JPH0737221A - 写真フィルム用磁気ヘッド及びその支持装置 - Google Patents

写真フィルム用磁気ヘッド及びその支持装置

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JPH0737221A
JPH0737221A JP18045393A JP18045393A JPH0737221A JP H0737221 A JPH0737221 A JP H0737221A JP 18045393 A JP18045393 A JP 18045393A JP 18045393 A JP18045393 A JP 18045393A JP H0737221 A JPH0737221 A JP H0737221A
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film
head
photographic film
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magnetic head
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JP18045393A
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Makoto Isozaki
眞 磯崎
Shozo Kikukawa
省三 菊川
Hiroaki Yamagishi
弘明 山岸
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気層を塗布した写真フィルムの磁気層に当
接し、少なくとも情報の記録若しくは再生の何れかを行
う写真フィルム用磁気ヘッドの形状の改良を目的とす
る。 【構成】 写真フィルムの幅方向に対する磁気ヘッドの
当接部が略直線である直線部を設け、直線部以外のエッ
ジ曲率半径を2mm以上の連続した円弧で形成し、写真フ
ィルムの走行方向に対する磁気層に対する磁気ヘッドの
当接部を円柱状の曲面部を設け、曲面部の曲率半径を8
mm以上16mm以下に形成し、磁気ヘッドの直線部を、写真
フィルムの幅方向の端部と撮影画面との距離より狭く、
パーフォレーションの幅より広く設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、磁気層を塗布した写
真用フィルムの磁気層に当接し、少なくとも情報の記録
若しくは再生の何れかを行う磁気ヘッド及びその支持装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、写真システムを構成する、フィル
ム、カメラ、処理機等の個々の機器の性能は著しく向上
したが、機器間の情報交換が不充分なため、システムと
してこれ以上の性能向上やコストダウンが困難な状態に
ある。例えば、現在のカラープリントシステムは、現像
したネガ像の光学濃度から、撮影状況を推定してプリン
ト条件を決定し、最大多数の顧客の満足が得られるプリ
ントに仕上げている。このため、平均的な仕上りとな
り、撮影状況や撮影意図がプリントに十分に反映され
ず、フィルムやカメラの性能を充分に引き出していると
は言えない。従って、ユーザーの要求に充分に答えるた
めには、撮影情報を加味してプリントする必要がある。
又、フィルムの後処理は、暗室や水系で行われるため、
情報伝達が困難であり、コンピュータによる自動化も困
難な状況にある。
【0003】写真システムにおける情報交換を容易に行
う手段として、実質的に透明な磁気記録層をフィルム裏
面全面に設け、必要な情報をフィルムの磁気層に直接記
録するシステムが、国際出願WO-90/04205,WO-90/0421
4,米国特許USP-4965627,USP-4975732等に提案されて
いる。即ち、フィルム製造時にメーカー名、フィルム種
類、乳剤ロット、感度、製造年月日等を記録し、撮影時
に撮影条件、例えば光源の色温度、被写体輝度、露出時
間、絞り値、逆光の有無、フラッシュ発光の有無、連写
の有無、カメラの種類、オーナーID、撮影年月日、撮
影者のメモ等を駒毎に記録する。更に、DPE受付窓口
で、顧客の注文情報、例えばプリントサイズ、プリント
枚数、希望仕上げ状態(絹目、光沢)等をフィルムに記
録する。プリント時、これらの情報をフィルムから読み
出し、ネガをスキャンして得た光学濃度データと合わせ
てプリント条件を決定する。これにより、撮影状況や撮
影意図を反映したプリントが得られる。また、この露光
条件を各駒に記録して、焼き増し時、読み出してプリン
トすれば、最初と同じ色調のプリントが得られる。この
ように、写真の諸情報をフィルムの各駒に直接磁気記録
できるので、コンピュータによる自動管理が可能にな
り、コスト低減、品質向上、迅速処理、サービス向上等
の多くのメリットが期待できる。このシステムの特徴
は、フィルムに直接記録することによりフィルムと情報
の対応が完全に取れること、及びフィルム搬送速度の変
動に鈍感な信号変調方式を採用することにより、機器間
でフィルム搬送速度を統一しなくとも、容易に情報交換
が行えることである。
【0004】フィルムに画像以外の情報を記録する手段
として、磁気記録以外に、例えば電気的、光学的な手段
が考えられる。ICメモリー等を用いる電気的な手段は
コストが高く、LED等を用いる光学的な手段は記憶容
量が小さく書換えができないという欠点がある。コスト
が低く、記録密度が大きく、自由に書き換えでき、画像
と情報が完全に対応し、手軽に情報交換を行える手段と
して、フィルムに直接磁気記録する方法が最も適してい
る。
【0005】写真フィルムへの磁気記録は、透明磁気層
に記録する以外に、画面外に磁気材料濃度の高い磁気ス
トライプを設けて記録する方法もある。この場合、フィ
ルム製造工程は複雑になるが、磁性材濃度が高いため、
記録再生は容易となる。本明細書では、記録再生の厳し
い透明磁性層付きフィルムを主体に説明するが、本願発
明は、ストライプ磁性層にも適用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、磁気記録は、
磁気ヘッド(以下ヘッドという)のコイルに信号電流を
流し、発生する磁界で磁気層を磁化して記録する。再生
は、磁気層表面の漏洩磁束をヘッドコイルでピックアッ
プする。ヘッドギャップや磁気層表面から発生する漏れ
磁束は非常に小さく、その到達距離も非常に短いので、
ヘッドと磁気層の接触が悪く、その間に僅かな空間がで
きても再生出力やS/N比が大幅に低下し、信号の1部
が欠落するようなことが起きると致命的なエラーとな
る。従って、媒体表面とヘッド表面の面接触が重視され
る。
【0007】本願発明のフィルム磁気記録は、従来の磁
気記録と大幅に異なっている。例えばフィルムの透明性
を確保するため、フィルムに設ける磁気層は、磁性材料
の使用量が通常の磁気記録媒体の1/50から1/100程度に
限られる。従って、フィルムからの再生信号強度は極め
て低い。磁気テープのように、大量の磁性材を充填した
磁気記録媒体は、再生出力が高いため、ヘッドタッチ不
良で出力が低下しても影響が少ない。しかし、透明磁気
層は、出力が極端に低いため、ヘッドタッチ不良の影響
が大きく、致命的なエラーになる。このように、透明磁
気層への記録再生は、特にヘッドタッチ不良を防止する
ことが重要になる。しかし、磁気テープ等に較べて、フ
ィルムは腰が強く、且つ幅方向のカールや長手方向の巻
き癖が大きいため、これらが複合してフィルム表面は不
規則に歪んでいる。従って、ヘッドがフィルムに設けら
れた磁気層表面に良好にタッチしにくい。磁気層はフィ
ルム全面に設けられ、フィルムのエッジ部のみならず、
画像部にもデータを記録する場合があるため、ヘッドの
接触によりフィルムに傷が付くと、そのフィルムから高
品位のプリントが得られなくなる。
【0008】このようにフィルムに設けた透明磁気層に
情報を磁気記録する方法は、従来の磁気記録媒体に記録
する方法に比べて遙に困難な問題を含んでいる。即ち、
写真画面内に磁気ヘッド等との摺動による傷付きを生じ
ないことと、微弱な記録信号を誤りなく読み出すことを
両立させることが極めて重要となる。フィルムとヘッド
の良好な面接触を確保するため、ヘッドの接触圧力を高
めるとフィルムに傷が付き易くなり、且つヘッドが激し
く磨耗する。更に、写真フィルムでは、フィルムの駆動
或いは撮影コマ間隔を特定するため、パーフォレーショ
ンが設けられているが、その付近にも磁気トラックが設
けられることもあるため、ヘッドがフィルムの走行を妨
げないものでなければならない。
【0009】写真フィルムは、通常、乳剤面を内側に凹
状にカールしており、エッジ部はカールが激しいので、
その裏面に設ける磁性面においても、良好なヘッドタッ
チを得ることが特に困難になる。
【0010】写真フィルム用のヘッド形状については、
米国特許USP-5005031,4996546,4972213,公表4-50056
8,3-503321等にヘッド表面に約10度の傾斜を付ける
と、フィルム先端がヘッドとパッドの間を通過させやす
くなるという発明が公開されている。また、実開平4-89
934には、ヘッドや対向ローラの位置、形状を最適化す
ると再生出力が高くなるという発明が公開されている。
しかし、これらの発明はフィルムの走行方向に対応する
ヘッド形状を規定したもので、フィルムの幅方向に対す
る形状は規定されていない。透明磁気層付きフィルムの
磁気記録の問題点は、ヘッドとフィルムが接触して付く
フィルム傷である。フィルムに微小な傷が付いても拡大
プリント時に影響が出る。フィルム面とヘッド面を緊密
に面接触させ、しかも、フィルムの傷付きを避けるため
には、ヘッド面の形状を、フィルムの長手方向のみなら
ず、幅方向も最適化する必要がある。上述の出願はフィ
ルムの長手方向に対するヘッド形状を改良したものであ
る。再生出力が高い、または、フィルム先端を通過させ
易いという利点があるが、幅方向の形状、寸法とフィル
ム傷付きの関係は特に説明も規定もされていない。
【0011】通常、フィルム幅方向のヘッド形状プロフ
ィールは、直線状で両端が角型をなしているため、両端
のエッジ部でフィルムに傷が付く。フィルムの削れ屑
は、ヘッドに蓄積して更にフィルムを傷付ける。また、
この傷がヘッドとフィルムの間のスペーシングを増大さ
せ、安定した記録再生を妨げる。フィルムに傷が付く原
因はヘッドの幅方向の形状が関係する。例えば、凹状に
カールしたフィルム表面に直線状の表面を持つヘッドを
接触させると、まずヘッド両端のエッジ部がフィルムに
接触し、更にヘッド圧力を高めると、ヘッドがフィルム
を幅方向に押し広げてフィルム表面を平坦となし、ヘッ
ド中央とフィルム面が緊密に接触する。このため、ヘッ
ドの側端エッジがフィルムに強く当たり、フィルムを傷
つけたり、フィルムとヘッドギャップとの間に、隙間を
生じたりする。また、凸状にカールしたフィルムに直線
状のヘッドを接触させて圧力を掛けると、フィルムが押
されて凹状に変形するため、やはりヘッドの両端部がフ
ィルムに強く接触して、ギャップが接触し難くなる。即
ち、フィルムの幅方向に対するヘッド表面形状が不適切
であると、ヘッドに掛けた圧力は、ヘッドのエッジ部に
集中しフィルムに傷を付け、且つヘッド中央部とフィル
ムが緊密に接触し難くなる。磁気記録では、ヘッドと磁
気層表面間に1μm程度の隙間が生じても出力は大幅に
低下して、エラーを発生するため、重大な問題となる。
また、傷が付くとフィルムは使用できなくなる。
【0012】歪みが多く、腰が強いフィルムとヘッドを
良好に接触させるためには、通常の手段としては、ヘッ
ドをフィルムに対して、強く押し付けなければならない
ので、ヘッドエッジによる傷付きが避けられない。映画
フィルムのサウンドトラックに使用するヘッドは固定さ
れており、フィルム幅よりヘッド幅が広いため、ヘッド
端部によるフィルム傷付きは問題にならないが、ヘッド
が大型になり、小型カメラや小型プリンターに搭載困難
となる。また、大きな接触圧を必要としてフィルム走行
摩擦が大きくなる他、接触部分全体の磨耗、特にヘッド
コアの磨耗が著しく、センダスト等の高価な硬質磁気材
料が必要になる。小型の装置に搭載するヘッドとして
は、なるべく小さいヘッドが良い。これは、既出願のロ
ーリング可能な支持装置に取り付けて、ヘッドがフィル
ムのカールに追随してローリングしたとき、ヘッドがフ
ィルム端部より大きくはみ出すと、ヘッドの圧力バラン
スが悪くなり、複数のトラックを持つヘッドでは、トラ
ック間の出力バランスが悪くなるためである。
【0013】ヘッド形状は小さいほうが良いが、パーフ
ォレーションにヘッドが落ち込むとフィルムの走行や記
録再生の妨げになるので、パーフォレーションの寸法よ
り大きくすることが望ましい。
【0014】公表4-500568はカールによるフィルムの傾
斜に近似させるため、ヘッドをフィルムのカールに合わ
せて、3〜4度傾けて取り付ける発明が公開されてい
る。この発明は、良好なヘッドタッチを得ることができ
るが、フィルムのカールは温度や湿度の変化により激し
く変化するので、あるカール度合いに合わせてヘッドを
傾けて取り付けても必ずしも常に良好なヘッドタッチが
実現できるとは限らない。また、エッジ部の形状が規定
されていないため、フィルムに傷を付ける恐れがある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題は本願発明の、
磁気層を塗布した写真フィルムの磁気層に当接し、少な
くとも情報の記録若しくは再生の何れかを行う写真フィ
ルム用磁気ヘッドにおいて、磁気ヘッドと磁気層との接
触面の形状と寸法を最適化することにより、これらの問
題を解決したものである。より詳しくはフィルム長手方
向に対応するヘッド形状プロフィールと幅方向に対応す
るヘッド形状プロフィールと寸法を最適化したものであ
る。更に、ヘッドがフィルムの幅方向に対し揺動(ロー
リング)することにより上記面接触とフィルム傷付きの
問題を解決する方式の磁気ヘッド支持装置においては、
上記ヘッドの面接触部が均等にフィルムに接触するよ
う、磁気ヘッドがフィルム端面からはみ出さないように
配置する必要がある。
【0016】
【実施例】以下、本願発明の1実施例を図1及び図2に
基づいて詳細に説明する。
【0017】図1はヘッドをフィルム走行方向に対し直
角方向から見た側面図であり、図2はヘッドをフィルム
走行方向から見た側面図である。
【0018】図1(a)、(b)において、1はヘッ
ド、Fはフィルムであり矢印の方向に走行する。ヘッド
1におけるフィルムFと当接する表面の曲率半径(以
後、ヘッド曲率半径という)Rは、小さすぎるとヘッド
先端が尖るため、比較的平坦なフィルム表面との接触面
積が減少して、ヘッドタッチが安定しなくなり、大きす
ぎるとヘッド表面が平らになり、接触面積が増え、フィ
ルムをヘッド表面に沿わせ難くなる。これは、図1
(a)、図1(b)の何れの場合についても言える。
【0019】図1(a)については、ヘッド先端部の磁
気ギャップGがフィルムFと接触する際、ギャップの位
置精度やヘッドの取り付け角度により、磁気ギャップG
とフィルムFの磁性面に隙間が生じることがあり、ヘッ
ド曲率半径Rが小さい場合には同じ精度であっても隙間
が広がる傾向にある。ヘッド曲率半径Rが大きすぎる場
合には、フィルム表面の不規則な歪みにより磁気ギャッ
プ部分においてフィルム表面が浮き上がり易くなる。図
1(b)の如く走行させると、フィルムが平坦な場合は
磁気ギャップ前後の広い範囲において、ヘッド表面とフ
ィルム表面が接することになり、磁気ギャップ位置やヘ
ッドの取り付け角度の影響を受け難くなる。しかし、フ
ィルムは比較的硬いため、ヘッド曲率半径がRが小さす
ぎると、余程接触圧力を大きくしない限り、十分広い範
囲でヘッドとフィルムが沿わなくなる。また、ヘッド曲
率半径Rが大きすぎると、図1(a)と同様の理由で、
やはり磁気ギャップ部においてフィルムが浮き上がり易
くなる傾向がある。
【0020】なお、ヘッド曲率半径Rは、略一定の円柱
形状として図示、説明しているが、先端部ほどRが小さ
くなる双曲線(ハイパボリック)形状、或いは先端部ほ
どRが大きい楕円曲線とし、フィルム幅方向には前記直
線部分のヘッドについても同様に考えることができる。
【0021】図2(a)は、ヘッドをフィルム走行方向
から見た側面図、図2(b)は、図2(a)と同じ位置
の135 フィルムの平面図であり、F1はパーフォレーシ
ョン、F2は撮影画面である。フィルムFは矢印の方向
に進行する。図2(a)のヘッド表面形状は、中央で直
線を形成する直線部と、その両端で曲面を形成する曲面
部とは連続的とし、その境界は明確でないが、直線部か
ら約1μ以上離れると磁気的な接触が取れなくなるの
で、約1μの点を境界と考えればよい。直線部と曲面部
は連続していることが必要であり、ここに鋭角部や段差
が有ると、フィルムに傷が付きやすい。曲面部の曲率半
径(以後、エッジ曲率半径という)rが小さすぎると、
フィルムに傷を付け易く、大きすぎると傷は付かない
が、十分な面取り効果を得るためにヘッド寸法が大きく
なったり、或いはフィルム幅方向の直線部分が狭くなっ
て、フィルムとヘッド面の接触が不安定になり易い。
【0022】なお、Rは必ずしも一定(円形プロフィー
ル)である必要はなく、直線部と連続する所では比較的
大きな曲率半径とし、ヘッドの両側面へ行くに従って小
さな曲率半径とすることはむしろ望ましい。
【0023】フィルムの幅方向のヘッドのプロフィール
の直線部は、図2のように135フィルムの場合、パーフ
ォレーションの幅が約2.8mmあるので、これに落ち込ま
ないように2.8mm以上、できれば4mm以上ある方がよい。
また揺動(ローリング)可能なヘッドにおいて、ヘッド
とフィルムの接触姿勢を安定させるにも、接触幅即ち幅
方向直線部は広いほうがよい。
【0024】しかし、直線部の端は、できれば撮影画面
に接しない方が画面に傷を生じる恐れがなくてよい。ま
た、反対側の端がフィルムのエッジよりはみ出すと、ヘ
ッドがフィルム進行方向に対して揺動(ローリング)可
能である場合、ヘッドの支点あるいは加圧中心に対し、
幅方向両側の接触面積に差を生じ、支点あるいは加圧中
心に対して回転力を生じることとなり、ヘッド上の複数
トラック用ギャップ間で接触圧力の差による読み出し信
号のアンバランスが生じることがある。
【0025】従って、ヘッドの幅方向プロフィール直線
部の幅は135 フィルムの場合、多くとも5.5mm以下にす
ることが望ましい。このことは図1(b)の如く沿わせ
た場合には、ギャップGにおける直線部の幅だけでな
く、ギャップの前後でフィルム面とヘッド面が接してい
る範囲全般に言えるとであり、接している範囲の何れの
場所においても直線部の幅は、2.8mm以上、5.5mm以下の
範囲を越えないことが望ましい。
【0026】また、ヘッドを指示する支持系としては、
ヘッドの直線部がフィルム面をはみ出さないように保持
することが必要である。次に、ヘッド形状による信号記
録・再生性能とフィルム傷付きに関する実験結果を記
す。実験条件としては、135カラーフィルムの裏面に膜
厚0.15μの透明磁気層を生成し、この磁気層に、エッジ
曲率と表面曲率の異なるヘッド(ギャップ長さ3μ、ギ
ャップ幅0.8mm、コイル巻数1000ターン)を使用して、
ヘッド荷重を50gに保って、4KHzの方形波を、フィル
ム速度10cm/sec、記録電流4mAP-Pで記録した。巻き戻
した後、記録したヘッドで再生し、高ゲインアンプで増
幅してその出力をオッシロスコープで測定した。また、
60回繰り返し再生を行い、出力変化とフィルムの傷付き
をチェックした。実験の結果、フィルムの傷は主として
ヘッドのエッジ部分に現れた。また、出力電圧は60回の
再生後でも特に劣化は認められなかった。ヘッドの曲率
は形状測定機で、フィルムの傷付きはレーザー顕微鏡で
傷の幅と深さを測定した。以上の実験結果を表1及び図
3に示す。
【0027】
【表1】
【0028】以上の実験結果より、8〜16mmのヘッド曲
率半径を形成し、これに図2(a)、(b)のようにフ
ィルムを沿わせて走行させると、良好なヘッドタッチが
得られ、特にヘッド曲率12mm程度で最良の結果が得られ
た。また、2mm以上のエッジ曲率半径のとき、フィルム
に傷が付きにくく、3mm以上のとき最良の結果が得られ
た。
【0029】フィルムの傷付きは主としてヘッドのエッ
ジ部の曲面プロフィールの曲率半径rの影響を受ける
が、情報の記録・読み出しの安定性において、ヘッド走
行方向プロフィールの曲率半径だけでなく、エッジのプ
ロフィールの曲率半径最適化も相乗的に効果があり、再
生信号出力で見ても同じR=12mmにおいて、エッジプロ
フィールrが大きいほど再生信号出力が大きい傾向があ
り、瞬時的読み出し欠落によるエラーの発生確率上も有
意差があることも観察された。
【0030】本出願人は、フィルムカールに追随してヘ
ッドがローリングできるヘッド支持装置を、特願平5-02
1449、特願平5-079763、特願平5-101155により出願して
いるが、上記のヘッドをこれらのヘッド支持装置と組み
合わせることにより、安定した高い出力が得られ、しか
もヘッドによるフィルムの傷つきがなく、またヘッドの
磨耗が少なくなるという特徴を持つ。
【0031】透明磁性層は、フィルム全面に設けられ、
全面に記録が可能であるが、135フィルムの場合では、
図2(a)、(b)において、画面外のフィルム両端か
ら約5mm以内の部分に記録するのが好ましい。磁気記録
は記録密度が高いので、各種の写真処理情報をこの領域
に記録できる。更に、多くの情報を記録したいときは、
画像部を使用することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本願発明の
ヘッド形状は、フィルム長手方向プロフィールのみなら
ず、幅方向のプロフィール形状を最適化してあるので、
ヘッドに過大な力を掛けることなく、ヘッドとフィルム
の良好な接触を保つことができるので、高い出力が安定
して得られ、フィルムに傷が付きにくく、ヘッド磨耗が
少ないことを特徴とする。また、本出願人が既に出願し
た、カールに追随してヘッド角度が変化させられる支持
装置を使用すれば、温湿度の変化でフィルムのカール状
態が変化しても、更に少ないヘッド圧力でも記録再生が
可能になる。
【0033】フィルムは腰が強くて硬いため、従来の方
法で必要とされる接触圧力を加えると、柔軟なテープに
比べて、ヘッド寿命が短い。このため、映画フィルムの
磁気記録では、硬い材料、例えば、センダストやアモル
ファス磁気材料が使用されるが、これらの材料は加工し
難く、高価である。本願発明の形状のヘッドと既出願の
支持装置を組み合わせると、ヘッド圧力が低いため、磨
耗が少ないので、パーマロイの様な安価で加工し易いヘ
ッドの磁気材料も使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘッドをフィルム走行方向に対し直角方向から
見た側面図である。
【図2】ヘッドをフィルム走行方向から見た側面図であ
る。
【図3】ヘッドエッジ形状図とフィルム傷の実験結果で
ある。
【符号の説明】
1 ヘッド F フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気層を塗布した写真フィルムの磁気層
    に当接し、少なくとも情報の記録若しくは再生の何れか
    を行う写真フィルム用磁気ヘッドにおいて、前記写真フ
    ィルムの幅方向に対する前記磁気ヘッドの当接部が略直
    線である直線部を設け、該直線部以外のエッジの形状を
    該直線部と連続した曲線で形成し、前記写真フィルムの
    走行方向に対する前記磁気ヘッドの当接部の形状を略円
    形である曲面部とすることを特徴とする写真フィルム用
    磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記写真フィルムの幅方向に対する前記
    磁気ヘッドのエッジの形状を曲率半径を2mm以上の連続
    した曲面で形成し、前記写真フィルムの走行方向に対す
    る前記磁気ヘッドの形状を曲率半径8mm以上、16mm以下
    に形成したことを特徴とする請求項1記載の写真フィル
    ム用磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気ヘッドの直線部の幅を、前記写
    真フィルムの幅方向の端部と撮影画面との距離より狭
    く、パーフォレーションの幅より広く設定したことを特
    徴とする請求項1記載の写真フィルム用磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁気層を塗布した写真フィルムの磁気層
    に当接し、少なくとも情報の記録若しくは再生の何れか
    を行う磁気ヘッドを支持する写真フィルム用磁気ヘッド
    支持装置において、前記写真フィルムの幅方向に対する
    前記磁気ヘッドの当接部が略直線である直線部の全て
    を、前記写真フィルムの走行時に、常に前記写真フィル
    ムに当接する位置に配設したことを特徴とする写真フィ
    ルム用磁気ヘッド支持装置。
JP18045393A 1993-07-21 1993-07-21 写真フィルム用磁気ヘッド及びその支持装置 Pending JPH0737221A (ja)

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