JP4240653B2 - 搬送台車および搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送物をその下から荷台上に持ち上げ搬送する搬送台車およびそれを用いた搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
物品の搬送装置として、従来から、門形の移載台に置かれた物品をその下に走り込んだ搬送台車の荷台を上昇させ持ち上げて受け取り、搬送して、他の門形の移載台に移送する搬送装置が種々ある。
【0003】
その中で、例えば製鉄所などで用いられている圧延コイルの自動搬送を行うための搬送装置の無人搬送台車に図4に示すようなものがある。図4(a)は搬送台車01が門形の移載台02に載置された圧延コイル03の下に走り込んだ状態を示すものであり、搬送台車01は図示しない適宜のセンサと制御装置により所定の位置まで誘導され、停止する。
【0004】
図4(b)に示すように搬送台車01のリフタ04のサドル05が上昇すると圧延コイル03はサドル05上に持ち上げらる。サドル05は図4(e)に示すように、円筒状の圧延コイル03を受け止めるためにV字形の中折れ形状をしている。
【0005】
搬送台車01が移載台02から走り出て、サドル05を下降させると、図4(c)のように圧延コイル03は搬送台車01の荷台06上に載置され、搬送が行われる。荷台06は圧延コイル03を安定して支承するために下降したサドル05の側部にも傾斜部06aを有し荷台06上面に大きなV形状面を有している。搬送先の移載台02においては、逆の手順で荷下ろしがなされる。
【0006】
図4(d)は、(a)中D−D矢視図であり、図4(e)は図4に示す搬送台車01のサドル05の形状を示すものである。なお、サドル05を昇降するリフタ04は油圧シリンダ、電気シリンダ、電動モータ等をアクチュエータとし、直接駆動、シザースまたはカム等を介するもの等種々である。
【0007】
図5は、平面状のパレット07を用いて種々の物品を搬送するもので、製鉄所においてロール、チョック等の附帯搬送物08を搬送するための無人搬送台車を示す。
【0008】
図5(a)は搬送台車01’が門形の移載台02’に載置されたパレット07’の下に走り込んだ状態を示すものであり、搬送台車01’は図示しない適宜のセンサと制御装置により所定の位置まで誘導され、停止する。
【0009】
図5(b)に示すように搬送台車01’のリフタ04’のサドル05’が上昇するとパレット07’はサドル05’上に持ち上げられる。サドル05’は図5(e)に示すように、平面状のパレット07’を受け止めるために上面が平面となっている。
【0010】
搬送台車01’は移載台02’から走り出て、サドル05’を下降させると、図5(c)のようにパレット07は搬送台車01’の荷台06’上に載置され、搬送が行われる。搬送先の移載台02’においては、逆の手順で荷下ろしがなされる。
【0011】
図5(d)は、(a)中E−E矢視図であり、図5(e)は図5に示す搬送台車01’のサドル05’の形状を示すものであって上述のように上面が平面である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の搬送台車は上記のように搬送物の形状によってサドルや荷台の形状が異なるため、異なる形状の搬送物を取り扱う場合、搬送装置としては形状の異なる搬送台車をそれぞれ複数台備えることが必要となり設備コスト、搬送システムの適応性、効率等から問題があった。
【0013】
特に搬送路上に埋設された誘導線にならって走行する無人搬送台車として用いる場合、異なる搬送物毎に搬送台車を振り分けることは制御上、運用上のネックとなり、異なる搬送物毎に別系統の搬送装置とすれば設備コストがネックとなった。
【0014】
そこで従来において試みられたものとして、例えば、特開平8−301002号に示されるものは、リフタのサドルを着脱自在に嵌合できるように構成し、サドルを交換するだけで形状の異なる搬送物を搬送可能としたものである。
【0015】
また、特開平9−39643号に示されるものは、図6に示すように、複数種類の搬送物にそれぞれ対応する複数のサドルを搬送台車上をスライドして、各サドルが台車中央のリフタ上に位置できるようにしたものである。
【0016】
図6(a)はその搬送台車01”の側面図であり、(b)は(a)中F−F矢視図、(c)、(d)は(a)中GーG矢視平面図であって、搬送台車01”上にはV字形の中折れ形状のサドル05”aと平面のサドル05”bとがスライド駆動シリンダを備えたスライド台09”に設けられている。
【0017】
搬送台車01”中央にはリフタ04”が設けられていおり、圧延コイル等円筒状の搬送物の場合は、図6(c)のようにV字形のサドル05”aをその上部に位置させて用い、パレット等平面状搬送物の場合はスライド台09”をスライドさせ平面のサドル05”bをリフタ04”上に位置させて用いるのである。
【0018】
しかしながら、これらにおいても、前者のサドルを交換するものは、搬送物が変わるたびにサドルの交換が必要で、交換の人手ないし交換装置を要しコスト上の問題があるほか、任意のタイミングでランダムに発生する形状の異なる搬送物に対しては自由度が大幅に制限され搬送装置としての効率が上がらず、特に無人搬送台車として用いる場合には問題が多い。
【0019】
また、後者のサドルをスライド可能に設けるものは、サドルスペースが多く必要となり、台車の長さ、幅等が増大し、コンパクト性に欠け、設備コスト的にも問題を生ずる。
【0020】
本発明は、上述の従来の搬送台車と搬送装置の問題点を解消し、搬送台車に大きな変更を行うことなく、ランダムに発生する円筒状搬送物と平面パレット上の搬送物とを共に搬送できる搬送台車とそれを用いた搬送装置を提供することを課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明はかかる課題を解決するためになされたものであって、請求項1の発明は、搬送物を支承するサドルを上部に取り付けたリフタを備え、同リフタの昇降によって前記搬送物を搬送元位置から持ち上げて受け取った後同搬送台車上面に載置でき且つ前記搬送物を同搬送台車上面から持ち上げた後搬送先位置に降ろせる搬送台車において、前記サドルは上面が、中折れ形状のV字形部と、同V字形部の折れ線の方向の両端部に設けられた平面部とを有してなることを特徴とする搬送台車を提供するものである。
【0022】
請求項1の発明によれば、搬送台車はサドルの上面の中折れ形状のV字形部で円筒形搬送物を持ち上げ受け取れるとともに、そのまま変更、交換することなくサドル上面の平面部で下面が平面状の搬送物を持ち上げ受け取れるものであり、従来の平面状パレットもスペーサを下面に設けたものを同様に搬送できる。
【0023】
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の搬送台車と、円筒形搬送物を載置し同載置した円筒形搬送物の下部に前記搬送台車が走り込み且つ前記リフタが上昇して同円筒形搬送物を持ち上げられる複数の移載台と、前記サドルの平面部の位置に合わせて突起状スペーサを下面に設けたパレットを載置し同載置したパレット下部に前記搬送台車が走り込み且つ前記リフタが上昇して同パレットを持ち上げられる複数の移載台とを備えてなることを特徴とする搬送装置を提供するものである。
【0024】
請求項2の発明によれば、円筒状搬送物もパレットのような平面状搬送物も、それぞれを専用の搬送台車によったり、取り付けられたリフタのサドルを交換して用いたり、あるいはサドル交換装置付きの搬送台車を用いたりすることなく、同じく請求項1に記載の搬送台車でそのまま即座に搬送することのできる搬送装置となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3に基づいて本発明の実施の一形態に係る搬送台車を説明する。図1は本実施の形態における搬送台車のサドルの説明図であり、図2は図1中A−A矢視側面図であり、(a)はパレット7を持ち上げた状態、(b)は(a)中B−B矢視図である。
【0026】
本実施の形態において搬送台車のサドル5は、上面がV字形の中折れ凹部を有するように形成されたV字形部5aと、その中折れ線5cの方向の前後に形成された平面部5bとを有しており、その下部のリフタ4を介して、図4に示した搬送台車01と同様に搬送台車1に備え付けられている。なお、サドル5を昇降するリフタ4は油圧シリンダ、電気シリンダまたは電動モータ等をアクチュエータとし、直接駆動、シザースまたはカム等を介するもの等から使用条件に合わせて適宜のものを用いてよい。また、平面部5bの高さ位置はV字形部5aに圧延コイル3等円筒状搬送物を載置したときにその下部が当接しない高さとしてある。
【0027】
図2はサドル5上にパレット7を持ち上げた状態を示すものであるが、本実施の形態においては、パレット7の下面に突起状にスペーサ7aが取り付けられており、スペーサ7aはサドル5の平面部5b上に立脚し且つパレット7の下面がV字形部5aと当接せず適切な間隔を保てる高さを有している。
【0028】
図3は本実施の形態の搬送台車の使用状態の説明図である。図3(a)は、従来装置の図4(b)に相当するもので、圧延コイル3をサドル5上に持ち上げた状態を示すもので、圧延コイル3はサドル5のV字形部5a上に支承され、本実施の形態の搬送台車1は図4で説明した従来例と同様に門形の移載台2の間の圧延コイル3の搬送、積卸しができるものである。なお、本実施の形態においても、圧延コイル3を安定して支承するために搬送台車1の荷台6には下降したサドル5の側部に傾斜部6aを有し、荷台6上面に大きなV形状面を有している。
【0029】
図3(b)は、従来装置の図5(b)に相当するもので、ロール、チョック等の附帯搬送物8を載置したパレット7をサドル5上に持ち上げた状態を示すものである。パレット7はその下部に設けられたスペーサ7aがサドル5の平面部5b上に支承され、本実施の形態の搬送台車1は図5で説明した従来例と同様に門形の移載台2’の間のパレット7の搬送、積卸しができるものである。
【0030】
図3(c)は、従来装置の図5(c)に相当するもので、サドル5を下降させ、パレット7が搬送台車1の荷台6の傾斜部6aに隣合う平面部6b上に載置された状態を示しており、搬送台車1は図5で説明した従来例と同様にパレット7の搬送ができる。なお、図3(d)は、(c)中C−C矢視側面図である。
【0031】
すなわち、圧延コイル3のような円筒状搬送物と付帯搬送物8のように平面状のパレット7に載置した搬送物を搬送するとき、従来は専用搬送台車を割り当てたり、サドルを交換したり、あるいはサドル交換装置付きの搬送台車を導入したりせねばならず、効率上もコスト上も悪いものであったが、本実施の形態の搬送台車1によれば、V字形のサドルの端部に平面部5bを設けパレット7にはスペーサ7aを設けることで、そのほかは基本的には従来の搬送台車と変わらないもので両タイプの搬送物を即座に搬送できるのである。
【0032】
したがって、本発明の搬送装置の実施の形態としては、前述の実施の形態の搬送台車1と、圧延コイル3等の円筒形搬送物を載置し同載置した円筒形搬送物の下部に前記搬送台車1が走り込め且つ前記リフタ4が上昇して同円筒形搬送物を持ち上げられる複数の移載台2と、前記サドル5の平面部5bの位置に合わせて突起状スペーサ7aを下面に設けたパレット7を載置し同載置したパレット7下部に前記搬送台車1が走り込め且つ前記リフタ4が上昇して同パレットを持ち上げられる複数の移載台2’とを備えた搬送装置とすることができる。
【0033】
かかる搬送装置によれば、円筒形搬送物とパレット7のような平面状の搬送物とのように、支持部の形態の異なる搬送物を同時に最小台数の搬送台車を運用して搬送することができ搬送装置全体の効率化、コスト低減をもたらすものとなる。特に、無人搬送台車の場合、制御、運用の単純化が容易となりシステムの効率化の効果が大きいものとなる。
【0034】
なお、上記の本発明の実施の形態において、製鉄プラントの圧延ロール3を例にした円筒状搬送物は、勿論それに限られるものではなく、製紙工場、印刷プラントにおける紙ロール外あらゆる円筒状搬送物に適用できるものであり、本発明に関しては、少なくとも移載台、搬送台車における支持部が円筒状であれば部分的な円筒状形態の搬送物も同じく対象とするものである。
【0035】
また、本発明の実施の形態において、製鉄プラントのロール・スリーブ等の付帯搬送物8を載置するパレット7を例とした平面状搬送物は、それに限られるものではなく、あらゆる搬送用パレットが該当するのであって、載置する搬送物の種類は選ぶものではない。そして、下部が平面状のものであり、スペーサ7aを設けたものであれば、パレットに限らず、本発明に関しては、箱体、平底の異形物等も同じく対象とするものである。
【0036】
以上、本発明の実施の一形態につき説明したが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で具体的構造に種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
(1)以上、請求項1の発明によれば、搬送台車を、搬送物を支承するサドルを上部に取り付けたリフタを備え、同リフタの昇降によって前記搬送物を搬送元位置から持ち上げて受け取った後同搬送台車上面に載置でき且つ前記搬送物を同搬送台車上面から持ち上げた後搬送先位置に降ろせる搬送台車において、前記サドルは上面が、中折れ形状のV字形部と、同V字形部の折れ線の方向の両端部に設けられた平面部とを有してなるように構成したので、搬送台車はサドルの上面の中折れ形状のV字形部で円筒形搬送物を持ち上げ受け取れるとともに、そのまま変更、交換することなくサドル上面の平面部で下面が平面状の搬送物を持ち上げ受け取れるものであり、従来の平面状パレットもスペーサを下面に設けたものを同様に搬送できる。このため、従来の搬送台車の問題点を解消し、搬送台車に大きな変更を行うことなく、ランダムに発生する円筒状搬送物とパレット等の平面状の搬送物とを共に搬送でき、搬送の効率化搬送コストの低減、をもたらすものとなる。
【0038】
(2)請求項2の発明は、搬送装置を、請求項1に記載の搬送台車と、円筒形搬送物を載置し同載置した円筒形搬送物の下部に前記搬送台車が走り込み且つ前記リフタが上昇して同円筒形搬送物を持ち上げられる複数の移載台と、前記サドルの平面部の位置に合わせて突起状スペーサを下面に設けたパレットを載置し同載置したパレット下部に前記搬送台車が走り込み且つ前記リフタが上昇して同パレットを持ち上げられる複数の移載台とを備えてなるように構成したことにより、円筒状搬送物もパレットのような平面状搬送物も、それぞれを専用の搬送台車によったり、取り付けられたリフタのサドルを交換して用いたり、あるいはサドル交換装置付きの搬送台車を用いたりすることなく、同じく請求項1に記載の搬送台車でそのまま即座に搬送することのでき、支持部の形態の異なる搬送物を同時に最小台数の搬送台車を運用して搬送することができ搬送装置全体の効率化、コスト低減をもたらすものとなる。特に、無人搬送台車の場合、制御、運用の単純化が容易となりシステムの効率化の効果が大きいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における搬送台車のサドルの説明図である。
【図2】図1中A−A矢視側面図であり、(a)はサドルがパレットを持ち上げた状態、(b)は(a)中B−B矢視図である。
【図3】本実施の形態の搬送台車の使用状態の説明図であり、(a)は従来装置の図4(b)に相当する状態、(b)は従来装置の図5(b)に相当する状態、(c)は、従来装置の図5(c)に相当する状態を示し、(d)は(c)中C−C矢視側面図である。
【図4】従来の圧延コイル等の円筒状搬送物を搬送する搬送台車の説明図であり、(a)から(c)はその各動作状態を表し、(d)は(a)中D−D矢視図、(e)は搬送台車のサドルの形状の説明図である。
【図5】従来のパレット等の平面状搬送物を搬送する搬送台車の説明図であり、(a)から(c)はその各動作状態を表し、(d)は(a)中E−E矢視図、(e)は搬送台車のサドルの形状の説明図である。
【図6】従来のサドル交換装置付きの搬送台車の説明図であり、(a)はその側面図、(b)は(a)中F−F矢視図、(c)、(d)は(a)中GーG矢視平面図であって、サドル交換装置の状態の説明図である。
【符号の説明】
1 搬送台車
2、2’ 移載台
3 圧延コイル
4 リフタ
5 サドル
5a V字形部
5b 平面部
5c 中折れ線
6 荷台
6a 傾斜部
6b 平面部
7 パレット
Claims (2)
- 搬送物を支承するサドルを上部に取り付けたリフタを備え、同リフタの昇降によって前記搬送物を搬送元位置から持ち上げて受け取った後同搬送台車上面に載置でき且つ前記搬送物を同搬送台車上面から持ち上げた後搬送先位置に降ろせる搬送台車において、前記サドルは上面が、中折れ形状のV字形部と、同V字形部の折れ線の方向の両端部に設けられた平面部とを有してなることを特徴とする搬送台車。
- 請求項1に記載の搬送台車と、円筒形搬送物を載置し同載置した円筒形搬送物の下部に前記搬送台車が走り込み且つ前記リフタが上昇して同円筒形搬送物を持ち上げられる複数の移載台と、前記サドルの平面部の位置に合わせて突起状スペーサを下面に設けたパレットを載置し同載置したパレット下部に前記搬送台車が走り込み且つ前記リフタが上昇して同パレットを持ち上げられる複数の移載台とを備えてなることを特徴とする搬送装置。
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