JPH0739364B2 - 1,4―ジアルコキシナフタリンの製造法 - Google Patents

1,4―ジアルコキシナフタリンの製造法

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JPH0739364B2
JPH0739364B2 JP62000142A JP14287A JPH0739364B2 JP H0739364 B2 JPH0739364 B2 JP H0739364B2 JP 62000142 A JP62000142 A JP 62000142A JP 14287 A JP14287 A JP 14287A JP H0739364 B2 JPH0739364 B2 JP H0739364B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ジアルコキシナフタリン、例えば1,4−ジエ
トキシナフタリン又は1,4−ジメトキシナフタリンの製
造法に関する。
「従来の技術」 ジアルコキシナフタリン、例えば1,4−ジエトキシナフ
タリン又は1,4−ジメトキシナフタリンは、感熱紙の発
色促進剤及び芳香族ポリマー原料として重要な化合物で
ある。
従来、ジアルコキシナフタリン、例えば1,4−ジエトキ
シナフタリン又は1,4−ジメトキシナフタリンは1,4−ジ
ヒドロキシナフタリン(所謂1,4−ナフトヒドロキノ
ン)をジアルキル硫酸によりO−アルキル化する方法に
よって合成されていた。例えば、ジヒドロキシナフタリ
ンとジアルキル硫酸とを反応器に仕込み、これに苛性ア
ルカリ水溶液を添加し、反応せしめることによって製造
されていた(特開昭60−178086)。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、この方法ではエチル−ジアルコキシナフ
タリン、例えば2−エチル−1,4−ジエトキシナフタリ
ン等のナフタリン核がアルキル化された化合物及びター
ル状物等の副生成物が生成し、収率が低下するとともに
その製品の精製が困難であった。そのため比較的高価な
ジアルキル硫酸を消費することになり、さらには廃水を
大量に排出する等、1,4−ジアルコキシナフタリンの製
造を工業化することが極めて困難であった。
本発明者らは、このような困難を解決するため鋭意検討
した結果、モノアルコキシナフトールは1,4−ジヒドロ
キシナフタリンを公知のアルキル化方法、例えば硫酸、
パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のエステ
ル化触媒の存在下アルコールでエーテル化する方法、炭
酸エステルによってエステル化する方法、によって容易
に合成でき、このモノアルコキシナフトールをアルコー
ル等の不活性な水混和性溶媒及び塩基の存在下、ジアル
キル硫酸と反応せしめることにより、容易に高純度の1,
4−ジアルコキシナフタリンを収率よく製造しうること
を見出し、本発明を完成した。
「問題点を解決するための手段」 即ち、本発明は、1,4−ジヒドロキシナフタリンを、触
媒の存在下アルコールと反応せしめ、得られた反応混合
物中のモノアルコキシナフトールを、不活性な水混和性
溶媒及び塩基の存在下、ジアルキル硫酸と反応せしめる
ことを特徴とする1,4−ジアルコキシナフタリンの製造
法に存する。
本発明においてモノアルコキシナフトールは、前述した
ようにエーテル化触媒の存在下アルコールでエーテル化
する方法、炭酸アルキルでエーテル化する方法等の公知
のエーテル化方法で容易に製造することができる。この
場合、モノアルコキシナフトール中に、ジアルコキシナ
フタリンが混在していても本発明の方法にはなんらの障
害にはならない。
このモノアルコキシナフトールとしては、例えば2−ア
ルコキシ−1−ナフトール、4−アルコキシ−1−ナフ
トール、5−アルコキシ−1−ナフトール、6−アルコ
キシ−1−ナフトール、8−アルコキシ−1−ナフトー
ル等のモノアルコキシ−1−ナフトール及び1−アルコ
キシ−2−ナフトール、3−アルコキシ−2−ナフトー
ル、6−アルコキシ−2−ナフトール、5−アルコキシ
−2−ナフトール、7−アルコキシ−2−ナフトール、
8−アルコキシ−2−ナフトール等のモノアルコキシ−
2−ナフトールが挙げられるが、通常は4−アルコキシ
−1−ナフトールが使用される。
アルコキシル基としては、メトキシル、エトキシル、プ
ロポキシル、ブトキシル基が挙げられるが、通常はエト
キシル、メトキシル基が用いられる。
ジアルキル硫酸としては、例えばジエチル硫酸、ジメチ
ル硫酸、ジ−n−プロピル硫酸、ジ−i−プロピル硫
酸、ジ−n−ブチル硫酸、ジ−n−オクチル硫酸等が挙
げられるが、通常はジエチル硫酸、ジメチル硫酸が用い
られる。
ジアルキル硫酸の使用量は、モノアルコキシナフトール
に対して約0.8〜2.0モル倍、好ましくは約1.0〜1.2モル
倍が好ましい。
不活性な水混和性溶媒としては、使用条件下で実質的に
水混和性の溶媒であればよく完全な相互溶解でなくても
差し支えず、勿論本発明の方法において原料及び生成物
と反応の進行を妨げるもの(例えば酢酸等の酸は塩基と
反応する。)は好ましくないが実質的に不活性であれば
よい。例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコ
ール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;アセ
トニトリル等のニトリル;ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル;N−メチル−2−
ピロリドン等のラクタム若しくはその置換体又はジメチ
ルホルムアミド等が挙げられる。
該溶媒は、一般にはモノアルコキシナフトールに対して
1.0〜2.0重量倍が使用される。
塩基としては、一般には強塩基が使用される。例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水
酸化物、水酸化第四級アンモニウム、ナトリウムアルコ
キシドが挙げられるが、特に安価な水酸化ナトリウムが
通常使用される。
塩基の使用量は塩基の強さにも左右されるが、一般にジ
アルキル硫酸に対して0.8〜1.5モル倍、好ましくは1.0
〜1.2モル倍から選ばれる。
本発明において用いられるモノアルコキシナフトールと
しては、1,4−ジヒドロキシナフタリンのエーテル化反
応で得られたモノアルコキシナフトールを含有する反応
混合物を使用することができる。即ち、1,4−ジヒドロ
キシナフタリンをエーテル化触媒の存在下でアルコール
と反応せしめ、その主としてモノアルコキシナフトール
及び1,4−ジアルコキシナフタリンを含有する反応混合
物にジアルキル硫酸及び塩基を添加して、過剰のアルコ
ールの存在下でモノアルコキシナフトールをエーテル化
する方法であり、むしろ高価なジアルキル硫酸の使用量
を極力少量に抑えられるので工業的に有利である。
エーテル化触媒としては、例えば硫酸、塩酸等の無機
酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、メ
タンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、強酸性イオン交
換樹脂、ヘテロポリ酸等が挙げられる。
エーテル化触媒の使用量は、1,4−ジヒドロキシナフタ
リンに対して一般に0.5重量倍以下、通常0.01〜0.3重量
倍、好ましくは0.05〜0.2重量倍から選ばれる。
アルコールは一般にジアルキル硫酸のアルキル基と同種
類のものが選ばれるが、必ずしも同じでなくても反応は
進行する。
アルコールとしては、一般にメタノール、エタノール、
プロパノール等の低級アルコールが選ばれる。
アルコールの使用量は、1,4−ジヒドロキシナフタリン
対して一般には1〜10モル倍、好ましくは2〜4モル倍
である。
「作用」 本発明におけるジアルキル硫酸によるアルコキシ化の反
応条件としては、反応温度は原料及び溶媒等の選択によ
って異なるが一般に80℃以下、通常20〜60℃、好ましく
は40〜50℃、反応圧力は通常は常圧でよいが窒素等の不
活性ガスの雰囲気下で行われ、反応時間は反応温度及び
原料の種類にも左右されるが、通常0.2〜3時間、好ま
しくは0.5〜1時間である。
本発明の方法は一般に次のように実施する。
1,4−ジヒドロキシナフタリン、アルコール及びエーテ
ル化触媒の所定量を攪拌機つきの反応器中に仕込み、70
〜120℃、常圧又は加圧下で1〜6時間反応させる。得
られたモノアルコキシナフトール、1,4−ジアルコキシ
ナフタリン及び少量の1,4−ジヒドロキシナフタリンを
含有する反応混合物を冷却し、この混合物にジアルキル
硫酸及び溶媒の所定量を添加し、所定温度で攪拌しなが
ら、さらに水酸化ナトリウムの溶液を添加し、所定時間
反応させる。反応終了後、反応混合物を冷却し、析出し
た1,4−ジアルコキシナフタリンを濾過等で分離、溶媒
洗浄し、必要なら減圧下で乾燥する。さらにアルコール
等の適当な溶媒で再結晶精製する(要すれば活性炭で脱
色する。)ことにより、高純度の1,4−ジアルコキシナ
フタリンが得られる。
本発明の方法において、ジアルキル硫酸と水酸化アルカ
リの添加順序を逆にすることもできるが、反応を円滑に
進行するには上記の方法が優れている。
「発明の効果」 本発明によれば、従来の1,4−ジヒドロキシナフタリン
とジアルキル硫酸とから製造する方法に比べて、副生成
物である核置換アルキル体が極めて少なく、精製が容易
であり、高純度の1,4−ジアルコキシナフタリンが得ら
れる利点を有する。又、高価なジアルキル硫酸の使用量
を極力少なくできるという工業的に重要な効果を奏する
ことができる。
次に、実施例により、本発明を詳細に説明する。ただ
し、実施例において「%」は断らない限り「重量%」を
表す。
「実施例」 実験例 1 4−エトキシ−1−ナフトール5.0g(0.026モル)とエ
タノール8.5gとの溶液に、ジエチル硫酸4.5g(0.029モ
ル)を加え、ついで水酸化ナトリウム1.16g(0.029モ
ル)と水6.5gとの水溶液を攪拌下に滴下した。滴下終了
後しばらくして沈澱が生成しスラリー化するが、同時に
発熱し、内温が45℃までに上昇した。スラリー状態のま
ま50℃で0.5Hr攪拌した。この時点でガスクロマトグラ
フィー(GC)で分析したところ、該スラリーの組成は未
反応4−エトキシ−1−ナフトール0.1%、2−エチル
−1,4−ジエトキシナフタリン1.7%、残りが1,4−ジエ
トキシナフタリンであった。
該スラリーを冷却した後、吸引濾過し、エタノール8ml
次いで温水20mlで濾過器上で洗浄し、60℃で一晩乾燥
し、肌色がかった1,4−ジエトキシナフタリンの白色結
晶5.1gを得た。GC分析の結果、該結晶の中には4−エト
キシ−1−ナフトール及び2−エチル−1,4−ジエトキ
シナフタリンは含まれていないことを確認した。
該結晶をクロロホルム5ml、エタノール15mlから再結晶
し、融点88.3℃の無色針状結晶4.2gを得た。
実験例2乃至実験例5 実験例1において溶媒をエタノールの代わりに第1表に
記載した溶媒に取り替えた以外は、実験例1と同様に実
施した。反応はいずれも定量的に進行し、未反応のモノ
エトキシナフトールは0.3%以下であった。生成したス
ラリーを吸引濾過し、8mlの溶媒で洗浄した。一次結晶
の回収率が低いので、濾液に水を適量添加し、さらに結
晶を析出させた。実験結果は第1表の通りである。
実施例 1 (1)(モノエトキシ化反応) 1,4−ジヒドロキシナ
フタリン8.0g(0.05モル)とエタノール14g(0.3モル)
との溶液に、メタンスルホン酸0.2gを加え、120℃で2Hr
加熱した。GC分析の結果、反応液の組成は1,4−ジヒド
ロキシナフタリン6%、4−エトキシ−1−ナフトール
82%、1,4−ジエトキシナフタリン12%であった。
(2)(ジエトキシ化反応) 該溶液を室温まで冷却
し、ジエチル硫酸9.2g(0.06モル)を加えた。ついで、
該溶液に水酸化ナトリウム2.4g(0.06モル)と水8gとの
水溶液を攪拌下に添加した。添加終了後、発熱と同時に
結晶が析出し、内温が50℃まで上昇した。50℃でさらに
0.5Hr攪拌した後スラリーの一部を採り、GCで分析し
た。スラリーの組成は1,4−ジヒドロキシナフタリン0
%、4−エトキシ−1−ナフトール0.3%、2−エチル
−1,4−ジエトキシナフタリン1.8%、残りは1,4−ジエ
トキシナフタリンであった。該スラリーを吸引濾過した
後、エタノール6mlで2回濾過器上で洗浄し、乾燥した
ところ9.4gの1,4−ジエトキシナフタリン(収率87モル
%)の肌色がかった白色結晶を得た。GCで分析した結
果、該結晶中には4−エトキシ−1−ナフトール及び2
−エチル−1,4−ジエトキシナフタリンは認められなか
った。
実施例 2 (1)(モノエトキシ化反応) 実施例1(1)におい
て、メタンスルホン酸0.2gの代わりに硫酸0.2gを用いた
以外は実施例1の通りに実施し、1,4−ジヒドロキシナ
フタリン11%、4−エトキシ−1−ナフトール78%、1,
4−ジエトキシナフタリン11%の反応液組成を得た。
(2)(ジエトキシ化反応) 該反応液を室温まで冷却
し、ジエチル硫酸9.5gを加えた。ついで、該溶液に水酸
化ナトリウム2.4g(0.06モル)と水10gとの水溶液を攪
拌下に添加した。添加終了後、発熱と同時に結晶が析出
し、内温が50℃まで上昇した。50℃でさらに0.5Hr攪拌
した後該反応混合物を吸引濾過し、エタノール8ml、次
いで温水20mlで2回濾過器上で洗浄し、乾燥したとこ
ろ、9.2gの1,4−ジエトキシナフタリン(収率85モル
%)の少しピンクがかった白色結晶を得た。GCで分析し
た結果、該結晶中には4−エトキシ−1−ナフトール及
び2−エチル−1,4−ジエトキシナフタリンは認められ
なかった。
実施例 3 (1)(モノエトキシ化反応) 1,4−ジヒドロキシナ
フタリン8.0g(0.05モル)、メタンスルホン酸2.0g(0.
020モル)、エタノール9.0g(0.2モル)の混合物を125
℃、2Hr攪拌下加熱し、1,4−ジヒドロキシナフタリン4
%、4−エトキシ−1−ナフトール38%、1,4−ジエト
キシナフタリン58%の反応液組成を得た。
(2)(ジエトキシ化反応) 該反応液を室温まで冷却
し、ジエチル硫酸4.1g(0.026モル)を加えた。つい
で、該溶液に水酸化ナトリウム2.6g(0.065モル)と水1
0gとの水溶液を攪拌下に添加した。添加終了後、発熱と
同時に結晶が析出し、内温が50℃まで上昇した。50℃で
さらに1Hr攪拌した後、CGで分析したところ、該スラリ
ーの組成は1,4−ジヒドロキシナフタリン0%、4−エ
トキシ−1−ナフトール0.2%、2−エチル−1,4−ジエ
トキシナフタリン1.7%、残りが1,4−ジエトキシナフタ
リンであった。
該反応混合物を吸引濾過し、エタノール8mlで2回、次
いで温水20mlで濾過器上で洗浄し、乾燥したところ、9.
3gの1,4−ジエトキシナフタリン(収率86モル%)の少
しピンクがかった白色結晶を得た。該結晶中には4−エ
トキシ−1−ナフトール及び2−エチル−1,4−ジエト
キシナフタリンは認められなかった。
実施例 4 (1)(モノエトキシ化反応) 1,4−ジヒドロキシナ
フタリン8.0gとエタノール20g(0.44モル)との溶液
に、強酸性イオン交換樹脂(三菱化成工業株式会社製PK
−228 4K01)24gを加え、100℃、5Hr攪拌下加熱し、1,4
−ジヒドロキシナフタリン6%、4−エトキシ−1−ナ
フトール90%、1,4−ジエトキシナフタリン4%の反応
液組成を得た。
該反応混合物を濾過し、濾別したイオン交換樹脂をエタ
ノール30mlでよく洗浄した。濾液及び洗浄液とを合わせ
た溶液を次の反応に使用した。
(2)(ジエトキシ化反応) 該溶液を室温まで冷却
し、ジエチル硫酸9.2gを加え、ついで、該溶液に水酸化
ナトリウム2.4gと水30gとの水溶液を攪拌下に添加し
た。添加後、しばらくして沈澱が生じるが、そのまま50
℃で1Hr攪拌した後、室温に冷却し、得られたスラリー
を吸引濾過し、エタノール10mlで2回、次いで温水20ml
で濾過器上で洗浄し、乾燥したところ、8.6gの1,4−ジ
エトキシナフタリン(収率80モル%)の白色結晶を得
た。該結晶中には4−エトキシ−1−ナフトール及び2
−エチル−1,4−ジエトキシナフタリンは認められなか
った。
実施例 5 (1)(モノメトキシ化反応) 1,4−ジヒドロキシナ
フタリン6.4g(0.04モル)とメタノール12.8g(0.4モ
ル)との溶液に、メタンスルホン酸0.3gを加え、120
℃、2Hr攪拌下加熱し、1,4−ジヒドロキシナフタリン5
%、4−メトキシ−1−ナフトール74%、1,4−ジメト
キシナフタリン20%の反応液組成を得た。
(2)(ジメトキシ化反応) 該溶液を室温まで冷却
し、ジメチル硫酸5.5g(0.044モル)を加え、ついで、
該溶液に水酸化ナトリウム1.9g(0.048)と水8gとの水
溶液を攪拌下に滴下した。滴下後、直ちに発熱し、内温
が60℃に達し結晶が析出した。10分間攪拌した後、該ス
ラリーの一部を採り、GCで分析したところ、その組成は
1,4−ジヒドロキシナフタリン0%、4−メトキシ−1
−ナフトール0.3%、2−メチル−1,4−ジメトキシナフ
タリン1.7%、残りは1,4−ジメトキシナフタリンであっ
た。得られたスラリーを吸引濾過し、メタノール10ml、
次いで温水20mlで濾過器上で洗浄し、乾燥したところ、
6.0gの1,4−ジメトキシナフタリン(収率80モル%)の
肌色がかった白色結晶を得た。該結晶中には4−メトキ
シ−1−ナフトール及び2−メチル−1,4−ジメトキシ
ナフタリンは認められなかった。該結晶をクロロホルム
6ml−熱エタノール25mlから再結晶し、融点86.8℃の無
色結晶4.5gを得た。
比較例 1 (1)(モノエトキシ化反応) 1,5−ジヒドロキシナ
フタリン8.0gとエタノール22g(0.48モル)との溶液
に、メタンスルホン酸2.4gを加え、130℃、6Hr攪拌下加
熱し、1,5−ジヒドロキシナフタリン14%、5−エトキ
シ−1−ナフトール76%、1,5−ジエトキシナフタリン1
0%の反応液組成を得た。
(2)(ジエトキシ化反応) 該溶液にエタノール20g
を加え、室温まで冷却し、ジエチル硫酸9.2gを加え、次
いで、該溶液に水酸化ナトリウム3.76gと水30gとの水溶
液を攪拌下に添加した。添加終了後、発熱と同時に結晶
が析出し、内温は35℃まで上昇した。60℃でさらに0.5H
r攪拌した後、該スラリーの一部を採り、GCで分析した
ところ、その組成は1,5−ジヒドロキシナフタリン0
%、5−エトキシ−1−ナフトール0.2%、2−エチル
−1,5−ジエトキシナフタリン2.8%、残りは1,5−ジエ
トキシナフタリンであった。得られたスラリーを吸引濾
過し、エタノール15mlで2回、次いで温水25mlで濾過器
上で洗浄し、乾燥したところ、7.5gの1,5−ジエトキシ
ナフタリン(収率69モル%)の黄色結晶を得た。該結晶
中には5−エトキシ−1−ナフトール及び2−エチル−
1,5−ジエトキシナフタリンは認められなかった。
該結晶をクロロホルムーエタノール混合溶媒中から再結
晶し、融点139℃の黄色針状結晶5.4gを得た。
比較例 2 (1)(モノエトキシ化反応) 2,7−ジヒドロキシナ
フタリン12.8g(0.08モル)とエタノール11g(0.24モ
ル)との溶液に、メタンスルホン酸1.3gを加え、125
℃、2Hr攪拌下加熱し、2,7−ジヒドロキシナフタリン8
%、7−エトキシ−2−ナフトール50%、2,7−ジエト
キシナフタリン42%の反応液組成を得た。
(2)(ジエトキシ化反応) 該溶液にエタノール50ml
を加え、室温まで冷却し、生じたスラリーにジエチル硫
酸4.6gを加え、次いで、該溶液に水酸化ナトリウム2.4g
と水30gとの水溶液を攪拌下に添加した。添加終了後、
発熱と同時に結晶が析出し、内温は40℃まで上昇した。
60℃でさらに0.5Hr攪拌した後、該スラリーの一部を採
り、GCで分析したところ、その組成は2,7−ジヒドロキ
シナフタリン0%、7−エトキシ−2−ナフトール4
%、残りは2,7−ジエトキシナフタリンであった。得ら
れたスラリーを吸引濾過し、エタノール20ml、次いで温
水30mlで濾過器上で洗浄し、乾燥したところ、12.6gの
2,7−ジエトキシナフタリン(収率73モル%)の肌色結
晶を得た。該結晶中には7−エトキシ−2−ナフトール
は認められなかった。
該結晶をクロロホルム−エタノール混合溶媒中から再結
晶し、融点103℃の無色針状結晶9.2gを得た。
比較例 3(溶媒無添加) 4−エトキシ−1−ナフトール5.0g(0.026モル)を、
水酸化ナトリウム1.16g(0.029モル)と水25gとの水溶
液に溶解させる。該溶液にジエチル硫酸4.5g(0.029モ
ル)を加え、50℃で強攪拌下で混合した。次第に、固形
物が生成してくるが、生じた沈澱は粘稠でかつ凝集性が
強いため、全体的に固まってしまった。1Hr後、沈澱物
を吸引濾過、乾燥し、茶色の粉末4.4gを得た。この粉末
をGCで分析した結果、1,4−ジヒドロキシナフタリン1.5
%、4−エトキシ−1−ナフトール5%と未反応物が多
く残っていた。
比較例 4(エタノール存在下1,4−ジヒドロキシナフ
タリンとジエチル硫酸の反応) 1,4−ジヒドロキシナフタリン4.0g(0.025モル)とエタ
ノール8gとの溶液に、ジエチル硫酸9.2g(0.060モル)
を加え、さらに該溶液に水酸化ナトリウム2.4g(0.06モ
ル)と水8gとの水溶液を添加した。添加後、すぐに発熱
して内温が60℃まで上昇した。50℃で攪拌下1Hr攪拌し
た後、生成したスラリーをGCで分析したところ、該スラ
リー中の4−エトキシ−1−ナフトールは0.5%であ
り、反応はほぼ完全に進行していたが、2−の位置がエ
チル化された2−エチル−1,4−ジエトキシナフタリン
が10.2%も生成していた。
該スラリーを吸引濾過し、エタノール10ml、次いで温水
20mlを用いて濾過器上で洗浄し、乾燥したところ、3.5g
の1,4−ジエトキシナフタリン(収率65モル%)の肌色
の結晶を得た。該結晶中には、4−エトキシ−1−ナフ
トール及び2−エチル−1,4−ジエトキシナフタリンは
全く認められなかった。
比較例 5 (1,4−ジヒドロキシナフタリンとジエチ
ル硫酸の反応) 1,4−ジヒドロキシナフタリン6.4g(0.040モル)を水酸
化ナトリウム3.84g(0.096モル)と水20gとの水溶液に
溶解させた。該溶液にジエチル硫酸13.6g(0.088モル)
を加え、50℃で強攪拌下で混合した。次第に固形物が生
成してきた。1Hr後、スラリーを吸引濾過、乾燥し粘稠
性のある赤褐色の粒状物8.4gを得た。このものをGCで分
析した結果、副生成物の2−エチル−1,4−ジエトキシ
ナフタリンが17%含まれていた。該生成物をエタノール
15ml中で十分に分散洗浄し、吸引濾過した。濾過器上で
さらに15mlのエタノールを用いて押し出し洗いを行っ
た。しかして得られた結晶を乾燥し、4.2gの1,4−ジエ
トキシナフタリン(収率49モル%)を得た。GC分析の結
果、該結晶中には2−エチル−1,4−ジエトキシナフタ
リンは認められなかった。
比較例 6 1,5−ジヒドロキシナフタリン3.2gを水酸化ナトリウム
1.92gと水10gとの水溶液に溶解させた。該溶液にジエチ
ル硫酸6.8gを加え、60℃で強攪拌下で混合した。10分後
黄色状の沈澱が生成した。1Hr後、該生成物をGCで分析
したところ、5−エトキシ−1−ナフトール8%、1,5
−ジエトキシナフタリン80%、2−エチル−1,5−ジエ
トキシナフタリン7%、2,6−ジエチル−1,5−ジエトキ
シナフタリン4.6%であった。該スラリーを吸引濾過、
水洗、乾燥し、黄土色の粒状物4gを得た。該生成物をGC
で分析したところ、5−エトキシ−1−ナフトール1.6
%、1,5−ジエトキシナフタリン87%、2−エチル−1,5
−ジエトキシナフタリン7.5%、2,6−ジエチル−1,5−
ジエトキシナフタリン3.2%であった。該生成物をエタ
ノール20ml中で分散洗浄し、吸引濾過した。濾過器上で
さらに20mlのエタノールを用いて洗浄、乾燥し、黄色粉
末3.0g(収率69モル%)を得た。GC分析の結果、該粉末
中には1,5−ジエトキシナフタリンしか認められなかっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,4−ジヒドロキシナフタリンを、触媒の
    存在下アルコールと反応せしめ、得られた反応混合物中
    のモノアルコキシナフトールを、不活性な水混和性溶媒
    及び塩基の存在下、ジアルキル硫酸と反応せしめること
    を特徴とする1,4−ジアルコキシナフタリンの製造法。
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