JPH0737871U - スペアタイヤキャリア装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スペースタイヤキャリアを車両の後方に水平
に強めに繰り返し開いても、金属製部分の塗装の剥離、
錆の発生を防止することができる、軽量にして簡単な構
造のスペアタイヤキャリア装置の提供。 【構成】 スペアタイヤキャリアのＵ字状支持枠体の上
下取付端部が車両本体後部に取り付けられている上下取
付ヒンジ部材の枢着軸部材を中心として水平方向に回動
できるように取り付けられており、取付ヒンジ部材の金
属製ストッパ部材には、Ｕ字状支持枠体の上下取付端部
が衝合する弾性緩衝部材取付部に弾性緩衝部材が取り付
け固定されており、Ｕ字状支持枠体の上下取付端部の先
端が当接する金属製ストッパ部材の部分に係止段部が形
成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両本体後部に枢着され、バックドアの外側面にタイヤキャリア本 体が固定されている水平方向に開閉する梯子状のスペアタイヤキャリア装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のいわゆるレジャー用車両等に多くみられるバックドアが上下に開閉する タイプの車両の場合、バックドアにスペアタイヤを取り付けるとスペアタイヤの 重みでバックドアの上下の開閉に支障をきたすことから、このタイプの車両では 、梯子状のスペアタイヤキャリアを取り付けて、バックドアの開閉がスムースに できるようにしている。

【０００３】 ところで、このタイプの車両では、バックドアを上方に全開するときには、ス ペアタイヤキャリアを車両の後方に開いておいてから上方に持ち上げるという操 作をしている。そして、このスペアタイヤキャリアを車両の後方に水平に開くと きに、重量の大きいスペアタイヤを支持している梯子状のスペアタイヤキャリア の車両本体外部への枢着部の外端部が車両の外側壁面に当たらないように取付ヒ ンジ部材にストッパを設けている。

【０００４】 スペアタイヤの重量が大きく、また構造上ストッパ機能を取付ヒンジ部材に持 たせるために、通常取付ヒンジ部材本体にスペアタイヤキャリアの金属部が当接 するストッパー部分が設けられている。しかし、バックドアの上方への開閉の度 に水平方向に開閉しなければならないスペアタイヤキャリアが当接するストッパ 部分には、繰り返し力が加わり、このためその力が加わるストッパー部分の塗装 が剥離し、錆が発生するという問題を生じている。

【０００５】 ストッパー部分にゴム等の衝撃緩和部材のみを取り付けて塗装の剥離を防ぐと いう方法も考えられるが、この方法ではバックドアの開閉時の車両本体への衝撃 が強すぎて衝撃緩和部材が破損するという別の問題を惹起する。

【０００６】 実開平３ー１０４４８６号公報には、「車両本体後面のバックドア開口側縁部 に、スペアタイヤをマウント可能なキャリア本体を、ボスとピボットを備えたブ ラケットとからなるヒンジを介して水平回動自在に、且つキャリア本体格納位置 で前記スペアタイヤがリヤバンパ上に載置される高さ位置となるように前記ヒン ジを介して上下方向に所要量移動自在に、取り付け、前記ヒンジのボス及びブラ ケットキャリアの互いに当接する支持面と被支持面のいずれか一方の面に突起部 を形成すると共に、他方の面に、前記キャリア本体の格納位置で前記突起が完全 に収まり、且つ前記キャリア本体の位置からの回動時に前記突起部と係合し前記 被支持面を上昇させるための傾斜面を有する切り欠き溝を形成したスペアタイヤ キャリア」が記載されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記実開平３ー１０４４８６号公報に記載されているものは、キャリア本体の 格納位置でスペアタイヤの荷重がリヤバンパにかかっていても、キャリア本体を 容易に回動させることができ、ヒンジの小型軽量化と低コスト化を図るというも のである。しかし、上記公報に記載されているものでは、キャリア本体の格納位 置からの回動時にアームの端がブラケットに当接し、その衝撃によりアームの端 とブラケットの両者の当接部の塗料が剥離し、錆が生ずるおそれがある。

【０００８】 本考案は、以上記載した諸事情に鑑み、通常のバックドアの開閉時ごとにスペ アタイヤキャリアを車両の後方に水平に強めに開いても、ゴム等の衝撃緩和材と 金属製ストッパーが作用してスペアタイヤキャリアのＵ字状支持枠体の端部が当 接し、繰り返し力が加わるストッパー部分の塗装の剥離もなく、錆の発生もない 、また前記衝撃緩和材が破損することもない、軽量にして簡単な構造のスペアタ イヤキャリア装置の提供を目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を解決するため、本考案に係るスペアタイヤキャリア装置は、スペ アタイヤキャリアのＵ字状支持枠体の上下取付端部がそれぞれ車両本体後部に取 り付けられている上下取付ヒンジ部材の枢着軸部材を中心として水平方向に回動 できるように取り付けられており、取付ヒンジ部材の金属製ストッパ部材には、 スペアタイヤキャリアを開いた時にＵ字状支持枠体の上下取付端部が衝合する弾 性緩衝部材取付部にゴム等からなる弾性緩衝部材が取り付け固定されており、金 属製ストッパ部材のＵ字状支持枠体の上下取付端部の先端が当接する部分に係止 段部が形成されている。

【００１０】

【作用】

バックドアを上方に開くときは、先ず、スペアタイヤキャリアに取り付けられ ている公知のロックレバーを操作し、スペアタイヤキャリアをバックドアに固定 しているロックを解除し、スペアタイヤキャリアを車両の後方に開いておいてか らバックドアを上方に持ち上げ全開する。

【００１１】 バックドアとスペアタイヤキャリアとの両者のロックを解除し、スペアタイヤキ ャリアをバックドアから離脱させ、取付ヒンジ部材の枢着軸部材を中心として水 平に回動させると、Ｕ字状支持枠体の上取付端部及び下取付端部がゴム等からな る弾性緩衝部材に強く衝合し、その衝撃は緩和されている。

【００１２】 次いで、Ｕ字状支持枠体の上取付端部及び下取付端部の先端が金属製ストッパ 部材に形成されている係止段部に当接しその回動が止まるが、この時は既に前記 したゴム等からなる弾性緩衝部材によってその衝撃は緩和されているので、繰り 返し重量の大きいスペアタイヤを支持したスペアタイヤキャリアのＵ字状支持枠 体の端部が取付ヒンジ部に当接しても、塗装の剥離もなく、錆も発生しない。ま た前記衝撃緩和材は金属製ストッパ部材の弾性緩衝取付部に焼き付け等によって 堅固に取り付けられているので、その取付部が破損することもない。

【００１３】 バックドアを下に降ろし車両本体にロックした後、スペアタイヤキャリアを回 動しロックレバーを操作し、スペアタイヤキャリアをバックドアにロックし固定 する。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案に係るスペアタイヤキャリア装置の一実施例を図１、図２及び図 ３を参照して説明する。図１はスペアタイヤキャリア装置を装着した車両の一部 を破断して示した車両の背面図、図２はスペアタイヤキャリア装置を車両に装着 した状況を説明するための図１のＡ−Ａ線での断面図、図３はスペアタイヤキャ リアをバックドアから離し水平に開いた時の図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【００１５】 図１において、Ｕ字状支持枠体４、キャリア本体２３、補強部材２２、２２及 び湾曲部２０からなるスペアタイヤキャリア３は、Ｕ字状支持枠体４の上取付端 部５及び下取付端部６をそれぞれ車両本体後部１に取り付けられている取付ヒン ジ部材７の枢着部材１０、１０を中心として水平方向に回動できるようにされて おり、これにより、バックドア２を上方に持ち上げて開くことができる。１９は ２点鎖線で示すスペアタイヤ、２１はバックウインド、２３はキャリア本体、２ ４はタイヤ嵌合受け部材、２５はスペアタイヤの取り付け孔、２６はリヤバンパ である。

【００１６】 そして、スペアタイヤキャリア３とバックドア２とには、その下方部とバック ドア２とを係合離脱自在に固定する公知のロック装置（図示せず）が設けられて いる。スペアタイヤキャリア３に取り付けられている公知のロックレバー（図示 せず）を操作することにより、バックドア２とスペアタイヤキャリア３との両者 のロックが解除され、スペアタイヤキャリア３はバックドア２から離脱し、取付 ヒンジ部材７の枢着軸部材１０を中心として水平に回動することができる。

【００１７】 Ｕ字状支持枠体４の上取付端部５と下取付端部６とを枢支する２つの取付ヒン ジ部材７は、同一の構造のものであり、上板状部８、下板状部９に挟持された金 属製ストッパ部材１１、及びＵ字状支持枠体４の上取付端部５及び下取付端部６ をそれぞれ枢着する枢着軸部材１０及びゴム等からなる弾性緩衝部材１３によっ て構成されており、金属製ストッパ部材１１の車両外側面への取付部１４、車両 後外面への取付部１５をそれぞれボルト、ナット等の取付部材１７によって取付 ヒンジ部材７が車両本体後部１に取り付け固定されている。

【００１８】 図２及び図３に示すように、金属製ストッパ部材１１のＵ字状支持枠体４の上 取付端部５及び下取付端部６がスペアタイヤキャリア３を開いた時に衝合する部 分である弾性緩衝部材取付部１６にはゴム等からなる弾性緩衝部材１３が焼き付 け等によって取り付け固定されている。また、金属製ストッパ部材１１のＵ字状 支持枠体４の上取付端部５及び下取付端部６の先端２７が接する部分には係止段 部１２が形成されており、Ｕ字状支持枠体４の上取付端部５及び下取付端部６の 先端の部分が回動時の通過に支障がないようにクリアランス１８が形成されてい る。

【００１９】

【考案の効果】

本考案に係るスペアタイヤキャリア装置は、軽量にして簡単な構造でありなが ら、通常のバックドアの開閉時ごとにスペアタイヤキャリアを車両の後方に水平 に強めに開いても、スペアタイヤキャリアのＵ字状支持枠体の上下取付端部がゴ ム等の衝撃緩和材に衝合した後に金属製ストッパー部材の係止段部に当接するの で、スペアタイヤキャリアが衝合或いは当接を繰り返すことによる力が加わる金 属製ストッパー部材の塗装が剥離したり、錆が発生することがなく、また前記衝 撃緩和材が破損することもないという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るスペアタイヤキャリア装置の一実施例
を示すものである。

【図１】スペアタイヤキャリア装置を装着した車両の一
部を破断して示した車両の背面図である。

【図２】スペアタイヤキャリア装置を車両に装着した状
況を説明するための図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【図３】スペアタイヤキャリアをバックドアから離し水
平に開いた時の図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【符号の説明】

１ 車両本体後部 ２ バックドア ３ スペアタイヤキャリア ４ Ｕ字状支持枠体 ７ 取付ヒンジ部 １０枢着軸部材 １１金属製ストッパ部材 １２係止段部 １３ゴム等からなる弾性緩衝部材 １９スペアタイヤ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スペアタイヤキャリアのＵ字状支持枠
   体の上下取付端部がそれぞれ車両本体後部に取り付けら
   れている上下取付ヒンジ部材の枢着軸部材を中心として
   水平方向に回動できるように取り付けられており、取付
   ヒンジ部材の金属製ストッパ部材には、スペアタイヤキ
   ャリアを開いた時にＵ字状支持枠体の上下取付端部が衝
   合する弾性緩衝部材取付部にゴム等からなる弾性緩衝部
   材が取り付け固定されており、金属製ストッパ部材のＵ
   字状支持枠体の上下取付端部の先端が当接する部分に係
   止段部が形成されていることを特徴とするスペアタイヤ
   キャリア装置。