインナーワイヤ１５ａの 所定長さの巻き取りを完了するとともに、位置決め板２１が非係合状態から係合 状態に切り換わって位置決め機構２０が巻き取り体９を新たな変速位置に保持し 、巻き取り体９がインナーワイヤ１５ａを所定の巻き取り状態に保持するととも に、第１変速レバー４がリターンばね１２ａによって原位置Ｎ１に自動的に復帰 する。 一方、第２変速レバー５を原位置Ｎ２から操作方向Ｄに揺動操作すると、第２ ラチェット機構４０がレバー操作力を位置決め機構２０の解除操作力および巻き 取り体９の回動操作力として伝達し、巻き取り体９が変速操作前の変速位置から 繰り出し側に回動してインナーワイヤ１５ａを繰り出し操作する。第２変速レバ ー５が変速操作位置に達すると、変速レバー５に対する操作を解除する。すると 、巻き取り体９が変速目標の新たな変速位置になってインナーワイヤ１５ａの所 定長さの繰り出しを完了するとともに、位置決め板２１が非係合状態から係合状 態に切り換わって位置決め機構２０が巻き取り体９を新たな変速位置に保持し、 巻き取り体９がインナーワイヤ１５ａを所定の繰り出し状態に保持するとともに 、第２変速レバー５がリターンばね１２ｂによって原位置Ｎ２に自動的に復帰す る。

【００１５】 前記カム部材１０は、前記組み付け凹入部９ａの変速レバー４および５の基部 ４ａや５ａに向かって開口する組み込み口１３の近くに配置してある。第１変速 レバー４の基部４ａ、および、第２変速レバー５の基部５ａは、前記組み込み口 １３を全体にわたって覆うように組み込み口１３より大きい図５または図６の如 き形状に形成して、前記組み込み口１３の近くに配置してある。これらと、前記 位置決め機構２０を組み付け凹入部９ａに組み込んであることとにより、砂ぼこ りや水が変速ケース６の内部に入り込んでも位置決め機構２０までは入り込みに くいように、巻き取り体９と、カム部材１０およびレバー基部４ａ，５ａが位置 決め機構２０をカバーす。この場合、レバー基部４ａ，５ａに組み込み口１３よ り大の大きさを備えると、レバー基部４ａ，５ａによる組み込み口１３のカバー が効果的にできることから有利であるが、レバー基部４ａ，５ａが組み込み口１ ３に比して小さめであっても、組み込み口１３の近く位置しているとカバー効果 を発揮することから、レバー基部４ａ，５ａを如何なる大きさに形成して実施し てもよ。

【００１６】 上記実施構造にあっては、ラチェット３２と４２とが巻き取り体９の前記組み 付け凹入部９ａに対応する外周面部分に位置し、第１送り爪３１を支持している 第１爪支軸３３、および、第２送り爪４１を支持している第２爪支軸４３がレバ ー基部４ａまたは５ａから巻き取り体９のラチェット３２および４２を備えてい る筒状部９ｃの方に延出していることから、ラチェット機構３０および４０の支 軸軸芯方向での配置レベルと、位置決め機構２０の支軸軸芯方向での配置レベル が同じになる。これにより、異なる配置レベルに配置するに比し、変速装置全体 の支軸軸芯方向での大きさが比較的小さいようにコンパクトになる。

【００１７】 さらに、第１ラチェット３２と第２ラチェット４２とが巻き取り体９の回動軸 芯を中心として巻き取り体９の直径方向に分散していることから、巻き取り体９ の同位相に位置する外周面部分に巻き取り体回動軸芯方向に並べて配置するに比 し、巻き取り体９の回転軸芯方向での長さが短くても両ラチェット３２，４２を 形成できる。したがって、この面からも、変速操作装置全体の支軸軸芯方向での 大きさが比較的小さいようにコンパクトになる。

【００１８】 前記支軸８において、図２に示すように、巻き取り体９の一端側を支持してい る第１支軸部分８ａよりも他端側を支持している第２支軸部分８ｂの方の外径が 小であり、この第２支軸部分８ｂよりも位置決め機構２０の位置決め板２１を支 持している第３支軸部分８ｃの方の外径が小であり、この第３支軸部分８ｃより もカ変速レバー４，５を支持している第４支軸部分８ｄの方の外径が小であるよ うに、支軸８の径を順次段階的に変化させてある。すなわち、巻き取り体９、位 置決め機構２０、カム部材１０、変速レバー４，５をこの順序で支軸８に外嵌し 、各部材が前記外径差によってできている各段部によって受け止め支持される取 り付け位置になると、その取り付け位置が所定の組み付け位置になるのであ。こ れにより、特別に組み付け位置調整をする手間を掛けないで能率よく組み立て作 業できる。

【００１９】 〔別実施例〕 図７は別実施構造を備える変速操作装置を示す。 すなわち、遊端側が二つの操作部分に別れた二股形状になった１本の変速レバ ー１４を揺動操作できるように、かつ、原位置に自動復帰するように構成して設 け、二つの操作部分の一方により、巻き取り体９を巻き取り側に回動操作する第 １変速レバー４を形成し、二つの操作部分の他方により、巻き取り体９を繰り出 し側に回動操作する第２変速レバー５を形成してある。すなわち、第１変速レバ ー４と第２変速レバー５とを同一の変速レバー１４によって形成してある。 このように、二つの操作部分を備える一つの変速レバーで巻き取り操作も繰り 出し操作も行うように構成する他、操作部分も一つである１本の変速レバーで 巻き取り操作も繰り出し操作も行うように構成して実施してもよい。

【００２０】 巻き取り体９の位置保持を可能にするに、上記実施例の如く係止手段によって 行う構成を採用する他、固定側の位置決め部材と巻き取り体側の位置決め部材と の摩擦によって行う手段を採用して実施してもよい。したがって、これらを単に 位置決め機構２０と総称する。

【００２１】 変速レバーの方を支軸の基端側に取り付け、巻き取り体の方を支軸の先端側に 取り付けて実施する場合にも本考案は適用できる。しったがって、支軸の基端側 を一端側と呼称し、先端側を他端側と呼称する。

【００２２】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】自転車用ブレーキレバー装置の底面図

【図２】変速操作装置の断面図

【図３】ラチェット機構の平面図

【図４】位置決め機構の分解状態での斜視図

【図５】第１変速レバーの平面図

【図６】第２変速レバーの平面図

【図７】別実施変速操作装置の底面図

【符号の説明】

４ 第１変速レバー ４ａ 基部 ５ 第２変速レバー ５ａ 基部 ８ 支軸 ９ 巻き取り体 ９ａ 組み付け凹入部 １０ カム部材 １３ 組み込み口 ２０ 位置決め機構 ３１，４１ 送り爪 ３２，４２ ラチェット ３３，４３ 軸 Ｎ１，Ｎ２ 原位置

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 変速ワイヤ用の巻き取り体（９）を、原
   位置（Ｎ１）に復帰自在な第１変速レバー（４）によっ
   てワイヤ巻き取り側に回動操作し、原位置（Ｎ２）に復
   帰自在な第２変速レバー（５）によってワイヤ繰り出し
   側に回動操作するように構成した自転車用変速操作装置
   であって、 前記巻き取り体（９）を支軸（８）の一端側に回動自在
   に取り付け、前記第１変速レバー（４）の基部（４ａ）
   および前記第２変速レバー（５）の基部（５ａ）を前記
   支軸（８）の他端側に回動自在に取り付け、 前記巻き取り体（９）に前記第１変速レバー（４）およ
   び第２変速レバー（５）の基部側に開口する組み込み口
   （１３）を有する組み付け凹入部（９ａ）を備えるとと
   もに、前記巻き取り体（９）を各変速位置に保持する位
   置決め機構（２０）を前記組み付け凹入部（９ａ）の内
   部に組み付け、 前記第１変速レバー（４）および前記第２変速レバー
   （５）の基部（４ａ），（５ａ）を前記組み込み口（１
   ３）の近くに配置してある自転車用変速操作装置。
2. 【請求項２】 前記第１変速レバー（４）および前記第
   ２変速レバー（５）の基部（４ａ），（５ａ）を前記組
   み込み口（１３）より大形状に形成してある請求項１記
   載の自転車用変速操作装置。
3. 【請求項３】 前記第１変速レバー（４）および前記第
   ２変速レバー（５）の回動力を前記巻き取り体（９）に
   伝達する送り爪（３１），（４１）を前記変速レバー
   （４），（５）に備え、前記第１変速レバー（４）およ
   び前記第２変速レバー（５）が前記原位置（Ｎ１），
   （Ｎ２）に位置決めする時に前記送り爪（３１），（４
   １）を前記巻き取り体（９）から外し操作するカム部材
   （１０）を前記第１変速レバー（４）および前記第２変
   速レバー（５）の基部（４ａ），（５ａ）と前記巻き取
   り体（９）との間に配置してある請求項２記載の自転車
   用変速操作装置。
4. 【請求項４】 前記巻き取り体（９）の外周面のうち、
   前記組み付け凹入部（９ａ）に対応する外周面部分に、
   前記第１変速レバー（４）の送り爪（３１）に係合して
   回転力を巻き取り体（９）に伝達する第１ラチェット
   （３２）と前記第２変速レバー（５）の送り爪（４１）
   に係合して回転力を巻き取り体（９）に伝達する第２ラ
   チェット（４２）とを設け、これら両ラチェット（３
   ２），（４２）を前記巻き取り体（９）の回動軸を中心
   として振り分け状に配設してある請求項３記載の自転車
   用変速操作装置。
5. 【請求項５】 前記両送り爪（３１），（４１）を第１
   変速レバー（４）と第２変速レバー（５）の基部（４
   ａ），（５ａ）から前記両ラチェット（３２），（４
   ２）方向に延設した軸（３３），（４３）に回動自在に
   取り付け、これら両送り爪（３１），（４１）の変速レ
   バー（４），（５）側の端部近傍に作用するように前記
   カム部材（１０）を配置して、このカム部材（１０）を
   前記支軸（８）に取り付けてある請求項４記載の自転車
   用変速操作装置。
6. 【請求項６】 前記支軸（８）の一端部が大径に、他端
   部が小径になるように、この支軸（８）の径を順次段階
   的に変化させ、前記巻き取り体（９）、位置決め機構
   （２０）、カム部材（１０）、変速レバー（４），
   （５）をこの順で前記支軸（８）の大径側から小径側へ
   配設して外嵌してある請求項５記載の自転車用変速操作
   装置。
7. 【請求項７】 前記第１変速レバー（４）と前記第２変
   速レバー（５）とが同一の変速レバーである請求項１か
   ら６のいずれかひとつに記載の自転車用変速操作装置。