JPH0737190U - 芳香体 - Google Patents
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- JPH0737190U JPH0737190U JP6999593U JP6999593U JPH0737190U JP H0737190 U JPH0737190 U JP H0737190U JP 6999593 U JP6999593 U JP 6999593U JP 6999593 U JP6999593 U JP 6999593U JP H0737190 U JPH0737190 U JP H0737190U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 香りの交換が容易である芳香体を提供する。
【構成】 繊維状物からなる束の一端を固定具で固定す
ることにより形成される芳香部材および該固定具に対し
て着脱自在に連結する連結部から構成される芳香体にお
いて、該繊維状物の少なくとも一部に香料成分が担持さ
れていることを特徴とする芳香体。
ることにより形成される芳香部材および該固定具に対し
て着脱自在に連結する連結部から構成される芳香体にお
いて、該繊維状物の少なくとも一部に香料成分が担持さ
れていることを特徴とする芳香体。
Description
【0001】
本考案は、目的とする香りへの交換および携帯が容易である芳香体に関するも のである。
【0002】
現在、香料原料を用いた製品としては、香水、オードトワレ、オーデコロン等 の芳香製品、化粧水、乳液、コールドクリーム、パック等の基礎化粧品、ファン デーション、粉おしろい、口紅等の仕上げ化粧品、ヘアトニック、ヘアスプレー 、シャンプー等の頭髪化粧品、パーマネントウェーブ用洗剤等の特殊化粧品、石 鹸、シェービングクリーム等のトイレタリー製品、さらには車内や家の室内、ト イレの消臭および芳香を目的とした消臭・芳香体等に広く用いられている。
【0003】 これらのうち、車内や家の室内、さらにはトイレの消臭および芳香を目的とし た消臭・芳香体は、特に若い女性が潔癖症になり清潔を好むようになり、またフ ァッション化が進むにつれ、特に近年、多種多様な香りで数多く開発、市販され るようになってきた。また、これらの消臭・芳香体の形態も、車内や家の室内の 色合いや雰囲気等の様々な嗜好に合わせたものが市販されるようになってきた。
【0004】 しかしながら、市販されている消臭・芳香体の交換は、同じ種類の香りの交換 であれば中の詰め替え用の容器を交換するだけでよいが、異なる種類の香りの交 換をしようとする際には容器に香りが残っておりこのまま容器を使用すると香り が混合してしまうため、詰め替え用の容器のみではなく芳香体全部を交換しなけ ればならず、これは、交換を簡単に行えない上に資源の節約が求められている現 在の状況に反するものである。
【0005】 したがって、芳香体の交換が芳香剤の入っている詰め替え用の容器を交換する という簡単な操作で済み、さらには資源の節約にもなる芳香体の開発が強く望ま れている。
【0006】
したがって、本考案は、香りの交換が容易である芳香体を目的とするものであ る。
【0007】 本考案の他の目的は、芳香体の交換が容易であり、さらには資源の節約にもな る芳香体を提供することにある。
【0008】
上記諸目的は、繊維状物からなる束の一端を固定具で固定することにより形成 される芳香部材および上記固定具に対して着脱自在に連結する連結部から構成さ れる芳香体において、上記繊維状物の少なくとも一部に香料成分が担持されてい ることを特徴とする芳香体によって達成される。
【0009】 本考案はまた、上記繊維状物が少なくとも長軸方向に沿った溝を有するセグメ ントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBよりなり、かつ上記セグメントBに 香料成分が担持されている芳香体を示すものである。本考案はさらに、上記繊維 状物が微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸であり、かつ上記中空内およ び/または上記微細孔内に香料成分が担持されている芳香体を示すものである。
【0010】
本考案の芳香体は、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維状物からなる 束の一端を固定具で固定した部材および該固定具に対して着脱自在に連結する連 結部から構成されるものである。
【0011】 以下、本考案の芳香体の実施例を図面を参照して説明する。
【0012】 図1は、本考案の一実施例に係わる芳香体を示す概略断面図である。図1に示 すように、本実施例の芳香体は、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維状 物2からなる束の一端を固定具1で固定した芳香部材Cおよび該固定具1と着脱 可能な係合部4と芳香体を目的部位に固定するための固定手段5とからなる連結 部Dから構成されている。本実施例に係わる芳香体は、芳香部材Cの一端に形成 された中空管形状の固定具1と、連結部Dの上端に形成されかつ前記固定具1の 外径寸法に対応した内径寸法を有する中空管形状の係合部4とを挿入係合すると いう簡単な操作によって、芳香部材Cと連結部Dとを組み立てる構造を有する。 このようにして組み立てられた芳香体は連結部Dの固定手段5の吸盤形状を利用 して目的とする場所に固定できる。本実施例においては、繊維状物2同士の固定 および繊維状物2と固定部1との固定は糊剤3によって行われているが、これら の固定は、繊維状物2の束の一端を熱収縮チューブに入れた後加熱によってチュ ーブを収縮させることによって行ってもよい。なお、この芳香部材Cと連結部D との係合は、上記実施例に限定されるものではなく、以下に示す実施例が考えら れる。
【0013】 図2は、本考案の他の実施例に係わる芳香体を示す概略断面図である。本実施 例の芳香体は、図2に示すように、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維 状物12からなる束の一端を固定した固定具11の底部にネジ構造を施した芳香 部材Cおよびこのネジ形状に合うねじ孔が形成された係合部14を有しかつ固定 手段15の底部に両面テープ16が糊着されている連結部Dからなるものである 。この際、係合部14のねじ孔に固定具11のネジ部分を螺合させることによっ て、芳香部材Cと連結部Dを組み立てることができる。また、本実施例において は、連結部Dの底部には両面テープ16が糊着されているので、使用時に両面テ ープ16の外面の糊着防止用テープを剥がすことによって、芳香体を目的とする 場所に固定することができる。
【0014】 また、本考案の芳香体は、図3に示される構造を有するものであってもよい。 本実施例の芳香体は、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維状物22から なる束の一端を固定しかつ周壁に突起27を設けた固定具21からなる芳香部材 Cおよび該突起27に嵌合する第1孔28及び第1孔28の底部からさらに継続 して連結部Dの円周方向に沿って内設されている第2孔29が穿設された係合部 24と吸盤形状を有する固定手段25とからなる連結部Dから構成される。この 際、芳香部材Cと連結部Dは、芳香部材Cの固定具21上に形成された突起27 を連結部Dの係合部24中に形成された第1孔28の底部まで押し込み、さらに 突起27が第2孔29に沿うように芳香部材Cを回転させることによって組み立 てられる。また、本実施例においても、図1と同様にして、連結部Dの固定手段 25の吸盤形状を利用して芳香体を目的とする場所に固定できる。本実施例にお いては、突起およびこれに相当する第1孔と第2孔を1個設けるように構成した が、これらは2個以上であってもよい。
【0015】 さらに、本考案の芳香体は、図4に示される構造を有するものであってもよい 。本実施例の芳香体は、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維状物32の 束の一端が固定具31によって固定されかつばねの弾発力に抗して押し込まれる 構造を有する突起37が形成された芳香部材Cおよび突起37に係合する第1孔 38を周壁上に有する係合部34及び吸盤形状を有する固定手段35からなる連 結部Dより構成される。この際、突起37を指等で押し込みながら芳香部材Cを 連結部Dに挿入し、突起37が第1孔38を通過するまで芳香部材Cを移動させ 、突起37を元の形状に復元させることによって、芳香部材Cと連結部Dは組み 立てられる。この組み立てを解除する場合は、再度指等によって突起37を押し つつ、芳香部材Cを上方にあるいは連結部Dを下方に移動させればよい。本実施 例においては、突起およびこれに相当する第1孔を1個設けるように構成したが 、これらは2個以上であってもよい。
【0016】 本考案において使用される固定具および連結部の材質は、上記したような形状 に成形できるものであれば特に制限されないが、具体的には、アクリルニトリル −ブタジエン−スチレン共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネ ート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、メタアクリル樹脂、ポリア セタール、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、塩化 ビニル樹脂、アクリロニトリル共重合体およびエチレン−ビニルアルコール共重 合体等が挙げられる。
【0017】 本考案において、繊維状物同志の固定および繊維状物と固定具との固定に使用 される糊剤としては、特に制限されないが、瞬間接着剤、エポキシ系接着剤、ウ レタン系接着剤、アクリル系接着剤、デンプン糊、ゼラチン溶液、アルギン酸ナ トリウムおよびカルメロース液等が、具体的に挙げられる。または、繊維状物同 志の固定は、フィルム、糸、針金およびガラスビーズ等を用いて物理的に固定し てもよく、また、繊維状物と固定具との固定は、糊剤を用いずに固定具内に繊維 状物を入れることによって行ってもよい。
【0018】 本考案による芳香体において用いられる繊維状物としては、具体的には、少な くとも長軸方向に沿った溝を有するセグメントAおよび上記溝に嵌合するセグメ ントBより構成されるものおよび微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸等 が挙げられる。
【0019】 本考案において用いられる繊維状物が少なくとも長軸方向に沿った溝を有する セグメントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBより構成される場合の例とし ては、図5に示すように、繊維状物の横断面において放射状に分岐するセグメン トAと該放射状部を補完するセグメントBとから構成されるものがある。さらに 、上記少なくとも長軸方向に沿った溝を有するセグメントAおよび上記セグメン トAの溝を補完するセグメントBを有するものの断面は、図5に示す断面形状の ほか、図6および図7に示すような繊維状物の断面が円形であるもの、さらには 図8〜11に示すような繊維状物の断面が異形であるものなどが例示できるが、 もちろんその他の断面形状であってもよい。また、この際、図10または図11 に示すように、セグメントBは少なくとも1つの溝を補完していればよい。
【0020】 また、セグメントAおよびセグメントBの材質は、相互に接着していれば、そ の組み合わせは任意である。
【0021】 本考案において使用されるセグメントAの材質としては、特に限定されるもの ではないが、例えば、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ア クリルニトリル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリア ミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ チレンテレフタレート、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、メタ アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ ル、フッ素樹脂、酢酸セルロース、ポリジメチルシキロサン−ポリカーボネート ブロック共重合体、アクリロニトリル共重合体、再生セルロース、ポリメタクリ ル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリサルフォン、エチレン−ビニルアルコ ール共重合体等が挙げられる。
【0022】 本考案において使用されるセグメントBは、香料成分を希釈剤に溶解した後、 高い粘稠性を有する担体に混合することによって製造されるものである。
【0023】 この際、香料成分とは、香料成分とは、調香師が素材となる単品香料(天然香 料および合成香料の双方を含む)を少なくとも1種以上、好ましくは数十〜数百 種を使って、調香師の想ったイメージを香りとして作り上げたものをいう。従っ て、該香料成分は、その組合わせにより何十万、何百万種類もの調合が可能であ り、これらのうちからその時代の流行などに合うように多種多様に変化し得るべ きものであり、目的とする効能を有するものであれば何等限定されるべきもので はないが、使用できる単品香料を具体的に以下に示す。アニス、オリガナム、カ ンファー(camphor) 、グアヤックウッド、ジンジャー、タラゴン、ナツメグ、バ イオレット、パセリ、バラ、フェンネル、ブラックペッパー、マージョラム、レ モン、レモングラス、安息香、キャラウェイ、シナモン、タイム、ティートリー 、ネロリ、ヒソップ、ペパーミント、ベルガモット、メリッサ、ラベンダー、ス パイクラベンダー、ローズマリー、アンジェリカ、エレミ、オレンジ、カモミー ル、ガーリック、カルダモン、キャロットシード、クミン、クラリセージ、グレ ープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、サントリナ、シダーウッド、シト ロネラ、ジュニパー、セージ、ゼラニウム、セロリ、タンジェリン、乳香、パイ ン、バジル、バーチ、パチュリー、バーベナ、ピメント、ベチバー、ボダイジュ 花、マンダリン、没薬、ヤロウ、ライム、リチェアクベバ、ローズウッド、ロー レル、アミリス、イランイラン、タジェティーズ、ユーカリ、スペアミント、イ モーテル、パルマローザ、カユプテ、クローブ、ジャスミン、ディル、パチェリ ー、テレビン、マートル、ニアウリ、コリアンダー、ファー、ラバンジン、スタ ーアニス、プチグレンおよびガルバナムが挙げられる。
【0024】 本考案において使用される香料成分の使用率(香料成分、高い粘稠性を有する 担体および希釈剤よりなる溶液の全成分中に占める香料成分の重量比)は、5〜 95%、好ましくは40〜85%である。
【0025】 上記高い粘稠性を有する担体としては、例えば、エチレングリコール、ジエチ レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエ チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3− ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2 ,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ メタノール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ペンタエリトリトール、ジペ ンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、スレイトール、ネオペンチル トール、リビトール、アリトール、ダルシトール、キシリトール、ソルビトール 、マンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたは無水エ ンネアヘプチトール等の多価アルコール、ポリビニルピロリドン、およびジエチ ルフタレート、ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレー トなどのアルコールの炭素数が4から12、好ましくは4から8のフタル酸エス テル等の可塑剤が挙げられる。これらのうち、炭素数が4〜8のフタル酸エステ ル、ポリビニルピロリドンおよびグリセリンが、好ましく用いられる。これら高 い粘稠性を有する担体の働きは、単に香料成分を希釈剤に溶解してセグメントB に担持させた場合、希釈剤はすぐに揮発し香料成分も同時に逸散してしまうのに 比し、該担体は比較的蒸気圧が高いため、希釈剤が揮発する際にも香料成分の逸 散を防止できるものである。
【0026】 この際、該高い粘稠性を有する担体の使用率(香料成分、高い粘稠性を有する 担体および希釈剤よりなる溶液の全成分中に占める高い粘稠性を有する担体の重 量比)は、5〜90%、好ましくは20〜60%である。
【0027】 さらに、上記希釈剤としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコ ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ ールまたはt−ブチルアルコールなどのような1価のアルコールが、具体的に挙 げられる。該希釈剤の働きは、上記香料成分は一般的に水に難溶で有機溶媒に易 溶であるため、そのままでは上記高い粘稠性を有する担体に均一に混合すること は困難であるため、一旦香料成分を溶解しやすい希釈剤に溶解し、上記担体に混 合させやすい状態にするためのものである。
【0028】 この際、該希釈剤の使用率(香料成分、高い粘稠性を有する担体および希釈剤 よりなる溶液の全成分中に占める希釈剤の重量比)は、1〜90%、好ましくは 3〜60%である。
【0029】 さらに、本考案における繊維状物は、通常の方法によって製造できるが、例え ば、上記香料成分をエタノールに溶解したものをさらにグリセリンに均一に混合 することによって混合物を調製し、さらに、この混合物を上記の異形断面を有す るように押し出されたセグメントAの溝に塗布することによって得られる。
【0030】 本考案に用いられる前記繊維状物の外径は、特に限定されるものではないが、 繊維状物の強度、さらにその使用目的等に応じてそれぞれ固有の大きさに決めら れるべきものであるが、通常、10μm〜3mm、好ましくは100μm〜2m m、さらに好ましくは250μm〜1mmである。
【0031】 次に、本考案において用いられる繊維状物が高分子膜よりなる中空糸である場 合について、以下に説明する。
【0032】 本考案において用いられる繊維状物が高分子膜よりなる中空糸である場合にお ける上記中空糸の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、上記セグメン トAと同様のものが使用できる。
【0033】 本考案に用いられる高分子膜よりなる中空糸において、これに微細孔を多数形 成する方法としては、例えば、(1)延伸法:高分子膜(無孔性)よりなる中空 糸を熱処理後延伸し、さらに熱処理することで、微細孔を多数有する高分子膜を 形成する方法、または(2)溶剤抽出法:高分子膜(無孔性)からなる中空糸を 成形する前に予め充填剤等を含有させて成形し、成形後に該充填剤のみを溶解し うる溶剤等を用いて抽出分離することにより微細孔を多数有する高分子膜を形成 する方法等が挙げられる。こうした方法により、後述する微細孔の孔径、開孔率 を任意に付与してなる高分子膜よりなる中空糸が作製することができるものであ る。
【0034】 このようして得られる微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸の該微細孔 の孔径は、香料成分を適当に担持でき、熱的作用により該香料成分を微細孔より 、その使用目的に応じて外部に徐放、発散することができる大きさであればよく 、通常、10オングストローム〜8μm、好ましくは20オングストローム〜5 μm、さらに好ましくは50オングストローム〜3μmである。また同様に開孔 率は、5〜85%、好ましくは、30〜80%である。ここで開孔率とは、前記 高分子膜表面の単位面積当りの全体の表面積に対する微細孔の面積の占める割合 (百分率、%)をいうものである。
【0035】 本考案に用いられる前記中空糸の外径は、特に限定されるものではないが、中 空糸の強度、さらにその使用目的等に応じてそれぞれ固有の大きさに決められる べきものであるが、通常、10μm〜3mm、好ましくは100μm〜2mm、 さらに好ましくは250μm〜1mmである。また同様に、前記中空糸の膜厚は 、通常、5〜300μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20 〜80μmである。
【0036】 本考案において用いられる「香料成分が担持されてなる該微細孔を多数有する 高分子膜よりなる中空糸」とは、単に中空糸の中空内および/または微細孔部分 にのみ香料成分が担持されている場合に限られず、これ以外に中空糸の外部表面 および/または中空糸の中空部の内面等に付着されている場合をも含むものであ る。
【0037】 続いて、該香料成分をあらかじめ中空糸の微細孔部分に担持させおく方法とし ては、特に限定されるものでなく、適当な方法を用いることができるものである が、具体例を図12を参照しながら、以下に示す。図12は、本考案の芳香体に おいて用いられる繊維状物の一態様における断面を示すものである。該香料成分 を希釈剤であるエタノールに溶解した後、希釈された香料成分含有エタノール溶 液をポリビニルピロリドン(高い粘稠性を有する担体)に担持させ、該香料成分 含有溶液中に前記多孔質の中空糸41を入れ、減圧注入法または単に毛細管現象 の利用により中空糸の中空部分42や微細孔部分43にまで該溶液を注入させ、 その後、中空糸を該溶液中より取り出し、中空部などに残留する希釈剤を乾燥除 去することにより得る方法等が挙げられる。
【0038】 さらに、本考案において使用される繊維状物が微細孔を多数有する高分子膜よ りなる中空糸である場合の香料成分、高い粘稠性を有する担体、希釈剤および各 々の使用率は、それぞれ、繊維状物が少なくとも長軸方向に沿った溝を有するセ グメントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBより構成されるものである場合 に記載したものと同様である。
【0039】 本考案の芳香体は、未使用の状態では、香料成分が逸散しないように密封され た状態に保持されていることが好ましく、こうした逸散防止機能を備えている、 例えばガラス製容器または包装材などに入れられていることが好ましく、また何 度でも繰り返し利用できるように密封および開封が自在にできるものがより好ま しく、例えば、開口部にシール用チャックが施されている上記包装材などに入れ られた状態で保存されているものが挙げられる。
【0040】
以下、実施例によって本考案をさらに具体的に説明する。
【0041】 実施例1〜2 インドールを主成分とするジャスミン調の香料成分を希釈剤であるエタノール に溶解した後、この溶液を高い粘稠性を有する担体としてのグリセリンにグリセ リン:エタノールが3:1(重量比)となるように均一に混合し、混合物を調製 した。なお、この時の該香料成分の使用率(高い粘稠性を有する担体、該希釈剤 および香料成分よりなる希釈溶液の全成分中に占める香料成分の重量比)は約6 0%とした。次に、ポリプロピレンを溶融し、この溶融物を押出機を用いて押し 出し、これをさらに延伸して図5に示される断面形状を有するセグメントAを作 製した。さらに、セグメントAに上記混合物を塗布することによって、繊維状物 を作製した。
【0042】 次に、このようにして得られた繊維状物を切断加工して、10cm(外径約2 50μm)の長さにし、これを50本束ねて図1に示されるような構造を有する ポリプロピレン製の固定具1にエポキシ樹脂接着剤を用いて固定し、さらにこの 芳香部材Cを図1に示されるような構造を有する、芳香部材Cと同じ材質の連結 部Dに係合することによって芳香体1を作製し、これをシール用チャックが施さ れている酸化防止、光防止および逸散防止機能を備えているポリ塩化ビニルとア ルミ箔の2層構造の包装材に入れて保存した。続いて、ジャスミン調の香料成分 の代わりにデカナールを主成分とする柑橘系の香料成分を用いた以外は上記方法 と同様にして芳香体2を作製し、保存した。
【0043】 芳香体1を包装材より開封して取り出し、車の窓に固定し、2週間ほど使用し た後、続いて芳香体2の芳香部材Cを芳香体1のと交換した後、同様にして車の 中で使用した。
【0044】 この結果、芳香体1および芳香体2のいずれも実際に市販している同種の香調 の香水と大差なく香ることが確認でき、また、芳香体1と芳香体2の芳香部材C 部分の交換によっても匂いが混じることはなく、これにより必要に応じて香りを 変えられることも確認できた。
【0045】 実施例3〜4 インドールを主成分とするジャスミン調の香料成分を高い粘稠性を有する担体 としてのグリセリンに担持させた後、該香料成分含有担体を希釈剤であるエタノ ールにグリセリン:エタノールが3:1(重量比)となるように溶解した。なお この時の該香料成分の使用率(高い粘稠性を有する担体、希釈剤および香料成分 よりなる希釈溶液の全成分中に占める香料成分の重量比)は約60%とした。該 希釈溶液中に延伸法により形成した微細孔(孔径が0.3〜0.4μm、開孔率 が75〜80%)を有するポリプロピレン製中空糸(外径300〜305μm、 膜厚18〜19μm)を入れた後、減圧注入法により該中空糸の微細孔部分まで 該香料成分含有希釈溶液を注入させた後、該中空糸を該希釈溶液中より取り出し 、希釈剤を乾燥除去し、得られた中空糸を切断加工して、10cm(外径約30 0μm)の長さにし、これを50本束ねて図1に示されるような構造を有するポ リプロピレン製の固定具1にエポキシ樹脂接着剤を用いて固定し、さらにこの芳 香部材Cを図1に示されるような構造を有する、芳香部材Cと同じ材質の連結部 Dに係合することによって芳香体3を作製し、これをシール用チャックが施され ている酸化防止、光防止および逸散防止機能を備えているポリ塩化ビニルとアル ミ箔の2層構造の包装材に入れて保存した。続いて、ジャスミン調の香料成分の 代わりにデカナールを主成分とする柑橘系の香料成分を用いた以外は上記方法と 同様にして芳香体4を作製し、保存した。
【0046】 実施例1および2と同様にして、芳香体3を車の窓に固定および使用した後、 続いて芳香体4を車の中で使用した。
【0047】 この結果、芳香体3および芳香体4のいずれも実際に市販している同種の香調 の香水と大差なく香ることが確認でき、また、芳香体3と芳香体4の芳香部材C 部分の交換によっても匂いが混じることはなく、これにより必要に応じて香りを 変えられることも確認できた。
【0048】
以上述べたように、本考案の芳香体を用いることにより、そのときのファッシ ョンや時間帯、シーンによって、多種多様の香りの中から自分の気にいった香り を含んだ芳香体を選び、かつ使用前後の香りを混合することなく容易に取り替え ることができ、これにより香りを自分で演出できる。
【0049】 また本考案により、必要に応じて繰り返し利用ができ、さらにコスト的にも優 れた芳香体を提供できる。
【図1】図1は、本考案の芳香体の一実施例に係わる芳
香体を示す概略断面図である。
香体を示す概略断面図である。
【図2】図2は、本考案の芳香体の他の実施例に係わる
芳香体を示す概略断面図である。
芳香体を示す概略断面図である。
【図3】図3は、本考案の芳香体のさらなる他の実施例
に係わる芳香体を示すものであり、図3(a)は、該芳
香体の概略図であり、図3(b)は、該芳香体の連結部
DのA−A線に沿った一部拡大断面図である。
に係わる芳香体を示すものであり、図3(a)は、該芳
香体の概略図であり、図3(b)は、該芳香体の連結部
DのA−A線に沿った一部拡大断面図である。
【図4】図4は、本考案の芳香体のさらなる他の実施例
に係わる芳香体を示す概略断面図を示す。
に係わる芳香体を示す概略断面図を示す。
【図5】図5は、本考案の芳香体に用いられ得る繊維状
物の一態様における断面を示す。
物の一態様における断面を示す。
【図6】図6は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
す。
【図7】図7は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
す。
【図8】図8は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
す。
【図9】図9は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
す。
【図10】図10は、同繊維状物の別態様における断面
を示す。
を示す。
【図11】図11は、同繊維状物の別態様における断面
を示す。
を示す。
【図12】図12は、本考案の芳香体に用いられる繊維
状物が中空糸である場合の一態様における断面を示す。
状物が中空糸である場合の一態様における断面を示す。
A…放射状に分岐するセグメントA B…セグメントAの溝を補完するセグメントB C…芳香部材 D…連結部 1,11,21,31…固定具 2,12,22,32…繊維状物 3,13,33…糊剤 4,14,24,34…係合部 5,15,25,35…固定手段 16…両面テープ 27,37…突起 28,38…第1孔 29…第2孔 41…中空糸 42…中空部分 43…微細孔部分
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維状物からなる束の一端を固定具で固
定することにより形成される芳香部材および該固定具に
対して着脱自在に連結する連結部から構成される芳香体
において、該繊維状物の少なくとも一部に香料成分が担
持されていることを特徴とする芳香体。 - 【請求項2】 該繊維状物が少なくとも長軸方向に沿っ
た溝を有するセグメントAおよび該溝に嵌合するセグメ
ントBよりなり、かつ該セグメントBに香料成分が担持
されている請求項1に記載の芳香体。 - 【請求項3】 該繊維状物が微細孔を多数有する高分子
膜よりなる中空糸であり、かつ該中空内および/または
該微細孔内に香料成分が担持されている請求項1に記載
の芳香体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6999593U JPH0737190U (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 芳香体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6999593U JPH0737190U (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 芳香体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0737190U true JPH0737190U (ja) | 1995-07-11 |
Family
ID=13418775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6999593U Pending JPH0737190U (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 芳香体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0737190U (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP6999593U patent/JPH0737190U/ja active Pending
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