JPH0737645B2 - 高炭素クロム軸受鋼の脱炭抑制方法 - Google Patents

高炭素クロム軸受鋼の脱炭抑制方法

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JPH0737645B2
JPH0737645B2 JP2260195A JP26019590A JPH0737645B2 JP H0737645 B2 JPH0737645 B2 JP H0737645B2 JP 2260195 A JP2260195 A JP 2260195A JP 26019590 A JP26019590 A JP 26019590A JP H0737645 B2 JPH0737645 B2 JP H0737645B2
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征司 谷本
喜志夫 久保
忠良 藤坂
隆 森川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高炭素クロム軸受鋼を球状化焼鈍する際に
生ずる脱炭を抑制する方法に関する。
(従来の技術) 軸受の転動体のように、転がり摩擦をうけ、耐摩耗性が
要求される機械構造用鋼は、表層に浸炭等の硬化処理が
施されるが、被処理材の表層に脱炭層があると、焼入れ
時に割れを生じたり、使用時に転動疲労による寿命の低
下を招く。そのため、脱炭層を極力少なくする必要があ
る。
例えば、JIS G 4805のSUJ 2で代表される高炭素クロム
軸受鋼は、炭化物を球状化する熱処理を施すことにより
固い鋼表面が得られ、耐摩耗性を有し、特に転がり軸受
用として優れている。この高炭素クロム軸受鋼の球状化
焼鈍においては、A1変態点近傍での長時間処理を要する
ため、脱炭の抑制には細心の注意を払うことが必要であ
る。
第1図はこの高炭素クロム軸受鋼を素材とする鋼管、棒
鋼および線材の製造工程で((a)図:鋼管、(b)
図:棒鋼および線材)、製管の後あるいは熱間で棒や線
に加工した後、いずれも球状化焼鈍処理が施される。こ
れらの材料における通常の許容脱炭層深さ(以下、脱炭
仕様という)は、鋼管の場合0.20mm以下、棒鋼の場合0.
40〜0.50mm以下、線材の場合(線材を細かく切断し、球
加工して鋼球とする場合)0mmである。
脱炭仕様の厳しい線材の球状化焼鈍においては雰囲気制
御が可能な焼鈍炉が使用され、一方、鋼管と棒鋼の球状
化焼鈍においては直火式焼鈍炉が用いられる。この直火
式焼鈍炉で炭化物の球状化に必要な24時間程度の球状化
焼鈍を施すと、鋼材の表面から0.30〜0.40mmの深さの脱
炭が生ずるが、棒鋼の場合はそのままでも脱炭使用(0.
40〜0.50mm)を満足し、鋼管の場合でも、冷間圧延(ピ
ルガー圧延)仕上の鋼管においては、圧延時に肉厚加工
度が50%強となるので、脱炭層が半減して脱炭仕様(0.
20mm以下)を満足する。しかし、冷間引抜仕上の鋼管に
おいては、引抜時の肉厚加工度が20%程度と小さいた
め、球状化焼鈍の際脱炭を抑制しなければ脱炭仕様を満
足することができない。
この問題を回避するには、線材の球状化焼鈍に使用され
る雰囲気焼鈍炉の適用が考えられる。しかし、脱炭仕様
の上限を外れた場合は研削などの手段により脱炭層を除
去する作業が必要となり、また逆に浸炭が生じた場合は
表層が硬化し引抜時に加工疵が発生する恐れがあるの
で、脱炭層深さが常に0〜0.20mmの範囲に入るように制
御しなければならず、このような制御は実際の製造現場
においては極めて困難である。また、焼鈍炉の全長を雰
囲気炉にしなければならず、多大の設備費を要するとい
う問題もある。なお、線材は脱炭を極度に嫌うので雰囲
気を浸炭傾向に制御して焼鈍処理を行っているが、この
時浸炭が生じても球加工に支障はない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、高炭素クロム軸受鋼を球状化焼鈍するに際
し、冷間引抜仕上の鋼管においても脱炭仕様を満足し、
さらに厳しい脱炭仕様にも応じることができると共に、
安価な設備構成で実施することのできる脱炭抑制方法を
提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成するために種々検討を
重ねた結果、雰囲気焼鈍炉による処理と直火式焼鈍炉に
よる処理を組み合わせることにより脱炭層深さを制御で
きることを確認した。すなわち、本発明の要旨は「高炭
素クロム軸受鋼を球状化焼鈍する際に、最初CO−CO2−H
2−H2O−N2系の雰囲気焼鈍炉で浸炭雰囲気で球状化焼鈍
を行い、次いで、直火式焼鈍炉で球状化焼鈍を行うと同
時に浸炭部分をスケールにして除去することを特徴とす
る高炭素クロム軸受鋼の脱炭抑制方法にある。
本発明の対象となる高炭素クロム軸受鋼とは、前記のJI
S G 4805に規定されたSUJ 2の外に、SUJ 1、SUJ 3〜5
など、炭素が0.95〜1.10%程度、クロムが0.90〜1.60%
程度含有される鋼で、この外にMo、W、V等を必要に応
じて含有する改良鋼種も対象になる。
処理される時の形態は、通常、圧延のまま、または圧延
後に脱スケールされた棒、線、管などである。
球状化焼鈍処理は、通常用いられる何れの方法でもよ
い。
(作用) 上記のように、高炭素クロム軸受鋼を球状化焼鈍する際
に、最初、雰囲気焼鈍炉を用いて浸炭雰囲気で処理する
ことにより、炭化物を球状化すると同時に材料表面近傍
の脱炭を抑えて逆に浸炭させる。次いで、直火式焼鈍炉
で処理することにより、引き続き炭化物を球状化すると
同時に雰囲気焼鈍炉での処理で生じた浸炭部分をスケー
ルにして除去する。つまり、熱間で加工された素材は脱
炭しており、かつ、そのばらつきが大きく、雰囲気焼鈍
炉のみではこのばらつきを一定レベルに制御することが
難しいが、浸炭雰囲気で処理した後直下炉で長時間の球
状化焼鈍を行うと表面近傍の炭素の拡散が十分進行し脱
炭レベルを一定に制御することができるのである。この
ように、雰囲気焼鈍炉による処理と直火式焼鈍炉による
処理を組合せることにより、直火式焼鈍炉のみによる処
理のように深い脱炭層を生じさせることなく、また、雰
囲気焼鈍炉のみによる処理の場合よりも容易に、かつ、
安価な設備構成で、高炭素クロム軸受鋼を球状化焼鈍す
る際に生ずる脱炭を抑制することができる。
本発明の脱炭抑制方法において、CO−CO2−H2−H2O−N2
系の雰囲気焼鈍炉を用いるのは雰囲気制御が容易だから
である。すなわち、CO−CO2−H2−H2O−N2系のガスは浸
炭性成分(CO)、脱炭性成分(CO2)の双方を含み、そ
れらの濃度を変えて(CO)2/CO2で表されるPF(ポテンシ
ャルファクター)値を制御することにより雰囲気を脱炭
性、浸炭性のいずれにも制御することができる。
(実施例) 高炭素クロム軸受鋼(JIS G 4805のSUJ 2)を対象(被
処理材)として本発明方法を適用し、球状化焼鈍の際の
脱炭抑制効果を調査した。被処理材は、外径63.5mm、肉
厚5.9mm、長さ15mの熱間製管ままの材料であり、雰囲気
焼鈍炉としてはハースローラー形連続焼鈍炉を用い、前
記の処理材をハースローラー上一列に25本積載して焼鈍
処理を行った。第2図は球状化焼鈍パターンで、雰囲気
焼鈍炉で処理した後、直火式焼鈍炉で処理した。
第3図は雰囲気焼鈍炉における材料温度およびPF値の測
定結果の一例である。図中の破線は脱炭、浸炭のいずれ
も生じない脱浸炭平衡曲線で、雰囲気ガスのPF値をこの
脱浸炭平衡曲線の示す値より大きくすれば(同図中の斜
線部)、加熱雰囲気は浸炭性になる。
第4図は被処理材の外表面近傍の炭素濃度をEPMA線分析
により測定した結果を示す図で、(a)図は熱間製管ま
ま、(b)図はこれを雰囲気焼鈍炉で処理した後、
(c)図はさらに直火式焼鈍炉で処理した後の測定結果
である。この例では、熱間製管ままでは外表面からかな
りの深さまで脱炭が生じている((a)図)。雰囲気焼
鈍炉で処理した後は、外表面から約0.15mmの深さまで浸
炭した((b)図)。これを直火式焼鈍炉で処理したと
ころ、外表面近傍の浸炭部分の炭素の拡散と生成したス
ケールの除去により肉厚方向の炭素濃度の変化がほとん
どなくなり、脱炭が抑制された((c)図)。
第5図は被処理材を球状化焼鈍した後の外表面近傍にお
ける脱炭分布を示す図で、(a)図は本発明例、(b)
図は直火式焼鈍炉による処理のみを行った場合の比較例
である。なお、脱炭深さの測定は光学顕微鏡により行っ
た。
この図から、脱炭深さの平均値は、比較例では0.17mmで
あったのに対し、本発明例では0.05mmで、本発明方法の
適用により脱炭が抑制されていることがわかる。
(発明の効果) 高炭素クロム軸受鋼の球状化焼鈍処理において、本発明
方法を適用することにより脱炭を抑制することができ
る。これによって、冷間引抜仕上の鋼管においても脱炭
仕様を満たすことができ、さらに厳しい脱炭仕様にも追
随可能となるため、ユーザー側での切削代低減によるコ
スト合理化にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、高炭素クロム軸受鋼の製造工程図で、(a)
図は鋼管の場合、(b)図は棒鋼および線材の場合であ
る。 第2図は、実施例で用いた球状化焼鈍パターンを示す図
である。 第3図は、雰囲気焼鈍炉における材料温度およびPF値の
測定例を示す図である。 第4図は、被処理材の外表面近傍における炭素濃度を表
す図で、(a)図は熱間製管まま、(b)図は雰囲気焼
鈍炉で処理した後、(c)図は直火式焼鈍炉で処理した
後である。 第5図は、高炭素クロム軸受鋼の球状化焼鈍後の脱炭分
布を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炭素クロム軸受鋼を球状化焼鈍する際
    に、最初CO−CO2−H2−H2O−N2系の雰囲気焼鈍炉で浸炭
    雰囲気で球状化焼鈍を行い、次いで、直火式焼鈍炉で球
    状化焼鈍を行うと同時に浸炭部分をスケールにして除去
    することを特徴とする高炭素クロム軸受鋼の脱炭抑制方
    法。
JP2260195A 1990-09-27 1990-09-27 高炭素クロム軸受鋼の脱炭抑制方法 Expired - Fee Related JPH0737645B2 (ja)

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US6620262B1 (en) 1997-12-26 2003-09-16 Nsk Ltd. Method of manufacturing inner and outer races of deep groove ball bearing in continuous annealing furnace
CN103261450A (zh) * 2010-12-13 2013-08-21 新日铁住金株式会社 高碳铬轴承钢及其制造方法
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