JPH0737270Y2 - リレーターミナル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はリレーターミナル、特にソケット端子の取り付
け構造に関する。

（従来技術と考案が解決しようとする課題） 従来、リレーターミナルのソケット部に設けた端子孔に
圧入，固定するソケット端子のうち、等電圧を印加され
るソケット端子の取り付け構造としては、例えば、第４
図および第５図に示すように、ターミナルベース１のソ
ケット部２に設けた端子孔３にソケット端子４を個々に
圧入し、突出する端子部4aをターミナルベース１の下面
に設けたプリント基板５の共通配線パターン5aにハンダ
付けすることにより、前記ソケット端子４のすべてを接
続端子６に電気的に接続するものがある。そして、この
ものでは、前記ソケット端子４の圧入部4bにリレー７の
ピン端子（図示せず）を圧入することにより、複数のリ
レー７を並設していた。

しかしながら、前述の取り付け構造では、ソケット端子
４を個々に切り出す必要があるので、ソケット端子４の
構造に手間がかかるだけでなく、リレーターミナル全体
の部品点数，組立工数が多くなる。

特に、ソケット端子４をプリント基板を介して電気的接
続する場合には、配線パターン5aに大電流を流す必要が
あるため、配線パターン5aの巾を広くしなければならな
いともに、電気的接続するソケット端子４の本数に応じ
て配線パターン5aが長くなるので、プリント基板５の表
面のうち、その大部分を共通配線パターン5aが占めてい
た。このため、他の配線パターン5bの引き回しが困難で
あるとともに、プリント基板５の配線パターン間に所定
の絶縁距離を確保しようとすると、ソケット端子４の配
線パターン5aが巾広であるので、プリント基板５を小型
化できないという問題点があった。

本考案は、前記問題点に鑑み、ソケット端子の製造に手
間がかからず、部品点数，組立工数が少ないとともに、
配線パターンの設計が容易でプリント基板を小型化でき
るリレーターミナルを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、前記目的を達成するため、ターミナルベース
のソケット部に、所定の間隔で複数個の端子孔とこれら
に連通する共通溝部とを設ける一方、所定の間隔で圧入
部を連結一体化した共通ソケット端子の連結部を、前記
共通溝部に圧入，固定するとともに、前記圧入部を前記
端子孔にそれぞれ圧入，固定し、この圧入部にリレーの
端子を圧入することにより、リレーを複数個並設する構
成としたものである。

（作用と考案の効果） したがって、本考案によれば、共通ソケット端子の連結
部に複数の圧入部が連結一体化されているため、前記共
通ソケット端子の端子部をプリント基板の共通配線パタ
ーンに電気的に接続するだけで、前記圧入部のすべてが
プリント基板に電気的に接続されることになる。

このため、従来例のようにソケット端子を個々に切り出
す必要がなくなり、リレーターミナル全体の部品点数，
組立工数が減少する。

しかも、プリント基板の配線パターン等に電気的に接続
するための端子部は少なくとも１本あればよく、圧入部
の個数に関係がないので、共通ソケット端子の端子部を
プリント基板の共通配線パターンに電気的に接続する場
合でも、巾広の共通配線パターンが従来例よりも短くな
る。このため、他の配線パターンの引き回しが容易にな
るとともに、所定の絶縁距離を確保しつつ、プリント基
板を小型化できる。

さらに、共通ソケット端子の連結部が圧入部のリード線
としての機能を果たすので、プリント基板の配線パター
ンで複数の別体からなるソケット端子を電気的に接続す
る場合よりも発熱が少なくなり、大電流を流すことがで
きるという効果がある。

（実施例） 以下、本考案にかかる一実施例を第１図ないし第３図の
添付図面に従って説明する。

本実施例にかかるリレーターミナルは、ターミナルベー
ス10と、このターミナルベース10の下面に配されるプリ
ント基板11と、前記ターミナルベース10の下面開口部を
覆う底カバー12と、前記ターミナルベース10の上面に並
設されるリレー13とからなるものである。

前記ターミナルベース10は上面片側に上下２段の階段状
端子台部20を一体形成しているとともに、この端子台部
20の背面と残る上面片側縁部に突設した側壁21とでリレ
ー装着用凹溝22を形成している。

前記端子台部20の上下２段の段部は、上下で重なり合わ
ないように仕切り片23でそれぞれ交互に仕切られてい
る。そして仕切られた空間ごとに断面略Ｌ字形状の接続
端子24がそれぞれ圧入，固定され、その下端部がターミ
ナルベース10の下面側から突出しているとともに、上端
部に固定ねじ25a,25bがそれぞれ螺合されている。

一方、前記リレー装着用凹溝22の底面は前記ターミナル
ベース10に一体成形されたソケット部26で形成されてい
る。このソケット部26には第３図に示すようにコイル端
子用端子孔27a,27aと接点端子用端子孔28a,28bとが設け
られているとともに、前記端子孔28bは一本の共通溝部2
8cで連通している。

そして、端子孔27a,27aおよび28aには別体からなるソケ
ット端子27b,27bおよび28dがそれぞれ圧入され、端子部
がターミナルベース10の下面から突出している。さら
に、前記共通溝部28cには第１図に示すような共通ソケ
ット端子29の連結部29aが圧入され、前記端子孔28bには
前記連結部29aに所定のピッチで連結一体化した圧入部2
9bがそれぞれ圧入されているとともに、連結部29aの一
端部に設けた端子部29cがターミナルベース10の下面か
ら突出し、後述するプリント基板11に電気的に接続され
る（第２図）。

また、凹溝22を形成する端子台部20の背面および側壁21
の内側面のうち、ソケット部26に装着したリレー13の外
側面と対向する位置に、逆台形状のガイド溝30a,30bが
それぞれ設けられている。このガイド溝30a,30bの下方
側に下がるにつれて巾狭となり、その下端部はソケット
部26に装着したリレー13の下面縁部よりも下方側にまで
延在している。

なお、側壁21の上端面には動作表示灯14設けられている
一方、ターミナルベース10の上面端部にはコネクタ15が
設けられ、そのピン端子の端子部（図示せず）がターミ
ナルベース10の下面から突出している。また、ターミナ
ルベース10の上面隅部に設けた位置決め台部16aからな
る収納部16に、略コ字形の取り外し器具17が上方から着
脱可能に弾性係合し、抜け止めされている。

プリント基板11は前記接続端子24,24、前記共通ソケッ
ト端子29あるいは他のソケット端子27b,28dおよびコネ
クタ15をそれぞれ電気的に接続するようにプリント配線
されたもので、ターミナルベース10の下面開口部から取
り付けられた後、ハンダ付けされる。特に、共通ソケッ
ト端子29の端子部29cは、プリント基板11に設けた共通
配線パターン11aを介し、接続端子24のうち、第１図
中、上段左側端部に位置する接続端子24に電気的に接続
される。

底カバー12は前記ターミナルベース10の下面開口部を覆
う平面形状を有するもので、下面中央部にレール係合用
の浅溝12aが設けられているとともに、下面縁部にレー
ル取付用フック部12bが設けられている。そして、底カ
バー12は前記ターミナルベース10の下面に装着され、タ
ーミナルベース10の下面開口部を密閉する。

リレー13はハウジングが直方体形状を有するもので、前
記共通ソケット端子29の圧入部29bおよび他のソケット
端子27b,28dの圧入部に圧入できるピン端子（図示せ
ず）を、下面から突出している。

したがって、ターミナルベース10にリレー13を取り付け
る場合には、ソケット部26に埋設した共通ソケット端子
29の圧入部29bおよび他のソケット端子27b,28dの圧入部
に、リレー13のピン端子を圧入して電気的に接続するこ
とにより、複数個のリレー13をターミナルベース10に並
設すればよい。

そして、例えば、図示しないケーブルで接続されたコネ
クタ15から電気信号が送られてくると、これに対応する
リレー13が動作し、接続端子24,24を含む閉回路が形成
される。

次に、ターミナルベース10からリレー13を取り外す場合
には、ターミナルベース10の収納部16から取り外し器具
17を取り出し、これを取り外したいリレー13の上方に位
置決めして降ろすと、取り外し器具17の爪部17a,17bが
リレー13の外側面に圧接しつつ、ガイド溝30a,30bにガ
イドされながら下降する。そして、爪部17a,17bが所定
の位置にくると、リレー13の下面縁部に自動的に係止す
る。ついで、取り外し器具17を持ち上げると、リレー13
のピン端子が各ソケット端子の圧入部からそれぞれ抜け
出るので、リレー13をターミナルベース10から取り外せ
る。

なお、本実施例によれば、ガイド溝30a,30bが逆台形状
であるので、取り外し器具17の位置決めが容易である
が、必ずしもこれに限らず、ストレートなものであって
もよい。

また、本考案にかかるリレーターミナルは出力用に限ら
ず、入力用であってもよく、又、８個のリレーを装着す
るものに限らず、例えば、16個のリレーを装着するもの
であってもよい。

さらに、共通ソケット端子の端子部は必ずしもプリント
基板の配線パターンを介して接続端子に電気的に接続す
る必要がなく、リード線を介して接続端子に電気的に接
続してもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案にかかるリレーターミナル
の一実施例を示し、第１図は全体斜視図、第２図は要部
斜視図、第３図は平面図、第４図および第５図は従来例
にかかるリレーターミナルの一実施例を示し、第４図は
全体斜視図、第５図は要部斜視図である。 10…ターミナルベース、13…リレー、22…ソケット部、
28b…端子孔、28c…共通溝部、29…共通ソケット端子、
29a…連結部、29b…圧入部、29c…端子部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ターミナルベースのソケット部に、所定の
   間隔で複数個の端子孔とこれらに連通する共通溝部とを
   設ける一方、所定の間隔で圧入部を連結一体化した共通
   ソケット端子の連結部を、前記共通溝部に圧入，固定す
   るとともに、前記圧入部を前記端子孔にそれぞれ圧入，
   固定し、この圧入部にリレーの端子を圧入することによ
   り、リレーを複数個並設することを特徴とするリレータ
   ーミナル。