JPH0738940B2 - 多孔性中空糸膜及びその製造方法 - Google Patents
多孔性中空糸膜及びその製造方法Info
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- JPH0738940B2 JPH0738940B2 JP16372885A JP16372885A JPH0738940B2 JP H0738940 B2 JPH0738940 B2 JP H0738940B2 JP 16372885 A JP16372885 A JP 16372885A JP 16372885 A JP16372885 A JP 16372885A JP H0738940 B2 JPH0738940 B2 JP H0738940B2
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- porous hollow
- fiber membrane
- polyvinyl butyral
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (発明の目的) 本発明は、主としてポリビニルブチラールもしくはその
誘導体からなる多孔性中空糸膜及びその製造方法に関す
る。
誘導体からなる多孔性中空糸膜及びその製造方法に関す
る。
近年、工業−医療分野に用いられる機能性膜材料のニー
ズが増々高まりを見せ、研究開発が盛んに行なわれてい
る。例えば、工業分野においては海水の淡水化、純水の
製造、ウラン濃縮、食品の精製−濃縮、油水分離、ヘリ
ウム濃縮回収、酸素富化、メタン−炭酸ガスの分離等を
目的としたUF,RO膜やガス分離膜の開発が行なわれ、医
療分野においては人工腎臓、人工肺、血液−血漿分離
膜、薬剤局所投与用カプセル膜、人工血管、抗血栓性カ
テーテル等の開発が行なわれている。これらは一部実用
化されてはいるものの、必ずしも満足な特性が得られて
いるわけではない。
ズが増々高まりを見せ、研究開発が盛んに行なわれてい
る。例えば、工業分野においては海水の淡水化、純水の
製造、ウラン濃縮、食品の精製−濃縮、油水分離、ヘリ
ウム濃縮回収、酸素富化、メタン−炭酸ガスの分離等を
目的としたUF,RO膜やガス分離膜の開発が行なわれ、医
療分野においては人工腎臓、人工肺、血液−血漿分離
膜、薬剤局所投与用カプセル膜、人工血管、抗血栓性カ
テーテル等の開発が行なわれている。これらは一部実用
化されてはいるものの、必ずしも満足な特性が得られて
いるわけではない。
これまで膜分離用途に用いられてきたものは、代表的に
は酢酸セルロースなどのセルロース系多孔性膜、ポリス
ルホン等のエンジニアリングプラスチツクの多孔性膜、
アミド系の多孔性膜、ポリプロピレン多孔性膜、四弗化
エチレン等のフツソ系多孔性膜等を上げることができ
る。これらはいずれも、水系の分離用途に用いる場合、
透水性の小さい素材群であることが問題であり、それを
改善するために繁雑な処理を要しても充分な効果は得ら
れにくかつた。これに対し、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子からなる多孔性膜を用いる試みがなされ、
透水性等の改善が行なわれた。例えば、放射線を用いて
架橋を行なう方法(M.Odian et al,Trans,ASAIO145,196
8:Bruce S. Bernstein,J.Polym.Sci.Part A,33405,196
5)、ポリマーブレンドする方法(吉川進ら、第20回高
分子研究発表会)、グラフト共重合を行なう方法(今井
庸二ら、人工臓器2147,1973)などが検討された。これ
らはいずれも親水性の強いポリビニルアルコールを用い
ているため透水性は大巾に改善されているものの、水不
溶化は不充分であり、水系分離用途の実用に耐えるもの
ではなかつた。これをさらに改善する方法としてポリビ
ニルアルコール中空繊維をアセタール架橋し、さらに熱
水処理を施すことによつて、架橋をすすめると同時に水
可溶部を溶出させて用いようとする試みがなされた。
(特公昭58−25764,特公昭58−25765;(株)クラレ)。こ
の試みは前記したいくつかの方法に比べて、はるかに実
用的ではあるが、紡糸原液の溶媒系が水もしくは水の混
合物しか適用できず、溶媒−凝固剤系が狭い範囲に限定
されるため、紡糸条件及び得られる膜構造も限定されや
すい等の問題が残された。
は酢酸セルロースなどのセルロース系多孔性膜、ポリス
ルホン等のエンジニアリングプラスチツクの多孔性膜、
アミド系の多孔性膜、ポリプロピレン多孔性膜、四弗化
エチレン等のフツソ系多孔性膜等を上げることができ
る。これらはいずれも、水系の分離用途に用いる場合、
透水性の小さい素材群であることが問題であり、それを
改善するために繁雑な処理を要しても充分な効果は得ら
れにくかつた。これに対し、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子からなる多孔性膜を用いる試みがなされ、
透水性等の改善が行なわれた。例えば、放射線を用いて
架橋を行なう方法(M.Odian et al,Trans,ASAIO145,196
8:Bruce S. Bernstein,J.Polym.Sci.Part A,33405,196
5)、ポリマーブレンドする方法(吉川進ら、第20回高
分子研究発表会)、グラフト共重合を行なう方法(今井
庸二ら、人工臓器2147,1973)などが検討された。これ
らはいずれも親水性の強いポリビニルアルコールを用い
ているため透水性は大巾に改善されているものの、水不
溶化は不充分であり、水系分離用途の実用に耐えるもの
ではなかつた。これをさらに改善する方法としてポリビ
ニルアルコール中空繊維をアセタール架橋し、さらに熱
水処理を施すことによつて、架橋をすすめると同時に水
可溶部を溶出させて用いようとする試みがなされた。
(特公昭58−25764,特公昭58−25765;(株)クラレ)。こ
の試みは前記したいくつかの方法に比べて、はるかに実
用的ではあるが、紡糸原液の溶媒系が水もしくは水の混
合物しか適用できず、溶媒−凝固剤系が狭い範囲に限定
されるため、紡糸条件及び得られる膜構造も限定されや
すい等の問題が残された。
しかるに、本発明者らは、強い親水性を有しながら、本
質的に水不溶性のポリビニルブチラールもしくはその誘
導体を多孔性中空系膜に成形することにより、この問題
から大きく前進できることを見い出し、本発明に到つ
た。すなわち、本発明の多孔性中空系膜を水系の分離用
途に用いる場合、差圧の小さい範囲であれば、そのまま
使用することが可能であり、さらに強度が要求される場
合には、分子中に存在する水酸基を利用して架橋構造を
形成させ高強度化して用いることも可能である。いずれ
にしても親水性にすぐれているため大きな透水性を得る
ことができる。又、水酸基等を利用して無機−有機の化
合物との複合構造を形成させることも容易であり、この
ような方法により、キヤリア輸送や抗血栓性などの複次
機能を付与することも可能である。
質的に水不溶性のポリビニルブチラールもしくはその誘
導体を多孔性中空系膜に成形することにより、この問題
から大きく前進できることを見い出し、本発明に到つ
た。すなわち、本発明の多孔性中空系膜を水系の分離用
途に用いる場合、差圧の小さい範囲であれば、そのまま
使用することが可能であり、さらに強度が要求される場
合には、分子中に存在する水酸基を利用して架橋構造を
形成させ高強度化して用いることも可能である。いずれ
にしても親水性にすぐれているため大きな透水性を得る
ことができる。又、水酸基等を利用して無機−有機の化
合物との複合構造を形成させることも容易であり、この
ような方法により、キヤリア輸送や抗血栓性などの複次
機能を付与することも可能である。
(発明の構成) 本発明で用いるポリビニルブチラールは、ポリビニルア
ルコールにブチルアルデヒドを反応させることにより得
られ、最高81.6mol%のブチラール化度を有する。従つ
て、ブチラール化工程で残存する水酸基及びポリビニル
アルコール製造工程のケン化の際に残存するアセチル基
を分子中に有し、一般式; で表わされる繰り返し単位を有する。平均重合度は250
〜3000,特に2000〜3000のものが好ましく用いられる。
ルコールにブチルアルデヒドを反応させることにより得
られ、最高81.6mol%のブチラール化度を有する。従つ
て、ブチラール化工程で残存する水酸基及びポリビニル
アルコール製造工程のケン化の際に残存するアセチル基
を分子中に有し、一般式; で表わされる繰り返し単位を有する。平均重合度は250
〜3000,特に2000〜3000のものが好ましく用いられる。
ポリビニルブチラールは反応性に富み、多くの誘導体を
得ることができるが、代表的には、フエノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート、シラン及
びシロキサン化合物、多価アルデヒド等との反応物が上
げられる。
得ることができるが、代表的には、フエノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート、シラン及
びシロキサン化合物、多価アルデヒド等との反応物が上
げられる。
ポリビニルブチラール及びその誘導体の溶剤としては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、n-ブタノ
ール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール等のアル
コール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ等のセロソルブ類、シクロヘキサノン等の
ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
ジクロルメタン、クロロホルム等の塩素系炭化水素、ピ
リジン等の芳香族系溶媒、ジメチルスルオキシド、酢酸
等の有機溶媒が上げられ、これら単独もしくはその混合
物を用いることができるが、特に好ましくはアミド類及
びその混合物が選ばれる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、n-ブタノ
ール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール等のアル
コール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ等のセロソルブ類、シクロヘキサノン等の
ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
ジクロルメタン、クロロホルム等の塩素系炭化水素、ピ
リジン等の芳香族系溶媒、ジメチルスルオキシド、酢酸
等の有機溶媒が上げられ、これら単独もしくはその混合
物を用いることができるが、特に好ましくはアミド類及
びその混合物が選ばれる。
本発明の特徴はポリビニルブチラールもしくはその誘導
体が、多孔性中空糸膜に成形されていることにあり、さ
らにはその中空系の外表面、内表面のいずれか一方もし
くは両方が緻密な表面で、肉厚部分に各表面に連続した
スポンジ状の空孔や中空系のほほ半径方向に配向した指
状ないしボイド状の空孔を有することにある。このよう
な構造を任意に形成させるためには、アミド類及びその
混合物が好適となる。溶液濃度は10〜40%、特に20〜35
%が好ましい。また空孔率を制御するためにフタル酸エ
ステル、燐酸エステル、脂肪酸エステル、グリコール誘
導体等の可塑剤や無機塩類を溶液に混和することもでき
る。
体が、多孔性中空糸膜に成形されていることにあり、さ
らにはその中空系の外表面、内表面のいずれか一方もし
くは両方が緻密な表面で、肉厚部分に各表面に連続した
スポンジ状の空孔や中空系のほほ半径方向に配向した指
状ないしボイド状の空孔を有することにある。このよう
な構造を任意に形成させるためには、アミド類及びその
混合物が好適となる。溶液濃度は10〜40%、特に20〜35
%が好ましい。また空孔率を制御するためにフタル酸エ
ステル、燐酸エステル、脂肪酸エステル、グリコール誘
導体等の可塑剤や無機塩類を溶液に混和することもでき
る。
このようにして得られた溶液は二重管ノズルの外管から
凝固浴中に押出されるだ、その際中空を形成させたり、
内表面の状態を制御するために二重管ノズルの内管から
芯液を流出させる。二重管ノズルは凝固浴中に浸漬され
ていてもよく、又凝固浴の液面の上方でもよいが、液面
の上方に位置する場合、チムニー等を用いて溶媒の蒸発
量をおさえたり、チムニー内を吸気して蒸発を促すなど
の方法により中空糸外表面の状態を制御することができ
る。
凝固浴中に押出されるだ、その際中空を形成させたり、
内表面の状態を制御するために二重管ノズルの内管から
芯液を流出させる。二重管ノズルは凝固浴中に浸漬され
ていてもよく、又凝固浴の液面の上方でもよいが、液面
の上方に位置する場合、チムニー等を用いて溶媒の蒸発
量をおさえたり、チムニー内を吸気して蒸発を促すなど
の方法により中空糸外表面の状態を制御することができ
る。
また、溶液の配管や紡糸ノズルを加熱して、溶液粘度や
溶媒の蒸発量を変化させ、膜構造を制御することもでき
る。
溶媒の蒸発量を変化させ、膜構造を制御することもでき
る。
凝固剤には溶媒と混和可能な非溶媒が用いられる。例え
ばアミド類を溶媒として用いる場合は、水が凝固剤とし
て好ましく用いられる。ここで、凝固速度を制御するた
めに凝固剤に添加物を加えてもよい。凝固速度を遅くす
るためには溶媒を速くするためには無機塩類を加える。
ばアミド類を溶媒として用いる場合は、水が凝固剤とし
て好ましく用いられる。ここで、凝固速度を制御するた
めに凝固剤に添加物を加えてもよい。凝固速度を遅くす
るためには溶媒を速くするためには無機塩類を加える。
芯液も凝固浴と同様の観点から選択される。
凝固した中空糸は、さらに水洗することによつて溶媒や
添加物が抽出され膜構造が固定される。この時、熱水処
理を行なうことにより膜構造や特性を安定化させること
ができる。処理温度はポリビニルブチラールもしくはそ
の誘導体のガラス転位点以上が好ましい。ポリビニルブ
チラールのガラス転位点は50℃〜90℃である。乾燥状態
での熱処理は、ガラス転位点以上、熱変形温度以下で行
なわれる。
添加物が抽出され膜構造が固定される。この時、熱水処
理を行なうことにより膜構造や特性を安定化させること
ができる。処理温度はポリビニルブチラールもしくはそ
の誘導体のガラス転位点以上が好ましい。ポリビニルブ
チラールのガラス転位点は50℃〜90℃である。乾燥状態
での熱処理は、ガラス転位点以上、熱変形温度以下で行
なわれる。
ポリビニルブチラールもしくはその誘導体に架橋構造を
形成させる方法としては、代表的には多価アルデヒド類
を反応させて架橋する方法と、電離性放射線を照射する
方法があげられ、これらを併用してもよい。
形成させる方法としては、代表的には多価アルデヒド類
を反応させて架橋する方法と、電離性放射線を照射する
方法があげられ、これらを併用してもよい。
多価アルデヒド類を用いる場合、溶液、芯液、凝固浴の
いずれか1箇所、2箇所もしくは3箇所すべてに2個以
上のアルデヒド基を有する多価アルデヒド類をあらかじ
め混和させておく方法が上げられる。この時、酸や酸性
の塩を共存させたり、ノズルや凝固浴を加熱することに
より、反応を促進させることができる。
いずれか1箇所、2箇所もしくは3箇所すべてに2個以
上のアルデヒド基を有する多価アルデヒド類をあらかじ
め混和させておく方法が上げられる。この時、酸や酸性
の塩を共存させたり、ノズルや凝固浴を加熱することに
より、反応を促進させることができる。
電離性放射線を照射して架橋させる時の線量は通常1〜
20Mradの範囲で選択されるが、紡糸ノズルから吐出した
直後に行なうが、湿潤状態、乾燥状態のいずれかによつ
ても異なり、必ずしもこの範囲に限定されるものではな
い。
20Mradの範囲で選択されるが、紡糸ノズルから吐出した
直後に行なうが、湿潤状態、乾燥状態のいずれかによつ
ても異なり、必ずしもこの範囲に限定されるものではな
い。
中空糸の外表面、内表面に有機もしくは無機の化合物を
結合ないし積層する方法としてはグラフト重合法、プラ
ズマ重合法、デイツピング法が代表的に上げられる。グ
ラフト重合、デイツピング法では主としてポリビニルブ
チラールもしくはその誘導体と反応性をもつ化合物が用
いられ、例えば、メラミン樹脂、イソシアネート、フエ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、多価アルデヒド類等が上げ
られる。
結合ないし積層する方法としてはグラフト重合法、プラ
ズマ重合法、デイツピング法が代表的に上げられる。グ
ラフト重合、デイツピング法では主としてポリビニルブ
チラールもしくはその誘導体と反応性をもつ化合物が用
いられ、例えば、メラミン樹脂、イソシアネート、フエ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、多価アルデヒド類等が上げ
られる。
一方プラズマ重合法では反応性に関係なく接着性の良好
な積層ないし結合が行なえるため、目的とする表面特性
に合つた任意の化合物が選択できる。ただし、蒸気とし
て供給できることが条件であり、比較的低沸点で蒸気圧
の高い化合物が好ましい。
な積層ないし結合が行なえるため、目的とする表面特性
に合つた任意の化合物が選択できる。ただし、蒸気とし
て供給できることが条件であり、比較的低沸点で蒸気圧
の高い化合物が好ましい。
例えば、エチレン、アセチレン、スチレン、アクリロニ
トリル、4ビニルピリジン、Nメチル2ピロリドン、ベ
ンゼン、トルエンの他、有機、無機のシラン化合物、シ
ロキサン化合物等を上げることができるが、これらに限
定されるものではない。具体的なプラズマ重合条件とし
ては、例えば系内を5torr以下、好ましくは2torr以下の
減圧とし、系に重合性ガスと非重合性ガスの混合ガスを
導入して所定の出力、例えば5〜500Wで13.56MHzの高周
波によるグロー放電を行なうことによつて重合性ガスが
プラズマ重合し、系内におかれた中空系の外表面ないし
内表面に重合物が堆積する。
トリル、4ビニルピリジン、Nメチル2ピロリドン、ベ
ンゼン、トルエンの他、有機、無機のシラン化合物、シ
ロキサン化合物等を上げることができるが、これらに限
定されるものではない。具体的なプラズマ重合条件とし
ては、例えば系内を5torr以下、好ましくは2torr以下の
減圧とし、系に重合性ガスと非重合性ガスの混合ガスを
導入して所定の出力、例えば5〜500Wで13.56MHzの高周
波によるグロー放電を行なうことによつて重合性ガスが
プラズマ重合し、系内におかれた中空系の外表面ないし
内表面に重合物が堆積する。
これらの積層方法ないし結合方法を単独で、もしくは組
合せることによつて、親水性、撥水性、抗血栓性など、
目的に応じた表面特性を付与することができる。
合せることによつて、親水性、撥水性、抗血栓性など、
目的に応じた表面特性を付与することができる。
以下、実施例によつて、本発明を更に説明する。
実施例1. ポリビニルブチラール(エスレツクBH−3; の繰り返し単位を有し、分子量約110,000積水化学工業
(株))20重量部をジメチルホルムアミド80重量部に溶解
させ、均一な溶液を得た。この溶液を二重管ノズルの外
管(外径2mm、内径1mm)から凝固浴中に押出すと同時に
内管(系0.5mm)から芯液を流出させて中空を形成させ
ながら凝固させた。第1凝固浴及び芯液には室温の水を
用いた。引き続き37〜42℃に加熱した第2凝固浴に40g
の張力をかけながら導入し、さらに水洗して脱溶媒を完
結させた。この時中空糸膜は184%延伸されていた。第
2凝固浴には、Na2SO4110g/l,Na2CO350g/l水溶液を用い
た。得られた多孔性中空糸膜を30℃の雰囲気で2時間さ
らに50℃の雰囲気で2時間乾燥し、基礎物性を測定し
た。第1表に測定結果を示す。
(株))20重量部をジメチルホルムアミド80重量部に溶解
させ、均一な溶液を得た。この溶液を二重管ノズルの外
管(外径2mm、内径1mm)から凝固浴中に押出すと同時に
内管(系0.5mm)から芯液を流出させて中空を形成させ
ながら凝固させた。第1凝固浴及び芯液には室温の水を
用いた。引き続き37〜42℃に加熱した第2凝固浴に40g
の張力をかけながら導入し、さらに水洗して脱溶媒を完
結させた。この時中空糸膜は184%延伸されていた。第
2凝固浴には、Na2SO4110g/l,Na2CO350g/l水溶液を用い
た。得られた多孔性中空糸膜を30℃の雰囲気で2時間さ
らに50℃の雰囲気で2時間乾燥し、基礎物性を測定し
た。第1表に測定結果を示す。
実施例2〜5 溶液濃度、芯液組成、第1-第2凝固浴の組成と温度、搬
送張力、延伸率、熱処理‐乾燥条件等をかえた他は実施
例1と同様にして多孔性中空糸膜を得て、基礎物性を測
定した。第2表に製膜条件を第3表に測定結果を示す。
第1図には実施例2で得られた中空糸の断面の走査電子
顕微鏡写真を示す。
送張力、延伸率、熱処理‐乾燥条件等をかえた他は実施
例1と同様にして多孔性中空糸膜を得て、基礎物性を測
定した。第2表に製膜条件を第3表に測定結果を示す。
第1図には実施例2で得られた中空糸の断面の走査電子
顕微鏡写真を示す。
実施例6. 実施例5で得られた中空糸に7Mradの電離性放射線を照
射し、架橋を行なつた。実施例5の中空糸及び放射線架
橋した中空糸双方の内空に約70℃の温水を循環させなが
ら2Kg/cm2に加圧したところ、実施例5の中空糸では外
径が約2.5倍に膨張したのに対し、放射線架橋した中空
糸ではほとんど膨張がみられなかつた。
射し、架橋を行なつた。実施例5の中空糸及び放射線架
橋した中空糸双方の内空に約70℃の温水を循環させなが
ら2Kg/cm2に加圧したところ、実施例5の中空糸では外
径が約2.5倍に膨張したのに対し、放射線架橋した中空
糸ではほとんど膨張がみられなかつた。
実施例7. 実施例5で得られた中空糸を反応容器の中央に固定し、
メチルトリビニルシランを流速1.1cm3/minで系内に導入
しながら10Wの出力で30分間反応容器中にグロー放電を
行ない、中空糸の外表面にプラズマ重合膜を堆積させ
た。中空糸の重量増加から換算したプラズマ重合膜の厚
さは約0.3μであつた。
メチルトリビニルシランを流速1.1cm3/minで系内に導入
しながら10Wの出力で30分間反応容器中にグロー放電を
行ない、中空糸の外表面にプラズマ重合膜を堆積させ
た。中空糸の重量増加から換算したプラズマ重合膜の厚
さは約0.3μであつた。
(発明の効果) 本発明によれば、強い親水性を有しながら、かつ、水不
溶性のポリビニルブチラールもしくはその誘導体を多孔
性中空糸膜に成形することにより透水性の大きな水系の
分離膜を得ることが可能であり、さらに分子中の水酸基
を利用したり、プラズマ重合法を用いる等して無機、有
機の化合物との複合膜を形成することによつて、抗血栓
性等の高次の機能を有する膜を得ることも可能となる。
すなわち、限外過膜を中心とする分離膜から医用材料
にいたるまで巾広い製品への応用が可能となる。
溶性のポリビニルブチラールもしくはその誘導体を多孔
性中空糸膜に成形することにより透水性の大きな水系の
分離膜を得ることが可能であり、さらに分子中の水酸基
を利用したり、プラズマ重合法を用いる等して無機、有
機の化合物との複合膜を形成することによつて、抗血栓
性等の高次の機能を有する膜を得ることも可能となる。
すなわち、限外過膜を中心とする分離膜から医用材料
にいたるまで巾広い製品への応用が可能となる。
第1図はポリビニルブチラール多孔性中空糸膜の断面の
繊維の形状を示す走査電子顕微鏡写真であり、倍率は10
0倍である。
繊維の形状を示す走査電子顕微鏡写真であり、倍率は10
0倍である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/14 7199−3B
Claims (8)
- 【請求項1】主として、式; で表わされる繰り返し単位を有するポリビニルブチラー
ルもしくはその誘導体からなることを特徴とする多孔性
中空糸膜。 - 【請求項2】中空糸の外表面、内表面のいずれか一方も
しくは両方が緻密な表面で、肉厚部分が各表面に連続し
てスポンジ状もしくは中空糸のほぼ半径方向に配向した
指状ないしボイド状の空孔を有する構造であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の多孔性中空糸膜。 - 【請求項3】ポリビニルブチラールもしくはその誘導体
の一部もしくは全部が分子間もしくは分子間と分子内の
双方に架橋されていることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の多孔性中空糸膜。 - 【請求項4】ポリビニルブチラールもしくはその誘導体
の一部もしくは全部が2個以上のアルデヒド基を有する
多価アルデヒド類によって分子間もしくは分子間と分子
内の双方に架橋されていることを特徴とする特許請求の
範囲第3項記載の多孔性中空糸膜。 - 【請求項5】主として、式; で表わされる繰り返し単位を有するポリビニルブチラー
ルもしくはその誘導体からなる多孔性中空糸の外表面、
内表面のいずれか一方もしくは両方に、有機もしくは無
機の化合物が結合ないし積層されていることを特徴とす
る複合膜。 - 【請求項6】主として、式; で表わされる繰り返し単位を有するポリビニルブチラー
ルもしくはその誘導体の溶液を二重管ノズルの外管から
凝固浴中に押出すと同時に、内管から芯液を流出させ
て、凝固、脱溶媒することを特徴とする多孔性中空糸膜
の製造方法。 - 【請求項7】電離性放射線を照射することにより、ポリ
ビニルブチラールもしくはその誘導体の一部もしくは全
部を架橋させることを特徴とする特許請求の範囲第6項
記載の多孔性中空糸膜の製造方法。 - 【請求項8】溶液、芯液、凝固浴のいずれか1箇所、2
箇所もしくは3箇所に2個以上のアルデヒド基を有する
多価アルデヒド類をあらかじめ混和させておくことによ
り、ポリビニルブチラールもしくはその誘導体の一部も
しくは全部を架橋させることを特徴とする特許請求の範
囲第6項記載の多孔性中空糸膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16372885A JPH0738940B2 (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 多孔性中空糸膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16372885A JPH0738940B2 (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 多孔性中空糸膜及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS6223403A JPS6223403A (ja) | 1987-01-31 |
JPH0738940B2 true JPH0738940B2 (ja) | 1995-05-01 |
Family
ID=15779532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16372885A Expired - Lifetime JPH0738940B2 (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 多孔性中空糸膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0738940B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Families Citing this family (6)
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JP2006297370A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-11-02 | Sekisui Chem Co Ltd | 選択分離膜、及び、選択分離フィルター |
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CN114588786A (zh) * | 2021-12-14 | 2022-06-07 | 宁波水艺膜科技发展有限公司 | 一种含交联亲水聚合物的微孔膜及其制备方法 |
-
1985
- 1985-07-23 JP JP16372885A patent/JPH0738940B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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USD739565S1 (en) | 2013-06-27 | 2015-09-22 | Cree, Inc. | Light emitter unit |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6223403A (ja) | 1987-01-31 |
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