JPH0739860Y2 - 物品の定数供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンベアによって連続的に搬送されてきた物
品を一時停止させて所定個数毎に送り出す物品の定数供
給装置に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば、缶、壜等の物品を箱詰めする場合には、コンベ
アによって連続的に搬送されてきた物品を、各箱内に収
容する個数毎にグループ分けする必要があり、従来から
箱詰め機等の物品処理装置の入口部には、コンベア上を
搬送されてきた物品を所定個数毎に送り出すために、後
続の物品を一時停止させるための停止装置が設けられて
いる。

特開昭48-40162号公報、特公昭61-43250号公報等に示さ
れた装置では、コンベアの前方に固定したプレートを設
け、後方から押されてきたプレート上の物品を上方に設
けた押え部材によって押えつけることにより、その物品
を一時停止させるようになっている。また、コンベアの
側方に回転する円板を配置し、この円板の外周に形成さ
れた係合部に物品を係合させて停止させるロータリスト
ッパや、コンベア上に爪を突出させ、物品をこの爪に引
っ掛けることにより停止させる爪式ストッパ等も従来か
ら用いられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記公報に記載された装置では、固定プレート上で停止
させるため、再び搬送を開始する場合に、後方のコンベ
アによって搬送される物品に押されて前進するので不安
定であった。また、ロータリストッパを用いたものは、
各コンベアの側部に回転円板を配置するため、コンベア
の列数が３列以上になると、コンベアを含めた搬送部の
横幅が極めて大きくなってしまうという問題があった。
さらに、爪式ストッパを用いたものは、プラスチック容
器等の軟弱な物品を傷つけてしまうという欠点があっ
た。しかも、物品を一時停止させることにより、このコ
ンベアの下流側へ所定数の物品を供給する場合に、これ
ら物品の数やサイズが変った場合には対応することがで
きないという問題があった。

本考案は、上記欠点を除くためになされたもので、コン
ベア外の固定プレートを使わず、搬送される物品をその
コンベア上で停止させることができ、しかも、大型化す
ることなく、また搬送物品を傷つけるおそれもなく、そ
の上、コンベアの下流側へ供給する物品の数や、物品の
サイズ等が変った場合にも容易に対応することができる
物品の定数供給装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る物品の定数供給装置は、平行に配置された
複数列の搬送手段から成るコンベアと、各搬送手段間に
配置され、昇降して搬送面上に出没可能な複数のストッ
パと、これら各ストッパにそれぞれ設けられ、そのスト
ッパを独立して昇降させる昇降手段と、ストッパをコン
ベアの進行方向に向かって進退動させる移動手段と、各
ストッパの上方に配置され、上昇したストッパとの間に
物品を挟持する押えパッドと、この押えパッドをコンベ
アの進行方向に向かって進退動させる移動手段と、各ス
トッパ毎に設けられ、コンベア上を搬送される物品を検
知するセンサと、上記ストッパおよび押えパッドよりも
下流側に設けられた物品停止手段とを備え、各センサが
所定個数の物品を検知したときにそのセンサに対応する
ストッパを上昇させるようにしたものである。

〔作用〕

本考案に係る物品の定数供給装置は、コンベア上を複数
列で搬送されている物品を、各ストッパ毎に設けられて
いるセンサによってそれぞれの列の物品数をカウント
し、所定個数に達した列のストッパを単独で上昇させ、
その列の物品をコンベアから浮き上がらせて固定パッド
との間に挟持させることにより、その物品をコンベア上
で停止させる。しかも、ストッパと上方の押えパッドと
をコンベアの進行方向へ移動させることができるので、
後続の物品を停止させることにより下流側へ送り出す物
品の数を自由に変更することができ、また、物品のサイ
ズが異なる場合にも容易に対応することができる。

〔実施例〕

以下、図示実施例により本考案を説明する。第１図は、
本考案の一実施例に係る物品の定数供給装置の右側面
図、第２図および第３図は、上記装置の下部側に設けら
れたストッパの正面図および平面図、第４図および第５
図は、上記装置の上部側に設けられた押えパッドの正面
図および平面図であり、ストッパと押えパッドは、ほぼ
上下に向かい合う位置にセットされる。

図において、（２）は多数の容器（４）を複数列で連続
的に図示矢印方向に搬送するコンベアである。このコン
ベア（２）は、それぞれの間に隙間をあけて平行に配設
された複数本のコンベアチェーン（2a）から成ってい
る。このコンベア（２）上には、容器（４）の大きさに
応じて間隔調整が可能なガイド（６）が配置されてい
る。

各コンベアチェーン（2a）の間には、下方側からコンベ
ア（２）の面上に出没可能なストッパ（８）が設けられ
ている。これら各ストッパ（８）は、細長い板体から成
り、その下面側に２本のロッド（10）が固定され、これ
らロッド（10）がフレーム（12）の下面に固定されたガ
イド筒（14）内に摺動自在に嵌合している。また、これ
らストッパ（８）は、両ガイド筒（14）間に固定された
エアシリンダ（16）のピストンロッド（16a）に連結さ
れており、各ストッパ（８）が独立して昇降できるよう
になっている。なお、第１図の位置にガイド（６）を配
置した場合には、左側から1,3,5,7番目のストッパ
（８）がそれらのほぼ真上を通る容器（４）を押し上げ
るが、他の2,4,6番目のストッパ（８）も容器のサイズ
に応じて使用されるようになっている。

上記エアシリンダ（16）およびガイド筒（14）が固定さ
れているフレーム（12）の両側にはスライドブロック
（18）が取付けられ、これらスライドロッド（18）が、
コンベア（２）の両側に平行に配置された一対のガイド
ロッド（20）に摺動自在に嵌合している。

フレーム（12）のコンベア（２）進行方向前方側の端部
下面には、ねじブロック（22）が固定されている。ま
た、コンベア（２）の下方には、コンベア（２）の前後
方向に延びるねじ軸（24）が回転可能に配置されてお
り、このねじ軸（24）に上記ねじブロック（22）が螺合
している。ねじ軸（24）の一端にはカサ歯車（26）が取
付けられ、コンベア（２）と直交する方向に配置された
回転軸（28）に固定されているカサ歯車（30）に噛合っ
ている。従って、回転軸（28）を回転させると、この回
転がカサ歯車（30），（26）を介してねじ軸（24）に伝
えられ、ねじ軸（24）が回転することによって上記スト
ッパ（８）を支持しているフレーム（12）がコンベア
（２）の進行方向の前後に移動する。

コンベア（２）の上方には、コンベア（２）の進行方向
に沿って延びる複数本の押えパッド（32）が設けられて
いる。これら各押えパッド（32）は、容器（４）の頭部
に当接するウレタンゴム等のパッド（32a）とこのパッ
ド（32a）が取付けられたパッドホルダ（32b）とから成
っており、コンベア（２）上を横断するガイドロッド
（34）を介して上部フレーム（36）に支持されている。
各押えパッド（32）は、クランプレバー（38）を操作し
てガイドロッド（34）上を移動させることができ、容器
のサイズに応じてそれぞれの間隔を調節することが可能
である。また、押えパッド（32）の側部には、コンベア
（２）上を搬送される容器（４）を検出するセンサ（3
9）が設けられている。

上記上部フレーム（36）の下部両側にはスライドロッド
（40）が固定されており、これらスライドロッド（40）
が下部フレーム（42）上に固定されたベアリング（44）
に摺動自在に嵌合している。下部フレーム（42）の上方
には、ブラケット（46）を介してねじ軸（48）が回転可
能に支持されている。このねじ軸（48）には、上記上部
フレーム（36）上に固定されたねじブロック（50）が螺
合しており、ハンドル（52）によってねじ軸（48）を回
転させることにより、上部フレーム（36）が下部フレー
ム（42）に対して前後に移動できるようになっている。

押えパッド（32）が取付けられた上部フレーム（36）を
支持している下部フレーム（42）は、コンベア（２）の
両側に直立する４本のラック（54）上に固定されてい
る。これらラック（54）は、それぞれ上下２個の支持筒
（56）によって上下動可能に支持されており、コンベア
（２）に沿って配置された回転軸（58）に固定されたピ
ニオン（60）に噛合っている。回転軸（58）の端部には
ウォームホイール（62）が固定され、このウォームホイ
ール（62）が、コンベア（２）の下方を横切って配置さ
れた駆動軸（64）に固定されているウォーム（66）に噛
合っている。従って、駆動軸（64）の端部に設けられた
ハンドル（68）によって駆動軸（64）を回転すると、ウ
ォーム（66）およびウォームホイール（62）を介して回
転軸（58）が回転され、この回転軸（58）に固定された
ピニオン（60）の回転によってラック（54）が昇降す
る。

以上の構成に係る搬送物品の停止装置では、先ず、容器
（４）のサイズ、あるいは、下流側の容器処理装置に一
度に供給する容器（４）の本数等の条件に応じて、下部
のストッパ（８）と上部の押えパッド（32）の位置を調
節する。

ストッパ（８）は、回転軸（28）を回転することによ
り、コンベア（２）前後方向の位置を調節する。例え
ば、第７図に示すように大型の容器（104）の場合に
は、ケーサ（箱詰め機）等の容器処理装置の停止爪（下
流側の物品停止手段）（106）によって停止させて同時
に処理する容器（104）（この図では一列に５本）のう
ち最後尾の容器（104a）に対して所定距離だけ後方に位
置するようにストッパ（８）を後退位置に移動する。こ
れに対し、第８図のように小型容器（204）の場合に
は、停止爪（106）に停止された一群の容器（204）の再
後尾のもの（204a）との距離が所定の大きさになるよう
にストッパ（８）を前進させる。

一方、上方の押えパッド（32）は、容器（４）の径に応
じ、クランプレバー（38）を操作してその相互の間隔を
調節する。さらに、容器（４）の高さに応じ、ハンドル
（68）によって駆動軸（64）を回転させてラック（54）
を上下動させ、容器（４）の高さより僅かに上方に位置
するように押えパッド（32）の高さを決める。また、ハ
ンドル（52）によってねじ軸（48）を回転させて押えパ
ッド（32）の前後の位置を決める。この位置は、上述し
たストッパ（８）と同様に、容器（４）のサイズおよび
一度に処理される容器（４）の数等によって決められ、
ストッパ（８）と上下に向かい合うようになっている。

本実施例装置は、上記のようにストッパ（８）と押えパ
ッド（32）の位置を調整した後、以下のように作動す
る。すなわち、コンベア（２）上を複数列で連続的に搬
送されてきた容器（４）を、各列の容器検出センサ（3
9）がそれぞれカウントし、所定数に達すると、これら
センサ（39）からの信号によって各エアシリンダ（16）
を作動させてストッパ（８）をコンベア（２）の搬送面
よりも上方へ突出させる。これらのストッパ（８）によ
って押上げられた後続の容器（４）は、コンベア（２）
から浮いた状態でストッパ（８）と押えパッド（32）と
の間に挟持されて停止する。なお、各列の容器（４）が
それぞれの容器検出センサ（39）を通過するタイミング
がずれていても、各ストッパ（８）は各列毎に単独で昇
降するので、下流側の容器処理装置に供給される本数に
過不足が生ずることはない。

このように容器（４）を上下から押さえつけて停止させ
るため、プラスチック等の軟質容器でも傷つくおそれが
ない。また、コンベア（２）の搬送列数を多くしても装
置全体の横幅が大型化することもない。しかも、容器
（４）をコンベア（２）から浮かせて停止させるため、
コンベア（２）を回転させ続けることができるので、直
ちに次の搬送を開始することができる。また、種々の形
状、寸法の容器に兼用する場合にも、特別のアタッチメ
ント等を必要とせず、ストッパ（８）と押えパッド（3
2）の位置を調節することにより容易に対応することが
できる。

なお、上記容器はプラスチック製に限らず、ガラス壜等
その他の材質のものであってもよい。また、容器類に限
らず、箱等の物品に適用することもできる。

〔考案の効果〕 以上述べたように本考案によれば、コンベア上の物品を
ストッパで押し挙げて上方の押えパッドとの間に挟持す
ることにより停止させるようにした物品の停止装置をコ
ンベアの進行方向に進退動可能にしたことにより、コン
ベアの下流側の物品停止手段まで送り込む物品の数やサ
イズを変更した場合にも容易に対応することができ兼用
性が向上する。しかも、コンベアの各列に供給される物
品の間隔にばらつきがあった場合にも必ず所定の本数を
供給することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る搬送物品の停止装置の
右側面図、第２図および第３図は上記装置の下部側に設
けられたストッパとその駆動機構を示す正面図および平
面図、第４図および第５図は同装置の上部側に設けられ
た押えパッドとその調節機構を示す正面図および平面
図、第６図は押えパッドの正面図、第７図および第８図
は上記装置の作動を説明する図である。 （２）……コンベア、（2a）……搬送手段（コンベアチ
ェーン）、（４）……物品（容器）、（８）……ストッ
パ、（16）……昇降手段（エアシリンダ）、（32）……
押えパッド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平行に配置された複数列の搬送手段から成
   るコンベアと、各搬送手段間に配置され、昇降して搬送
   面上に出没可能な複数のストッパと、これら各ストッパ
   にそれぞれ設けられ、そのストッパを独立して昇降させ
   る昇降手段と、ストッパをコンベアの進行方向に向かっ
   て進退動させる移動手段と、各ストッパの上方に配置さ
   れ、上昇したストッパとの間に物品を挟持する押えパッ
   ドと、この押えパッドをコンベアの進行方向に向かって
   進退動させる移動手段と、各ストッパ毎に設けられ、コ
   ンベア上を搬送される物品を検知するセンサと、上記ス
   トッパおよび押えパッドよりも下流側に設けられた物品
   停止手段とを備え、各センサが所定個数の物品を検知し
   たときにそのセンサに対応するストッパを上昇させるこ
   とを特徴とする物品の定数供給装置。