JPH0737672B2 - 錆付け耐候性鋼板 - Google Patents

錆付け耐候性鋼板

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JPH0737672B2
JPH0737672B2 JP15788490A JP15788490A JPH0737672B2 JP H0737672 B2 JPH0737672 B2 JP H0737672B2 JP 15788490 A JP15788490 A JP 15788490A JP 15788490 A JP15788490 A JP 15788490A JP H0737672 B2 JPH0737672 B2 JP H0737672B2
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corrosion
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克久 杉本
直樹 山岸
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ヤマキ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は金属質材料の化学的表面処理の分野に属し、
錆付け処理を施された耐候性錆に関する。
(従来の技術) 合金元素としてCu、Cr、Pを小量含む低合金高張力鋼
(以下、耐候性鋼という。)はその表面に大気暴露によ
り高い保護性をもつ緻密な安定錆層を形成して自ら腐食
反応を抑制するため、適当な条件下では塗装等の防食法
を講じないで裸使用されていたのであるが、安定錆層の
形成に3〜5年の長期を要するため大気腐食の初期段階
において鉄錆が流出して周囲を汚染するおそれがあるこ
と、また、鉄錆の形成には環境条件が大きく影響するた
め使用できる環境が制限されることがある等の問題があ
る。そのため、表面に安定錆層が早期に形成された耐候
性鋼が求められている。
そこで、本願出願人は先に塩酸系処理液によつて天然錆
に近い外観を呈する錆層を確保したが、塩酸系処理液に
よる錆層はCl-イオンを含んでいるため、多湿雰囲気中
では錆層の局部的破壊と新たな腐食発生が生ずる欠点が
あつた。
(発明が解決しようとする課題) 上記に鑑みてこの発明が解決しようとする課題は、塩酸
系処理液によらないで錆層を確保し、それによつて大気
暴露時の腐食が抑制され、かつ、錆皮膜の耐食性がより
有効に向上した耐候性鋼を提供しようとするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 上記の課題を解決するためのこの発明が講じた第1の発
明は純水よ硫酸と硝酸とアンモニア水とFe2(SO4)3・2H2
Oの組成から成る錆付け処理液で処理して成る人工錆付
け耐候性鋼板であり、第2の発明は第1の発明の錆付け
処理液にCuSO4・5H2O、(NH4)2HPO4の添加物の少なくと
も1つを添加して成る錆付け処理液で処理して成る人工
錆付け耐候性鋼板であり、第3の発明は第2の発明によ
る耐候性鋼板をけい酸ナトリウム溶液で処理して成る人
工錆付け耐候性鋼板である。
(作用) 上記第1の発明によるものは腐食増量が小さく地鉄の腐
食を有効に抑制しており、第2の発明によるものは腐食
増量低下に有効であり、第3の発明によるものは錆層中
に生じたクラックを被覆して耐候性を強化する。
(実施例) 実施に供されたテストピースは耐候性鋼JISSPA−C(CO
R−TENO)で、寸法が1、0×100×100mmのものであ
る。該テストピースはアセトンによる除染、エメリー紙
1G、1Fの研磨、アセトンによる脱脂の順で前処理された
ものである。上記の前処理されたテストピースは別表1
中の溶液の組成欄に示すように、純水1000mlに対して濃
硫酸4ml、濃硝酸12、5ml、濃アンモニア水10ml、Fe2(SO
4)3・2H2O1005mgの組成から成る耐候性鋼における錆付
け処理液a(以下、単に処理液aという。)によつて以
下に示す手順で錆付け処理された。
(1)処理液aを刷毛を用いてテストピースの表面に塗
布し、直ちに70℃〜80℃に加熱し、余分の処理液aを揮
発させる。テストピースの表面が冷えた後、再度、処理
液aを塗布し同様の加熱を行う。この操作を3回行なつ
てからテストピースを20℃、湿度88%に保つた恒温恒湿
箱中で12時間熟成し、錆を発生させる。
(2)2回目以降の錆付け処理は、恒温恒湿箱中で生成
した浮き錆をブラシを用いて除去し、内層の密着した錆
層だけを表面に残してから(1)と同様の操作を行う。
(3)上記の操作を1日2回ずつ、3日間行う。この処
理が終了したらテストピースを流水中で洗浄し、浮き錆
を完全に除去した後、乾燥させる。
(4)以上の操作の後、テストピースの錆付け処理面を
残して裏面及び切断面を塩化ビニール樹脂塗料で完全に
被覆し、耐食性を評価するための腐食試験に供した。
上記の手順に錆付け処理したテストピースと未処理のテ
ストピースとのその耐候性を調べるため、6カ月間大気
暴露試験に供され、その結果は第1図に示すように、い
ずれのテストピースも暴露開始後2〜3カ月間は腐食増
量が時間と共に大きくなるが、その後最大値を経て減少
する。すなわち、最初の2カ月間は両者に明確な差異は
見られないが、その後に錆付け処理したテストピースの
方が重量増加が少なくなる。このことは錆付け処理によ
り地鉄の腐食が抑制されることを示している、大気暴露
試験において、いずれのテストピースも初期に腐食増量
を示すことは、この期間に地鉄の溶解が活発に行われ、
新たな錆が形成されることを示している。したがつて、
人工的に錆付け処理したテストピースでは、この期間の
腐食増量の小さいものほど耐食性の良い人工錆を有して
いることになると考えられる。
次に腐食増量は先の基礎試験において確認したことであ
るが、第2図に示すように塩酸系溶液より処理液aで処
理した場合の方が腐食増量が小さく、しかも被錆付け処
理材(耐候性鋼)の成分元素の添加状態によつても大き
く変化するものであるから、前記の処理液aに耐候性鋼
の成分元素であるCu、Cr、Pの溶出イオン形態に相当す
るCu2+、Cr3+、PO4 3-を単独あるいは複合添加した溶液
を用いて、前述の(1)〜(4)までの要領による錆付
け処理をしたテストピースにより大気暴露試験に準じた
促進腐食試験(腐食環境を一定に保ち、かつ、短時間で
腐食量を評価できる恒温恒湿促進試験)を行ない、腐食
重量変化を確認した。
先ずCu2+、Cu2++Cr3+、Cu2++PO4 3-を添加した処理液
aによる錆付け処理を確認するものであるが、第3図に
示すとおり、Cu2を単独添加した場合(Cu13、Cu28で表
示)は処理液aのみで処理した場合と比較すると腐食増
量は大きくなつている。また、Cu2+とCr3+を同時添加
(Cu13−Cr50〜Cu28−Cr780で表示)したものも同様に
腐食増量は大きくなつている。これに対してCu2+とPO4
3-を複合添加(Cu13−P8〜Cu28−P132で表示)した溶液
を用いた場合には、腐食増量が低下しており、特にCu13
−P8、Cu28−P132(添加量は表1に示す。以下同じ。)
の組合わせによる複合添加が有効であることがわかる。
処理液aにCu2+、Cr3+、PO4 3-を同時添加した溶液で錆
付け処理したテストピースの促進腐食試験の結果は第4
図に示すとおりであり、この場合は、第3図に示した1
イオン種または2イオン種添加溶液を用いたときに比
べ、処理溶液の組成の違いによる腐食増量の違いは更に
大きくなつている。すなわち、Cu28−Cr50−P132やCu28
−Cr780−P8の組合わせは有効ではなく、Cu−13−Cr50
−P132やCu−13−Cr50−P8のようなCu2+量の少ない組合
わせが有効であることがわかる。しかし、Cu13−Cr50−
P132及びCu13−Cr50−P8の組合わせも、第3図に示した
Cu13−P132及びCu13−P8の組合わせと効果はほとんど同
じである。したがつて、Cr3+の添加は腐食の抑制にはほ
とんど効果がないものと判断される。
また、耐食性を左右すると見られる錆付け処理時の温度
と湿度の影響を確認するためのテストピースとして、処
理液aにCu13−P132を複合添加した溶液で錆付け処理さ
れたものが用いられ、処理回数と錆付着量の関係が調べ
られた。結果は第5図に示すように、該テストピースの
錆付け処理直後の重量と所定の温度と湿度で12時間熟成
した後の重量の差(重量増加)は6回の処理の平均から
明らかなように、湿度が高くなる程重量増加は大きくな
り、したがつて、錆皮膜もこれに応じてより厚くなつて
いると考えられる。このことから腐食に対しては温度35
℃、湿度100%がもつとも悪い条件であるので、該条件
下で、第5図に示した種々の熟成条件で錆付け処理した
テストピースについて促進腐食試験を行つたところ、第
6図に示すような結果が得られたものであり、熟成時の
湿度が高いほど、言い換えると厚い皮膜が生成する場合
ほど腐食増量が少ないということであり、すなわち、錆
付け処理によつて厚い皮膜を形成させるほど腐食を抑制
できるということである。ことに、35℃、湿度80%の熟
成が腐食抑制に有効であることがわかる。
次に、上記第1と第2の発明による錆層にクラツクが生
ずることがある。クラツクが存在すると耐久性を低下さ
せ、地鉄まで水分が浸透しやすいために流れ錆が完全に
防止できなくなる。そこで錆層の安全性を高めることを
目的とする第3の発明を説明する。これは人工錆層中に
けい酸ナトリウムを含浸処理したものであつて、第2の
発明による耐候性鋼板の浮き錆除去のもの及び浮き錆付
きのものに、SiO235〜38%、Na2O17〜18%、H2O48〜43
%の溶液を塗布して乾燥したものについて促進腐食によ
る重量変化試験と大気暴露試験並びに、塗布に代えて同
上溶液に浸漬して乾燥したものについて促進腐食による
重量変化試験と大気暴露試験をした。その結果、後者の
溶液に浸漬する場合の方が良好な結果を示した。また、
上記の硫酸系処理溶液に耐候性鋼を浸漬してPHの経時変
化を調べた結果では繰り返し使用によつて劣化した硫酸
系処理溶液は酸を加えてPHを調節することによつて再使
用が可能であつた。
(発明の効果) 以上のようにこの発明に係る耐候性鋼における錆付け処
理液によれば、 (1)耐候性鋼の大気暴露時の腐食は早期に抑制され、 (2)塩酸系溶液による処理よりも腐食抑制効果が大き
く、 (3)該錆付け処理液へのCu2+、PO4 3-の複合添加は錆
皮膜の耐食性向上に有効であり、特に13ppm Cu2+と132p
pm PO4 3-の複合添加は効果的であり、 (4)付帯的には錆付け処理中の湿度を高くしてやれば
該錆付け処理液の腐食効果はさらに大となり、 (5)けい酸ナトリウム溶液に浸漬することにより錆の
持つ質感を損なうことなく耐候性を向上させる等の特徴
を呈するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る処理液aで錆付け処理されたテ
ストピースと未処理テストピースの大気暴露試験による
腐食重量変化図、第2図は処理液a及び塩酸系溶液で錆
付け処理したテストピースの促進腐食試験(35℃、湿度
100%)における重量変化図、第3図は処理液aと該処
理液aにCu2+、(Cu2+、Cr3+)、(Cu2+、PO4 3-)をそ
れぞれ添加した溶液で錆付け処理したテストピースの促
進腐食試験(35℃、湿度100%)での重量変化図、第4
図は処理液aにCu2+、Cr3+、PO4 3-を複合添加した溶液
とで錆付け処理したテストピースの促進腐食試験(35
℃、湿度100%)での重量変化図、第5図は処理液aに
よる錆付け処理時の熟成条件(温度と湿度)を変えたと
きのテストピースの重量変化図、第6図は処理液aによ
る錆付け処理時の熟成条件を変えた場合の促進腐食試験
(35℃、湿度100%)での腐食重量変化図、表1は錆付
け処理液aと添加溶液の組成を示したものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純水と硫酸と硝酸とアンモニア水とFe2(SO
    4)3・2H2Oの組成から成る錆付け処理液で処理して成る
    錆付け耐候性鋼板。
  2. 【請求項2】純水と硫酸と硝酸とアンモニア水とFe2(SO
    4)3・2H2Oの組成液に対してCuSO4・5H2O、(NH4)2HPO4
    添加物の少なくとも1つを添加して成る錆付け処理液で
    処理して成る錆付け耐候性鋼板。
  3. 【請求項3】純水と硫酸と硝酸とアンモニア水とFe2(SO
    4)3・2H2Oの組成液に対してCuSO4・5H2O、(NH4)2HPO4
    添加物の少なくとも1つを添加して成る錆付け処理液で
    処理して、次にけい酸ナトリウム溶液で処理して成る錆
    付け耐候性鋼板。
JP15788490A 1990-06-15 1990-06-15 錆付け耐候性鋼板 Expired - Lifetime JPH0737672B2 (ja)

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