JPH0737389B2 - プロスタグランジンe1含有の軟膏剤 - Google Patents

プロスタグランジンe1含有の軟膏剤

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JPH0737389B2
JPH0737389B2 JP1224047A JP22404789A JPH0737389B2 JP H0737389 B2 JPH0737389 B2 JP H0737389B2 JP 1224047 A JP1224047 A JP 1224047A JP 22404789 A JP22404789 A JP 22404789A JP H0737389 B2 JPH0737389 B2 JP H0737389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有効成分としてプロスタグランジンE1を含有し
てなる安定性且つ経皮吸収並びに薬効に優れた軟膏剤に
関するものである。
〔従来の技術〕
プロスタグランジンE1(以下、PGE1と略記)は下記の構
造式 で示される如く、分子内に二重結合、水酸基あるいはオ
キソ基といった多官能基を含む複雑な構造を有する化合
物である。またPGE1は微量で種々の薬理作用を有し、特
に血管拡張作用においては強力な作用を示し、血栓治療
剤、血圧降下剤、褥瘡治療剤、皮膚潰瘍治療剤、乾癬治
療剤、発毛剤等に利用される可能性を有している。
しかしながらPGE1は上述した化学構造式からも明らかな
ように、一般的に不安定な化合物であり、酸、アルカ
リ、熱または光等によって容易に分解される。特に酸性
下または加熱下で脱水反応が生じプロスタグランジンA1
に変換される。またアルカリ性下では異性化が生じプロ
スタグランジンB1に変換されることが知られている。
したがって、PGE1を医薬品として製剤化する場合には、
その安定性を特に向上させる必要がある。そこで、この
ように不安定なPGE1を安定化させるために種々の検討が
なされている。例えばプロスタグランジン類の安定化剤
としてメチルヘスペリジンを添加してなる組成物(特開
昭53-127815号公報)、クエン酸エステルを添加してな
る組成物(特開昭53-127816号公報)、フタル酸エステ
ルを添加してなる組成物(特開昭53-127818号公報)、
非イオン性界面活性剤(例えばソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノパルミレート、ソルビタンモノステ
アレート等)を用いた製剤(特開昭53-148518号公
報)、セルロース誘導体に含有させた製剤(特開昭54-7
7497号公報)、シリコーン樹脂に含有させた医用材料
(特開昭54-135495号公報)、特定のプロピレングリコ
ールジエステルを含む溶媒中にプロスタグランジン類を
含有させた組成物(特開昭58-128325号公報)、あるい
はエーテル化シクロデキストリンで包接された組成物
(特開昭59-10525号公報)等が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従って、有用な薬理活性を示す不安定なPGE1を医薬品と
して製剤化を行う場合には、製剤上における安定性を特
に改善する必要があるにもかかわらず、経皮適用製剤に
おける検討は未だ十分でなく、しかも安定性及び経皮吸
収性並びに薬効のすべてに満足しうる製剤は皆無に等し
いものである。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は前記諸問題を解決できるPGE1含有
外用製剤、つまりPGE1の安定化及びPGE1含有状態におい
てより安定化される外用基剤の配合処方、または皮膚よ
りの経皮吸収良好な製剤処方、さらには外用剤、つまり
軟膏剤としてのその治療対象となる疾患に使用される最
適なすぐれた製剤を得るべく鋭意検討を重ね、多くの実
験を行った結果、特定された軟膏基剤に安定化剤として
有機酸、特に乳酸を配合し、製剤におけるpH値を酸性領
域にすることにより、PGE1の分解が著しく抑制され、前
記問題が解決できることを見い出し本発明を完成するに
至ったものである。
すなわち、本発明はプロスタグランジンE1、飽和脂肪ア
ルコール類、グリコール類及び/又は吸収促進剤からな
る組成物に安定化剤として有機酸を配合することを特徴
とする無水系の軟膏剤を提供するものである。
本発明を更に詳細に説明すると、本発明における飽和脂
肪アルコール類とは、16〜24個の炭素原子を有する飽和
脂肪アルコールまたはその混合物であり、好ましくは飽
和一水素性第一アルコールである。その中でも特に好適
なものは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、
ベヘニルアルコールである。また、これらの飽和脂肪ア
ルコールは全体量の15〜45重量%、好ましくは20〜30重
量%含有される。
グリコール類はプロピレングリコールまたはブチレング
リコール(好ましくは1,3−ブチレングリコール)であ
り、これらは単独又は混合物のもと使用され、全体量の
50〜85重量%、好ましくは60〜75重量%含有される。ま
た有機酸はクエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等であ
り、その中でも乳酸が最も好ましい。尚、有機酸は本組
成物の20%懸濁液のpH値が酸性領域、好ましくは3.0〜
5.0の範囲内におさまるよう配合されることにより、PGE
1がより一層安定化される。その使用量としては0.005〜
1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。また有
効成分であるPGE1は0.0001〜10重量%、好ましくは0.00
1〜1重量%配合される。
また上記基剤および有効成分以外にも経皮吸収をよりよ
くするために吸収促進剤が使用される。この吸収促進剤
としては、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オ
ン、1−〔2−(デシルチオ)エチル〕アザシクロペン
タン−2−オン、ジメチルスルホキシド、ラウリルアル
コールまたはオレイルアルコール等の脂肪族アルコー
ル、クロタミトン、ラウリン酸またはオレイン酸等の脂
肪酸、またはl−メントール等のテルペン系化合物が使
用される。その使用量としては0.01〜8重量%、好まし
くは0.1〜5重量%含有される。
また必要に応じてその他の添加剤、例えば補助溶媒(例
えば、分子量100〜800のポリエチレングリコール、グリ
セロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4−メタノール等)を25重量%以下、
可塑剤(例えば、分子量800〜20000のポリエチレングリ
コール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール
等)を15重量%以下、カップリング剤(例えば、ステア
リン酸、パルミチン酸、ベヘン酸のような炭素数16〜24
を有する飽和脂肪酸、オレイン酸アミド、パルミチン酸
アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドのような
脂肪酸アミド、ソルビタンモノステアレート、ポリエチ
レングリコールモノステアレート、プロピレングリコー
ルモノステアレートのような炭素数16〜24を有する脂肪
族エステル類、またはそれに対応するオレイン酸、パル
ミチン酸のような他の脂肪酸エステル等)を15重量%以
下含有される。尚、上記における補助溶媒と可塑剤の配
合割合は20重量%以上であることが製剤処方上望まし
い。
また上述した各基剤以外にも抗酸化剤(例えば、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸、エーテルキレート化剤、没食子
酸プロピル、ブチル化オキシアニソール等)、界面活性
剤等を配合することにより製剤の安定化を促進するうえ
で望ましいものである。
次に本発明におけるPGE1含有の軟膏製剤を製造するに当
たっては飽和脂肪アルコール(15〜45重量%)、グリコ
ール類(50〜85重量%)、有機酸(0.005〜1.0重量%)
又は必要に応じ吸収促進剤(0.01〜8重量%)、あるい
はその他の添加剤を配合し、80〜95℃に加熱溶解しなが
ら窒素ガスの存在下または非存在下のもと攪拌混合す
る。
次に、混合物を室温で冷却したのち、有効成分であるPG
E1(0.0001〜10重量%)−エタノール溶液を加え、窒素
ガスの存在下または非存在下のもと攪拌混合し、pH値が
酸性領域、好ましくはpH値3.0〜5.0の範囲内におさまる
よう軟膏製剤を製造するものである。
以下に実施例および実験例を挙げて本発明を更に詳しく
説明する。
実施例1 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.95
g、セチルアルコールを0.8g、ベヘニルアルコールを0.9
g、グリコール類としてプロピレングリコールを0.704
g、1,3−ブチレングリコールを6.335g、吸収促進剤とし
てラウリルアルコールを0.3g、安定化剤として乳酸を0.
01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封して室温に
て攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE11mgを加え攪
拌混合し組成物を得た。
実施例2 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.94
9g、セチルアルコールを0.8g、ベヘニルアルコールを0.
9g、グリコール類としてプロピレングリコールを0.703
g、1,3−ブチレングリコールを6.333g、吸収促進剤とし
てラウリルアルコールを0.3g、安定化剤として乳酸を0.
01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封して室温に
て攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE15mgを加え攪
拌混合し組成物を得た。
実施例3 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.94
9g、セチルアルコールを0.799g、ベヘニルアルコールと
して、0.899g、グリコール類としてプロピレングリコー
ルを0.702g、1,3−ブチレングリコールを6.331g、吸収
促進剤としてラウリルアルコール0.3g、安定化剤として
乳酸を0.01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封し
て室温にて攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE110mg
を加え、攪拌混合し組成物を得た。
実施例4 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.95
g、セチルアルコール0.8g、ベヘニルアルコールを0.9
g、グリコール類としてプロピレングリコールを7.039
g、吸収促進剤としてラウリルアルコールを0.3g、安定
化剤として乳酸を0.01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌
後、密封して室温にて攪拌しながら冷却する。この基剤
にPGE11mgを加え攪拌混合し組成物を得た。
実施例5 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.95
g、セチルアルコールを0.8g、ベヘニルアルコールを0.9
g、グリコール類としてプロピレングリコールを2.112
g、1,3−ブチレングリコールを4.927g、吸収促進剤とし
てラウリルアルコールを0.3g、安定化剤として乳酸を0.
01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封して室温に
て攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE11mgを加え攪
拌混合し組成物を得た。
実施例6 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを1.0
g、セチルアルコールを0.5g、グリコール類としてプロ
ピレングリコールを0.67g、1,3−ブチレングリコールを
6.42g、可塑剤としてPEG-6000を0.5g、1,2,6−ヘキサン
トリオールを0.3g、カップリング剤としてソルビタンモ
ノステアレートを0.2g、吸収促進剤として1−ドデシル
アザシクロヘプタン−2−オンを0.3g、安定化剤として
乳酸を0.01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封し
て室温にて攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE1を10
0mg加え攪拌混合し組成物を得た。
実施例7 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを2.5
g、セチルアルコールを1.0g、ベヘニルアルコールを1.0
g、グリコール類としてプロピレングリコールを1.265
g、1,3−ブチレングリコールを3.735g、可塑剤として1,
2,6−ヘキサントリオールを0.10g、カップリング剤とし
てポリエチレングリコールモノステアレートを0.09g、
吸収促進剤として1−〔2−(デシルチオ)エチル〕ア
ザシクロペンタン−2−オンを0.3g、安定化剤として乳
酸を0.01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封して
室温にて攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE110μg
を加え、攪拌混合し組成物を得た。
実施例8 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコール1.5g、
グリコール類としてプロピレングリコールを3.4g、1,3
−ブチレングリコールを5.095g、安定化剤として乳酸を
0.005g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封して室温
にて攪拌しながら冷却する。この基剤にPGE1を100μg
加え攪拌混合し組成物を得た。
実施例9 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを2.0
g、グリコール類として1,3−ブチレングリコールを6.59
5g、カップリング剤としてソルビタンモノステアレート
を0.2g、可塑剤としてPEG-6000を0.3g、吸収促進剤とし
てオレイン酸を0.8g、安定化剤として乳酸を0.1g加え、
油浴上95℃にて溶解混合、密封して室温にて攪拌しなが
ら冷却する。この基剤にPGE15mgを加え、攪拌混合し組
成物を得た。
実施例10 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコール1.35
g、セチルアルコールを1.0g、ベヘニルアルコールを0.9
g、グリコール類としてプロピレングリコールを0.609
g、1,3−ブチレングリコールを5.29g、カップリング剤
としてステアリン酸を0.2g、可塑剤としてPEG-6000を0.
3g、吸収促進剤としてl−メントールを0.3g、安定化剤
として乳酸を0.001g加え、油浴上95℃にて溶解混合後、
密封して室温にて攪拌しながら冷却する。この基剤にPG
E150mgを加え攪拌混合し組成物を得た。
実施例11 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを1.5
g、セチルアルコールを1.0g、ベヘニルアルコールを1.0
g、グリコール類としてプロピレングリコールを2.264
g、1,3−ブチレングリコールを3.735g、可塑剤として1,
2,6−ヘキサントリオールを0.25g、カップリング剤とし
てポリエチレングリコールモノステアレートを0.24g、
安定化剤として乳酸を0.01g加え、油浴上95℃にて溶解
混合後、密封して室温にて攪拌しながら冷却する。この
基剤にPGE11mgを加え攪拌混合し組成物を得た。
実施例12 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.5
g、セチルアルコールを0.5g、グリコール類としてプロ
ピレングリコールを0.67g、1,3−ブチレングリコールを
6.42g、可塑剤としてPEG-6000を0.6g、1,2,6−ヘキサン
トリオールを0.4g、カップリング剤としてソルビタンモ
ノステアレートを0.3g、安定化剤として乳酸を0.01g加
え、油浴上95℃にて溶解混合後、密封して室温にて攪拌
しながら冷却する。この基剤にPGE1を100mgを加え攪拌
混合し組成物を得た。
比較例1 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.95
g、セチルアルコールを0.8g、ベヘニルアルコールを0.9
g、グリコール類としてプロピレングリコールを0.704
g、1,3−ブチレングリコールを6.345g、吸収促進剤とし
てラウリルアルコールを0.3g加え、油浴上95℃にて溶解
攪拌後、密封して室温にて攪拌しながら冷却する。この
基剤にPGE1を1mg加え、攪拌混合し組成物を得た。
比較例2 白色ワセリンを8.299g、サラシミツロウを0.8g、ステア
リルアルコールを0.3g、コレステロールを0.3g、吸収促
進剤としてラウリルアルコールを0.3g加え、水浴上で加
温し、溶解攪拌後密封して室温にて攪拌しながら冷却す
る。この基剤にPGE1を1mg加え、攪拌混合し組成物を得
た。
比較例3 飽和脂肪アルコールとしてステアリルアルコールを0.95
g、セチルアルコールを0.8g、ベヘニルアルコールを0.9
g、グリコール類としてプロピレングリコールを0.705
g、1,3−ブチレングリコールを6.335g、吸収促進剤とし
てラウリルアルコールを0.3g、安定化剤として乳酸を0.
01g加え、油浴上95℃にて溶解攪拌後、密封して室温で
攪拌しながら冷却し組成物を得た。
実験例1 安定性試験 本発明の軟膏製剤中のPGE1の安定性を検討するため実施
例1〜10および比較例1,2で得た軟膏製剤をそれぞれ2g
ずつ内側をフェノール樹脂でコーティングしたアルミニ
ウム製のチューブに充填し、40℃の恒温槽内にて1ケ月
間保存し、液体クロマトグラフィーを用いて、プロスタ
グランジンの残存量を定量した。液体クロマトグラフィ
ーはオクタデシルシリル化シリカゲル充填カラムを用
い、移動相として0.01M KH2PO4−アセトニトリル混液を
用い、201nmにて検出した。結果を表1に示す。
試験結果より、本発明の軟膏製剤は比較例1および2と
比較して、安定化剤としての乳酸の添加により著しくPG
E1の分解が抑制されることが判明した。
実験例2 皮膚血流量試験 本発明軟膏製剤の局所における効力を確認するために、
皮膚血流量を測定した。
実施例1,2,3および比較例3で得た組成物をそれぞれウ
レタンにより麻酔したヘアレスマウス背部皮膚1×1cm
2に5mgずつ非密封塗布した。塗布前及び塗布後0.5,1,2,
3時間にレーザードップラー血流計にて皮膚血流量を測
定した。結果は軟膏塗布前後の差をΔνとして求めた。
結果を図1に示す。
試験結果により、本発明の軟膏製剤はPGE1を含有してい
ない比較例3と比較して、顕著な皮膚血流量の増加が認
められ、かつ塗布後3時間までその作用が持続すること
が明らかとなり、本発明の軟膏製剤は充分に経皮より吸
収され、かつ充分な薬効を有することが判明した。
実験例3 皮膚透過試験 本発明軟膏製剤の局所適用における経皮吸収を確認する
ためにPGE1の皮膚透過試験を行った。
実施例1,4,5および比較例2で得た軟膏製剤に3H-PGE1
適量添加し、攪拌混合した。摘出したヘアレスマウス背
部皮膚をloveday型拡散セルに装着し、各軟膏製剤を10m
gずつ塗布した。レセプター相に生理食塩水を用い、25
℃において皮膚透過試験を行った。結果を図2に示す。
試験結果により本発明の軟膏製剤は、比較例2の親水ワ
セリンと比較して顕著な皮膚透過性を示し、軟膏処方の
相違により皮膚透過性の差が著しく影響されることが判
明した。
〔発明の作用・効果〕
本発明の軟膏製剤は前記の安定性試験において明らかな
如く、PGE1の分解を顕著に抑制するため製剤処方のうえ
で大変好ましい。また製剤が非常に安定化されるため長
期保存が可能であり、品質管理上都合が良く、製品化す
るうえで最適なものである。また皮膚血流量試験では顕
著な皮膚血流量の増加が見られ、また数時間にわたりそ
の作用が持続されることが明らかとなったが、これは本
発明の軟膏製剤が経皮よりすみやかに吸収され、薬効発
現するに至ったことを充分に裏付けるものであり、製剤
処方上このうえないものである。
また皮膚透過試験においても、顕著な皮膚透過性を示
し、軟膏処方の相違により皮膚透過性が著しく影響され
ることが明らかとなり、本発明の軟膏における製剤処方
がいかに優れているかを如実に示すものである。
このように本発明の軟膏製剤はPGE1の安定性、薬理作用
発現性および経皮吸収性の点で大変優れており、局所適
用を目的とした軟膏製剤として、レイノー病、褥瘡、皮
膚潰瘍、乾癬、動脈硬化症等の治療、また発毛剤として
の使用が期待できるものである。
特に、製剤処方上もっとも必須条件であるPGE1の安定化
の問題解決が図られたことは、製剤処方においてこのう
えないものであり、医薬産業上大変有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明製剤の局所適用における皮膚血流に対す
る試験結果を示す。尚、縦軸は組成物適用前後の血流量
の差をΔνとして示し、横軸は組成物を適用してからの
時間経過を時間で示した。 第2図は本発明製剤の局所適用における皮膚透過試験を
示す。尚、縦軸はPGE1の皮膚透過量を適用量比で示し、
横軸は組成物を適用してからの時間経過を時間で示し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉田 勝 佐賀県三養基郡基山町小倉855―75 (72)発明者 矢野 忠則 佐賀県鳥栖市田代外町字柳井町1517―11 (72)発明者 野田 雅彦 佐賀県三養基郡中原町大字蓑原1542―7 (72)発明者 真子 孝文 佐賀県三養基郡中原町大字原古賀592―7 (72)発明者 境 美智順 佐賀県鳥栖市田代大官町786―1 (72)発明者 和田 稔 佐賀県鳥栖市東町2丁目907 (56)参考文献 特開 昭63−135333(JP,A) 特開 昭61−207307(JP,A) 特開 昭61−118315(JP,A) 特開 昭52−105225(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロスタグランジンE1、飽和脂肪アルコー
    ル類、グリコール類及び/又は吸収促進剤からなる組成
    物に安定化剤として有機酸を配合することを特徴とする
    無水系の軟膏剤。
  2. 【請求項2】有機酸が乳酸であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の軟膏剤。
  3. 【請求項3】pH値が3.0〜5.0の範囲であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項または第2項記載の軟膏剤。
  4. 【請求項4】プロスタグランジンE10.0001〜10重量%、
    飽和脂肪アルコール類15〜45重量%、グリコール類50〜
    85重量%及び乳酸0.005〜1.0重量%からなり、この組成
    物のpH値が3.0〜5.0に調整されたことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の軟膏
    剤。
JP1224047A 1989-08-29 1989-08-29 プロスタグランジンe1含有の軟膏剤 Expired - Lifetime JPH0737389B2 (ja)

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