JPH0739759B2 - 駐車場付き建物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は駐車場付き建物に関するもので、主に、デパ
ート等の大型店舗に適用されるものである。

〔従来の技術〕

一般に、都心部に建つデパートやスーパー等には、客専
用の駐車場が設けられている。

従来、この種の駐車場としては、店舗と別棟に設けられ
るタイプと、地下や屋上に店舗と同じ棟の中に設けられ
るタイプのものが、一般に知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、これらのタイプには、幾つかの解決すべき課題
がある。

すなわち、前者には、店舗と駐車場はそれぞれ独立した
躯体となる為、それぞれの機能に応じた平面計画が可能
であるが、双方の階高が異なる（駐車場のほうが低い）
為、店舗と駐車場間のスムーズな行き来ができないだけ
でなく、買い物カートの使用も極めて制限されたものと
ならざるを得ない。

一方、後者には、柱の設置、スパン等の構造が駐車場部
分で決まってしまう為、これによって店舗部分の平面計
画が大きく制約されるという欠点がある。

また、駐車場と店舗間のアプローチは、階段やエレベー
ター、或いはエスカレーターによることとなる為、スム
ーズな行き来ができないだけでなく、買い物カートの使
用も極めて制限されたものとならざるを得ない。

また、いずれのタイプも、店舗と駐車場のデザインの統
一が難しい。

この発明はこのような前記従来の課題を解消する為に提
案されたもので、経済的・合理的設計を可能にした駐車
場付き建物を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決する為の手段〕

前記目的を達成する為に、この発明に係る駐車場付き建
物は、店舗の回りに店舗を取り巻くように駐車場が設け
られ、駐車場の外周の手摺壁はRC若しくはSRCラーメン
構造によって構成され店舗を取り巻く外周壁はRC構造若
しくはSRC構造によって構築されると共に耐震壁が設け
られ、前記外周壁には店舗内への出入口及び外周壁の外
側に沿って歩道が設けられ、店舗は空間的に仕切らずに
店舗内にはＸ型耐震ブレースが２階乃至数階に通して設
置してあることを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、この発明を図示する一実施例に基づいて説明す
る。

第１図〜第５図は大型店舗に適用された場合を示したも
ので、中央部に店舗１が設けられ、店舗１の回りに、こ
れを取り巻くように駐車場２が設けられ、必要に応じ
て、屋上にも駐車場が設けられている。

また、店舗１と駐車場２との間には、歩道３が店舗１を
取り巻くように設けられ、歩道３の天井裏には空調用の
メインダクトが設置されている。

また、店舗１と駐車場２との間には、店舗１の床面積に
応じて、数個所に店舗１と駐車場２を行き来する為の出
入り口４が設けられている。

各出入り口４には、駐車場２側から店舗１内に突風や排
気ガスが入り込まないように風除室５が設けられてい
る。

なお出入り口４の駐車場２側近傍には、買い物カート置
き場が設けられている。

さらに、店舗１、駐車場２、歩道３及び出入り口４の床
は買い物カートの乗り入れが可能なように全て同じレベ
ルに構成されている。

なお、第２図に於いて、番号６は車両が出入りする為の
ランプウェイであり、各階の駐車場２に通じている。

店舗１を取り巻く外周壁７は、耐震壁付きのRC構造若し
くはSRCラーメン構造によって構成され、必要に応じて
窓又は開口が設けられている。

店舗１内には、妻方向と平行に耐震ブレース８が設置が
されている（第７図及び第８図参照）。

耐震ブレース８はRC若しくはSRCラーメン構造によりＸ
型に構築され、且つ、２階乃至数階間に通して設置され
ている。

また、従来及び物の移動が可能なように各階の店舗１を
空間的に仕切らないように設置されている。

各階の店舗１の床９はフラットスラブ構造によって構成
され、且つ、振動、撓み、クリープ変形等を起こさない
ようにPC鋼線10が挿通されている（第６図参照）。

駐車場２の外周11の手摺壁は、RC若しくはSRCラーメン
構造によって構成され、且つ、駐車場２内の自然換気及
び自然採光が可能なように、原則として耐震壁は設置さ
れでないが、全体の建物の規模によっては、設置される
こともある。

なお、実施例では、デパート等の大型店舗に適用した場
合について説明したが、事務所、銀行等のその他の一般
建築物にも適用できることは言うまでもない。

〔発明の効果〕

この発明は以上の構成からなるので以下の効果を有す
る。

耐震壁や耐震ブレース等の耐震要素を合理的且つ効果
的に配置できる為、極めてローコストな構造計画が可能
である。

各階に駐車場が設けられているので、駐車場から店舗
へのダイレクトな出入りが可能であり、しかも、駐車場
と店舗との床を面一にすれば、買い物カートの利用も可
能となる。

駐車場が店舗部分の庇の効果を有する為、日差しによ
る店舗部分の気温の上昇を抑えることができ、また、駐
車場も全て外気に接し外気及び日差しの採り入れも可能
である為、空調の負担軽減が可能になり、大幅な省エネ
が可能である。

さらに、屋上も駐車場として利用すれば、店舗回りの
駐車場の専有面積を小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図はこの発明の実施例を示すもので、第１
図は基準階の平面図、第２図は屋上階平面図、第３図は
その概要縦断面図、第４図はその一部平面図、第５図は
その一部縦断面図、第６図、第７図及び第８図はその構
造を示すもので、第６図及び第７図はその一部斜視図、
第８図は縦断面図である。 １……店舗、２……駐車場、３……歩道、４……出入り
口、５……風除室、６……ランプウエイ、７……店舗の
外周壁、８……耐震ブレース、９……床、10……PC鋼
線、11……駐車場の外周。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中曽 暁尚 大阪府大阪市西区阿波座１丁目３番15号 鹿島建設株式会社大阪支店内 (72)発明者 住田 耕作 大阪府大阪市西区阿波座１丁目３番15号 鹿島建設株式会社大阪支店内 (72)発明者 桜田 公則 大阪府大阪市西区阿波座１丁目３番15号 鹿島建設株式会社大阪支店内 (72)発明者 榎並 正宣 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−27065（ＪＰ，Ａ) 特公 平２−42986（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】店舗の回りに店舗を取り巻くように駐車場
   が設けられ、駐車場の外周の手摺壁はRC若しくはSRCラ
   ーメン構造によって構成され店舗を取り巻く外周壁はRC
   構造若しくはSRC構造によって構築されると共に耐震壁
   が設けられ、前記外周壁には店舗内への出入口及び外周
   壁の外側に沿って歩道が設けられ、店舗は空間的に仕切
   らずに店舗内にはＸ型耐震ブレースが２階乃至数階に通
   して設置してあることを特徴とする駐車場付き建物。