JPH0736919U - 芳香布 - Google Patents

芳香布

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JPH0736919U
JPH0736919U JP6999493U JP6999493U JPH0736919U JP H0736919 U JPH0736919 U JP H0736919U JP 6999493 U JP6999493 U JP 6999493U JP 6999493 U JP6999493 U JP 6999493U JP H0736919 U JPH0736919 U JP H0736919U
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cloth
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JP6999493U
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Inventor
重郎 青柳
Original Assignee
亘起物産株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 香りの交換が容易であり、シミのつかない芳
香布を提供する。 【構成】 少なくとも一部に香料成分が担持されている
繊維状物から構成される布帛を布材に固定した芳香布。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、目的とする香りへの交換および携帯が容易である芳香布に関するも のである。
【0002】
【従来の技術】
現在、香料原料を用いた製品としては、香水、オードトワレ、オーデコロン等 の芳香製品、化粧水、乳液、クリーム等の基礎化粧品、ファンデーション、おし ろい、口紅等の仕上げ化粧品、ヘアトニック、シャンプー、ヘアクリーム等の頭 髪用化粧品、石鹸、シェービングクリーム等のトイレタリー製品等に広く用いら れている。これらのうち特に香りを楽しむものとしての芳香製品は、現在、世界 中で新しい製品が生まれ、多種多様な香りを提供できるようになっており、特に 近年ではファッション化が進むにしたがって、女性、男性を問わず、そのときの ファッションや時間帯、シーンによって、自分の気にいった香りの中から、それ に合った香りを容易に選ぶことができるような芳香製品の出現が望まれている。
【0003】 しかしながら、こうした芳香製品の香りの持続時間は比較的長いため、通常、 芳香製品を、耳の後ろや手首の内側、さらにはハンカチーフ、スカーフや下着等 に一度使用してしまうと、一日中その香りを失わずに香るものが多く、従って一 日の内に何度も香りの種類を変えるためには、一旦使用していた芳香製品の香料 成分を洗い落とすなどしなければならず、実際には容易に変えることはできない のが現状である。
【0004】 また、こうした芳香製品は、通常、色の濃い香料(例えば、ジャスミンにして も、ローズ、水仙にしても天然の花からとった香料は、黄色や褐色をしており、 さらににおいを魅惑的にするために加える動物性香料は褐色をしており、またに おいを長持ちさせるために加える苔からとったオーク・モスは緑色をし、根から とったベチバーや樹脂類は、すべて褐色を有している)を混ぜ合わせたものをア ルコールに溶かして作製するため、何等かの色を有するものが多い。従って、こ うした濃い色の芳香製品(例えば香水など)をハンカチーフ、スカーフや下着等 の布材につけたあとは当然シミが付きやすく、さらには首筋などに着けた場合に は直接日光を受けると、太陽光線の働き等によりシミがつき易くなることが知ら れている。
【0005】 したがって、簡単な操作で一日の内に何度も香りの種類を変えられ、かつ芳香 製品によるシミのつかない芳香布の開発が強く望まれている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
したがって、本考案は、香りの交換が容易である芳香布を目的とするものであ る。
【0007】 本考案の他の目的は、香りの交換が容易であり、シミのつかない芳香布を提供 することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的は、少なくとも一部に香料成分が担持されている繊維状物から構成 される布帛を布材に固定した芳香布によって達成される。
【0009】 本考案はまた、上記繊維状物が少なくとも長軸方向に沿った溝を有するセグメ ントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBよりなり、かつ上記セグメントBに 香料成分が担持されている芳香布を示すものである。本考案はさらに、上記繊維 状物が微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸であり、かつ上記中空内およ び/または上記微細孔内に香料成分が担持されている芳香布を示すものである。
【0010】
【作用】
本考案の芳香布は、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維状物から構成 される布帛が固定された布材である。
【0011】 以下、本考案の芳香布の実施例を図面を参照にして説明する。
【0012】 図1は、本考案の一実施例に係わる芳香布を示す概略図である。図1に示すよ うに、本考案の芳香布は、市販されているハンカチ1に少なくとも一部に香料成 分が担持された繊維状物から構成される布帛2を接着剤を用いて固定したもので ある。ここで用いられる接着剤としては、人体に悪影響を及ぼさないものであれ ば特に制限されないが、瞬間接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ア クリル系接着剤、デンプン糊、ゼラチン溶液、アルギン酸ナトリウムおよびカル メロース液等が、具体的に挙げられる。または、フィルム、糸、針金およびガラ スビーズ等を用いて物理的に固定してもよい。
【0013】 上記実施例においては、布帛2をハンカチに固定したが、本考案において使用 できる布材としては、これに限定されず、下着、ブラウスおよびスカーフ等、自 分の気に入った香りをつけたい布材であれば特に制限されずに用いることができ る。
【0014】 また、上記布帛2の固定は、布帛が布材から逸脱しない程度に固定されていれ ばよく、接着剤を用いる方法のほかにも、布帛の幅が細い場合には布帛自身を布 材に直接縫い込む方法、布帛を両面テープを用いて布材に固定する方法、布帛を 布材に市販の糸を用いて縫い付ける方法および布材と布材との間に布帛をはさみ 込み物理的に固定する方法等が具体的に挙げられ、さらに、固定箇所についても 布帛全体を固定してもまたは布帛が布材から逸脱しない程度に布帛の両端や中央 部等の一部を固定してもよい。
【0015】 また、少なくとも一部に香料成分が担持された繊維状物から構成される布帛は 、図1のように布材の一辺にのみ平行に固定されていてもよいが、図2のように 布材に任意に固定できる。
【0016】 本考案において使用される布帛は、少なくとも一部に香料成分が担持されてい る繊維状物から構成される編布、織布または織編布等の布帛である。この際、編 布としては、パール編みおよび平編み等を用いたものが、織布としては、平織、 シュス織および斜文織等を用いたものが、さらには、織編布としては、組物布お よびレースなどのようなものが、それぞれ具体的に挙げられる。また、必要に応 じて、これらを立体的に積層または多重に織編した布材であってもよく、これら を任意に組み合わせて織編した布材であってもよい。
【0017】 本考案において使用される布帛の大きさは、固定する布材の種類、固定する部 位および使用する布帛の数等によって変化するが、通常、5〜15cm×15〜 5cm、好ましくは3〜5cm×5〜3mである。また、本考案において、布帛 の使用する数は、固定する布材の種類や大きさおよび使用する布帛の大きさ等に よって変化するが、通常、1〜10枚、好ましくは2〜5枚である。
【0018】 本考案による芳香布において用いられる繊維状物としては、具体的には、少な くとも長軸方向に沿った溝を有するセグメントAおよび上記溝に嵌合するセグメ ントBより構成されるものおよび微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸等 が挙げられる。
【0019】 本考案において用いられる繊維状物が少なくとも長軸方向に沿った溝を有する セグメントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBより構成される場合の例とし ては、図3に示すように、繊維状物の横断面において放射状に分岐するセグメン トAと該放射状部を補完するセグメントBとから構成されるものがある。さらに 、上記少なくとも長軸方向に沿った溝を有するセグメントAおよび上記セグメン トAの溝を補完するセグメントBを有するものの断面は、図3に示す断面形状の ほか、図4および図5に示すような繊維状物の断面が円形であるもの、さらには 図6〜9に示すような繊維状物の断面が異形であるものなどが例示できるが、も ちろんその他の断面形状であってもよい。また、この際、図8または図9に示す ように、セグメントBは少なくとも1つの溝を補完していればよい。
【0020】 また、セグメントAおよびセグメントBの材質は、相互に接着していれば、そ の組み合わせは任意である。
【0021】 本考案において使用されるセグメントAの材質としては、特に限定されるもの ではないが、例えば、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ア クリルニトリル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリア ミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ チレンテレフタレート、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、メタ アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ ル、フッ素樹脂、酢酸セルロース、ポリジメチルシキロサン−ポリカーボネート ブロック共重合体、アクリロニトリル共重合体、再生セルロース、ポリメタクリ ル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリサルフォン、エチレン−ビニルアルコ ール共重合体等が挙げられる。
【0022】 本考案において使用されるセグメントBは、香料成分を希釈剤に溶解した後、 高い粘稠性を有する担体に混合することによって製造されるものである。
【0023】 この際、香料成分とは、調香師が素材となる単品香料(天然香料および合成香 料の双方を含む)を少なくとも1種以上、好ましくは数十〜数百種を使って、調 香師の想ったイメージを香りとして作り上げたものをいう。従って、該香料成分 は、その組合わせにより何十万、何百万種類もの調合が可能であり、これらのう ちからその時代の流行などに合うように多種多様に変化し得るべきものであり、 目的とする効能を有するものであれば何等限定されるべきものではないが、使用 できる単品香料を具体的に以下に示す。アニス、オリガナム、カンファー(camph or) 、グアヤックウッド、ジンジャー、タラゴン、ナツメグ、バイオレット、パ セリ、バラ、フェンネル、ブラックペッパー、マージョラム、レモン、レモング ラス、安息香、キャラウェイ、シナモン、タイム、ティートリー、ネロリ、ヒソ ップ、ペパーミント、ベルガモット、メリッサ、ラベンダー、スパイクラベンダ ー、ローズマリー、アンジェリカ、エレミ、オレンジ、カモミール、ガーリック 、カルダモン、キャロットシード、クミン、クラリセージ、グレープフルーツ、 サイプレス、サンダルウッド、サントリナ、シダーウッド、シトロネラ、ジュニ パー、セージ、ゼラニウム、セロリ、タンジェリン、乳香、パイン、バジル、バ ーチ、パチュリー、バーベナ、ピメント、ベチバー、ボダイジュ花、マンダリン 、没薬、ヤロウ、ライム、リチェアクベバ、ローズウッド、ローレル、アミリス 、イランイラン、タジェティーズ、ユーカリ、スペアミント、イモーテル、パル マローザ、カユプテ、クローブ、ジャスミン、ディル、パチェリー、テレビン、 マートル、ニアウリ、コリアンダー、ファー、ラバンジン、スターアニス、プチ グレンおよびガルバナムが挙げられる。
【0024】 本考案において使用される香料成分の使用率(香料成分、高い粘稠性を有する 担体および希釈剤よりなる溶液の全成分中に占める香料成分の重量比)は、5〜 95%、好ましくは40〜85%である。
【0025】 上記高い粘稠性を有する担体としては、例えば、エチレングリコール、ジエチ レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエ チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3− ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2 ,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ メタノール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ペンタエリトリトール、ジペ ンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、スレイトール、ネオペンチル トール、リビトール、アリトール、ダルシトール、キシリトール、ソルビトール 、マンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたは無水エ ンネアヘプチトール等の多価アルコール、ポリビニルピロリドン、およびジエチ ルフタレート、ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレー トなどのアルコールの炭素数が4から12、好ましくは4から8のフタル酸エス テル等の可塑剤が挙げられる。これらのうち、炭素数が4〜8のフタル酸エステ ル、ポリビニルピロリドンおよびグリセリンが、好ましく用いられる。これら高 い粘稠性を有する担体の働きは、単に香料成分を希釈剤に溶解してセグメントB に担持させた場合、希釈剤はすぐに揮発し香料成分も同時に逸散してしまうのに 比し、該担体は比較的蒸気圧が高いため、希釈剤が揮発する際にも香料成分の逸 散を防止できるものである。
【0026】 この際、該高い粘稠性を有する担体の使用率(香料成分、高い粘稠性を有する 担体および希釈剤よりなる溶液の全成分中に占める高い粘稠性を有する担体の重 量比)は、5〜95%、好ましくは15〜60%である。
【0027】 さらに、上記希釈剤としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコ ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ ールまたはt−ブチルアルコールなどのような1価のアルコールが、具体的に挙 げられる。該希釈剤の働きは、上記香料成分は一般的に水に難溶で有機溶媒に易 溶であるため、そのままでは上記高い粘稠性を有する担体に均一に混合すること は困難であるため、一旦香料成分を溶解しやすい希釈剤に溶解し、上記担体に混 合させやすい状態にするためのものである。
【0028】 この際、該希釈剤の使用率(香料成分、高い粘稠性を有する担体および希釈剤 よりなる溶液の全成分中に占める希釈剤の重量比)は、3〜90%、好ましくは 10〜60%である。
【0029】 さらに、本考案における繊維状物に香料成分を担持させる方法は、通常の方法 が使用できるが、例えば、上記香料成分をエタノールに溶解したものをさらにグ リセリンに均一に混合することによって混合物を調製し、さらに、この混合物を 上記の異形断面を有するように押し出されたセグメントAの溝に塗布する方法が 挙げられる。または、香料成分が担持されていない異形断面を有するセグメント Aから予め布帛を作製し、その後に香料成分を該繊維状物に担持させる方法を用 いてもよく、具体的には以下の方法が挙げられる。上記の異形断面を有するよう に押し出されたセグメントAを用いて布帛を作製し、この布帛を香料成分をエタ ノールに溶解したものをさらにグリセリンに均一に混合した溶液に浸漬した後、 取り出した布帛から余分に付着した溶液および希釈剤を乾燥除去することにより 、セグメントAの溝に上記混合溶液を保持させる。この方法は、表面積の大きい セグメントAの溝に目的とする香料成分を含む溶液が主に担持することを利用す るものである。また、予め目的とする香料成分を担持させた繊維状物を用いる場 合には、布帛を作製する際に目的とする香料成分が飛散してしまう恐れがあるが 、上記方法は、布帛を作製した後に目的とする香料成分を繊維状物中に担持させ るため、香料成分が飛散しにくいという長所を有する。
【0030】 本考案に用いられる前記繊維状物の外径は、特に限定されるものではないが、 繊維状物の強度、さらにその使用目的等に応じてそれぞれ固有の大きさに決めら れるべきものであるが、通常、10μm〜3mm、好ましくは100μm〜2m m、さらに好ましくは250μm〜1mmである。
【0031】 次に、本考案において用いられる繊維状物が高分子膜よりなる中空糸である場 合について、以下に説明する。
【0032】 本考案において用いられる繊維状物が高分子膜よりなる中空糸である場合にお ける上記中空糸の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、上記セグメン トAと同様のものが使用できる。
【0033】 本考案に用いられる高分子膜よりなる中空糸において、これに微細孔を多数形 成する方法としては、例えば、(1)延伸法:高分子膜(無孔性)よりなる中空 糸を熱処理後延伸し、さらに熱処理することで、微細孔を多数有する高分子膜を 形成する方法、または(2)溶剤抽出法:高分子膜(無孔性)からなる中空糸を 成形する前に予め充填剤等を含有させて成形し、成形後に該充填剤のみを溶解し うる溶剤等を用いて抽出分離することにより微細孔を多数有する高分子膜を形成 する方法等が挙げられる。こうした方法により、後述する微細孔の孔径、開孔率 を任意に付与してなる高分子膜よりなる中空糸が作製することができるものであ る。
【0034】 このようして得られる微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸の該微細孔 の孔径は、香料成分を適当に担持でき、熱的作用により該香料成分を微細孔より 、その使用目的に応じて外部に徐放、発散することができる大きさであればよく 、通常、10オングストローム〜8μm、好ましくは20オングストローム〜5 μm、さらに好ましくは50オングストローム〜3μmである。また同様に開孔 率は、5〜85%、好ましくは、30〜80%である。ここで開孔率とは、前記 高分子膜表面の単位面積当りの全体の表面積に対する微細孔の面積の占める割合 (百分率、%)をいうものである。
【0035】 本考案に用いられる前記中空糸の外径は、特に限定されるものではないが、中 空糸の強度、さらにその使用目的等に応じてそれぞれ固有の大きさに決められる べきものであるが、通常、10μm〜3mm、好ましくは100μm〜2mm、 さらに好ましくは250μm〜1mmである。また同様に、前記中空糸の膜厚は 、通常、5〜300μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20 〜80μmである。
【0036】 本考案において用いられる「香料成分が担持されてなる該微細孔を多数有する 高分子膜よりなる中空糸」とは、単に中空糸の中空内および/または微細孔部分 にのみ香料成分が担持されている場合に限られず、これ以外に中空糸の外部表面 および/または中空糸の中空部の内面等に付着されている場合をも含むものであ る。
【0037】 続いて、該香料成分をあらかじめ中空糸の微細孔部分に担持させおく方法とし ては、特に限定されるものでなく、適当な方法を用いることができるものである が、具体例を図10を参照しながら、以下に示す。図10は、本考案の芳香布に おいて用いられる中空糸の一実施態様における断面を示すものである。該香料成 分を希釈剤であるエタノールに溶解した後、希釈された香料成分含有エタノール 溶液をポリビニルピロリドン(高い粘稠性を有する担体)に担持させ、該香料成 分含有溶液中に前記多孔質の中空糸5を入れ、減圧注入法または単に毛細管現象 の利用により中空糸の中空部分6や微細孔部分7にまで該溶液を注入させ、その 後、中空糸を該溶液中より取り出し、中空部などに残留する希釈剤を乾燥除去す ることにより得る方法等が挙げられる。または、上記繊維状物が少なくとも長軸 方向に沿った溝を有するセグメントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBから なる繊維状物において記載したのと同様にして、香料成分が担持されていない中 空糸から布帛を作製し、その後に香料成分を中空糸の中空部分や微細孔部分に担 持させる方法を用いてもよい。例えば、中空糸を用いて布帛を作製し、その後こ の布帛を香料成分をエタノールに溶解したものをさらにポリビニルピロリドンに 均一に混合した溶液に浸漬し、減圧注入法または単に毛細管現象の利用により中 空糸の中空部分や微細孔部分にまで該混合溶液を注入させ、さらにこの布帛を該 溶液中より取り出し、余分に付着した溶液や中空部などに残留する希釈剤を乾燥 除去することにより得る方法が挙げられる。この方法もまた、前述したのと同様 、布帛を作製する際に目的とする香料成分が飛散してしまうのを防ぐという長所 を有する。
【0038】 さらに、本考案において使用される繊維状物が微細孔を多数有する高分子膜よ りなる中空糸である場合の香料成分、高い粘稠性を有する担体、希釈剤および各 々の使用率は、それぞれ、繊維状物が少なくとも長軸方向に沿った溝を有するセ グメントAおよび上記溝に嵌合するセグメントBより構成されるものである場合 に記載したものと同様である。
【0039】 本考案において、前記繊維状物は、上記したような繊維を1本そのままを使用 したものであっても、または、何本かを集合したまたは束ねた状態で使用したも のであってもよい。
【0040】 本考案の芳香布は、未使用の状態では、香料成分が逸散しないように密封され た状態に保持されていることが好ましく、こうした逸散防止機能を備えている、 例えばガラス製容器または包装材などに入れられていることが好ましく、また何 度でも繰り返し利用できるように密封および開封が自在にできるものがより好ま しく、例えば、開口部にシール用チャックが施されている上記包装材などに入れ られた状態で保存されているものが挙げられる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例によって本考案をさらに具体的に説明する。
【0042】 実施例1〜2 インドールを主成分とするジャスミン調の香料成分を希釈剤であるエタノール に溶解した後、この溶液を高い粘稠性を有する担体としてのグリセリンにグリセ リン:エタノールが3:1(重量比)となるように均一に混合し、混合物を調製 した。なお、この時の該香料成分の使用率(高い粘稠性を有する担体、該希釈剤 および香料成分よりなる希釈溶液の全成分中に占める香料成分の重量比)は約6 0%とした。次に、ポリプロピレンを溶融し、この溶融物を押出機を用いて押し 出し、これをさらに延伸して図3に示される断面形状を有するセグメントAを作 製した。さらに、セグメントAに上記混合物を塗布することによって、繊維状物 を作製した。
【0043】 次に、このようにして得られた繊維状物を平織して織布を作製し、これを切断 して3×38cmの布帛1とした。続いて、ジャスミン調の香料成分の代わりに デカナールを主成分とする柑橘系の香料成分を用いた以外は上記方法と同様にし て布帛2を作製した。この布帛1を2本、図1に記載されているようにして市販 されている女性用のハンカチに市販の木綿の糸で全体を縫うことによって固定し た。このハンカチをそれぞれ10人の女性に1日間使用してもらった後、布帛2 を同じハンカチに同様にして固定して1日間使用してもらった。
【0044】 この結果、布帛1および布帛2のいずれもが実際に市販している同種の香調の 香水と大差なく香ることが確認でき、また、布帛1と布帛2との交換によっても 匂いが混じることはなく、これにより必要に応じて香りを変えられることも確認 できた。
【0045】 実施例3〜4 延伸法により形成した微細孔(孔径が0.3〜0.4μm、開孔率が75〜8 0%)を有するポリプロピレン製中空糸(外径300〜350μm、膜厚20〜 25μm)を作製し、これを平織して織布を作製した。別途、インドールを主成 分とするジャスミン調の香料成分を希釈剤であるエタノールに溶解した後、この 溶液を高い粘稠性を有する担体としてのポリビニルピロリドン(分子量:40, 000)にポリビニルピロリドン:エタノールが3:1(重量比)となるように 均一に混合し、混合溶液を調製した。なお、この時の該香料成分の使用率(高い 粘稠性を有する担体、希釈剤および香料成分よりなる混合溶液の全成分中に占め る香料成分の重量比)は約60%とした。
【0046】 次に、この織布を該混合溶液中に入れた後、減圧注入法により該中空糸の微細 孔部分まで該香料成分含有混合溶液を注入した後、該中空糸を該混合溶液中より 取り出し、余分に付着した溶液および希釈剤を乾燥除去し、さらに、これを切断 して15×90cmの布帛3とした。続いて、ジャスミン調の香料成分の代わり にデカナールを主成分とする柑橘系の香料成分を用いた以外は上記方法と同様に して布帛4を作製した。この布帛3を3本、図2に記載されているようにして市 販されている女性用のスカーフに市販の木綿の糸でスカーフから落ちない程度に 縫うことによって固定した。このスカーフをそれぞれ10人の女性に午前中使用 してもらった後、布帛4を同じスカーフに同様にして固定して同じ日の午後、さ らに使用してもらった。
【0047】 この結果、布帛3および布帛4のいずれもが実際に市販している同種の香調の 香水と大差なく香ることが確認でき、また、布帛3と布帛4との交換によっても 匂いが混じることはなく、これにより必要に応じて香りを変えられることも確認 できた。
【0048】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案の芳香布を用いることにより、そのときのファッシ ョンや時間帯、シーンによって、多種多様の香りの中から自分の気にいった香り を含んだ芳香布を選び、かつ使用前後の香りを混合することなく容易に取り替え ることができ、これにより香りを自分で演出できる。
【0049】 また本考案により、必要に応じて繰り返し利用ができ、さらにコスト的にも優 れた芳香布を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案の芳香布の一実施例に係わる芳
香布を示す概略図である。
【図2】図2は、本考案の芳香布の他の実施例に係わる
芳香布を示す概略図である。
【図3】図3は、本考案の芳香布に用いられ得る繊維状
物の一態様における断面を示す。
【図4】図4は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
【図5】図5は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
【図6】図6は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
【図7】図7は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
【図8】図8は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
【図9】図9は、同繊維状物の別態様における断面を示
す。
【図10】図10は、本考案の芳香布に用いられる繊維
状物が中空糸である場合の一態様における断面を示す。
【符号の説明】
A…放射状に分岐するセグメントA B…セグメントAの溝を補完するセグメントB 1…ハンカチ 2…布帛 5…中空糸 6…中空部分 7…微細孔部分
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/00 23/02

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に香料成分が担持されて
    いる繊維状物から構成される布帛を布材に固定した芳香
    布。
  2. 【請求項2】 該繊維状物が少なくとも長軸方向に沿っ
    た溝を有するセグメントAおよび該溝に嵌合するセグメ
    ントBよりなり、かつ該セグメントBに香料成分が担持
    されている請求項1に記載の芳香布。
  3. 【請求項3】 該繊維状物が微細孔を多数有する高分子
    膜よりなる中空糸であり、かつ該中空内および/または
    該微細孔内に香料成分が担持されている請求項1に記載
    の芳香布。
JP6999493U 1993-12-27 1993-12-27 芳香布 Pending JPH0736919U (ja)

Priority Applications (1)

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JP6999493U JPH0736919U (ja) 1993-12-27 1993-12-27 芳香布

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017075413A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 グンゼ株式会社 繊維処理剤及び天然由来精油付繊維製品

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