JPH0739023B2 - 連読鋳造用モールド - Google Patents

連読鋳造用モールド

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JPH0739023B2
JPH0739023B2 JP179489A JP179489A JPH0739023B2 JP H0739023 B2 JPH0739023 B2 JP H0739023B2 JP 179489 A JP179489 A JP 179489A JP 179489 A JP179489 A JP 179489A JP H0739023 B2 JPH0739023 B2 JP H0739023B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、上流端部にブレークリングを嵌装したうえ
タンディッシュに直結される連続鋳造用モールドであっ
て、薄肉・広幅な鋳片を得るためのモールドに関する。
[従来の技術] 連続鋳造に用いるモールドは、筒状に形成した主として
銅合金製の水冷鋳型を備え、鋳型の開口(中空軸部)に
供給される溶湯(溶融金属)を冷却・凝固させて鋳片と
なす装置である。溶湯は鋳型内で外周部から凝固するの
で、その開口断面に等しい形状の連続鋳片が得られる。
連続鋳造は、タンディッシュに貯留した溶湯をモールド
に供給して鋳片とし、下流側に設けた引抜き装置でこれ
を連続的に引き抜くことにより行われる。旧来の縦型連
続鋳造においては、モールドは軸線を縦(上下方向)に
し、タンディッシュの下方(離れた位置)に配備されて
溶湯を受ける。
これに対して近年、タンディッシュとモールドとを直結
する方式の連続鋳造が、非鉄金属の分野から鋼の分野に
まで普及し始めている。この方式は、タンディッシュの
出湯孔に対し接続用耐火物を介してモールドを密に接続
するもので、タンディッシュ・モールド間で空気接触に
よる溶湯の酸化がないので清浄な鋳片が得られる、モー
ルド内にもタンディッシュの溶湯圧に等しい高い内圧が
作用するので凝固殻が鋳型に密着して安定した凝固が進
行する、またそのために円形あるいは特殊な断面の鋳片
を得ることも容易である、などの特長がある。さらに、
タンディッシュ・モールド間の溶湯供給路を広くかつ短
くできるので、小断面または薄肉の鋳片を鋳造するのに
も適している。モールドを水平にしてタンディッシュに
接続し、低パスライン上で鋳片を得る水平連続鋳造とし
てすでに稼働実積も多いが、縦型の連続鋳造にこの方式
を適用することも検討されている。
こういったいわば直結方式の連続鋳造においては、モー
ルドの上流端部、つまりタンディッシュとの接続部分
に、ブレークリングと呼ばれる耐火物(一般的にはセラ
ミック製)が介装される。ブレークリングは、タンディ
ッシュ・モールド間の他の接続用耐火物とともに溶湯の
流出を防ぐほか、モールド内における溶湯の凝固開始点
を定めるという重要な役割を果たすものである。すなわ
ち、上記した旧来の縦型連続鋳造ではモールド内の溶湯
がその自由表面(メニスカス)から凝固し始めるのに対
して、直結方式の連続鋳造においては、ブレークリング
の前端面(正確にはこの前端面と鋳型内周面との接点)
をもって凝固開始点とする。
上記のブレークリングは、少なくともその前端部分を鋳
型開口の上流端部に嵌挿して装着するのが普通である。
前端面を鋳型の上流端面(軸線に直角な平面部)に当着
させてもよいが、その場合は前端面がわずかに損耗した
時点で溶湯が鋳型の上流端面に進入して円滑な鋳造がで
きなくなる、つまりブレークリングの寿命が短いという
不都合があるので、通常、ブレークリングは上記のよう
にモールドの上流端部に嵌装される。溶湯の漏れること
がないよう、このときブレークリングの側面と鋳型の内
周面とはすき間のない状態にする必要がある。
さて、上述したようにブレークリングを嵌装してタンデ
ィッシュに直結される連続鋳造用モールドとしては、従
来、下記の形式のものが使用されている。すなわち、 チューブラ鋳型またはブロック鋳型などと称される一
体の鋳型で開口を形成するモールド:旧来の縦型連続鋳
造において広く使用される(「鉄鋼便覧II(第3版)」
12.連続鋳造法、p.630参照)ものと同様の形式である。
鋳片断面の各辺に対応する鋳型部材を組み合わせるこ
とにより開口を形成するモールド:矩形鋳片に関して、
その4辺に対応する4つの鋳型部材を組み合わせるもの
で、旧来の組立モールド(上掲者参照)を水平連続鋳造
用に改め、鋳造中に開口寸法が変化しないようにした、
「鉄と鋼」Vol.74(1988)No.1、p.93に記載の形式であ
る。
[発明が解決しようとする課題] 上記の形式のモールドは、鋳造中、溶湯および鋳片の
熱を受けて鋳型が熱膨張すると開口の断面寸法が拡大す
るので、上記のように鋳型に嵌装したブレークリングを
適切な状態に保持できない場合がある。つまり、上記の
拡大量は鋳型の断面寸法に比例するので、大型の鋳片、
または辺長の長い(広幅の)鋳片を鋳造する場合には、
鋳型とブレークリングとの間にすき間ができてしまう。
そうなると、鋳片の表面性状が悪くなったり、すき間か
ら溶湯が流出したりするほか、極端な場合にはブレーク
リングが脱落することもある。
の形式のモールドは、その点を考慮して、開口寸法が
変化しないように4つの鋳型部材を組み合わせたもので
あるが、鋳造中にブレークリングが寸法変化するときに
はやはり同様の不都合が発生する。通常、ブレークリン
グは熱膨張係数のきわめて小さい窒化ほう素系セラミッ
クで形成されるが、同係数が比較的に大きいサイアロン
やジルコニアで形成される場合には、その熱負荷(冷却
されないので鋳型よりも高温度になる)に応じてブレー
クリングは相当量の熱膨張をする。この形式のモールド
は、開口における対向する面間距離が一定(外側の水冷
ジャケットが固定)になっているので、上記のようにブ
レークリングが寸法変化するときにはその嵌装状態が変
わることになり、ブレークリングが圧壊する恐れもあ
る。
のモールドにおいて、各鋳型部材(および外側の水冷
ジャケット)が変位可能なように適当な改変を施せば、
開口寸法(面間距離)をブレークリングの寸法変化に追
随させることも不可能ではないが、その場合はモールド
の構造が著しく複雑になる。すなわち、4つの鋳型部材
がその内側ですき間なくかつ鋳造方向にずれのないよう
組み合わせられ、しかも鋳型自身およびブレークリング
の熱膨張に応じて各部材が変位可能でなければならない
ので、モールドの構成部材としてかなりの精度および部
品数が必要である。したがって、設備費がかさむうえ整
備上の負担も増大することになる。
[発明の目的] この発明は上記の課題を解決するためになされたもの
で、ブレークリングを嵌装したうえタンディッシュに直
結される連続鋳造用モールドのうち、とくに薄肉・広幅
な鋳片を得るためのものであって、鋳造中にブレークリ
ングの嵌装状態が変化せず、しかも構造のシンプルな連
続鋳造用モールドの提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明の連続鋳造用モールドは、鋳片の長辺面に添
い、かつ鋳片幅よりも広幅な平板部の一側縁に、鋳片の
短辺面に添い、かつ鋳片厚さに相当する高さの突出部を
設けて、断面L字形の鋳型部材を形成し、その鋳型部材
の一対を、上記平板部に上記突出部の端面を密着させる
とともに、鋳片幅方向には、対向する突出部の間隔が狭
まる向きに付勢して、互いに摺動可能に組み合わせたも
のである。
また請求項2に記載したように、上記鋳型部材の平板部
に、その全幅にわたってブレークリングの嵌装前端位置
を稜線とする凸条を形成するとともに、平板部に密着す
る上記突出部の端面に、この凸条に咬合する溝を形成す
るのもよい。
[作用] この発明の連続鋳造用モールドにおいては、断面L字形
の鋳型部材が組み合わされることにより、その内側に、
鋳片の断面形状に添う開口が形成され、その上流端部に
ブレークリングが嵌装される。薄肉鋳片用なので開口の
厚さ寸法が小さいため、この厚さ方向には鋳型部材(突
出部)およびブレークリングとも鋳造中にほとんど熱膨
張せず、その膨張差はたとえば両者の弾性変形範囲の程
度にとどまる。一方、鋳片の幅方向には鋳型部材(平板
部)とブレークリングがかなり熱膨張しその膨張差も大
きいが、この方向には、鋳型部材が突出部の間隔を狭め
る向き(つまり内側に)付勢されて互いに摺動可能なの
で、開口の両幅端面(突出部の内面)はつねにブレーク
リングの幅端面に密着する。つまり、鋳造中、鋳片の厚
さ方向および幅方向のいずれにもブレークリングの嵌装
状態が変化しない。
この発明の連続鋳造用モールドは、薄肉鋳片に関しては
その厚さ方向への鋳型・ブレークリングの寸法変化がほ
とんどないことに基づき、同方向にはとくに開口寸法を
可変とせず、鋳型部材を一対(2個)のみとし、少点数
の部品をシンプルに組み合わせて構成したものである。
そのため、適用できる鋳片サイズが薄肉(たとえば厚さ
数十mm以下)に限られるのは止むを得ないが、設備費や
整備負担は相当に軽微ですむ。とくに請求項2のよう
に、平板部と突出部にそれぞれ凸条および溝を形成して
咬合すれば、これらによって鋳型部材相互の鋳造方向へ
のずれなどが防止され、特別な位置ぎめ・案内手段が不
要となってモールドはさらにシンプルに構成される。
なお上記の凸条は、鋳型部材の平板部においてブレーク
リングの嵌装前端位置(嵌装するブレークリングの前端
面に一致する位置)に稜線をもつように形成しているの
で、溶湯の凝固開始点を定めるというブレークリングの
作用を補ってブレークリングの寿命を延ばし、また鋳片
の表面性状を良くする効果をも発揮する。
[実施例] 第1図はこの発明の第1実施例に関するモールドの横断
面図であり、モールドを軸線と直角に切断して下流側か
ら見た図である。また、第2図はそのモールドの使用状
態を示すもので、第1図のII−II線における縦断面図、
第3図はそのモールドに配備する一対の鋳型部材につい
ての解体斜視図である。
第2図のようにこのモールドAは、水平連続鋳造用とし
て軸線を水平にしたうえタンディッシュCに直結して使
用される。モールドAとタンディッシュCの出湯ノズル
Caとの間には、それぞれに溶湯通過孔をもつ接続用耐火
物として、ブレークリングB1、中間リングDaおよび耐火
パッキンDbがすき間なく介装されている。このため、タ
ンディッシュCに供給される溶鋼Eは、上記接続用耐火
物の各通過孔を通ってモールドAの開口内に流入し、こ
こで冷却され凝固して鋳片Fになる。モールドAのさら
に下流には引抜き装置(図示せず)が設けられており、
鋳片FはモールドAから図の矢印方向に連続的に引き抜
かれて鋳造が進む。なお、ブレークリングB1は前部をモ
ールドAの上流端部に嵌挿して装着され、中間リングDa
はブレークリングB1の後端面に当着したうえ押え板Dcお
よびボルトDdでモールドAに固定されている。
薄肉・広幅な矩形断面の鋳片Fを得るために、モールド
Aは、第1図に示すように断面L字形の鋳型部材1およ
び2を組み合わせることにより、同じ矩形断面の開口を
形成している。すなわち鋳型部材1、2をそれぞれ、鋳
片Fの長辺面(上・下の面)に添う平板部1a、2aと、そ
の一側縁で鋳片Fの短辺面(左・右の面)に添う突出部
1b、2bとを備えるL字形状に形成し、これらを一対とし
て互いに突出部1b、2bの端面を平板部2a、1aに密着さ
せ、内側に鋳片Fの断面形状に添う開口を形成した。平
板部1a、2aには、突出部2b、1bとの密着しろを含めて開
口幅よりも広い幅をもたせている。鋳型部材1、2は熱
伝導のよい銅合金を材料とし、冷却のための通水路1k、
2kを設けている。なお、この実施例における鋳片Fの断
面寸法(冷却後)は幅1000mm×厚さ20mmであり、上記開
口の断面寸法は鋳片Fの冷却時の収縮を見込んだもので
ある(図では縦(厚さ方向)・横(幅方向)の尺度を異
にしている)。
これら鋳型部材1、2は、外側から鋳型ジャケット3お
よび4によってそれぞれ保持させている。つまり鋳型部
材1、2とジャケット3、4とは、ジャケット3、4に
挿通して鋳型部材1、2に螺合するボルト3b、4bにより
それぞれ組み付けたが、鋳造中の鋳型部材1、2の熱膨
張を考慮してつぎの工夫を施している。すなわち、ジャ
ケット3、4が鋳型部材1、2の熱膨張変位を許容する
ように、ジャケット3、4におけるボルト3b、4bの挿通
穴を大きくし、さらに図のように、鋳型部材1の左端
(突出部1bのある側)上面および鋳型部材2の右端(突
出部2bのある側)下面に鋳造方向に延設(第2図参照)
した凸部1l、2lをジャケット3、4の凹部3a、4aにそれ
ぞれ嵌入するとともに、上流部の各1箇所(第2図参
照)で鋳型部材1、2とジャケット3、4の両者にそれ
ぞれピン1m、2mを嵌着して両者を係合させた。これによ
って鋳型部材1、2は、それぞれジャケット3、4に対
し、幅方向には凸部1l、2lを基準位置として熱膨張し、
鋳造方向にはピン1m、2mを基準位置として熱膨張するこ
とになる。
また第2図に示すように、鋳型ジャケット3、4には通
水路(ジャケット4の通水路のみ4cとして図示)を開設
し、鋳型部材1、2とジャケット3、4とを上記のとお
り組み付けたとき、これらが前記の通水路1k、2kに連通
するようにした。なお、同図において1n、2nは通水路1
k、2kの端部封止プラグ、4dはOリングである。
こうして鋳型部材1、2を組み付けた鋳型ジャケット3
および4を、第1図にしたがって、鋳型部材1および2
が前述のとおり組み合うように重ね合わせ、ジャケット
3は地上に配置したフレーム5に対しボルト5aで固定す
るとともに、ジャケット3はフレーム5の上部に取り付
けた油圧シリンダ5bにより下方へ押し付けるようにし
た。このため鋳型部材1、2は、突出部1b、2bの端面と
平板部2a、1aとの密着面にシリンダ5bの推力を受けて組
み合わされる。
鋳型部材1および2で形成する開口の上流端部には、前
述のようにブレークリングB1を嵌装するが、このときブ
レークリングB1の側面と鋳型部材1、2の内面とは確実
に密着し、鋳造中にもすき間が生じたりしないことが求
められる。この実施例では、鋳片Fの幅が広いのに対応
して鋳型部材1、2とブレークリングB1との幅方向の熱
膨張差が大きいので、この点はとくに重要である。
そこで、幅方向には第1図のように、ボルト5cをフレー
ム5に挿通して鋳型ジャケット3に螺合し、このボルト
5cの頭部とフレーム5との間にコイルばね5dを圧接する
ことにより、ジャケット3を図の右向きに付勢した。こ
れによって、鋳型部材1と2とが前記のように組み合っ
たまま、鋳型部材1の突出部1bは鋳型部材2と摺動して
突出部2bに近づくように付勢され、両突出部1b、2bの内
面がつねにブレークリングB1を挟み込んでこれに密着す
る。ブレークリングB1は図のように幅方向に2分割され
ているが、上記の付勢力によって、その分割面も確実に
密着する。またこれらの密着部分でブレークリングB1に
はたらく圧縮力は、鋳型部材1、2やブレークリングB1
の熱膨張とは関係なく、ばね5dからほぼ一定の大きさで
作用するので、鋳造中にブレークリングB1が圧壊するよ
うなことはない。なお、この付勢力が鋳型部材1の全長
において均一にはたらくよう、ボルト5cとばね5dは鋳造
方向に沿って複数配備した。なおフレーム5に螺合した
ボルト5eは、上記付勢力に対するジャケット3のストッ
パとなるもので、鋳造前にブレークリングB1を嵌装する
際、これを螺進させて開口幅を広げておくのに使用す
る。
一方、開口の厚さ方向に鋳型部材1、2とブレークリン
グB1とを密着させるためには、第2図のように、ブレー
クリングB1の上下側面にテーパを形成し、鋳型部材1、
2の開口に押し込むと両者の弾性によって密着力が生じ
るようにした。開口の厚さ寸法(突出部1b、2bの高さ)
が小さくブレークリングB1の同方向の寸法も小さいた
め、鋳造中の両者の熱膨張量およびその差がわずかであ
ることから、上記した弾性による密着力は鋳造中にもほ
とんど変化しない。
鋳型部材1、2を組み合わせることに関して、もう1つ
の重要な点は、互いの位置関係が鋳造方向にずれること
なく、相手側に対する摺動が幅方向にのみ行われること
である。この実施例では鋳型部材2に対して鋳型部材1
が摺動するが、もし鋳型部材1が鋳造方向に移動して鋳
型部材2からずれたり、水平面内で回転したりすると、
その上流端部がブレークリングB1など接続用耐火物から
離れ、溶鋼Eが流出するからである。したがって、鋳型
部材1の鋳型部材2に対する鋳造方向の位置を定めると
ともに、鋳型部材1の幅方向への移動(摺動)を案内す
るための手段が必要である。
そのためこの実施例では、第3図に示すように、鋳型部
材1、2の平板部1a、2aのそれぞれに、その全幅にわた
る長さの凸条1c、2cを正確に幅方向に形成し、この平板
部1a、2aに密着する相手側の突出部2b、1bの端面には、
上記凸条1c、2cと密に咬合する溝2g、1gをそれぞれ形成
した。凸条1c、2cはそれぞれ、稜線1d、2dとこれをはさ
む円弧面1e、2eおよび傾斜面1f、2fからなり、これに対
応して溝1g、2gは陥部1h、2hとこれをはさむ円弧面1i、
2iおよび傾斜面1j、2jからなる。なお傾斜面1f、2f、1
j、2jの勾配は、ブレークリングB1の上下側面のテーパ
に一致している。溝2gを凸条1cに、そして溝1gを凸条2c
に咬合させて鋳型部材1と2を組み合わせれば、鋳型部
材1の鋳型部材2に対する鋳造方向の位置が定まるとと
もに、鋳型部材1は鋳型部材2に対して正確に幅方向に
摺動するよう案内される。
上記凸条1c、2cの稜線1d、2dを形成した位置は、第2図
のように、鋳型部材1、2に(その傾斜面1f、2fに密着
させて)ブレークリングB1を嵌装するときその前端面に
一致する箇所とした。これにはつぎの2つの理由があ
る。1つは、仮に稜線1d、2dをブレークリングB1の前端
面よりも下流側に設ければ、鋳片Fがこれに引っ掛かっ
て引き抜かれないか、引き抜かれてもそれ以降は長辺面
が鋳型部材1、2の内面から離れて冷却されなくなるこ
と。もう1つは、稜線1d、2dをブレークリングB1の前端
位置にすることにより、ブレークリングB1の寿命が延
び、鋳片Fの表面性状が改善されることである。
後者の点はつぎのように説明される。まずブレークリン
グB1の寿命延長に関しては、溶湯Eの凝固開始点を定め
るというブレークリングB1の作用を、その前端面に続く
鋳型部材1、2の円弧面1e、2eが補うためである。溶鋼
EはブレークリングB1の前端面を始点として外周部から
凝固(相変化)するので、これらにともなう化学的・機
械的アタックがブレークリングB1の外周部付近に最も強
く作用するが、この部分に外側から円弧面1e、2eが張り
出しているため、上記アタックがブレークリングB1には
さほど及ばないのである。円弧面1e、2eは鋳型部材1、
2と一体の水冷された銅合金であるため、上記アタック
に対する耐久性は、セラミック製のブレークリングB1よ
りもはるかに強い。
また、鋳片Fの表面性状の改善は、鋳片Fの間欠引抜き
に起因するウィットネス(コールドシャット)クラック
が浅くなることであるが、これに関しては、すでに特開
昭60−257948号公報などに紹介されている。水平連続鋳
造など、タンディッシュとモールドとを直結してブレー
クリングの前端面から溶湯を凝固させる連続鋳造におい
ては、旧来の縦型連続鋳造でモールドを振動させるのに
代えて、鋳片を間欠的(引抜・押戻を繰り返すなど)に
引き抜くことが多いが、ウィットネスクラックはその引
抜きサイクルごとに凝固の不連続部分として鋳片表面に
形成される微小欠陥である。このクラックが浅くなる理
由はここでは述べない(上記公報参照。ただし未解明の
部分も多い)が、改善効果は本発明者らの実験によって
も確認されている。
したがって、もし鋳片Fの短辺面においてもこうした効
果を得ようとすれば、凸条1c、2cと同様の凸条を突出部
1b、2bの内面にも形成すればよい。
そのほか、このモールドAによれば、開口の幅を広い範
囲で任意に設定できるので、ブレークリングB1として幅
寸法の異なるものを使用する(または分割片の組合せ数
を変える)だけで、幅の異なる鋳片Fを鋳造することも
できる。
なお、鋳片FはモールドA内で鋳造方向に移動し(引き
抜かれ)冷却されるにつれて幅が収縮するが、このとき
その短辺面と鋳型部材1、2(突出部1b、2b)の内面と
の接触を保って短辺面からの冷却も続けようとするな
ら、モールドAの開口幅を下流側ほど狭くなるようにす
る。このためには、下流側になるほど突出部1b、2bの内
面が平板部1a、2a上に漸次せり出す形状に鋳型部材1、
2を形成しておけばよい。
また、この実施例では下の鋳型部材2を鋳型ジャケット
4とともに固定配置し、これに対して上の鋳型部材1を
可動にしたが、上の鋳型部材1を固定する、あるいは鋳
型部材1、2ともに可動にして、互いに摺動可能に組み
合わせてもよい。鋳型部材1、2に厚みをもたせて強度
を高めるなどすれば、ジャケット3、4を不要にするこ
ともできる。その場合、幅方向には、ばね5dつきの前記
ボルト5cやこれに匹敵する付勢手段(油圧シリンダな
ど)により、鋳型部材1または2を直接に付勢してやれ
ばよい。
続いて、この発明の他の実施例について説明する。第4
図は第2実施例に関するやはり薄肉鋳片の連続鋳造用モ
ールドのうち、鋳型部材のみの横断面を示す図である。
この実施例においては、断面L字形の鋳型部材11、12の
それぞれを、平板部11a、12aとこれとは別体の突出部11
b、12bとをボルト12pで固着することにより構成し、そ
の一対を図のように組み合わせて鋳片表面に添う開口を
形成している。冷却のための通水路11k、12kは、上記の
各部11a、12a、11b、12bに鋳造方向に開設した。また前
記実施例と同じく平板部11aの上面と平板部12aの下面に
は、これを鋳型ジャケット(図示せず)に組み付けられ
るよう、ねじ穴(図示せず)を穿設したほか、鋳造方向
に延設した凸部11l、12lおよび1箇所の係合ピン穴11
m、12mを設けている。したがってこの鋳型部材11、12
は、前記実施例と同様にモールドに配備されて、前記と
同じ作用をなす。
この実施例では、鋳型部材11、12の平板部11a、12aと突
出部11b、12bとが別体であることから、つぎの利点があ
る。すなわち、比較的薄い板状の素材からわずかな加工
しろで鋳型部材11、12を製作できること、また、突出部
11b、12bとして高さを違えた何種類かを用意しておけ
ば、1つの平板部11a、12aと組み合わせて厚さの異なる
複数種の鋳片を鋳造できることである。突出部11b、12b
として、たとえばその内面が平板部11a、12aの内面と直
角でないものを用い、台形断面の鋳片を鋳造する、など
ももちろん可能である。
モールド(鋳型部材)の上流端部、つまりブレークリン
グの嵌装部分について、前記以外の実施例を第5図
(a)〜(d)に示す。同図はいずれもその部分の縦断
面図である。
同図(a)は、一対の鋳型部材21、22の平板部に断面が
台形状の凸条21c、22cを形成したものである。この凸条
21c、22cは、やはり上記平板部の全幅にわたるものと
し、突出部(図示せず)に形成した溝(図示せず)と咬
合して、鋳型部材21、22相互の鋳造方向の位置ぎめおよ
び幅方向の摺動案内をなす。ブレークリングB2は、図の
ように凸条21c、22cに密着して後端部が上流側に出る形
状にするが、凸条21c、22cの1本の稜線21d、22dがこの
ブレークリングB2の前端面に一致する位置にあるので、
第1実施例と同様にブレークリングB2の寿命が延長され
鋳片の表面性状も良くなる。
同図(b)〜(d)は、鋳型部材に凸条を設けない例で
ある。これらの場合には、各対の鋳型部材相互の鋳造方
向の位置ぎめおよび幅方向の摺動案内をするため別の手
段を、たとえば外側の鋳型ジャケットやフレームに配備
する必要があるが、鋳型部材自体は単純な形状なので加
工が容易である。図示例ごとに説明すると、(b)は鋳
型部材31、32の上流端部にテーパ部31f、32fを形成して
同じテーパをもつブレークリングB3を嵌装するもの、
(c)は鋳型部材41、42の内面を完全な平面として、鍔
つきのブレークリングB4の前部(直筒部分)を嵌装する
もの、そして(d)は(b)および(c)の中間的な形
態として、鋳型部材51、52の上流端部に短いテーパ面51
f、52fを形成し、同じテーパの部分とその前部の直筒部
分とをもつブレークリングB5を嵌装する例である。
なお、テーパ面への押し込みによらずにブレークリング
を嵌装する場合(たとえば第5図(a)、(c)の例)
は、鋳造前に一対の鋳型部材をいったん上下(厚さ方
向)に開き、その一対でブレークリングをわずかに弾性
変形させるようにはさみ込んで嵌装するか、あるいは、
ブレークリングとして比較的に熱膨張率の大きい材料の
ものを用いるのがよい。鋳造中に、鋳型部材の平板部と
ブレークリングとの間にすき間が生じるのを防ぐためで
ある。
以上、いくつかの実施例を紹介したが、この発明は下記
のようにも実施できる。すなわち、水平連続鋳造に限ら
ず縦型連続鋳造(ただし旧来のものでなく、タンディッ
シュとモールドとがブレークリングを介して直結される
もの)に適用すること、また、鋼のみならず他の各種金
属を鋳造すること、も可能である。
[発明の効果] この発明の連続鋳造用モールドは、下記の効果をもたら
す。
イ)鋳型部材の内面が適度な力でつねにブレークリング
の周囲側面に密着し、鋳造中、両者の間にすき間ができ
たりブレークリングが圧壊したりしないので、薄肉鋳片
の鋳造を安定して行うことができる。
ロ)ブレークリングは幅端部で密着する鋳型部材(突出
部)から圧縮力を受けるので、幅方向に分割したブレー
クリングを使用しても、その分割部にすき間の生じるこ
とがない。セラミック製のブレークリングは寸法の増加
とともに製造が極端に難しくなるため、上記のように分
割片を使用できることは大幅なコストダウンにつなが
る。
ハ)鋳型部材で形成する開口の幅を広い範囲で任意に設
定できるので、幅寸法の異なるブレークリングを嵌装し
たりその分割片の組合せ数を変えたりするだけで、幅の
異なる鋳片を鋳造するのに使用できる。
ニ)鋳片断面の各辺ごとに独立した鋳型部材を配備した
モールドに比べて、構造がシンプルなので設備費および
整備負担が軽減される。
また、請求項2に記載した連続鋳造用モールドによれ
ば、 ホ)一対の鋳型部材が、自身の有する凸条および溝を互
いに咬合することにより相互の鋳造方向へのずれを防止
し、幅方向の摺動を案内するので、特別な位置ぎめ・案
内手段が不要となり、モールドの構造がよりシンプルに
なる。
ヘ)上記凸条は鋳型部材の平板部に形成されてその稜線
がブレークリングの嵌装前端位置にあることから、ブレ
ークリングの寿命が延び、鋳片の表面性状も改善され
て、連続鋳造の生産性向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例に関する連続鋳造用モー
ルドの横断面図、第2図は同モールドの使用状態を示す
もので第1図のII−II線における縦断面図、第3図は同
モールドに配備する一対の鋳型部材についての解体斜視
図である。第4図は第2実施例に関するモールドのうち
鋳型部材のみを示す横断面図である。そして第5図
(a)〜(d)は、ブレークリングを嵌装したモールド
(鋳型部材)の上流端部における縦断面図で、上記以外
の実施例を示すものである。 A……モールド、B1,B2,B3,B4,B5……ブレークリング、
C……タンディッシュ、E……溶鋼(溶湯)、F……鋳
片、1,2,11,12,21,22,31,32,41,42,51,52……鋳型部
材、1a,2a,11a,12a……平板部、1b,2b,11b,12b……突出
部、1c,2c,21c,22c……凸条、1d,2d,21d,22d……稜線、
1g,2g……溝、3,4……鋳型ジャケット。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上流端部にブレークリングを嵌装してタン
    ディッシュと直結される、薄肉鋳片の連続鋳造用モール
    ドにおいて、 鋳片の長辺面に添い、かつ鋳片幅よりも広幅な平板部の
    一側縁に、鋳片の短辺面に添い、かつ鋳片厚さに相当す
    る高さの突出部を設けて、断面L字形の鋳型部材を形成
    し、 その鋳型部材の一対を、上記平板部に上記突出部の端面
    を密着させるとともに、鋳片幅方向には、対向する突出
    部の間隔が挟まる向きに付勢して、互いに摺動可能に組
    み合わせたことを特徴とする連続鋳造用モールド。
  2. 【請求項2】上記鋳型部材の平板部に、その全幅にわた
    ってブレークリングの嵌装前端位置を稜線とする凸条を
    形成するとともに、平板部に密着する上記突出部の端面
    には、この凸条に咬合する溝を形成した請求項1に記載
    の連続鋳造用モールド。
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