JPH0737840B2 - 液化ガス運搬船のタンク構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は低温鋼板等で形成されるタンクのコーナー部の
構造を改良した液化ガス運搬船のタンク構造に関する。

［従来の技術］ 一般に液化ガス運搬船はLPG等の液化ガスを収容するた
めの独立したタンクを有している。このタンクはタンク
形状に組立てられた骨材に低温鋼板を張設し、隣り合う
鋼板をコーナー部材を介して互いに接合して組立てられ
ている。そして、タンクのコーナー部は第５図に示すよ
うに二平面ａとｂ、ｂとc,cとａが交わるコーナー部d,
e,fと、三平面a,b,cが交わるコーナー部ｇとの二種類に
分けられ、従来では特に三平面が交わるコーナー部ｇが
曲面状に形成されていた。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、三平面が交わるコーナー部ｇに取付けら
れるコーナー部材ｈを曲面状に加工することは難しく、
精度を出しにくいばかりでなく、曲面加工上特殊鋼（ニ
ッケル鋼等）が必要で、低温鋼板を用いることができな
いので、組立後の管理が大変であった。また上記コーナ
ー部ｇが曲面状であることから、補強材を入れることも
困難であった。

本発明はこのような従来技術の問題点を有効に解決すべ
くなされたものであり、その目的は三平面が交わるコー
ナー部の加工が容易で、精度の向上が図れると共に低温
鋼板を用いることができ、管理が容易で補強材を入れや
すい液化ガス運搬船のタンク構造を提供するにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本発明は、三平面が交わるコ
ーナー部を平面で切断し、該切断部に平板を接続したも
のである。

［作 用］ 三平面が交わるコーナー部が一枚の平板によって構成さ
れるので、該コーナー部の加工が非常に容易になる。

［実施例］ 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。

第１図は液化ガス運搬船内に組立てられるタンクを示し
ている。図示するようにタンクの外壁は低温鋼板からな
る底板、側板１、天井板2,3及び前後の端板４によって
構成され、これら鋼板のうちの二平面が交わるコーナー
部（これを二平面コーナー部という）には断面Ｖ字状に
より折り曲げられた二平面コーナー部材５が設けられて
いる。即ち、隣り合う鋼板は二平面コーナー部材５を挟
んで突き合せ溶接等により互いに接合されている。

一方、三平面が交わるコーナー部（これを三平面コーナ
ー部という）６は第２図、第３図に示すように平面で切
断され、この切断部にはこれを覆うごとき形状（図示例
では三角形）の平板７からなる三平面コーナー部材が溶
接により取り付けられている。

従って、三平面コーナー部６は曲面状でなく平面カット
された形状をなしている。

かかる構成によれば、三平面コーナー部材が平板７であ
るため、加工が容易であり、特殊鋼が不要で、低温鋼板
を用いることができ、管理が容易である。また、三平面
コーナー部材が平面であるため、曲面加工が不要であ
り、精度の向上が図れると共に裏面に補強材を入れやす
い。

なお、前記実施例では二平面コーナー部材５を断面Ｖ字
状に形成したが、断面曲面状あるいは第４図に示すよう
に平板状であってもよく、二平面コーナー部材５を平板
状に形成した場合三平面コーナー部材は図示するような
六角形の平板７になる。

［発明の効果］ 以上要するに本発明によれば次のような優れた効果を発
揮する。

（１）三平面が交わるコーナー部を平面で切断して該切
断部に平板を接合した構造としたので、コーナー部の加
工が曲面と異なり容易であり、精度の向上が図れると共
に曲面加工をしないので、特殊鋼が不要であり低温鋼板
を用いることができ、管理が容易である。

（２）また平板であることから補強材を入れ易く、コー
ナー部の強度の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すタンクの斜視図、第２
図は同コーナー部の拡大図、第３図は第２図Ａ−Ａ矢視
拡大断面図、第４図は変形例を示す部分的拡大図、第５
図は従来のタンク構造を示す部分的拡大図である。 図中、６は三平面が交わるコーナー部、７は平板であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】三平面が交わるコーナー部を平面で切断
   し、該切断部に平板を接続したことを特徴とする液化ガ
   ス運搬船のタンク構造。