JPH0739300A - 加糖練乳様組成物およびその製造方法 - Google Patents

加糖練乳様組成物およびその製造方法

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JPH0739300A
JPH0739300A JP5186188A JP18618893A JPH0739300A JP H0739300 A JPH0739300 A JP H0739300A JP 5186188 A JP5186188 A JP 5186188A JP 18618893 A JP18618893 A JP 18618893A JP H0739300 A JPH0739300 A JP H0739300A
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尚之 塙
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 加糖練乳30〜70重量%に対して、増粘多
糖類0.1〜5重量%、糖アルコールおよび/または糖
1〜50重量%を添加し、粘度を200〜8000cp
s、カロリーを300kcal/100g以下に調整して加糖練
乳様組成物とする。 【効果】 加糖練乳の粘度特性および風味を損なうこと
なく、固形分量を加糖練乳に比べて減少させると共にエ
ネルギーを低下させることができるので、加糖練乳特有
の粘性、豊かな風味と舌ざわりを保持しながらカロリー
コントロールできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加糖練乳と同様の官能
特性および流動性を有する加糖練乳様組成物、特にカロ
リーの低減された加糖練乳様組成物およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より加糖練乳は、牛乳に砂糖を多量
に添加し、加熱濃縮し、固形分を高めることにより、特
有の風味と糸を曳き重量感のある独特の粘性を得てい
る。加糖練乳は砂糖を40重量%以上と非常に多量に含
有しているため、カロリーが概略324kcal/100gと高
くかつ虫歯の原因にもなりやすいといわれている。その
ため、カロリーが比較的低く抗う蝕性の加糖練乳の開発
が望まれていた。
【0003】加糖練乳様食品として脂肪を20〜30重
量%添加し乳化系をつくることにより、加糖練乳様の粘
性を付与した合成練乳が市販されているが、高カロリー
である脂肪を添加していることから、加糖練乳と同様に
カロリーが高いという問題がある。加糖練乳の特有の粘
性は全固形分70重量%以上に濃縮して始めて得られる
ものであるから、従来技術から、カロリーを低減する目
的で固形分含量を減らすわけにはいかない。また、特有
の粘度特性は多量の砂糖含量にも起因しているので、単
に代替甘味剤を用いても、練乳様組成物を得ることはで
きない。更に、滑らかでビロード状の加糖練乳特有の舌
ざわりは単に加糖練乳様の乳化物を合成しても得ること
はできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述従来の
加糖練乳の有する問題点に鑑み、加糖練乳の砂糖の配合
比率を低減しそれに代えて特定の糖類を用いることによ
り、カロリーが低減されているにも拘らず加糖練乳と同
様な糸を曳く独特な粘性、豊かな風味と舌ざわりを有す
る加糖練乳様組成物を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明の他の目的は、かかる加糖練
乳様組成物を簡便に製造することであり、更に、該加糖
練乳様組成物を加糖練乳製造工程で効率的に製造するこ
とである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】かかる目的を達成する
本発明は、加糖練乳30〜70重量%に対して、高分子
粘質物0.1〜5重量%、糖アルコールおよび/または
糖1〜50重量%が添加された組成を有し、粘度が20
0〜8000cps、カロリーが300kcal/100g以下
であることを特徴とする加糖練乳様組成物である。加糖
練乳中の砂糖の配合率を低減しそれに代えて一定量の高
分子粘質物、および糖アルコールおよび/または糖を配
合することにより、加糖練乳の粘度特性および風味を損
なうことなく、固形分量を加糖練乳に比べて減少させる
と共にエネルギーを低下させることができるので、加糖
練乳と同様な、糸を曳く独特な粘性、豊かな風味と舌ざ
わりを保持しながらカロリーコントロールすることが可
能となる。
【0007】かかる練乳様組成物は上記原料の他に、好
ましくは乳製品が添加され、所望により風味を改善する
ことができ、また、好ましくは高甘味度甘味料が添加さ
れ、所望により甘味を改善することができるものであ
る。
【0008】また、本発明は、上記の加糖練乳様組成物
を製造する方法であって、高分子粘質物を糖アルコール
および/または糖に分散させ、水に添加して加熱溶解
後、得られた加熱済糖類溶液を加糖練乳に添加すること
を特徴とする加糖練乳様組成物の製造方法である。加糖
練乳に添加する前に糖類溶液を加熱処理することによ
り、混合後の過剰な加熱を避けることができるので、得
られる組成物の褐色化、糖類の結晶化、粘度の増大等を
防止することができ、また簡単な操作で良好な加糖練乳
様組成物を調製することが可能となる。
【0009】また、本発明は、加熱済糖類溶液が、加糖
練乳製造工程の濃縮末期工程で添加されることを特徴と
する上記の加糖練乳様組成物の製造方法である。加熱済
糖類溶液を通常の加糖練乳製造工程の濃縮末期工程にお
いて混合することにより、加糖練乳製造工程をそのまま
利用することができるので、効率的に加糖練乳様組成物
を製造することが可能となる。加糖練乳の製造工程にお
いて砂糖をシロップとして濃縮末期工程で加える場合
は、該シロップと共に上記加熱済糖類溶液を添加するこ
とも可能である。
【0010】以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明者らは、長年の練乳製造の経験を生
かし、カロリーを低減させるために甘味剤、高分子粘質
物を多数検討した結果、高分子粘質物、糖アルコールお
よび/または糖を必須要素とし、必要により高甘味度甘
味料、その他乳成分を組み合わせることにより、加糖練
乳(以下、「練乳」という。)独特の粘性と好ましい風
味、更に特有の舌ざわりを付与し、かつカロリーを大幅
に低減することができることを見い出し、本発明を完成
させるに至った。
【0012】本発明の練乳様組成物は、練乳30〜70
重量%に対して、高分子粘質物0.1〜5重量%、糖ア
ルコールおよび/または糖1〜50重量%が添加された
組成を有する。かかる添加重量%は分析値そのものの値
を意味するものではなく、それぞれの成分が添加される
重量%を意味する。例えば、分析値上では、練乳様組成
物の糖(単糖類またはオリゴ糖)量は、配合される練乳
中の糖やその他添加され得る副資材由来の糖量等が加算
されるため、上記の糖量より大きくなる。練乳中の糖量
等はあらかじめ判っているので、糖アルコールおよび/
または糖を1〜50重量%添加した場合の練乳様組成物
中の全糖量を総計として算出できる。
【0013】また、練乳、高分子粘質物、糖アルコー
ル、糖はそれぞれ別個に用意し混合する必要はなく、ま
た最終製品中にそのままの形態で存在しているわけでは
ないので、上記の配合割合は、それらを混合した結果得
られる組成を最終製品である練乳様組成物が有している
ということである。従って、後述する製造方法からもわ
かるように、練乳の製造工程中に、即ち練乳が製品とな
る前に他の成分を混合し、例えば糖アルコール量の多い
練乳をあらかじめ調製しておいてもよい。
【0014】本発明の練乳様組成物はカロリーが300
kcal/100g以下、好ましくは160kcal/100g(練乳の約
半分)以下に調整できるが、ここで、本発明においてカ
ロリーの算出は表1(市川富夫:月刊フードケミカル8
月号、71頁、1991年)に準拠して求めたものであ
る。即ち、糖アルコールの体内消化率は正確に解明され
ていないが、そのカロリーは表1の提示カロリーに基づ
き近似的に求めた。
【0015】
【表1】 練乳は、練乳様組成物に練乳様の風味、舌ざわりを付与
する作用をする。本発明において用いる練乳としては、
生乳、牛乳または特別牛乳に砂糖を加えて濃縮したもの
であり、特別のものである必要はなく通常入手できるも
のを用いることができ、また常法により牛乳に砂糖を添
加し濃縮して得られるものや植物性脂肪を添加した合成
練乳等を用いることができる。全脂加糖練乳の他、脱脂
加糖練乳も用いることができる。一例として本発明に好
適に用いられる練乳の組成としては(一般分析)、蛋白
質7.9重量%、脂肪8.3重量%、乳糖11.3重量
%、砂糖44.2重量%、水分26.5重量%であり、
カロリーは324kcal/100g程度のものを挙げること
ができる。この程度の練乳を基準にして、カロリーの設
定を行うのが実用的である。
【0016】練乳の配合量は最終製品のカロリーの値に
直接影響するので、その添加率としては、目的とするカ
ロリーに応じて適宜設定することになるが、最終製品の
カロリーを効率的に低減するには30〜70重量%、従
来品の1/2程度にするためには、30〜40重量%が
好ましい。練乳が30重量%未満では練乳らしい風味や
舌ざわりを得ることが困難で、70重量%を超えると高
カロリーとなり、本発明の目的を果たすことができな
い。また、練乳の滑らかでビロード状の練乳特有の舌ざ
わりは練乳中の乳糖結晶の数と大きさに関係しており、
良質の練乳は1mm2あたり約40万個の乳糖結晶を含
んでいるといわれるが、練乳量が減少し乳糖量が減少す
ればかかる特有の舌ざわりは喪失する。
【0017】高分子粘質物は、練乳様組成物の粘性を付
与し、かつ全固形分量を低減させカロリーを低下させる
機能を有する。即ち、練乳様組成物の含水率を増大させ
固形分量を低下させても一定の粘度を保持させることが
でき、糖アルコールおよび/または糖との組合せにより
練乳様の粘性を発現させる。固形分量が少なくなればカ
ロリーが低下する。高分子粘質物としてはタラガム、ロ
ーカストビーンガム、グアガム、アラビアガム、トラガ
ントガム、カラヤガム、アラビノガラクタン、ペクチン
等の増粘多糖類、およびゼラチン等の水溶性高分子を用
い得るが、好ましくは粘度が高く、ゲル化性が弱く、耐
熱性があり、疑塑性的粘性を示すものがよい。練乳の粘
度の特性は多量の砂糖により特徴付けられ重量感があり
高粘度であるため糸を曳くような粘性を示すが、砂糖は
高分子ではなく組織に構造性がないので、いわゆる曳糸
性ではない。水溶性高分子は一般に構造性があるため曳
糸性を示し易いので、その性質の顕著でない高分子粘質
物がよく、疑塑性の粘性を示すものが好ましい。例えば
グアガムを部分分解したものを用いると練乳の粘性に極
めて酷似した粘性を得ることができる。高分子粘質物の
添加量としては0.1〜5.0重量%、好ましくは0.
2〜1.0重量%がよい。0.1重量%未満では練乳ら
しい粘性が得られず、5.0重量%を超えると流動性が
なくなり、練乳独特の重量感のある粘性が得られない。
【0018】糖アルコールは、練乳様組成物に適度な甘
味を付与する作用の他、そのカロリーを低下させ、高分
子粘質物との組合せにより練乳様の粘性を構築する作用
をする。即ち、糖アルコールはそれ自体が難消化性また
は非消化性のものが多く低カロリー化に寄与するのみな
らず、練乳様組成物の全固形分量も増加させることがで
きるので重量感のある粘性を発現させることができる。
糖アルコールとしては、エリスリトール、マルチトー
ル、ソルビトール、マンニトール、イノシトールなどが
使用できる。これらは、一般に体内消化性が低く砂糖に
比ベて低カロリーでまたう蝕原性が低いが、ある程度の
粘性を確保することができるのでカロリーを低減する素
材として用いられる。中でもカロリーのほとんどないエ
リスリトールがもっとも好適に使用できる。また、エリ
スリトールは分子量が小さいので、浸透圧を高める効果
が大きく、その結果、練乳様組成物の保存性が良好とな
る。またイノシトールはビタミンB群としても機能する
ので栄養強化成分として用いることもできる。糖アルコ
ールの使用量としては1〜50重量%好ましくは4〜3
0重量%がよい。1重量%未満では甘味が得られず練乳
のような粘性を構築しにくくなる。50重量%を超える
と糖アルコールの結晶が析出したり、高カロリーになり
また練乳様の風味が損なわれるので好ましくない。
【0019】また、本発明において糖とは、単糖類また
はオリゴ糖をいい、高分子粘質物との組合せにより練乳
様の粘性、風味を維持しする作用を有する。上記の糖ア
ルコールを用いない場合或いはその一部または全部に代
えて用いるものである。高分子粘質物の作用により練乳
様組成物の含水率が増大し全固形分量が低下した場合
に、適度な甘味と粘性を付与することができる。糖それ
自体カロリーは低くはないが、全固形分量が低減してい
れば、全体としてカロリーは低下することになる。糖と
しては、D−キシロース等のペントース、フラクトー
ス、グルコース、ガラクトース等のヘキソース、マルト
ース、ラクトース、シュクロース等の二糖類を挙げるこ
とができる。D−キシロース等はほとんど吸収されない
ので低カロリーの糖として用い得る。添加量は上記糖ア
ルコールと同様の範囲とすることができ、糖アルコール
を用いず糖のみを添加することができるが、糖アルコー
ルに比べてカロリー低下効果が少なくう蝕原性も高いの
で、添加量は少ない方がよく、あるいは添加しなくても
よい。
【0020】上記の各成分の他、必要により高甘味度甘
味料、乳製品等を添加することができる。高甘味度甘味
料は、練乳様組成物の甘味が不足する場合の甘味度調整
剤として作用する。即ち、カロリーおよびコスト上の制
限から糖アルコールを多量に使えない場合等において、
粘度等の他の物性に影響を与えることなく、極少量の添
加で甘味度を補うために使用することができるものであ
る。また、糖アルコールは一般に甘味度が砂糖に比べて
低いので、糖アルコールを比較的多く用いた場合でも甘
味が不足する場合があるので、必要に応じて添加すると
よい。高甘味度甘味料としてはステビア、アスパルテー
ム、レヴァウディオ、グリチルリチンなどが例示できる
が特に限定されない。これらは、目的とする甘味度およ
び甘味の種類に応じて適宜選択し必要量を加えればよい
が、通常1重量%以下で十分である。
【0021】また、その他の原料として、脱脂粉乳、全
脂粉乳、カゼイン、乳清蛋白質等の乳製品や塩類、調味
料、フレーバー等を添加して風味を改良したり、風味付
けを行っても良いことはいうまでもない。これらの添加
量の目安は0.01〜2.0重量%程度である。
【0022】上述した成分からなる本発明の練乳様組成
物は、粘度が200〜8000cps、カロリーが30
0kcal/100g 以下になるように調整される。各成分の配
合比を変えることにより容易に目的の粘度、カロリーに
調整することができ、練乳様の風味、舌ざわり、粘性を
有する低カロリー化練乳様組成物とすることができる。
練乳と全く同様のものを求めるときは、練乳の粘度は1
800〜6000cps程度であるので、それと同等の
粘度とするのが好ましい。しかしながら、かき氷用の練
乳など、粘性を低くしたい場合には、200〜400c
psの粘度とすることができ、様々な粘度特性の練乳様
組成物を得ることができる。カロリーも上述した各成分
を配合して目的に応じて所望により調整できる。練乳様
の風味、舌ざわり、粘性等を考慮して低カロリー化させ
るには、カロリ−は100〜200kcal/100g の範囲、
好ましくは140〜180kcal/100g の範囲で配合を調
整するのがよい。カロリーが低すぎるような組成では、
配合による調整に限界があるので、風味、舌ざわりまた
は粘性のいずれか1つ以上が練乳様とは相違するものと
なる。
【0023】練乳様組成物では、練乳に高分子粘質物と
糖アルコールおよび/または糖とを組合せることによ
り、全固形分量は概ね30〜60重量%と練乳のそれ
(約70〜75重量%)に比べ相当少ない量でも重量感
のある粘性を呈するので、官能特性を損なうことなく低
カロリー化を図ることができる。
【0024】上記の練乳様組成物は次のようにして製造
することができる。即ち、高分子粘質物を糖アルコール
および/または糖に分散させ、これを水に添加して加熱
溶解後、加糖練乳に混合して練乳様組成物を製造する。
加糖練乳に混合する前に糖類溶液を加熱処理し、混合後
の過剰な加熱を避けることにより、得られる組成物の褐
色化、糖類の結晶化、粘度の増大等を防止することがで
きるので、混合という簡単な操作で良好な練乳様組成物
を調製することが可能となる。高分子粘質物を糖アルコ
ール、糖に分散するのは、水溶液にした場合に高分子粘
質物が不均一に溶解しまま粉や塊を形成するのを防ぐた
めである。糖類の加熱溶解温度は高分子粘質物等が十分
に溶解するが熱変性を生じない温度であり、概ね70〜
80℃もしくはそれ以下の温度である。このとき該溶液
の殺菌も行われる。
【0025】また、上記の製造方法において加熱済糖類
溶液は練乳に混合されるが、かかる練乳は製品でもよい
し、また製造途中にあるものであってもよい。即ち、練
乳製造工程において、その濃縮末期工程で加熱済糖類溶
液を添加することによっても練乳様組成物を製造するこ
とができる。加熱済糖類溶液を通常の練乳製造工程の濃
縮末期工程において混合することにより、練乳製造工程
をそのまま利用することができるので、効率的に練乳様
組成物を製造することが可能となる。練乳の製造工程に
おいて砂糖をシロップとして濃縮末期工程で加える場合
は、該シロップと共に上記加熱済糖類溶液を添加するこ
とも可能である。
【0026】脱脂粉乳、全脂粉乳や脱塩ホエー等を混合
する場合は、加熱済糖類溶液に添加し溶解すればよい
し、あるいは加熱前に添加してもよい。
【0027】次に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。
【0028】
【実施例1】グアガム8gをエリスリトール200gに
分散させ、水352gに添加し、加熱溶解した。加熱温
度は80℃とした。これに脱脂粉乳50gを添加し混合
溶解後、全脂加糖練乳390gを加え練乳様組成物1k
gを得た。得られた練乳様組成物の粘度は2100cp
s(B型粘度計使用)と練乳と同等であり、風味も通常
の練乳と遜色なく、かつカロリーが約150kcal/100g
に低減されていた。なお、このものの一般分析値は、蛋
白質4.7重量%、脂肪3.3重量%、エリスリトール
20重量%、その他の糖類25重量%、全固形分53重
量%、水分45重量%であった。エリスリトールのカロ
リーは0.3kcal/gとして計算した。
【0029】
【実施例2】アラビアガム8gをマルチトール40gに
分散させ、水512gに添加し、加熱溶解した。加熱温
度は70℃とした。これにステビア1.6g、脱塩ホェ
ー50gを添加し混合溶解後、全脂加糖練乳390gを
加え練乳様組成物約1kgを得た。得られた練乳様組成
物の粘度は2300cps(B型粘度計使用)と練乳と
同等であり、風味も通常の練乳と遜色なく、かつカロリ
ーが約158kcal/100g に低減されていた。なお、この
ものの一般分析値は、蛋白質4.3重量%、脂肪4.5
重量%、マルチトール4重量%、その他の糖類25重量
%、全固形分38重量%、水分60重量%であった。マ
ルチトールのカロリーは1.56kcal/gとして計算し
た。
【0030】
【実施例3】部分分解グアガム(450〜550cps )
8gをエリスリトール100gに分散させ、水450g
に添加し、加熱溶解した。加熱温度は75℃とした。こ
れにアスパルテーム1g、全脂粉乳50gを添加し混合
溶解後、全脂加糖練乳390g、ミルクフレーバー1g
を加え練乳様食品1kgを得た。得られた練乳様組成物
の粘度は2000cps(B型粘度計使用)と練乳と同
等であり、風味も通常の練乳と遜色なく、かつカロリー
が約155kcal/100g に低減されていた。なお、このも
のの一般分析値は、蛋白質4.3重量%、脂肪4.5重
量%、エリスリトール10重量%、その他の糖類25重
量%、全固形分44重量%、水分56重量%であった。
エリスリトールのカロリーは0.3kcal/gとして計算し
た。
【0031】
【実施例4】部分分解グアガム(90〜140cps )2
gをエリスリトール100gに分散させ、水456gに
加熱溶解(80℃)した。これにステビア1g、全脂粉
乳50gを添加し混合溶解後、全脂加糖練乳390g、
ミルクフレーバー1gを加え練乳様食品1kgを得た。
得られた練乳様組成物の粘度は240cps(B型粘度
計使用)と、通常の練乳よりかなり低かったが、風味は
通常の練乳と同様で好ましいフレーバーを有し、かき氷
用に適していた。また、カロリーは約153kcal/100g
に低減されていた。なお、このものの一般分析値は、蛋
白質4.3重量%、脂肪4.5重量%、エリスリトール
10重量%、その他の糖類24重量%、全固形分42.
8重量%、水分57.2重量%であった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、加糖練乳中の砂糖
の配合率を低減し、それに代えて一定量の高分子粘質
物、および糖アルコールおよび/または糖を配合するこ
とにより、加糖練乳の粘度特性および風味を損なうこと
なく、固形分量を加糖練乳に比べて減少させると共にエ
ネルギーを低下させることができるので、加糖練乳と同
様な、糸を曳く独特な粘性、豊かな風味と舌ざわりを保
持しながらカロリーコントロールすることが可能とな
る。
【0033】また、加糖練乳に添加する前に糖類溶液を
加熱処理することにより、添加後の過剰な加熱を避ける
ことができるので、得られる組成物の褐色化、糖類の結
晶化、粘度の増大等を防止することができ、また簡単な
操作で良好な加糖練乳様組成物を調製することが可能と
なる。
【0034】また、加熱済糖類溶液を通常の加糖練乳製
造工程の濃縮末期工程において添加することにより、加
糖練乳製造工程をそのまま利用することができるので、
効率的に加糖練乳様組成物を製造することが可能とな
る。加糖練乳の製造工程において砂糖をシロップとして
濃縮末期工程で加える場合は、該シロップと共に上記加
熱済糖類溶液を添加することも可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加糖練乳30〜70重量%に対して、高
    分子粘質物0.1〜5重量%、糖アルコールおよび/ま
    たは糖1〜50重量%が添加された組成を有し、粘度が
    200〜8000cps、カロリーが300kcal/100g
    以下であることを特徴とする加糖練乳様組成物。
  2. 【請求項2】 加糖練乳に、高分子粘質物、糖アルコー
    ルおよび/または糖の他に、乳製品が添加されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の加糖練乳様組成物。
  3. 【請求項3】 加糖練乳に、高分子粘質物、糖アルコー
    ルおよび/または糖の他に、高甘味度甘味料が添加され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の加糖練
    乳様組成物。
  4. 【請求項4】 糖アルコールが、エリスリトールである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載
    の加糖練乳様組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載の加糖練乳様組成物
    を製造する方法であって、高分子粘質物を糖アルコール
    および/または糖に分散させ、水に添加して加熱溶解
    後、得られた加熱済糖類溶液を加糖練乳に添加すること
    を特徴とする加糖練乳様組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱済糖類溶液が、加糖練乳製造工程の
    濃縮末期工程で添加されることを特徴とする請求項5記
    載の加糖練乳様組成物の製造方法。
JP18618893A 1993-07-28 1993-07-28 加糖練乳様組成物およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3150499B2 (ja)

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