JPH0739334Y2 - 交流出力併合溶接発電機 - Google Patents

交流出力併合溶接発電機

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JPH0739334Y2
JPH0739334Y2 JP6861285U JP6861285U JPH0739334Y2 JP H0739334 Y2 JPH0739334 Y2 JP H0739334Y2 JP 6861285 U JP6861285 U JP 6861285U JP 6861285 U JP6861285 U JP 6861285U JP H0739334 Y2 JPH0739334 Y2 JP H0739334Y2
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善弘 加藤
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Description

【考案の詳細な説明】 (考案の技術分野) 本考案は,交流出力併合溶接発電機,特に凸極界磁回転
型発電機の回転子に界磁巻線を巻回しない対の補極を設
け,溶接時における単相交流出力の電圧変動を少なくす
るようにした交流出力併合溶接発電機に関するものであ
る。
(考案の背景と問題点) 溶接出力と交流出力との同時使用が可能なエンジン駆動
発電機が出現するに至っている。エンジン出力が,溶接
出力だけのためには十分余裕をもつが,溶接出力と交流
出力との両者をまかなうには十分でないような場合の交
流出力併合溶接発電機においては,溶接出力特性の安定
性及び交流出力の電圧変動を少なくするため,またその
他の理由により磁気回路の鉄心を飽和した点に設定する
のが,一般的である。
従来の溶接時における交流出力の電圧変動を少なくする
ものとして,第8図,第9図に示された構造の発電機が
提案されている。
第8図において,固定子51に2極巻きの交流出力巻線52
と6極巻きの溶接用巻線53とが巻回されている。また回
転子54の外周部には主界磁巻線55を巻回する1対の切欠
き56及び制御界磁巻線57を巻回する2対の切欠き58が設
けられている。隣接する切欠き56と切欠き56との間に突
極型主磁極が形成され,且つ隣接する切欠き58と58との
間に突極型制御極60が形成される構造の回転子54であ
る。
また第9図において,固定子61には第8図のものと同様
に2極巻きの交流出力線62と,6極巻きの溶接用巻線63と
が巻回されている。回転子65はその断面が略十字状に形
成されて分割され,該回転子65の一方の対向する切欠き
66a,66aにのみ界磁巻線67が巻回され,他方の対向する
切欠き66b,66bには巻回されていない構造である。
第8図,第9図に示された発電機について溶接用巻線5
3,63を6相半波整流接続した溶接出力の外部負荷特性
は,第6図図示の破線の如くなり,従来の交流出力併合
溶接発電機は所要の垂下特性が得られず,また短絡電流
が大きいので6相半波整流方式に適応しない欠点があっ
た。なおこの場合,3相全波の形で使用される。
(考案の目的と構成) 本考案は上記の欠点を解決することを目的としており,6
極を基本にした回転子であって,その中心部に設けられ
ている1対の補極に界磁巻線を巻回しない構造で,溶接
用巻線に溶接電流が流れたとき溶接用巻線の電機子反作
用に基づき上記補極の極性が無負荷の時の極性と比べて
反転することにより単相交流出力電圧の低下を補償し,
同時に溶接出力の垂下を大きくして6相半波整流方式が
可能な交流出力併合溶接発電機を提供することを目的と
している。そしてそのため本考案の交流出力併合溶接発
電機は6極巻きの6個の溶接用巻線と単相交流出力巻線
との2巻線が巻回された固定子と,凸極型界磁回転子と
を備え, 上記6極巻きの6個の溶接用巻線の夫々の出力が整流ダ
イオードを介して整流された上で共通の溶接出力端子に
供給されると共に, 上記単相交流出力巻線の出力が単相交流出力端子に供給
される エンジン駆動の交流出力併合溶接発電機において, 上記凸極型界磁回転子が,4個の突極と互に180°対向す
る位置にもうけられた2個の補極とをそなえると共に,
上記4個の突極上に界磁巻線が巻回されて2極の主磁極
を発生するよう構成されかつ上記2個の補極に界磁巻線
が巻回されていない構造をそなえ, 当該補極は無負荷時において両隣りの磁極に巻回された
界磁巻線により両隣りの磁極の極性と相異なる極性の磁
極となる構造の回転子となし,溶接用巻線に溶接電流が
流れたとき,溶接用巻線の電機子反作用により上記補極
の極性が反転されるようにした ことを特徴としている。以下図面を参照しつつ説明す
る。
(考案の実施例) 第1図,第2図は本考案の回転子及び磁極の極性説明
図,第3図は溶接用巻線の電機子反作用の起磁力による
磁束分布説明図,第4図は6相半波整流型溶接出力を備
えた交流出力併合溶接発電機の回路構成例,第5図は3
相全波整流型にした溶接用巻線の接続図,第6図は本考
案に係る交流出力併用溶接発電機の溶接出力外部特性曲
線,第7図は本考案に係わる交流出力併合溶接発電機の
交流出力外部特性曲線を示している。
第1図,第2図において,回転子1には溝2ないし7が
設けられ,回転子1の中心部にはシャフト8が取り付け
られている。溝4と5及び溝6と7によって補極9及び
10が形成されている。溝4と2との間に界磁巻線が巻回
され,同図図示の方向に流れる界磁電流により磁極11は
N極が発生する。以下同様に,溝2と6との間に巻回さ
れた界磁巻線により磁極12はS極となり,溝7と3との
間に巻回された界磁巻線により磁極13はS極となり,溝
3と5との間に巻回された界磁巻線により磁極14はN極
となる。
なお固定子側の巻線は,上記第8図や第9図に示したも
のと同じであり,6極巻きの6個の溶接用巻線と単相交流
出力巻線とが存在する。
補極9,10にはいずれも界磁巻線が巻回されていないが,
発電機の負荷状態によって次の様に磁化されている。す
なわち第1図は溶接出力が無負荷時の極性を示してお
り,N極の磁極11,図示されていない固定子と該磁極11と
の間隙,固定子,該固定子と補極9との間隙及び補極9
で構成される磁気回路により,またN極の磁極14,図示
されていない固定子と該磁極14との間隙,固定子,該固
定子と補極9との間隙及び補極9で構成される磁気回路
により,該補極9はS極に磁化される。同様の理由によ
って,該補極9と対をなす補極10はN極に極化される。
従って,第1図に示される回転子1は交互に異極を有す
る6極の回転子となっている。
一方,第2図は溶接出力が負荷時の極性を示しており,
発電機に溶接電流が流れることにより電機子反作用が生
じる。該電機子反作用に基づく起磁力により,後の第3
図で説明する理由により,補極9はN極に磁化され,ま
た補極10はS極に磁化される。すなわち大きな溶接電流
が電機子に流れることにより,電機子反作用による起磁
力で補極9,10の極性がそれぞれ反転させられる。これに
より第2図の回転子1は3つの連続するN極と3つの連
続するS極との凸極型回転子となり,見掛け上2極回転
子となる。従って単相交流出力巻線は、該2極回転子に
よって励磁される形となり,溶接電流が流れることによ
り降下する傾向にあった単相交流電圧は,その降下分が
補償されるようになる。
第3図は溶接用巻線の電機子反作用の起磁力による磁束
分布説明図である。第4図を参照して後述する如く溶接
用巻線は6相半波に接続されていることから、第3図図
示でU相に電流が流れる場合には溝#1と#18とに巻回
されている巻線にのみ電流が流れる。そして、第3図図
示において溝#1と#18とを囲うような同心円で示す如
き磁界が生じる(U相に電流が流れることにもとづく電
機子反作用にもとづいた磁界が生じる)。また第3図図
示でW相に電流が流れる場合には溝#13と#30とに巻回
されている巻線にのみ電流が流れる。そして第3図図示
において溝#13と#30とを囲うような同心円で示す如き
磁界が生じる(W相に電流が流れることにもとづく電機
子反作用にもとづいた磁界が生じる)。また同様に、第
3図図示でV相に電流が流れる場合には溝#6と#25と
に巻回されている巻線にのみ電流が流れる。そして第3
図図示において溝#6と#25を囲うような同心円で示す
如き磁界が生じる)。
U相電流がピーク時で溶接出力が短絡付近における電機
子反作用による起磁力と回転子の角位置を図示のままと
して、溝#1と#18とを囲う磁界が存在している(図示
の#6,#13,#25#30を囲う磁界を考えない)とすれば
よい。U相電流が流れる際の電機子反作用を考える場合
には回転子1の磁極が第3図図示の溝#34,#16の近傍
の位置にあるとき,電機子反作用による起磁力がピーク
となる。そして第3図からも明らかな様に,第1図,第
2図に示された補極9,10は固定子に設けられた溝#34,
#16の近傍に位置している。従って補極9のS極は反作
用起磁力によって反対方向に磁化作用を受ける。同様に
補極10のN極は反作用起磁力によって反対方向に磁化作
用をうける。なお,補極9,10が固定子に設けられた溝例
えば#3,#21の近傍に位置している状況の下では電機子
反作用による起磁力は十分に小さい。U相の溶接用巻線
に流れる溶接電流が小さい場合も,これらの起磁力の各
成分は小とはなるが存在しており、補極9の、第1図図
示の状態でS極となっていた状態のものがN極に磁化さ
れるものとなる(またそのように設計される)。同様
に、また補極10のN極はS極に磁化される。すなわち上
記説明の如く,見掛け上磁極14,9,11は共にN極,磁極1
2,10,13は共にS極の2極回転子に変換する。なおこの
場合,磁束は,磁極11,9,14から,磁極11,9,14と固定子
との間隙,固定子,固定子と磁極10,12,13との間隙,磁
極10,12,13を通るものとなり,突極状の磁極のみを考え
ると実質上2極となる。
この説明はU相の電流がピーク時について説明したが,
他の相,V,W相の場合も全く同様であり,各補極9,10の極
性が反転させられ,回転子1は,見掛け上N,Sの2極回
転子となる。
第4図は6相半波整流型溶接出力を備えた交流出力併合
溶接発電機の回路構成例を示しており,同図において,2
0ないし25は溶接用巻線,26は整流ダイオード,27はリア
クタ,28は溶接出力端子,29は単相交流出力巻線,30はブ
レーカ,31は単相交流出力端子、32は自励出力巻線,33は
整流ダイオード,34は半固定抵抗,35は可変抵抗,36は界
磁巻線,37はスリップリングを表している。
界磁巻線36に界磁電流が流れることにより,溶接用巻線
20ないし25にそれぞれ起電力が発生し,整流ダイオード
26でそれぞれ整流され6相半波の直流電圧が溶接出力端
子28に発生する。該溶接出力端子28から溶接出力を取り
出すと,第6図の実線で示された溶接出力外部特性曲線
が得られる。第6図において点Aは本考案に係わる交流
出力併合溶接発電機の短絡電流を示し,発電機全体とし
ての力率は遅れ0.5以下である。一方破線は従来の溶接
発電機の6相半波整流時における外部特性曲線を示して
おり,短絡電流が大きく,6相半波整流型で溶接すること
は困難であることを表している。
また本考案に係わる交流出力併合溶接発電機で溶接出力
端子28から溶接負荷を接続しているときの交流出力外部
特性曲線が第7図に示されている。第7図から明らかな
様に電圧変動率が極めて小さい。これは上述した如く,
溶接負荷による補極の極性が反転化し,2極回転子となっ
て増磁作用をもたらすことに起因する。
なお第4図において,可変抵抗35は溶接出力電流の調製
を行うものであり,半固定抵抗34は最大溶接出力を定め
るためのものである。
第5図は,第4図の2点鎖線部分の6相半波整流型の溶
接出力に換え,3相全波整流型の溶接出力を得る溶接用巻
線の接続図を示している。同図において38はスター結線
された3相の溶接用巻線,39は3相全波整流ダイオード
である。
第5図に示された3相全波整流型においても,6相半波整
流型と同様,各相の溶接用巻線に溶接電流が流れること
により,上述の如く回転子1に設けられた補極9,10の極
性が反転させられ,溶接時における単相交流電圧の電圧
変動率が小さくなる。しかし、例えば第3図においてU
相電流が流れる間にV相やW相にも電流が流れる形とな
って、電機子反作用にもとづく作用がより複雑となるこ
とから、必ずしも好ましくない。
尚,補極9,10の幅及び該補極9,10と固定子との空隙を適
当に選定することにより,単相交流出力に溶接時の影響
を及ぼさないようにすることもできる。
(考案の効果) 以上説明した如く,本考案によれば,回転子に界磁巻線
が巻回されない補極を対で設け,溶接時に該補極の極性
を反転させ2極回転子へ変換させる構造とすることによ
り,溶接時における単相交流電圧の電圧変動率を小さく
することができ,夜間に単相交流電圧を使用して溶接作
業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は本考案に係わる回転子及び磁極の極性
説明図,第3図は溶接用巻線の電機子反作用の起磁力に
よる磁束分布説明図,第4図は6相半波整流型溶接出力
を備えた交流出力併合溶接発電機の回路構成例,第5図
は3相全波整流型にした溶接用巻線の接続図,第6図は
本考案に係わる交流出力併合溶接発電機の溶接出力外部
特性曲線,第7図は本考案に係わる交流出力併合溶接発
電機の交流出力外部特性曲線,第8図,第9図は従来の
交流出力併合溶接発電機の説明図を示している。 図中,1は回転子,2ないし7は溝,9,10は補極,11ないし14
は磁極,20ないし25は溶接用巻線,26は整流ダイオード,2
7はリアクタ,29は単相交流出力巻線,32は自励出力巻線,
33は整流ダイオード,36は界磁巻線,38は溶接用巻線,39
は整流ダイオードを表している。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】6極巻きの6個の溶接用巻線と単相交流出
    力巻線との2巻線が巻回された固定子と,凸極型界磁回
    転子とを備え, 上記6極巻きの6個の溶接用巻線の夫々の出力が整流ダ
    イオードを介して整流された上で共通の溶接出力端子に
    供給されると共に, 上記単相交流出力巻線の出力が単相交流出力端子に供給
    される エンジン駆動の交流出力併合溶接発電機において, 上記凸極型界磁回転子が,4個の突極と互に180°対向す
    る位置にもうけられた2個の補極とをそなえると共に,
    上記4個の突極上に界磁巻線が巻回されて2極の主磁極
    を発生するよう構成されかつ上記2個の補極に界磁巻線
    が巻回されていない構造をそなえ, 当該補極は無負荷時において両隣りの磁極に巻回された
    界磁巻線により両隣りの磁極の極性と相異なる極性の磁
    極となる構造の回転子となし,溶接用巻線に溶接電流が
    流れたとき,溶接用巻線の電機子反作用により上記補極
    の極性が反転されるようにした ことを特徴とする交流出力併合溶接発電機。
JP6861285U 1985-05-09 1985-05-09 交流出力併合溶接発電機 Expired - Lifetime JPH0739334Y2 (ja)

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JP6861285U JPH0739334Y2 (ja) 1985-05-09 1985-05-09 交流出力併合溶接発電機

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JPS61185268U JPS61185268U (ja) 1986-11-19
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JP6861285U Expired - Lifetime JPH0739334Y2 (ja) 1985-05-09 1985-05-09 交流出力併合溶接発電機

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021211630A1 (de) 2021-10-14 2023-04-20 Vitesco Technologies GmbH Rotor für eine fremderregte elektrische Maschine, elektrische Maschine und Kraftfahrzeug

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021211630A1 (de) 2021-10-14 2023-04-20 Vitesco Technologies GmbH Rotor für eine fremderregte elektrische Maschine, elektrische Maschine und Kraftfahrzeug

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