JPH0737952U - 緩み防止キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピルファープルーフキャップにおけるブリッ
ジの切断がなく、しかもキャップの緩み防止効果が得ら
れるキャップの提供を目的としている。 【構成】 雌ネジ11の上端部、或いはキャップ1を容器
口元部9に巻き締めた状態で雄ネジ10の上端部と相対す
る位置にある雌ネジの一部に、雄ネジと係合してキャッ
プ開栓方向への回転に抵抗を与える緩み防止用突起14を
設けた合成樹脂製キャップである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は合成樹脂製のキャップに関し、特に容器口元部に巻き締めて装着した 際にキャップ開栓方向への回転に抵抗を与えてキャップの緩みを防止するように した緩み防止キャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、従来の金属製キャップに代えて合成樹脂製キャップが用いられること が多くなってきている。合成樹脂製キャップは容器口部に形成された雄ねじに螺 合する雌ねじが形成されており、これを容器口部に被せ、キャップを閉方向に回 して装着する。 この合成樹脂製キャップを用いる際、容器がポリエチレンテレフタレート（Ｐ ＥＴ）などの合成樹脂製容器である場合には、装着したキャップに緩みを生じる 現象は殆ど無いが、ガラス容器の場合には、特に温水充填のサンプルにおいて、 容器口部にキャップが締められた直後に開栓方向に緩む現象が発生する。

【０００３】 従来、このような合成樹脂製キャップにおける緩み現象の発生を防止するため のものとして、実開昭６２−１９９４９号公報には容器口元部の雄ねじにキャッ プの緩み防止用の突起を形成した容器が開示されている。同公報に開示されたキ ャップゆるみ防止容器は、容器の口元部に設けた雄ねじのうち最下部の雄ねじに 連結して谷部に少なくとも３個の突起をほぼ等間隔に設けてなるものであり、こ れら突起によって、合成樹脂製キャップの緩みを防止するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、実開昭６２−１９９４９号公報に開示されたキャップゆるみ防 止キャップは、雄ねじのうち最下部の雄ねじに連結して複数の突起を設けた構成 なので、合成樹脂製キャップとして、キャップ本体の下端に細いブリッジを介し てピルファープルーフリング部が連設され、開栓時に容器口元部の雄ねじ下方に 形成された係合突起にこのピルファープルーフリング部が係合してブリッジが切 断され、キャップ本体からピルファープルーフリング部が切り離される、いわゆ るピルファープルーフキャップを用いた場合、該キャップを容器口元部に装着す ると、キャップのブリッジに近い部分に上記突起が当って外方に押し広げられる ことから、キャップ巻き締め時にブリッジの切断が起こり易いという問題があっ た。 また、瓶口の中間部或いは上部に突起を設けた構成の場合は、キャップの閉栓 時、開栓時ともに常に強い開栓、閉栓トルクでキャップの開け閉めを行わなけれ ばならず、閉まり難く、充分に閉栓できないとか開けにくい等の問題があった。

【０００５】 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、ピルファープルーフキャップにお けるブリッジの切断がなく、開栓、閉栓が比較的スムーズで、しかもキャップの 緩み防止効果が得られる合成樹脂製キャップの提供を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決するために、請求項１記載の考案は、天板部と、その周縁か ら垂下する筒部とを備え、該筒部の内周壁面に、容器口元部の外周に形成された 雄ネジに螺合する雌ネジが形成された合成樹脂製のキャップにおいて、上記雌ネ ジの上端部に、上記雄ネジと係合してキャップ開栓方向への回転に抵抗を与える 緩み防止用突起を設けたことを特徴とする緩み防止キャップである。 また、請求項２記載の考案は、天板部と、その周縁から垂下する筒部とを備え 、該筒部の内周壁面に、容器口元部の外周に形成された雄ネジに螺合する雌ネジ が形成された合成樹脂製のキャップにおいて、このキャップを容器口元部に巻き 締めた状態で、雄ネジの上端部と相対する位置にある雌ネジの一部に、該雄ネジ と係合してキャップ開栓方向への回転に抵抗を与える緩み防止用突起を設けたこ とを特徴とする緩み防止キャップである。

【０００７】

【作用】

本考案の緩み防止キャップは、雌ネジの上端部、或いはキャップを容器口元部 に巻き締めた状態で雄ネジの上端部と相対する位置にある雌ネジの一部に、雄ネ ジと係合してキャップ開栓方向への回転に抵抗を与える緩み防止用突起を設けた ものなので、容器口元部の雄ネジに該突起が係合した状態にあってはキャップと の嵌合が強くなりキャップの緩みが防止される。 また、雌ネジの上端部、或いはキャップを容器口元部に巻き締めた状態で雄ネ ジの上端部と相対する位置にある雌ネジの一部に突起を設けたことにより、キャ ップ本体下部に細い多数のブリッジで連接されたピルファープルーフリング部を 有するピルファープルーフキャップでは、キャップ装着時における突起とキャッ プのブリッジとの相対位置が離れているので、突起が雄ネジに当って外方に押さ れてもブリッジが切断されることがなく、ブリッジ切断不良の発生を防ぐことが できる。 さらに、閉栓時の抵抗が少なく、しかも最後に強く嵌合する事で、キャッピン グの良否が判別し易い。 また、開栓時も最初は若干抵抗があるが、それ以降は軽く開栓可能となる。

【０００８】

【実施例】

図１ないし図３は本考案の緩み防止キャップの一実施例である合成樹脂製ピル ファープルーフキャップ（以下、ＰＰキャップと略記する）を示すものであり、 このＰＰキャップ１は、円板状の天板部２とその周縁から垂下する筒部３とから なるキャップ本体４と、天板部２の内面側（裏面側）に密着して設けられた薄肉 状のライナー５とを具備してなり、さらにキャップ本体４は下部がスコア７によ って切り離され細い複数本のブリッジ８で連結されてピルファープルーフリング 部６（以下、ＰＰリング部と略記する）が形成されている。

【０００９】 また、筒部３の内周壁面には、図３に示すように、このＰＰキャップ１を装着 する容器口元部９の外周に形成された雄ネジ１０に螺合する雌ネジ１１が形成さ れている。 また、キャップ本体４の雌ネジ１１の上部には環状に突出したシールリング１ ２が形成されており、上記ライナー５の周縁はこのシールリング１２に接するよ うに形成されている。 さらに、ＰＰリング部６の内周壁面には、容器口元部９の雄ネジ１０下方に環 状に突出して設けられた係止突部に係合する多数の翼状突起（ウィング）１３が 設けられている。

【００１０】 そして、このＰＰキャップ１は、キャップ本体４の雌ネジ１１の上端部に、容 器口元部９の雄ネジ１０と係合してキャップ開栓方向への回転に抵抗を与える緩 み防止用の突起１４を設けたことを特徴としている。 この突起１４は、図３に示すように、ＰＰキャップ１を容器口元部９に巻き締 めた状態で雄ネジ１０に当接し、キャップ開栓方向への回転をある程度阻止でき るように設定され、好ましくはＰＰキャップ１を容器口元部９に巻き締めて突起 １４が雄ネジ１０に当接した状態にあるときの開栓トルク（戻しトルク）が １０〜２０ｋｇ-ｃｍ程度となるように設定される。 この突起１４の形状は特に限定されず、半円板状、三角板状、角錐状など種々 の形状として良く、好ましくは雄ネジ１０との接触が滑らかな半球状あるいはそ れに類似した形状とされる。また、突起１４の個数は１つに限らず、複数個連ね て形成しても良い。

【００１１】 このＰＰキャップ１は、雌ネジ１１の上端部に、雄ネジ１０と係合してキャッ プ開栓方向への回転に抵抗を与える緩み防止用の突起１４を設けたものなので、 容器口元部９の雄ネジ１０にこの突起１４が係合した状態にあってはこのＰＰキ ャップ１の開栓トルクが大きくなり、このＰＰキャップ１の緩みが防止される。 また、雌ネジ１１の上端部に突起１４を設けたことにより、キャップ装着時に おける突起１４とＰＰキャップ１のブリッジ８との相対位置が離れているので、 突起１４が雄ネジ１０に当ってキャップ本体４の一部が外方に押されてもブリッ ジ８が切断されることがなく、ブリッジ切断不良の発生を防ぐことができる。

【００１２】 図４及び図５は本考案の他の実施例を示すものであり、この実施例のＰＰキャ ップ２１は先の実施例のＰＰキャップ１とほぼ同様の構成要素を備えて構成され 、同じ構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。 この実施例のＰＰキャップ２１は、キャップ装着状態において雄ネジ１０の上 端が雌ネジ１１の上端に達しない容器、例えばガラス瓶のような容器に本考案を 適用させた場合を例示するものであって、このＰＰキャップ２１を容器口元部９ に巻き締めた状態で、雄ネジ１０の上端部と相対する位置にある雌ネジ１１の一 部に、緩み防止用の突起１４を設けたことを特徴としている。 この実施例によるＰＰキャップ２１は、先の実施例によるＰＰキャップと同様 の効果を得ることができる。

【００１３】 （実験例） 圧縮成型法によりポリプロピレンを原料として樹脂キャップ本体を作製する。 金型としてはボトルと嵌合した場合にボトルのネジの切り始めに合致するキャッ プのネジの位置に突起を設けたタイプを表１のように作製した。また比較例とし て、突起を設けていないタイプの金型にてキャップを成型したサンプルにて次の テストを行った。 ・テスト条件 キャッピングマシン；モデル501 １ヘッドキャッパー（柴崎製作所製） トップロード；１２ｋｇ 閉めトルク（マグナトルクヘッドセット使用）；１５ｋｇｆｃｍ ９０℃の温水をガラス瓶に充填し、サンプルキャップを巻締める。巻締め直後 にキャップの戻り現象の有無を確認し、油性ペンでキャップと瓶とに印を付け、 これを水道水にて冷却し、再度戻り現象の有無を確認する。ｎ＝１００個。 判定は、 戻り現象の有ったもの……○ 戻り現象の無いもの ……× として、その結果を表２に示した。

【００１４】

【表１】

【００１５】

【表２】

【００１６】

【考案の効果】

以上説明した通り、 本考案の緩み防止キャップは、雌ネジの上端部、或いは キャップを容器口元部に巻き締めた状態で雄ネジの上端部と相対する位置にある 雌ネジの一部に、雄ネジと係合してキャップ開栓方向への回転に抵抗を与える緩 み防止用突起を設けたものなので、容器口元部の雄ネジに該突起が係合した状態 にあってはキャップの開栓トルクが大きくなってキャップの緩みが防止される。 また、雌ネジの上端部、或いはキャップを容器口元部に巻き締めた状態で雄ネ ジの上端部と相対する位置にある雌ネジの一部に突起を設けたことにより、キャ ップ本体下部に細い多数のブリッジで連接されたピルファープルーフリング部を 有するピルファープルーフキャップでは、キャップ装着時における突起とキャッ プのブリッジとの相対位置が離れているので、突起が雄ネジに当って外方に押さ れてもブリッジが切断されることがなく、ブリッジ切断不良の発生を防ぐことが できる。さらに、閉栓時の抵抗が少なく、しかも最後に強く嵌合する事で、キャ ッピングの良否が判別し易い。また、開栓時も最初は若干抵抗があるが、それ以 降は軽く開栓可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の緩み防止キャップの一実施例を示す一
部断面視した斜視図である。

【図２】図１の要部を拡大した斜視図である。

【図３】同じキャップを容器口元部に装着した状態を示
す断面図である。

【図４】本考案の他の実施例を示す一部断面視した斜視
図である。

【図５】図４の要部を拡大した斜視図である。

【符号の説明】

１，２１……ＰＰキャップ（緩み防止キャップ）、２…
…天板部、３……筒部、４……キャップ本体、５……ラ
イナー、６……ＰＰリング部、７……スコア、８……ブ
リッジ、９……容器口元部、１０……雄ネジ、１１……
雌ネジ、１４……緩み防止用の突起。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天板部と、その周縁から垂下する筒部と
   を備え、該筒部の内周壁面に、容器口元部の外周に形成
   された雄ネジに螺合する雌ネジが形成された合成樹脂製
   のキャップにおいて、上記雌ネジの上端部に、上記雄ネ
   ジと係合してキャップ開栓方向への回転に抵抗を与える
   緩み防止用突起を設けたことを特徴とする緩み防止キャ
   ップ。
2. 【請求項２】 天板部と、その周縁から垂下する筒部と
   を備え、該筒部の内周壁面に、容器口元部の外周に形成
   された雄ネジに螺合する雌ネジが形成された合成樹脂製
   のキャップにおいて、このキャップを容器口元部に巻き
   締めた状態で、雄ネジの上端部と相対する位置にある雌
   ネジの一部に、該雄ネジと係合してキャップ開栓方向へ
   の回転に抵抗を与える緩み防止用突起を設けたことを特
   徴とする緩み防止キャップ。