JPH0739857Y2 - 枚葉紙の載替え装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は段積みされた枚葉紙の搬出装置、特に工場建屋
内に設置され段積み位置からAGV（無人搬送車）受渡し
位置に枚葉紙を移し替えるのに有用な枚葉紙移載装置に
関する。

（従来技術） 印刷工場等においては、印刷後の枚葉紙を枚葉紙段積み
設備に段積みし、ここから直線コンベヤを経てAGVとの
取り合いステーションへ搬送し、ここからAGVで他の場
所へ搬出している。第４図は従来の枚葉紙載替え設備の
概略的な平面図である。搬出路１の側方に該搬送路に対
して直角方向に搬送する直線コンベヤ２が設置され、そ
の外側に枚葉紙段積み装置３が位置している。さらに直
線コンベヤ２の先方に隣接して搬送路１内にコンベヤ４
を備えたターンテーブル５が設けられている。枚葉紙は
段積み設備３から直線コンベヤ２に移載され、さらにタ
ーンテーブル５上のコンベヤ４に載せられた後、ターン
テーブル５が90°回転する。コンベヤ４はターンテーブ
ル５の面に対して若干高くなっているか、あるいはター
ンテーブル５が搬送路の路面より低くなっており、この
段差部を利用して搬送路１の方向に向いたコンベヤ４か
らフォークリフト等で枚葉紙を搬出する。ターンテーブ
ル５のさらに奥側は通常他設備７が隣接して設置されて
いる。

（考案が解決しようとする課題） 上述した従来の段積み枚葉紙搬出設備は直線コンベヤお
よびターンテーブルがいずれも固定設置であり、ここの
領域全体が段積み枚葉紙の専用搬出領域となってしま
い、大きな床面が占領される欠点がある。即ち印刷工場
のような省スペースの工場にAGVシステムを導入しよう
とした場合、AGVとの取合いステーションを固定とする
と、そこがどうしてもデッドスペースとなり、今まで通
行可能であったフォークリフトやハンドパレットトラッ
クが通れなくなるという問題があった。

本考案は狭いスペースで印刷機からの枚葉紙を移載、搬
出でき、しかも他の台車等がその一部の領域を通過で
き、設備費も安価となる段積み枚葉紙の載替え装置を提
供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案による枚葉紙載替え装置は、搬送路の凹底部に設
けられかつ上面が該搬送路と同じ高さに設定されたター
ンテーブルと、前記ターンテーブル上隅部に設けられた
マストと、該マスト基部近傍を支点として全体が垂直方
向に旋回可能なコンベヤ装置と、前記マスト上に設けら
れ、前記コンベヤ装置を巻き上げる巻上装置と、前記コ
ンベヤ装置に隣接して前記搬送路の側方に設けられた固
定コンベヤとを有し、前記ターンテーブル上隅部の前記
マストが前記コンベヤ装置の垂直旋回時に前記搬送路の
片側部に隣接した位置にくるように前記ターンテーブル
の設置位置が定められている。

（実施例） 次に、本考案を実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の１実施例に係る枚葉紙載替え装置の平
面図である。また第２図はその側面図、第３図は正面図
である。他設備７に隣接している搬送路１はAGV受渡し
位置でその路面が凹形に形成され、この凹形部10内にタ
ーンテーブル11が設置されている。ターンテーブル11は
例えばその周囲に回巻したワイヤ等を介してテーブル旋
回駆動装置12により中心まわりに回転可能である。ター
ンテーブル11上には後述する薄形のコンベヤ装置13が載
置され、またターンテーブルの隅部の面に一対のマスト
14,15が立設されている。

コンベヤ装置13はその上面に複数個の搬送ローラ16が軸
支され、コンベヤ装置の一端部に設けた搬送ローラ駆動
装置17によってロッド18およびチェイン19を介して該ロ
ーラ16が回転駆動されるようになっている。ターンテー
ブル11のマスト14,15の上端には巻上装置20（第２図）
が設けられ、この巻上装置20により巻上ワイヤ21を介し
てコンベヤ装置13がその一端を支点として第２図の如く
上方へ略垂直に近くなるまで引き上げられるようになっ
ている。なおコンベヤ装置13は搬送ローラ16およびその
ローラ駆動装置17等も一体となって上方へ引き上げられ
る。

ターンテーブル11および該テーブル上に位置した状態の
コンベヤ装置13に隣接するように搬送路１の側方に固定
コンベヤ22が設置されている。またターンテーブル11の
上面11aは第２図のように搬送路１の路面1aと略同一面
となるような位置に設けられている。

このような構成でまず、第３図の如く荷物段積み設備上
のパレット23に段積みされた枚葉紙は、固定コンベヤ22
と搬送ローラ駆動装置17の駆動によりパレットごとター
ンテーブル11上のコンベヤ装置13の搬送ローラ16上に移
載される。次にテーブル旋回駆動装置12の作動により枚
葉紙の積載状態でターンテーブル11およびコンベヤ装置
13が90°旋回して搬送ローラ16の方向が搬送路１に沿っ
た方向即ちAGV受渡し方向に整列される。この位置でAGV
25によってパレットごと枚葉紙が搬出され、空となった
コンベヤ装置13は巻上装置20により上方へ引き上げられ
る。コンベヤ装置が上方へ旋回した状態ではターンテー
ブル11は他の台車等の走行路となり、あるいは他の荷
物、台車の旋回作業台座となり得る。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、コンベヤ装置を恒
常的なレールを使用せずターンテーブル旋回動作を利用
してAGV受渡し位置へ整列させ、AGVに渡した後は上方へ
旋回するようにしたので、従来のコンベヤ装置よりもピ
ット部分が少なくてすみ、またターンテーブル上面を他
の台車が支障なく通過でき、搬送路の有効利用が図れ
る。１つのコンベヤ装置を荷物段積み設備との取り合
い、およびAGVとの取り合いで共用できるので設備費が
安価となるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る枚葉紙載替え装置の平
面図、第２図は第１図に示す装置の矢視Ａからみた側面
断面図、第３図は第１図の正面図、第４図は従来の枚葉
紙載替え設備の概略的な平面図である。 １……搬送路、10……凹形部、11……ターンテーブル、
12……テーブル旋回駆動装置、13……コンベヤ装置、1
4,15……マスト、16……搬送ローラ、17……搬送ローラ
駆動装置、20……巻上装置、21……巻上ワイヤ、22……
固定コンベヤ、23……パレット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送路の凹底部に設けられかつ上面が該搬
   送路と同じ高さに設定されたターンテーブルと、前記タ
   ーンテーブル上隅部に設けられたマストと、該マスト基
   部近傍を支点として全体が垂直方向に旋回可能なコンベ
   ヤ装置と、前記マスト上に設けられ、前記コンベヤ装置
   を巻き上げる巻上装置と、前記コンベヤ装置に隣接して
   前記搬送路の側方に設けられた固定コンベヤとを有し、
   前記ターンテーブル上隅部の前記マストが前記コンベヤ
   装置の垂直旋回時に前記搬送路の片側部に隣接した位置
   にくるように前記ターンテーブルの設置位置が定められ
   ていることを特徴とする枚葉紙の載替え装置。