JPH0740326A - コンクリート製品、その製造方法およびインサート - Google Patents

コンクリート製品、その製造方法およびインサート

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JPH0740326A
JPH0740326A JP13837794A JP13837794A JPH0740326A JP H0740326 A JPH0740326 A JP H0740326A JP 13837794 A JP13837794 A JP 13837794A JP 13837794 A JP13837794 A JP 13837794A JP H0740326 A JPH0740326 A JP H0740326A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート枡などのコンクリート製品を、
安全、確実に型枠から取り外すことが可能なコンクリー
ト製品およびその製造方法を提供し、型枠の損傷を防止
し、作業員の労力を低減する。 【構成】 コンクリート製の枡31をクレーン50によ
ってつり下げた状態で、コンクリート製品側の底面33
に用意された導入孔35から圧縮空気を導入する。これ
により、コンクリート枡31の内面を規定する内型枠4
0が徐々に降下し、内型枠40をスムーズに脱型でき
る。コンクリート製品側に空気を供給する経路を設けて
あるので、詰まりが発生することもなく、確実にスムー
ズな脱型作業を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工場あるいは現場など
にて、耐久性の型枠を用いて製造されるコンクリート製
品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14および図15に、ハンドホールな
どのコンクリート製の枡を製造する様子を示してある。
これらのコンクリート枡は、所定の寸法の規格品が用い
られ、工場あるいは現場にて埋設する前に予め作成され
る、いわゆるプレキャストコンクリート製品であること
が多い。従って、型枠も鉄板などによって形成されてお
り、繰り返し使用できるようになっている。
【0003】図14は、コンクリート枡の内面を規定す
る内型枠として、分解可能な型枠を用いて製造する様子
を示してある。台盤1の上に、外型枠2、および組み立
てられた内型枠3が設置される。内型枠3は、底面を規
定する底枠3aと、側面を規定する側枠3bとから構成
されており、さらに、側枠3bは、複数に分割されてい
る。そして、分割された側枠3bはターンバックル4で
接続されている。図14(a)に示すように、組み立て
られた内型枠3と外型枠2との間にコンクリート8が打
設され、枡10が製造される。
【0004】次に、図14(b)に示すように、内型枠
3、外型枠2および台盤1をコンクリート枡10から取
り外す作業が行われる。図14(b)においては、図1
4(a)で形成されたコンクリート枡10から、まず、
台盤1および外型枠2が取り外される。次いで、内型枠
3を取り外すために、うつ伏せ状態で形成されたコンク
リート枡10がクレーン等によって、反転させられる。
その後、ターンバックル4および底枠3aに取り付けら
れたフック5等を用いて内型枠3が分解され、コンクリ
ート枡10から取り外される。
【0005】このような型枠を用いた際は、内型枠3を
取り外すために、場合によっては、数トンになる重量の
大きなコンクリート枡10を反転させる作業が必要とな
る。さらに、コンクリート枡を製造する度に、内型枠を
分解し、また組み立てる作業が必要なる。
【0006】そこで、図15に示すような、側面6bが
テーパー状となった内型枠6を用いてコンクリート枡1
0を形成することも行われている。この場合は、側面6
bがテーパー状となっているので、コンクリート枡10
の底部に取り付けられたフック9を用いてコンクリート
枡10を持ち上げれば内型枠6を取り外すことができ
る。従って、コンクリート枡10を反転させる必要はな
く、また、内型枠を分解、組立する手間を省くことが可
能である。
【0007】このようなテーパー状とした型枠を用いた
場合であっても、内型枠がコンクリート枡に密着してい
るので、単にコンクリート枡10を持ち上げただけで
は、内型枠6を取り外すことは難しく、コンクリート枡
10を持ち上げた状態で、内型枠6をハンマー11で叩
くなどの衝撃を利用して取り外すことが多い。また、型
枠を取り外し易くするために、内型枠6の底枠6aに空
気穴を設ける方法も提案されている。この方法により、
脱型時に型枠に与えられる衝撃を軽減できる。また、さ
らに作業員の負荷や型枠への衝撃を軽減し、型枠に設け
るテーパーの度合いを少なくして体積効率の高いコンク
リート枡を製造できるように、上記のような型枠に設け
られた空気穴から圧縮空気を注入し、脱型時に下側から
空気圧によってコンクリート枡を押し上げる方法も開発
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】コンクリート枡と型枠
との境界面に圧縮空気を入れて、型枠とコンクリート製
品との密着を解除すれば、脱型は容易となり、脱型する
初期の段階で型枠への衝撃も減らすことができる。さら
に、型枠を外す際に、型枠とコンクリート製品との間が
真空状態となることもないので、一旦型枠とコンクリー
ト製品との密着が解除された後も型枠をスムーズに外せ
る。しかし、最初に圧縮空気の入るコンクリート製品と
型枠との隙間は微小なものであり、この隙間がスムーズ
に広がってコンクリート製品と型枠との境界面のかなり
の面積にわたって圧縮空気が入らないとコンクリート製
品を型枠に対して押し上げることはできない。従って、
隙間を広げるために型枠に衝撃を与えるなどの処置をな
お必要とする。
【0009】これに対し、コンクリート製品と型枠との
間にゴムマットなどを挟んで、そのゴムマットの下側の
型枠側から空気を導入し脱型当初に空気圧の作用する面
積を確保することも考えられる。しかし、コンクリート
製品と型枠との間の殆ど全て面をゴムマットで被わない
かぎり、コンクリートを打設する際にゴムマットと型枠
との隙間にコンクリートののろ(セメントペーストある
いはグラウト状となったセメント)が入り徐々に隙間が
埋まっていってしまう。型枠にコンクリートを打設した
のち、バイブレータなどで振動を加えると、狭い隙間に
も、のろのようなペースト状となったコンクリートが侵
入してしまう。型枠に形成された空気穴などから圧縮空
気を供給する場合は、のろが入り込んで圧縮空気を供給
できる隙間が小さくなると、圧縮空気によって型枠を押
し上げる力は殆ど期待できなくなる。
【0010】このような空気を供給する空気穴や、マッ
トと型枠との間をコンクリート製品を成形する度に清掃
すれば、上記のようなのろの詰まりに起因する問題の発
生頻度を低減できる。しかし、清掃するための手間がか
かり、清掃を繰り返しても耐久性の型枠は使用する度に
徐々にのろが隙間に蓄積され、隙間が減少し詰まり易く
なるので、圧縮空気による脱型がむずかしくなる。従っ
て、上記のような方法では、圧縮空気による効果をコン
スタントに活かした脱型作業はできず、時としてスムー
ズに脱型できたり、あるいは全く圧縮空気の効果は見ら
れなかったりで、従来と同様に振動などを与えないと脱
型できないこともある。安定した脱型作業が行えないの
では、工場における工程管理が難しくなり、いきおい作
業員に無理がかかることとなる。さらに、空気圧を利用
して安定した脱型作業ができないのでは、型枠に従来と
同様の比較的大きなテーパーを設けておく必要があった
り、分解可能な内型枠を使用せざるを得なくなることも
ある。
【0011】そこで、本発明においては、コンクリート
枡などのコンクリート製を製造する際に、圧縮空気など
の圧縮流体による脱型時の効果を安定して発揮させ、脱
型作業を短期間に簡単に行える製造方法、コンクリート
製品およびそれに適したインサートや型枠を提供するこ
とを目的としている。さらに、空気圧などを利用してテ
ーパーの少ない型枠でもいつもスムーズな脱型を可能と
し、容積効率の良いコンクリート製品を供給できる製造
方法などを提供することも目的としている。さらに、耐
久性の型枠に無理な衝撃を与えずに脱型作業を行えるよ
うにして型枠に損傷を防止し、型枠の寿命を延ばすこと
も目的としている。また、コンクリート製品の製造に係
る作業員の労力を低減し、作業効率を向上させ、安価な
コンクリート製品を提供ることも目的としている。
【0012】また、シンプルな構造の型枠を用いて上記
のような製造方法を使用可能とし、故障の原因をできる
かぎり省き、安定した効率の良い作業を行えるようにす
ることで、作業員の負担を低減することも目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、まず、発明の耐久性の型枠を用いた
コンクリート製品の製造方法において、型枠内で硬化す
るコンクリート製品の内部に圧縮された流体を供給可能
な経路を形成する硬化工程と、型枠を外す際に、この経
路を通って、型枠とコンクリート製品の界面に圧縮流体
を導入する脱型工程を採用するようにしている。
【0014】このような製造方法によって、コンクリー
ト製品側に圧縮空気などの圧縮された流体を供給する経
路を設けておけば、脱型時に型枠とコンクリート製品の
境界に圧縮された流体を導入し、型枠からコンクリート
をスムーズに剥離できる。型枠ではなく、コンクリート
製品側に圧縮流体を供給する経路を形成すれば、通常型
枠、特に脱型時に問題となる内型枠に対してコンクリー
ト製品は上方に位置することになる。このため、コンク
リート製品の製造中に発生するのろが流体の経路に流れ
込むことは少なく、のろによって経路が詰まることはな
い。
【0015】さらに、コンクリート製品側に経路を設け
るようにしておけば、コンクリート製品を製造する度に
流体の経路を新たに形成することになる。従って、流体
を供給する経路にのろが蓄積されることはなく、常に新
しい経路を用いて流体を供給できるので、安定して圧縮
空気などを用いた脱型作業を行える。このため、型枠の
テーパーの度合いを小さくしても良く、容積効率の良い
コンクリート製品を効率良く、安定して製造することが
できる。また、脱型作業の初期に振動などのショックを
型枠に与える必要もなく、型枠の寿命も延ばすことがで
き、作業員の負荷も軽減できる。さらに、圧縮流体を供
給する経路は常に更新されるので、この経路の清掃する
手間も省くことができる。
【0016】さらに、コンクリート製品側に圧縮流体の
経路を用意しておけば、このコンクリート製品は、その
内面を規定する内型枠の上方に成形される。従って、脱
型工程に先立って、コンクリート製品の下側となる内型
枠をコンクリート製品と共に吊り上げれば、内型枠の自
量がコンクリート製品から剥離する方向に働く。このた
め、脱型時の初期に圧縮流体を供給できる内型枠とコン
クリート製品との隙間の面積が小さく、圧縮流体だけで
は剥離する力が弱い場合であっても、内型枠の自量との
相乗効果によって隙間が広がり、圧縮流体の圧力を有効
に用いてスムーズな脱型作業を行える。また、このよう
な方法を採用すれば、内型枠はコンクリート製品から下
方に外れ、製造されたコンクリート製品はそのままつり
下げた状態で搬送できるので、脱型作業と搬送作業を一
連の流れとして行えるメリットもある。
【0017】このような経路をコンクリート製品内に形
成するには、コンクリート製品にパイプなどの管路を埋
設すれば良い。例えば、両端の開いた略筒状のインサー
トを予め型枠の表面に設置し、コンクリート製品を貫通
するように埋設すれば良い。特に、筒状のコンクリート
製品であって、底面、あるいは上面を有するコンクリー
ト製品の場合は、底面、あるいは上面に上記のようなイ
ンサートを埋設しておけばよい。このような形状のコン
クリート製品を規定する内型枠の外側にコンクリート製
品は成形されるので、内型枠の内側からではなく、コン
クリート製品に埋設されたインサートを用いて外側から
圧縮空気などの流体を型枠との界面に供給できる。従っ
て、圧縮空気の供給源となるホースの着脱を外側から行
えるので、作業は簡単であり、複雑な機構も必要としな
い。もちろん、筒型に限らず、U字溝などの形状でも同
様であり、上記のようなインサートなどによって、コン
クリート製品と型枠との境界に圧縮流体を導けるように
しておけば、製造される際に外側に露出するコンクリー
ト製品側から圧縮流体を供給できるので、脱型作業は簡
単に、また、安定して行える。
【0018】このような流体導入経路は、紙スリーブな
どによりコンクリート自体を用いて形成することも可能
である。また、プラスチックなどの樹脂製、あるいは金
属製のコンクリート製品を貫通し、略筒状で両端の開い
たインサートを埋設することによって形成できる。もち
ろん、インサートの内部は、脱型後にコンクリートなど
を詰めてしまっても良い。
【0019】なお、圧縮された流体としては、水のよう
な液体を用いることも可能であるが、膨張率や工場など
における取り扱いやすさを考慮すると気体が望ましく、
圧縮空気が便利である。
【0020】また、圧縮空気源などとの接続や、型枠へ
の設定、仕舞い、さらに、圧縮空気などを型枠との隙間
へ導く形状などを考慮すると、プラスチック、塩化ビニ
ル、その他の樹脂などの素材によって予め所定の形状に
成形されたインサートを埋設して、流体の経路を形成す
ることが望ましい。例えば、インサートの型枠に向かっ
て設定される端部を第1の端部とした場合、この第1の
端部にフランジ面を設けて型枠に接触させておくことが
望ましい。フランジ面は、略筒状のインサート本体に対
し外側に広がった面、あるいは空間を形成できるもので
あれば良い。このフランジ面を型枠の表面に接しておけ
ば、インサート本体を単に型枠に接触させた場合と比較
し、型枠との接触面積を大きくすることができる。その
結果、圧縮空気等を導入した初期に圧力の働く面積を大
きくできるので、型枠との剥離をスムーズに行える。ま
た、コンクリートののろをシールする面積も増えるの
で、その点でも圧縮された流体の入り込む隙間を増やす
ことができる。さらに、このフランジ面はインサートの
設定状態を安定させる機能も備えている。
【0021】また、インサートの第1の端部と対峙する
第2の端部を、圧縮された流体の供給源を接続し、固定
できるようにすることも可能である。外部から供給され
る圧縮流体の供給源となるフレキシブルホースなどを手
でもってインサートに設定しても良いが、供給源をイン
サートに固定できれば安全であり、また、作業員1人で
コンクリート製品を吊り下げる作業などを同時に、しか
も安全に行える。もちろん、ボンベなどを固定できるも
のであっても良い。
【0022】ホースなどを着脱する手段としては、ホー
スの先端に突起を設け、インサートの第2の端部に挿入
して所定の角度旋回させると結合するタイプのものが着
脱を考えると便利である。そして、着脱を行える角度を
支持する突起などを第2の端部に設けておけば、ホース
等の着脱を確実に行え、ホースが結合されていないのに
圧縮空気を供給してしまうような事態を未然に防止でき
る。
【0023】さらに、これら第1および第2の端部の少
なくともいずれかに、ボルトや目地、あるいはキャップ
といったインサートを閉塞する手段を取付け可能とする
こともできる。現場にてコンクリート製品を埋設する際
に、土砂や地下水の進入を防止できることが望ましいか
らである。コンクリートを注入してインサートを詰めて
ももちろん良く、あるいは、他のコンクリート製品でイ
ンサートをカバーしても良い。コンクリート製品が底部
を有する枡の場合は、このインサートをコンクリート製
品内部で発生したドレンの排出口などの水抜きとして兼
用することも可能である。
【0024】このようなインサートの長さと、コンクリ
ート製品の壁厚とが完全に一致しない場合もある。その
ような際は、コンクリートの壁面から飛びだしたインサ
ートの端部が押されてインサートがコンクリート製品か
ら外れてしまう可能性もある。このため、インサート本
体の外周面に突出した部分を設け、インサートとコンク
リート製品との付着力を高めても良い。また、この突出
した部分をフランジ状にインサート本体の外周面に回
し、水止め板としての機能を持たしても良い。
【0025】コンクリート製品の壁厚はさまざまであ
り、その各々に対応した長さのインサートを用意してお
いてももちろん良いが、薄い壁厚に対応したインサート
と、これの第2の端部に接続可能な延長用のインサート
を用意しておいても良い。壁厚に対応して1つまたは2
以上の延長用のインサートを接続すれば、1つのベース
となる基のインサートと、延長用のインサートの2種類
を用意するだけで、さまざまな壁厚のコンクリート製品
に対応できる。これによって、工場での在庫管理の省力
化や、インサートの製造コストの低減を図れる。
【0026】なお、延長用のインサートの結合用の端部
と反対側に圧縮流体の供給源と接続できる口を設けてお
けば、延長用のインサートを重ね合わせた状態で上記の
ような安全な作業を行える。また、延長用のインサート
の接続口の側に着脱の角度を指示する手段を設けておく
ことが望ましい。
【0027】このようなインサートは、インサートの内
部を通って流体が供給できるように型枠に設置しなけれ
ばならない。そこで、本発明に係るインサートの内面の
少なくとも1部に、型枠から突出した略柱状の支持部材
を挟み込んでインサートを保持できる突起を設けるよう
にしている。このインサートを用いれば、型枠の支持部
材とインサートから突出した突起との間の隙間を形成で
きるので、この隙間を介して圧縮された流体を型枠とイ
ンサートとの界面に導ける。
【0028】また、逆に、型枠の表面から、略筒状のイ
ンサートをはめ込みできるように突出した略柱状の支持
部材の外周側面を、その一部がインサートの内面を圧迫
するように外周方向に広げても良い。これによってもイ
ンサートの内部に流体を導く隙間をもうけることができ
る。
【0029】さらに、型枠の表面にネジ穴を設け、この
ネジ穴に対し表面と反対側の型枠の裏面に耐圧性のボッ
クスを形成しても良い。インサートを貫通するよう型枠
の表面側から挿入したボルトをネジ穴に通しインサート
を固定したのち、コンクリートを打設してコンクリート
製品を形成する。そして、ボルトを取外してからインサ
ートの内部に流体を導入すれば、ネジ穴の反対側には耐
圧性のボックスがあるので、流体は漏れずにインサート
と型枠との境界面に供給される。耐圧性のボックスには
コンクリートののろが漏れることがあるので掃除用の開
閉部を設けておいても良い。
【0030】
【実施例】以下に図面を参照して、本発明に係る実施例
を説明する。
【0031】図1および図2に、本発明に係るコンクリ
ート製品として、電線を埋設する際などに用いられるコ
ンクリート製のハンドホールを示してある。このハンド
ホール20は、地面に埋設される略直方体のコンクリー
ト成形物であり、電線を埋設するルートの始点、終点お
よびコーナーなどに埋設して、ハンドホール20の壁を
貫通して設置される埋設電線管を介して電線を布設する
ことができるようになっている。本例のハンドホール2
0は、上下2つの部分、すなわち、上部21と下部31
とから形成してある。ハンドホール20の上部21は、
下方が開放端となった方形の筒形であり、4方の側面2
2と上面23とから形成してある。上面23には、手あ
るいは人の出入りが可能なように開口部24と、製造時
に空気を導入するための導入孔25とを形成してある。
この導入孔25は、上面23を構成するコンクリートの
壁を貫通するように形成してある。本例では、導入孔2
5を形成するために、PVC(塩化ビニル)製の小口径
のパイプを用いたインサート26をコンクリート壁に埋
設してある。
【0032】下部31は上部が開放端となった方形の筒
形であり、4方の側面32と底面33とから形成してあ
る。底面33には、進入した地下水などを回収するため
の凹み34を形成してある。さらに、凹み34の略中央
に、凹み34に溜まった地下水などのドレインを排出す
る機能と、製造時に空気を導入する機能とを併せ持つ導
入孔35を形成してある。この導入孔35は、上面に形
成された導入孔25と同様に、底面33を構成するコン
クリート壁を貫通するように形成してある。底面33に
形成された導入孔35も、PVC製の小口径のパイプを
用いてインサート36をコンクリート壁に埋め込んで形
成してある。さらに、この導入孔35には、埋設時の地
下水レベルが高い時に備えて、止水ボルト37が設置で
きるようになっている。なお、ハンドホール20などの
底面に排水用の貫通孔を設けて、地下水レベルによって
貫通孔を開け閉める技術については、本願出願人による
実用新案登録出願平4−43805「地中線ボックス」
に詳しく開示してある。すなわち、地下水レベルが高い
場合は地下水の侵入を防止するためにインサート36を
塞ぐ必要があるが、地下水レベルが低い場合はインサー
ト36を開けたままとすることで、ハンドホール内で発
生したドレンを自動的に排出させることができる。
【0033】図3ないし図7に、本例のハンドホール2
0の製造方法を示してある。なお、上部21、下部31
も製造方法は同様であるので、以下においては下部31
について説明する。先ず、図3に示すように台盤1の上
に、直方体の内型枠40を置き、その外側に外型枠2を
組み立てる。内型枠40の上面41には、下部31の凹
みを形成するために内型枠40の上方にあたる表面の方
向になだらかに出た凸部42を形成してある。これらの
型枠は、耐久性を持たせるために鉄板で構成してあり、
同じ形状のコンクリート製品を繰り返し製造できる。
【0034】凸部42の略中央にネジ穴60を形成して
あり、内型枠40の下方にあたる裏面側に耐圧ボックス
61を形成してある。耐圧ボックス61は、下方は円錐
状となった全体として円柱状のパイプで構成してある。
円錐部の先端はボルト62で密閉してあり、ボックス6
1の型枠側の耐圧が保てるようになっている。このボル
ト62は、耐圧ボックス61の内部に侵入したコンクリ
ートののろを排除できるように取り付けてある。
【0035】導入孔35を構成するインサート36を、
ネジ孔60の上に設置し、インサート36の上方から長
いボルト65を挿入する。このボルト65はインサート
36を貫通したのち、ネジ孔60で固定する。これによ
ってインサート36を型枠40に固定できるようになっ
ている。
【0036】次に、図4に示すように、台盤1、外型枠
2および内型枠40によって構成された空間に、コンク
リート8を打設し、下部31を製造する。この際、下部
31の底面33の裏面38に吊り用のフック39を埋設
する。この吊りフック39は、後述する型枠を取り外す
際に用いられるものである。また、吊りフック39はこ
のコンクリート製品を運搬するためにも用いることがで
き、不要となった場合は容易に切断できる。
【0037】コンクリート8を型枠の間に注入する際、
インサート36の内部にコンクリート8が入らないよう
に注意する必要がある。本例のインサート36は、ボル
ト65によって内型枠40の外側から設定してあるの
で、インサート36の上方の開口がボルト65の頭によ
って塞がれた状態で型枠に設定してある。従って、イン
サート36の内部へはコンクリート8が入ることはない
ので、作業中にインサート内部へコンクリートが入らな
いような注意をはらうことはなく、コンクリートの注入
作業を素早く、確実に行える。さらに、内型枠40に対
し、インサート36が上側となるように設定されるの
で、バイブレータなどを駆けてもインサート36の内部
にのろが侵入し、インサート36の内部に溜まるような
ことはない。従って、後述するように、脱型時に圧縮空
気の導入口となるインサート36が詰まることはなく、
安定した脱型作業を行える。
【0038】コンクリートの打設を終了し、養生期間が
経過したのち、図5に示すように、インサート36を内
型枠40に設定してあったボルト65を抜く。そして、
インサート36に圧縮空気を供給するためのホース45
を接続する。このホース45は、圧縮空気源46に接続
されており、略8気圧の圧縮空気が必要に応じて供給で
きるようになっている。また、ホース45を接続するの
と前後して、外型枠2を取外し、吊りフック39にクレ
ーン50を装着する。
【0039】ホース45が接続され、外型枠2が取り外
されたハンドホール10の下部31を、図6に示すよう
にクレーン50で持ち上げ、台盤1から分離する。そし
て、インサート36によって形成された導入孔35へ、
圧縮空気源46から圧縮空気を供給する。導入孔35へ
供給された圧縮空気は、ネジ孔60を通って耐圧ボック
ス51に達するが、耐圧ボックス51から空気は漏れな
いので、導入孔35内部の圧力は上昇する。
【0040】図7に示すように、導入孔35内の圧力が
上昇すると、耐圧ボックス51の壁面およびインサート
36の内部に露出した内型枠40の表面に空気圧が作用
し、内型枠40からコンクリート製品である下部31が
剥離する。インサート36と内型枠40との間の微小な
隙間にも空気は侵入すると考えられ、この隙間の圧力が
上昇すると剥離はいっそう進む。剥離が進むと隙間はさ
らに広がり、内型枠40とコンクリート製の下部31と
の分離がスムーズに行われる。本例のインサート36で
は、初期に空気圧の働く面積を確保するために型枠に接
触する側36aの口径を大きくしてある。さらに、口径
を大きくすることで端部36aの周囲で型枠に接触する
面積が広くなっているので、型枠との間に隙間を生じさ
せ易くしてある。
【0041】さらに、本例では、空気を内型枠40とコ
ンクリート製の下部31との界面に導入する際に、内型
枠40をコンクリート製品の下となるようにつり下げて
いる。このため、脱型初期に内型枠40の自量も型枠4
0をコンクリート製の下部31から剥離する方向に働
く。従って、型枠とコンクリート製品との間に隙間が広
がり易く、広がった隙間に空気圧が作用するので、スム
ーズな脱型作業を行える。また、内型枠40は自重によ
ってコンクリート製の下部31の内部と接触しながら徐
々に降下するので、降下速度は非常に緩やかであり、急
激に落下することはなく安全である。また、降下が開始
する場合も、衝撃などはなく、クレーンが振動すること
もない。従って、本例においては、ホース45を予め導
入孔35に予め接続しているが、ホース45を作業員が
手で導入孔35に固定することも可能である。しかし、
予めホース45を固定できるようにしておけば、作業員
はクレーンと空気の供給を制御するだけで脱型作業を行
えるので、1人でも良く、作業の省力化と効率化を図れ
る。
【0042】さらに、内型枠の外れたコンクリート製の
下部31は、クレーンでつり下げたまま所定の場所に搬
出できるので、脱型から搬出を一連の作業で行える。従
って、作業効率は非常に良い。
【0043】また、このような方法で脱型作業を行え
ば、型枠にハンマーなどによって強制的に衝撃を与える
必要はない。もちろん、内型枠40も供給された空気に
よってピストンのように押し下げられているだけなの
で、型枠自体やコンクリート製品に余分な応力が発生す
ることもない。従って、本例の製造方法を採用しても耐
久性の型枠やコンクリート製品に補強等を設ける必要は
なく、従来以上に耐久性の型枠の寿命をのばせるメリッ
トもある。また、ハンマーなどを振るう必要もないの
で、作業員の労力は非常に軽減され、作業効率の向上を
図ることができる。
【0044】このように、本例では、コンクリート製品
側から型枠との界面に空気を導入しているので、型枠、
特に脱型時に問題となる内型枠に対して上方に空気を導
入する経路を設定できる。従って、コンクリート製品の
製造中に発生するのろが流体の経路に流れ込むことは少
なく、のろによって経路が詰まることはない。さらに、
コンクリート製品に埋設されるインサートは、その都度
新しくなるので、のろが蓄積されることはなく、安定し
て圧縮空気を供給でき、確実な脱型作業を行える。この
ため、型枠のテーパーの度合いを小さくしても良く、容
積効率の良いコンクリート製品を効率良く、安定して製
造することができる。このように圧縮流体を供給する経
路は常に更新されるので、この経路の清掃する手間も省
ける。
【0045】もちろん、本例の製造方法では、従来の内
型枠を分解して外すようなコンクリート製品を反転させ
る作業は不要であり、作業員の負荷を軽減できると同時
に安全である。また、内型枠の分解、組み立ての手間を
省き、精度の良い型枠を使用できる。さらに、内型枠か
ら空気を導入する際に必要な開閉装置のような機構を設
ける必要はないので、型枠はシンプルであり、故障など
が発生する恐れもない。
【0046】また、この導入孔をドレインの排出孔とし
て用いれることは上述した通りである。図8には図7に
示した導入孔35近傍を拡大して示してある。本例の導
入孔35は、小口径のPVC製のパイプを用いてインサ
ート36によって形成されている。このインサート36
は、一方の端部が広いソケット状のものが用いられてい
る。広い端部は底面33の内部、すなわち、凹み34に
面して設置されており、その端部の内面には、止水ネジ
37がねじ込み可能なように雌ねじ36aが形成されて
いる。一方、底面33の裏面38に面した端部には、突
起36bが形成されている。この突起36bと、圧縮空
気を供給するホース45の先端に用意された突起47と
がかみ合わされ、ホース45が空気導入孔35に固定で
きるようになっている。従って、この導入孔35をその
まま排水孔として用いることができ、排水孔として用い
ない場合は、止水ボルト37を設置すれば良い。一方、
製造過程において圧縮空気を導入する際は、ホース45
を突起36bを用いて固定することができるので、型枠
を取り外すための作業員は、クレーンの操作に集中する
ことができる。従って、作業員一人でも型枠を取り外す
作業を行える。
【0047】図9に、異なるインサートの例を示してあ
る。このインサート70は、上端71および下端72が
開いたプラスチック製の略円筒状であって、上端71の
内部には雌ねじ73がきってある。また、下端72は外
周側に広がっており、その先端に型枠の表面と接触する
フランジ面74を形成してある。インサート70の外周
面には、その略中央に外周面を取り巻くように鍔75を
形成してある。また、インサート70の内面には、中央
に向かって突出した3つの突起76を形成してある。こ
れらの突起76は、内周に沿って略等間隔に形成してあ
る。
【0048】図10に、このインサート70を型枠40
に設定してコンクリート製品を製造した状態を示してあ
る。型枠40のネジ孔60には、先端78が円柱状とな
ったボルト77を挿入してある。そして、この先端78
にインサート70を挿入すると、プラスチック製で弾性
を有する突起76がボルト77の先端78を押圧し、イ
ンサート70を型枠40に固定できる。突起76はイン
サート70の内面から部分的に突出してだけなので、イ
ンサート70の内面とボルト77の先端78との間に、
圧縮空気を導ける隙間79を確保できる。インサート7
0は、その下端72を型枠40の表面に向けて挿入し、
フランジ面74を型枠40の表面に接触させることによ
り、コンクリートがインサート70の内部に侵入するこ
とを防止できる。
【0049】脱型する一連の工程は、図5ないし7に基
づき説明したと同様であり、まず、インサート70に用
意してある雌ねじ71を用いて、圧縮空気を供給するホ
ース45の先端を連結する。このホース45から圧縮空
気を導入すれば、圧縮空気が隙間79を通って型枠40
の表面を圧迫する。そして、フランジ面74と型枠40
との隙間を介して空気がコンクリート面33と型枠との
境界面に侵入し、スムーズな脱型作業ができる。型枠4
0をコンクリート33と共に吊り下げておけば、フラン
ジ面74と型枠40との間に隙間ができやすいので脱型
が容易となることは上述した通りである。
【0050】また、本例のインサート70は、外周面に
設けてある鍔75によって、コンクリート壁33に対す
る抜け止め防止と、止水の機能を持たしてある。コンク
リート壁33の壁厚がインサート70の長さと前後する
ことによって、インサート70がコンクリート壁33か
ら飛びだすことがある。しかし、本例のインサートのよ
うに鍔75を設けて埋設しておけば、コンクリート壁3
3を地面に下ろしたときにインサート70のコンクリー
ト壁33から飛びだした部分が地面に押されてもインサ
ート70がコンクリート壁から外れてしまうような問題
は起きない。抜け防止のためには、上記のような鍔状の
突起に限らず、コンクリート壁に埋設されたときに付着
力を高められる形状、例えば円柱状の突起などであって
ももちろん良い。
【0051】さらに、インサート70に用意してある雌
ねじ71は、空気を導入するホース45を取り外したの
ち、上述したように、埋設される状況に応じて止水ボル
ト37を取り付けて塞いでも良い。
【0052】図11に、図9および図10と逆にインサ
ートを固定するボルト側を突出させた例を示してある。
本例のインサート80は、上記のインサートと同様に、
上端81に雌ねじ83が形成してあり、下端82に広が
ったフランジ面84を形成してある。そして、型枠40
のネジ孔60にインサート80を固定するボルト87を
設定してある。本例のボルト87は、先端88に外側に
広がった3つの突起86を用意してあり、これによって
インサート80の内面を圧迫して固定できるようになっ
ている。従って、本例のインサートおよびボルトを用い
ても上記と同様に圧縮空気の導入できる隙間89を確保
できる。
【0053】図12および図13に、コンクリート製品
側から圧縮空気を供給するのに適したインサートの異な
る例を示してある。本例のインサート90は、基のイン
サート91と、この基のインサート91の長さを延長す
るインサート92を組み合わせてある。そして、基のイ
ンサート91のみでも、あるいは1または2以上の延長
用のインサート92を組み合わせた状態でも同等の機能
を発揮できるようになっている。従って、図13に示す
ように、コンクリート壁33の薄いときは、基のインサ
ート91のみを埋設すれば良く、コンクリート壁33が
厚くなれば、その厚みに応じて1または2以上の延長用
のインサート92を組み合わせて埋設すれば良いように
なっている。このため、コンクリート製品を製造する現
場、あるいは工場には、基のインサート91と複数の延
長用のインサート92の2種類のインサートを予め用意
しておくだけで様々な壁厚のコンクリート製品に対応で
きる。
【0054】このインサート90は、図3ないし図8で
説明した方法と同じ使用方法で用いることができるイン
サートであり、型枠への設置方法や、圧縮空気を用いて
脱型する方法の説明は省略する。基のインサート91お
よび92は共に全体は筒状で、ABSなどのプラスチッ
クの成形品である。型枠40と接触する基のインサート
91の端93はフランジ状に開いており、初期に圧縮空
気が型枠40に当たる面積を確保すると同時に、型枠4
0とコンクリート壁33との間に隙間を生じ易くさせ、
発生した隙間に空気を導き易いようにしてある。そし
て、フランジ状の端93から逆の端94に向かって若干
口径の広い筒状の部分95が形成されており、その内面
に雌ねじ96を形成してある。従って、型枠40から取
り外した後に、現場などでインサートと同様にプラスチ
ック等で成形された止水用のボルト37をねじ込み、イ
ンサート90を塞げるようになっている。
【0055】この筒状の部分95の外周面には、鍔状に
広がった部分97を成形してあり、インサート90をコ
ンクリート壁33に固定すると同時に、インサート90
の外壁を伝わって水道ができるのを防止している。筒状
の部分95から先端94に向かってやや口径の狭い筒状
の部分98が伸びており、その先端94は圧縮空気を供
給するホース45の先端47を差込み固定できるように
なっている。本例のホースの先端47には、180度方
向に2つの突起47aが飛びだしており、インサートの
先端94の内部に用意された突起94aと噛み合うよう
になっている。すなわち、ホースの先端47をインサー
トの先端94の内部に、突起47aおよび94aが衝突
しない角度で挿入し、挿入しおわった段階でいずれかの
方向に旋回すると、突起47aおよび94aが噛み合っ
てホース45がインサート90から外れないようになっ
ている。
【0056】さらに、インサートの先端94の外周に
は、ホース45を挿入可能な角度を示す2つの凸部99
が180度方向に形成してある。この凸部99はインサ
ート90が埋設されてもコンクリート壁33から見える
ようになっているので、作業員は、ホースの先端の突起
47aをこの凸部99に合わせて挿入すれば、ホース4
5をインサートに挿入し、結合できる。このように、本
例のインサート90を埋設しておけば、作業員がホース
の先端の形状を一々確かめながら接続する手間を省いて
効率的な作業を行える。
【0057】延長用のインサート92は、基のインサー
ト91の先端94と接続できる結合用の端部100と、
基のインサートの先端94と同じ構成の先端101とを
備えている。従って、基のインサート91に延長用のイ
ンサート92を1つあるいは複数組み合わせても上記と
同様に簡単にホース45を接続し、また、取り外しでき
る。結合用の端100は、基のインサート91の先端9
4の外周面と接触しながら挿入できる程度の内径の筒状
であり、この筒状の側面の180度方向を外側に延ばし
て、基のインサートの先端94から外側に伸びた2つの
凸部99をはめ込みできる部分103を形成してある。
延長用のインサート92の先端101は、基のインサー
ト91の先端94と同じ形状なので、延長用のインサー
ト92に別の延長用のインサート92をさらに重ねて、
さまざまな長さのインサートを組み立てできる。
【0058】このように本例のインサート90は、少な
い種類のインサートで様々な壁厚のコンクリート壁を貫
通する導入孔を形成できるので、本例で開示しているよ
うなコンクリート製品側に空気の経路を設けて脱型作業
に用いる製造方法に好適なインサートである。さらに、
本例のインサートは、ホースのつなぎ込みを簡単にでき
るようなホースを着脱できる角度も示す機能や、上述し
たような多くの機能を備えているので、脱型時の作業が
いっそう容易となる。
【0059】なお、以上の例においては、閉鎖された底
面を有するハンドホールの下部を例にとって説明してい
るが、開口部を備えたハンドホールの上部においても同
様に圧縮空気を用いて内型枠を取り外すことができる。
また、圧縮空気の経路も、底面に限定されることはな
く、側面に用意することもでき、経路の数量も1つに限
定されない。さらに、コンクリートの成形品は、方形の
ハンドホールに限定されることはなく、円筒状であって
も良い。また、上記の製造方法が、集水枡やU字溝など
の他のコンクリート成形品においても同様に適用可能で
あることはもちろんである。さらに、内型枠を取り外す
際に限定されず、同様の方法でインサート等を設置すれ
ば外型枠を取り外すために圧縮空気を用いることも可能
である。
【0060】また、圧縮空気に替わり、窒素などの他の
気体、あるいは流体を用いることも可能である。そし
て、経路を形成するインサートも、PVCや他のプラス
チック製のインサートに限定されるものではなく、金属
製のインサートであっても勿論良い。さらに、紙スリー
ブなどを用いてコンクリートに空気を導入する経路を構
成することも可能である。
【0061】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るコ
ンクリート製品、およびその製造方法を用いれば、工場
などにおいて、圧縮空気等を用いて安全、確実に、ま
た、簡単に脱型作業を行える。従って、作業員の労力を
大幅に軽減でき、型枠の損傷を防止し、型枠の寿命を延
ばすことができる。さらに、確実でスムーズに脱型でき
るので、テーパーの度合いの少ない型枠を用いることも
可能であり、容積効率の良いコンクリート製品を提供で
きる。また、製造効率も良く、製造期間の短縮も図れる
ので、安価に品質の良いコンクリート製品を提供でき
る。
【0062】型枠自体の構造もシンプルなものでよく、
脱型を行うために複雑な機構を動作させる必要はないの
で、故障などにより作業が中断することもない。このよ
うな点でも、作業の効率の向上を図ることができ、修理
などに費やす作業員の余分な負担もなくせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るハンドホールの概要を、
一部透かして示す斜視図である。
【図2】図1に示すハンドホールの構造を示す断面図で
ある。
【図3】図1に示すハンドホールの下部を製造する工程
の内、型枠を組み立てる様子を示す断面図である。
【図4】図1に示すハンドホールの下部を製造する工程
の内、型枠にコンクリートを打設する様子を示す断面図
である。
【図5】図1に示すハンドホールの下部を製造する工程
の内、圧縮空気源を接続する様子を示す断面図である。
【図6】図1に示すハンドホールの下部を製造する工程
の内、下部をつり下げる様子を示す断面図である。
【図7】図1に示すハンドホールの下部を製造する工程
の内、圧縮空気を用いて内型枠を取り外す様子を示す断
面図である。
【図8】図1に示すハンドホールの下部に設置された導
入孔の詳細を示す拡大図である。
【図9】本発明に係る異なるインサートの実施例を示す
断面図(a)および平面図(b)である。
【図10】図9に示すインサートを用いてコンクリート
壁を製造した状態を示す断面図である。
【図11】本発明に係る異なるインサートおよび型枠の
実施例を示す断面図(a)および平面図(b)である。
【図12】本発明に係るさらに異なるインサートの概要
を示す分解斜視図である。
【図13】図12に示すインサートの構造を示す断面図
である。
【図14】従来の組み立てて使用する内型枠を用いてコ
ンクリート枡を製造する様子を示す断面図である。
【図15】従来のテーパー状の内型枠を用いてコンクリ
ート枡を製造する様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・台盤 2・・外型枠 3・・内型枠 8・・工場コンクリート 10・・コンクリート枡 20・・ハンドホール 21・・ハンドホールの上部 22、32・・側面 23・・上面 25、35・・導入孔 26、36・・PVC製のパイプを用いたインサート 31・・ハンドホールの下部 33・・底面 34・・凹み 37・・止水ボルト 40・・内型枠 45・・圧縮空気用のホース 46・・圧縮空気源 50・・クレーン 60・・インサートを設定するためのネジ孔 61・・耐圧性のボックス 70,80・・インサート 71、81・・インサートの上端 72、82・・インサートの下端 73、83・・雌ねじ 74、84・・フランジ面 75、85・・鍔 76・・インサートの内面から突出した突起 77、87・・インサートを固定するためのボルト 86・・ボルトの外面から突出した突起 79、89・・圧縮空気を導ける隙間 91・・基のインサート 92・・延長用のインサート 99・・ホースの着脱角度を示す凸部

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐久性の型枠を用いたコンクリート製品
    の製造方法において、 前記型枠内で硬化する前記コンクリート製品の内部に、
    圧縮された流体を供給可能な経路を形成する硬化工程
    と、 前記型枠を外す際に、前記経路を通って、該型枠と前記
    コンクリート製品の界面に圧縮流体を導入する脱型工程
    とを有することを特徴とするコンクリート製品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記型枠は、前記コ
    ンクリート製品の内面を規定する内型枠であって、前記
    脱型工程に先立って、前記内型枠を前記コンクリート製
    品の下として前記コンクリート製品と共に吊り上げる吊
    上工程を有することを特徴とするコンクリート製品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記硬化工程は、前
    記コンクリート製品を貫通する略筒状のインサートを前
    記型枠の表面に設定する工程と、前記インサートの設定
    された前記型枠にコンクリートを注入する工程とを有す
    ることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記圧縮流体は、圧縮された気体であることを特徴とす
    るコンクリート製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐久性の型枠を用いて成形されたコンク
    リート製品において、このコンクリート製品を貫通し、
    圧縮された流体を供給可能な流体経路を有することを特
    徴とするコンクリート製品。
  6. 【請求項6】 外面あるいは内面の少なくとも1部が耐
    久性の型枠を用いて成形されたコンクリート製品におい
    て、 このコンクリート製品の内部を通って前記外面および内
    面の少なくともいずれかへ圧縮された流体を供給可能な
    流体経路を有することを特徴とするコンクリート製品。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、前記コンク
    リート製品は筒状で、開放された1端と、この一端と対
    峙する他端とを有し、この他端の少なくとも1部には壁
    面が形成されており、 前記流体経路は、前記壁面を貫通していることを特徴と
    するコンクリート製品。
  8. 【請求項8】 耐久性の型枠を用いて成形されたコンク
    リート製品において、前記コンクリート製品を貫通し、
    圧縮された流体を導入する管路となるように埋設された
    略筒状のインサートを有することを特徴とするコンクリ
    ート製品。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記インサートは前
    記型枠に向かって設定される第1の端部と、この第1の
    端部と対峙する第2の端部とを有しており、前記第1の
    端部に前記型枠と接するフランジ面を備えていることを
    特徴とするコンクリート製品。
  10. 【請求項10】 請求項8において、前記インサートは
    前記型枠に向かって設定される第1の端部と、この第1
    の端部と対峙する第2の端部とを有しており、前記第2
    の端部は、前記圧縮された流体の供給源を接続し、固定
    可能であることを特徴とするコンクリート製品。
  11. 【請求項11】 請求項8において、前記インサートは
    前記型枠に向かって設定される第1の端部と、この第1
    の端部と対峙する第2の端部とを有しており、これら第
    1および第2の端部の少なくともいずれかに、前記イン
    サートを閉塞する手段を取付け可能であることを特徴と
    するコンクリート製品。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記コンクリー
    ト製品は底部を有する枡であり、前記インサートは水抜
    きを兼ねて前記底部に埋設されていることを特徴とする
    コンクリート製品。
  13. 【請求項13】 請求項8ないし11のいずれかに記載
    のインサート。
  14. 【請求項14】 型枠に設定された状態でコンクリート
    製品に埋設され、このコンクリート製品を貫通し、圧縮
    された流体を供給する管路を形成可能なインサートであ
    って、略筒型の本体を有し、この本体の外周面の少なく
    とも1部に外側に広がった部分が形成されていることを
    特徴とするインサート。
  15. 【請求項15】 型枠に設定された状態でコンクリート
    製品に埋設され、このコンクリート製品を貫通し、圧縮
    された流体を供給する管路を形成可能な略筒状のインサ
    ートであって、前記型枠に向かって設定される第1の端
    部と、この第1の端部と対峙する第2の端部とを有し、 この第2の端部は、前記圧縮された流体の供給源の接続
    口を所定の角度で着脱可能な手段と、前記所定の角度を
    指示する手段と備えていることを特徴とするインサー
    ト。
  16. 【請求項16】 型枠に設定された状態でコンクリート
    製品に埋設され、このコンクリート製品を貫通し、圧縮
    された流体を供給する管路を形成可能な略筒状の延長用
    インサートであって、前記型枠に向かって設定される第
    1の端部およびこの第1の端部と対峙した第2の端部を
    有する基のインサートの前記第2の端部へ差込みできる
    結合用の端部を有することを特徴とする延長用インサー
    ト。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記結合用の端
    部と対峙する端部に前記圧縮された流体の供給源の接続
    口を所定の角度で着脱可能な手段と、前記所定の角度を
    指示する手段と備えていることを特徴とする延長用イン
    サート。
  18. 【請求項18】 型枠に設定された状態でコンクリート
    製品に埋設され、このコンクリート製品を貫通し、圧縮
    された流体を供給する管路を形成可能な略筒状のインサ
    ートであって、このインサートの内面の少なくとも1部
    に、前記型枠から突出した略柱状の支持部材を挟み込ん
    で前記インサートを固定可能な突起を有することを特徴
    とするインサート。
  19. 【請求項19】 コンクリート製品を製造する耐久性の
    型枠であって、この型枠の表面から突出した略柱状の支
    持部材を有し、この支持部材の外周側面の一部が略筒状
    のインサートの内面を圧迫するように前に支持部材の外
    周方向に伸びていることを特徴とする耐久性の型枠。
  20. 【請求項20】 コンクリート製品の製造用の耐久性の
    型枠であって、前記コンクリート製品を成形する前記型
    枠の表面に形成されたネジ穴と、このネジ穴に対し前記
    表面と反対側の前記型枠の裏面に形成された耐圧性のボ
    ックスとを有することを特徴とする耐久性の型枠。
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