JPH0739734A - 複合半透膜およびその製造方法 - Google Patents

複合半透膜およびその製造方法

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JPH0739734A
JPH0739734A JP19233493A JP19233493A JPH0739734A JP H0739734 A JPH0739734 A JP H0739734A JP 19233493 A JP19233493 A JP 19233493A JP 19233493 A JP19233493 A JP 19233493A JP H0739734 A JPH0739734 A JP H0739734A
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aqueous solution
semipermeable membrane
composite semipermeable
calcium
magnesium
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JP19233493A
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Inventor
Kazuo Tanaka
和男 田中
Ichiro Kawada
一郎 河田
Noriaki Yoshioka
範明 吉岡
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】活性層として架橋ポリアミド系重合体からなる
複合半透膜を所定の水溶液で接触処理することにより、
耐熱水特性が改良された複合半透膜を簡便な方法で得
る。 【構成】上記複合半透膜をアルカリ性水溶液および/ま
たはカルシウム、マグネシウムの少なくとも一方を含む
水溶液で接触処理することを特徴とする構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種液体混合物を選択
分離するための複合半透膜およびその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、後処理によってその特性を改良さ
れた複合半透膜およびその改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、活性層とこれを支持する異種素材
から製造してなる複合半透膜が種々提案されており、従
来の非対称膜に比べて選択分離性や透水性の面で優れた
性能を有している。それにより、その用途も超純水の製
造、海水の淡水化から食品用途や排水処理など多くの分
野で活用されてきている。
【0003】原水を膜モジュールで処理する場合、バク
テリアや藻類等の微生物対策のため次亜塩素酸ナトリウ
ムや過酸化水素等の酸化剤によって殺菌、消毒する必要
がある。ところがこれらの酸化剤は人体に対して有害物
質であり、特に食品用途などでは消毒後の残留やトラブ
ルによる製品への混入の危険性から好ましい方法ではな
かった。このため近年、酸化剤による殺菌から、より安
全な熱水を用いた熱水殺菌が有望視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
複合半透膜は、長時間熱水にさらされると透過水量が著
しく低下するという欠点を有していた。そのため熱水殺
菌を繰り返し行うと、徐々に透過水量は低下し、所定の
性能を示さなくなる。さらにこの状態の膜の性能を回復
させる有効な方法がなく、熱水殺菌は実用上不適当であ
った。
【0005】本発明は、前記従来技術の問題を解決する
ため、熱水殺菌に耐えうる複合半透膜とその製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は下記の構成からなる。すなわち、活性層として
架橋ポリアミド系重合体からなる複合半透膜をアルカリ
性水溶液および/またはカルシウム、マグネシウムの少
なくとも一方を含む水溶液で接触処理してなる耐熱水特
性の改良されたことを特徴とする複合半透膜である。ま
た、活性層として架橋ポリアミド系重合体からなる複合
半透膜をアルカリ性水溶液および/またはカルシウム、
マグネシウムの少なくとも一方を含む水溶液で接触処理
することを特徴とする複合半透膜の耐熱水特性の改良方
法である。さらに、前記耐熱水特性の改良された複合半
透膜およびその改良方法において、接触処理に使用する
アルカリ性水溶液のpH値は9〜13であることが望ま
しく、カルシウムおよび/またはマグネシウムの少なく
とも一方を含む水溶液の濃度は100〜10000ppm
であることが望ましい。
【0007】
【作用】前記した本発明の構成によれば、活性層として
架橋ポリアミド系重合体からなる複合半透膜を所定の水
溶液で接触処理することにより、熱水接触時の耐性を簡
便な方法で向上させ、熱水殺菌が可能な複合半透膜を得
ることができる。
【0008】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。本発明はこれら実施例に何ら限定されるものでは
ない。
【0009】本発明における複合半透膜とは、実質的に
選択分離機能を有する活性層と、これと異なる素材から
作られる多孔質支持層との積層体によって構成される。
この多孔質支持層の素材にはポリスルホン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、セル
ローズエステル等が用いられる。多孔質支持層に形成さ
れる活性層の素材にはアミン官能性基を有する単量体の
脂肪族または芳香族ポリアミン反応体と、多官能性アシ
ルハライドからなる単量体の脂肪族または芳香族ポリア
ミン反応性反応体とを界面重縮合させることにより得ら
れる架橋ポリアミド系重合体が一般に用いられるが、こ
れ以外にカルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸等の基
を有する重合体を主成分とするものを使用することがで
きる。例えば、ポリアミン反応体としては、m−フェニ
レンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,2,4−
トリアミノベンゼン、エチレンジアミン、ピペラジン
等、ポリアミン反応性反応体としては、1,3,5−ベ
ンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン
酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸、1,3,5−シクロ
ヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸などのハロゲン化物を用いることができる。こ
の複合半透膜はスパイラル型、中空糸膜型、チューブラ
ー型、プレート型等のモジュールとして利用される。
【0010】本発明における処理とは、上記のようにし
て得られた複合半透膜をさらに処理するものである。具
体的には、複合半透膜をアルカリ性水溶液やカルシウム
およびマグネシウムの少なくとも一方を含む水溶液もし
くは両水溶液を含む溶液で接触処理するものである。
【0011】ここで用いられるアルカリ性水溶液のpH
は9〜13であり、好ましくは10〜12である。pH
9未満ではその効果が期待できず、pH13を超えると
複合半透膜の種類によっては劣化してしまう。
【0012】カルシウムおよびマグネシウムの少なくと
も一方を含む水溶液の濃度は100〜10000ppm で
ある。100ppm 未満ではその効果が期待できず、一方
必要以上に濃度を高くしてもより以上の効果は望めず、
経済的でない。
【0013】これらのアルカリ性水溶液やカルシウムお
よびマグネシウムの少なくとも一方を含む水溶液は、個
々に用いても効果は現れるが、カルシウムおよびマグネ
シウムの少なくとも一方を含むアルカリ性水溶液を用い
ることが最も効果的な方法である。
【0014】本発明において複合半透膜の処理方法は限
定されず、複合半透膜の活性層が前記のアルカリ性水溶
液および/またはカルシウム、マグネシウムの少なくと
も一方を含む水溶液に接触すればよい。接触時間はアル
カリ性水溶液のpH、カルシウム等上記水溶液の濃度お
よびこれら水溶液の温度により異なるが、一般に室温状
態で3〜6時間の処理により効果は発揮される。また、
複合半透膜をスパイラル型膜モジュールとして巻き付け
た後、膜モジュール中にこれらの水溶液を所定時間封入
する、これらの水溶液を循環させる、あるいは任意の圧
力をかけ水を透過させながら循環させるなどの接触方法
でも達成される。
【0015】実施例1 最終濃度として2.0重量%のm-フェニレンジアミンと
2.0重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
および0.1重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムを水中に含有する水溶液を作製した。酢酸を使用
してこの溶液のpHが最終的に5.7になるように調整
した。この水溶液を厚さ60〜70μmの微孔性ポリス
ルホン基材上に注ぎかけることにより、基材をその溶液
で被覆して液体層を形成した。2分間そのまま放置し
て、次にその基材の余分な水溶液を除去した。次いで、
0.05重量%のトリメソイルクロライドおよび0.0
75重量%のイソフタロイルクロライドを有機溶剤"Iso
per"( エクソン社商品名)中に含有する有機溶液を前記
の液体層の上に注ぎ、1分間放置して反応させた。次に
有機溶液を基材から除去し、95℃で6分間オーブン乾
燥し、芳香族ポリアミド系複合半透膜を得た。
【0016】この複合半透膜を1500ppm NaCl水溶液
(pH=6.5に調整)を原水に用いて、圧力15kgf/cm
2 、温度23℃の条件下で逆浸透試験を行った。その時
の阻止率と透過水量を表 1に示した。なお阻止率とは、 阻止率(%)=〔1-(透過水中の溶質濃度) /( 原水中の溶
質濃度) 〕×100 にて定義される。
【0017】上記の方法で得られた複合半透膜を水酸化
ナトリウム水溶液を用いてpH10に調整した90℃の
1500ppm 塩化カルシウム水溶液に24時間浸漬処理
した。前記の逆浸透試験を行った後、この複合半透膜を
90℃の純水に24時間浸漬し、再び前記と同様の逆浸
透試験を行った。それぞれの結果を表1に示した。
【0018】比較例1 実施例1において、塩化カルシウム水溶液での24時間
浸漬処理を行わず、そのまま90℃の純水に24時間浸
漬し、その後逆浸透試験を行った。結果を表1に示し
た。表1に示す結果から明らかなように、本発明の特定
の水溶液で接触処理を行うことで、90℃の純水浸漬後
において比較例1の未処理の場合に比べて透過水量を大
幅に向上させることができる。具体的には、比較例1の
未処理の場合は、90℃の純水浸漬前後において透過水
量(m3/m2/day)は1.2から0.58に大幅に低下す
る。しかし、実施例1の本発明の処理を行えば、90℃
の純水浸漬前後において透過水量(m3/m2/day)は1.
2から0.91までの低下にとどめることができる。即
ち本発明の処理を行うことで熱水処理後の透過水量は、
未処理の場合の1.5倍以上を達成できる。
【0019】実施例2 実施例1の処理に代えて、pH6.0に調整した90℃
の1500ppm 塩化カルシウム水溶液に24時間浸漬処
理した。得られた複合半透膜を実施例1と同様の評価を
行った。結果を表1に示した。
【0020】実施例3 実施例1の処理に代えて、pH10に調整した90℃の
水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬処理した。得ら
れた複合半透膜を実施例1と同様の評価を行った。結果
を表1に示した。
【0021】実施例4 実施例3において、pH10に調整した室温の水酸化ナ
トリウム水溶液に24時間浸漬処理した。得られた複合
半透膜を実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に
示した。
【0022】実施例5 実施例2において、pH6.0に調整した室温の150
0ppm 塩化カルシウム水溶液に24時間浸漬処理した。
得られた複合半透膜を実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示した。
【0023】実施例6 実施例1の処理に代えて、水酸化ナトリウム水溶液を用
いてpH10に調整した室温の1500ppm 塩化カルシ
ウム水溶液に24時間浸漬処理した。得られた複合半透
膜を実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0024】実施例7 実施例2において、pH6.0に調整した90℃の15
00ppm 塩化マグネシウム水溶液に24時間浸漬処理し
た。得られた複合半透膜を実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0025】実施例8 実施例5において、pH6.0に調整した室温の150
0ppm 塩化マグネシウム水溶液に24時間浸漬処理し
た。得られた複合半透膜を実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明は、活性層として架橋ポリアミド
系重合体からなる複合半透膜を特定の水溶液で処理する
ことによって、熱水接触時の耐性を向上させることがで
きるという顕著な効果が得られる。特に熱水殺菌が可能
な複合半透膜を簡便な方法で得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層として架橋ポリアミド系重合体か
    らなる複合半透膜をアルカリ性水溶液および/またはカ
    ルシウム、マグネシウムの少なくとも一方を含む水溶液
    で接触処理してなる耐熱水特性の改良された複合半透
    膜。
  2. 【請求項2】 活性層として架橋ポリアミド系重合体か
    らなる複合半透膜をアルカリ性水溶液および/またはカ
    ルシウム、マグネシウムの少なくとも一方を含む水溶液
    で接触処理することを特徴とする複合半透膜の耐熱水特
    性の改良方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ性水溶液がpH値9〜13であ
    ることを特徴とする請求項1ないし2に記載の複合半透
    膜またはその改良方法。
  4. 【請求項4】 カルシウムおよび/またはマグネシウム
    の少なくとも一方を含む水溶液の濃度が100〜100
    00ppm であることを特徴とする請求項1ないし2に記
    載の複合半透膜またはその改良方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002095938A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Toyobo Co Ltd 複合半透膜およびその製造方法ならびにこれを内蔵する複合半透膜分離素子
DE102008026131A1 (de) 2007-06-08 2008-12-11 Asmo Co., Ltd., Kosai Wischersystem
JP2009269028A (ja) * 2009-07-03 2009-11-19 Toyobo Co Ltd 複合半透膜および複合半透膜モジュールの製造方法
US7895703B2 (en) 2006-02-24 2011-03-01 Asmo Co., Ltd. Backdoor apparatus
US8672142B2 (en) 2007-07-12 2014-03-18 Nitto Denko Corporation Composite semipermeable membrane
CN110917903A (zh) * 2018-09-20 2020-03-27 中国石油化工股份有限公司 一种反渗透膜及制备方法

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