JPH0739043Y2 - 回転磁気ヘッド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ビデオテープレコーダ（VTR）を構成する
回転シリンダユニットからなる回転磁気ヘッド装置に関
する。

（従来の技術） VTR用の回転磁気ヘッド装置は、固定シリンダ及びその
固定シリンダに対して高速回転する回転シリンダからな
り、回転シリンダ側には、磁気へッド、この磁気からの
信号を固定シリンダ側に伝達する円筒形のロータリトラ
ンス及びダイレクトドライブモータを構成するロータリ
マグネットが、そして固定シリンダ側には、上記ロータ
リトランスと対をなすロータリトランス及び上記ロータ
マグネットと協働するステータコアがそれぞれ設けられ
ている。

固定シリンダ側に固設された円筒形のロータリトランス
と、回転シリンダ側に固設された同じく円筒形のロータ
リトランスとを互に同軸的に配置し、固定側ロータリト
ランスの外周面と、回転側ロータリトランスの内周面と
を互に対向させた周面対向型ロータリトランスを有する
回転シリンダユニットからなる回転磁気ヘッド装置が知
られている（例えば、特開昭59-42628号公報、同59-630
23号公報）。

（考案が解決しようとする問題点） 周面対向型ロータリトランスを有する従来の回転磁気ヘ
ッド装置においては、回転側ロータリトランスがモータ
の磁気回路の一部をなすように構成されることになるの
でモータの駆動コイルや駆動マグネットからの漏洩磁束
によるノイズがヘッド出力に乗りやすく、これを防止す
るには、磁気的影響を避けるためにロータリトランスに
磁気シールドを施す必要がある。

（問題点を解決するための手段） 回転中心軸と中心孔とが対向する間を外側ロータリトラ
ンスと内側ロータリトランスになるロータリトランスが
貫通されており、ステータコア及び外側ロータリトラン
スが磁気ノイズに対し磁気シールドの役割を果たすの
で、ロータリトランスに対する駆動コイル及びロータマ
グネットの漏洩磁束の磁気的影響を低減することができ
る。

（作用） ステータコアがショートリングの役割を果たし、従っ
て、モータを構成するステータコア上の駆動コイル及び
これと協働するロータマグネットからの磁束がステータ
コアの中心孔内に漏れることがなく、ロータリトランス
への磁気的影響はなくなる。

（実施例） 第１図において、磁気ヘッド装置を構成する回転シリン
ダユニット１の固定シリンダ２の中心部には、軸３の下
端が固定されており、この中心軸３にはスリーブ４が回
転自在に嵌合している。中心軸３のスリーブ嵌合部には
流体軸受を構成する動圧軸受用のスパイラル溝５が形成
され、中心軸３の上端は、スリーブ４の上端面にねじで
固定されたスラスト軸受板６の内面に当接している。ス
リーブ４には、輪状の支持体７が固定されており、この
輪体７の上面には回転ヘッド部を構成する回転シリンダ
８がねじ９で固着されている。回転シリンダ８の固定シ
リンダ２と対向する周辺には、回転シリンダ８の下面に
ねじ10で固定された支持部材11に設けられたヘッド12が
配置されている。支持部材11の回転シリンダ８と接する
側の面には、回転シリンダ８にその上方からねじ込まれ
たアジマス調整ねじ13の内端が当接している。

固定シリンダ２には、駆動コイル14を有するステータコ
ア15が、隔離筒16を挟んでねじ17によって固定されてい
る。ステータコア15の周囲にはロータマグネット20が配
置されている。このロータマグネツト20は、前記支持体
７の下面にねじ21で固定された逆椀形のロータマグネッ
ト保持ケース22の内側周面に固定されている。保持ケー
ス22にはリング状のマグネット23が固定されており、一
方、ステータコア15の上面には、マグネット23と対向す
る被吸引板24が固定されている。被吸引板24がマグネッ
ト23に引き付けられることによって、回転シリンダ８を
固定シリンダ２がわに磁気的に常時吸引している。

固定シリンダ２の筒部2aには、筒状をした内側ロータリ
トランスである固定側ロータリトランス25が、そして支
持体７には、内周面を固定側トランス25の外周面と対向
させた筒状をした外側ロータリトランスである回転側ト
ランス26の上端がそれぞれ接着剤で固定されている。両
ロータリトランスの面間間隔は40〜50μｍに定められて
いて、回転側ロータリトランス26が回転シリンダ８と一
体となって回転するとき、ヘッド12からの信号が相互透
導作用によって固定側ロータリトランス25に伝達され
る。

両ロータリトランス25,26は、ステータコア15の中心部
に形成された中心孔15aと筒部2aで形成される環状空間
に落し込まれる形に配置されている。ステータコア15に
生じる磁束は、第２図に示すように閉ループを形成しス
テータコア15の中心孔15a内に漏洩することはない。

ロータマグネット20の内周端部と対向する位置には、ホ
ール素子27が配置されている。このホール素子27は、固
定シリンダ２の底を貫通した支持体28に取り付けられて
おり、この支持体28の基端は固定シリンダ２の底面に設
けられた配線基板29に固定されている。

符号30は保持ケース22の外周面に設けられたパルスジェ
ネレータ用マグネット、31はそのホール素子を示す。

固定シリンダ２の内側に形成された輪状段部2bには、ス
トッパ32の基部がねじ33で固定されている。このストッ
パ32の上端折曲部32aは、ロータマグネット保持ケース2
2の段部上面の上位に微小間隙を置いて延びており、ロ
ータマグネット保持ケース22、従って回転シリンダ８が
固定シリンダ２から離脱する向きの移動を制限してい
る。

（効果） 本考案によれば、周面対向型ロータリトランスがモータ
からの磁気的影響を受けることがないので、磁気ヘッド
出力にノイズが混じるようなことがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す回転ヘッド装置の断面
図、第２図はモータを構成するステータコアを示す部分
平面図である。 ２……固定シリンダ、３……回転中心軸、12……磁気ヘ
ッド、15……ステータコア、15a……中心孔、25,26……
ロータリトランス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コア付ダイレクトドライブモータによって
   駆動される回転磁気ヘッド装置において、磁気ヘッドを
   有する回転シリンダの回転中心軸と、固定シリンダに設
   けられたステータコアの中心孔との間に環状空間を形成
   し、上記環状空間に、互いに筒状の周面を対向させると
   共に上記回転中心軸と上記中心孔との対向する間を貫通
   する外側ロータリトランスと内側ロータリトランスの対
   になるロータリトランスが配置された回転磁気ヘッド装
   置。