JPH0737132A - 改札システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定期券等価の非接触式ＩＣカード及びプリペ
イド方式に対応した非接触式ＩＣカードを利用する乗客
に対して、乗車経路に応じた適切な運賃を徴収する。 【構成】 改札システムを、乗客が鉄道利用時に携帯し
経由点情報を記録可能な乗降証査用の非接触式ＩＣカー
ド(10)と、鉄道車両内に設置され車内で乗客の所持した
前記非接触式ＩＣカード(10)に所定経由点通過時に非接
触で経由点情報を書き込みが可能な車内送信機(20)と、
鉄道駅に設置され前記非接触式ＩＣカード(10)の経由点
情報をも非接触で読みだし及び書き込み可能な自動改札
機(30)または自動精算機(40)とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄道に於ける改札シス
テムに関し、詳しくは非接触式ＩＣカードの利用客を対
象に、利用状況に見合った適正な運賃を徴収するための
改札システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】鉄道に於いて、その運賃は旅客の利用状
況に応じて適正な額を徴収しなければならないが、利用
区間によっては複数の経路が存在する場合がありその経
路長（距離）によって料金が異なることがある。例え
ば、図７に模式的に示す鉄道路線において、Ａ駅より乗
車した乗客がＢ駅に到着するためには、Ｚ駅からそのま
まＸ駅を経由してＢ駅に到る乗車経路ｘと、Ｚ駅より図
中上方のＹ駅を経由してＢ駅に到る乗車経路ｙが存在す
る場合、通常は乗車経路ｘと乗車経路ｙとはその乗車距
離（道程）が異なり、従って乗車運賃も異なることが多
い。この場合、本来は利用経路に対応した料金を旅客よ
り徴収すべきであるが、現在は下車駅にて乗車始点の情
報しか得られないため、旅客に確認するか最安運賃を徴
収することで処理しているのが現状で、改善が求められ
ていた。

【０００３】ところで、下車駅での運賃精算について
は、自動改札機或いは自動精算機とプリペイドカード式
カードによる処理が普及しつつある。このような自動改
札機或いは自動精算機と組み合わされるプリペイドカー
ドには磁気式のカードの他に非接触式のＩＣカードがあ
る。また、非接触式のＩＣカードを用いた定期券も自動
精算機により運賃精算が可能である。

【０００４】非接触式ＩＣカードは所定の自動改札機或
いは自動精算機から送信される呼び掛けにより、例えば
プリペイドカードであれば記憶した乗車駅等の乗車情報
を送信したり、この送信内容を処理した後に再度自動改
札機或いは自動精算機から送信される指示により、例え
ば乗車情報を記憶したり降車駅や新残高を記憶する（記
録更新）。なおＩＣカードを定期券として利用する場合
は、金額情報は保持しないが、プリペイドカードと同様
の記録情報を有しているため自動精算機の利用はでき
る。なお、その概略構成については後述する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、経路毎の適
正な鉄道利用運賃の徴収を、上述した非接触式ＩＣカー
ド使用客に対して行うことができる新規な改札システム
を提案することを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述目的を達成するため
本発明では、改札システムを、乗客が鉄道利用時に携帯
し経由点情報を記録可能な乗降証査用の非接触式ＩＣカ
ードと、鉄道車両内に設置され車内で乗客の所持する前
記非接触式ＩＣカードに所定経由点通過時に非接触で経
由点情報を書き込みが可能な車内送信機と、鉄道駅に設
置され、前記非接触式ＩＣカードの経由点情報をも非接
触で読み出し及び書き込み可能な自動改札機または自動
精算機とを含み構成する。

【０００７】

【作用】本発明の改札システムでは、鉄道車両に乗車中
の乗客の携帯する非接触式ＩＣカードに当該車両が路線
中の所定経由点を通過時に車両に設置された車内送信機
により、所定の経由点情報を書き込む。降車駅では、乗
客の非接触式ＩＣカード（プリペイドカード式のもの及
び定期券のもの）の提示に対し自動精算機により経由点
情報を読みだし経由経路に応じた運賃を算出して所定の
精算処理を行う。なお、プリペイドカード式のＩＣカー
ドについては、これに対応した自動改札機で経由点情報
を読みだし経由経路に応じた運賃を算出して所定の精算
処理を行うこともできる。これにより、非接触式ＩＣカ
ードの利用客に対しては、経由路線を反映した適正な運
賃を徴収することが可能となる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の改札システムを実施例に基づ
き添付図面に沿って詳細に説明する。本発明による改札
システムは、図１から図６に示されるように、鉄道利用
客に提供される（非接触式）ＩＣカード10と、鉄道車両
内に設置され車内の乗客が所持した前記ＩＣカード10に
経由点情報を所定経由点通過時に非接触で書き込みが可
能な車内送信機20と、鉄道駅に設置される前記ＩＣカー
ド10に対応した自動改札機30または自動精算機40とで構
成される。

【０００９】図５は、本願発明に係るＩＣカードの一実
施例の構成を示す分解図、図６はその機能的構成を説明
するブロック図である。図のＩＣカード10は、中空薄板
状のケース11の空間部に基板12を収納しカバー13により
密閉した構造で、基板12には送信部14、受信部15、制御
部Ａそして電池19が固定され各部は印刷配線により所定
接続されている。制御部Ａは、処理回路16、記憶部17、
制御回路18を具備している。

【００１０】このＩＣカード10は、所定のカード用処理
装置（本発明では車内送信機20、自動改札機30又は自動
精算機40）からの無線伝送等の非接触での送信（呼び掛
け）に呼応して、定められた処理を開始し、後述する経
由点情報を記憶部17に記録或いは更新記録しカード用処
理装置に対して必要な情報を返送する。記憶部17には、
経由点情報の他に通常の改札処理用に乗降駅や日付等の
乗降情報や、プリペイドカードであれば更に残額情報等
も記憶され、これら情報は非接触で外部のカード処理装
置に送出されたり、外部の送信内容（処理指示、データ
等）により更新記録される。

【００１１】前記車内送信機20（図示せず）は、各鉄道
車両内に設置され所定経由点、例えば先の図７の場合で
はＹ駅とＺ駅間の経由点Ｐyz通過時に経由点地上側に設
けられた地点情報発振装置からの送信信号を受信して
（あるいは係員の操作により）経路ｙを経由した旨の経
由点情報を車内の乗客が所持した前記非接触式ＩＣカー
ド10の記憶部17に、非接触で書き込む。即ち、車内送信
機20は所定形式の処理指示信号と経由点に対応した経由
点情報を車内に送信する。これに呼応して車内の乗客が
携帯するＩＣカード10は、夫々にこの信号を受信し、続
いて受信した経由点情報をその記憶部17に記憶する。な
お、より複雑な経路に対応するためには、記憶部17に複
数の経由点情報を次々と記憶し、下車駅にて読み出して
所定処理が完了した後一括して消去するようにしておけ
ば良い。

【００１２】また、本発明では対応駅に、例えば図４の
駅改札口部上面図にて一例を示すように上述した自動改
札機30または自動精算機40を適宜設置する。図１は本願
発明に係る自動改札機の一実施例を示す上面図、図２は
概略構成を示すブロック図である。この種の自動改札機
については、例えば本出願人により出願された、「ゲー
トシステム制御方法（特願平４−３１７６９５）」等に
開示されているので、一般的改札に関連する部分につい
ての説明は省略する。

【００１３】本願発明に係る自動改札機30では、通常の
通過許可或いは通過阻止動作の他にも、プリペイド式の
ＩＣカードが処理可能でＩＣカード10から残額情報と乗
降情報そして経由点情報を読取ってＩＣカード所持客の
経由した乗車経路に対応した運賃を算出し残額より減算
して更新記録するとともに通過を許可するようになって
いる。なお、磁気カード式のプリペイドカードに対して
も運賃精算が可能であるが、磁気カード客に対しては経
由点情報を得られないため最低運賃を適用して運賃精算
を行う。即ち、この自動改札機はＩＣカードのプリペイ
ドカードに対しては乗車経路を加味した運賃精算を行う
ことができる。

【００１４】また、図３は本願発明に係る自動精算機の
操作面の一例を示す図であり、本願対応の自動精算機40
は一般的な精算機能のための部分（説明は省略）に加え
てＩＣカード提示部41を備えており、磁気カードの運賃
精算処理の他にも、定期券のＩＣカードが処理可能でＩ
Ｃカードから乗降情報そして経由点情報を読取ってＩＣ
カード所持客の経由した乗車経路に対応した運賃を算出
し精算金額を表示し、これに対応する現金あるいはプリ
ペイドカード等の投入を待って所定処理後に精算券を発
行する。利用客はこの精算証明券にて改札を通過するこ
とになる。なお、磁気カード式乗車券や磁気カード式定
期券に対する運賃精算は経由点情報を得られないため従
来通り最低運賃を適用して運賃精算を行う。即ち、この
自動精算機はＩＣカードの定期券客に対しては乗車経路
を加味した運賃精算を行うことができる。ＩＣカード式
定期券の精算用にＩＣカード式のプリペイドカードに対
応させることも容易に実施できる。

【００１５】付言すると、本発明に於いて自動改札機と
自動精算機は個々のＩＣカード毎の情報のみを操作する
もので、一方、車内固定送受信機は複数のＩＣカードの
情報を一律に操作するものであるから、夫々に対応した
適宜の配慮がなされる。例えば、ＩＣカードに対する送
信出力の適切な使い分けや、送受信信号中に自動改札機
や自動精算機である場合と車内固定送受信機場合とを区
別するコードを付加する等して運用することとし、ＩＣ
カード及び自動改札機と自動精算機そして車内固定送受
信機は、これに対応した制御プログラムに基づき運用す
れば良い。

【００１６】以上説明したように、本願発明の改札シス
テムによれば経由点情報を更新記録可能な乗降証査用の
非接触式ＩＣカードを利用している乗客に対しては、そ
の乗車経路に応じた適正な運賃徴収が可能となる。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述したとおり本願発明の改札シス
テムは、乗客が鉄道利用時に携帯し経由点情報を記録可
能な乗降証査用の非接触式ＩＣカードと、鉄道車両内に
設置され車内の乗客が所持した前記非接触式ＩＣカード
に所定経由点通過時に非接触で経由点情報を書き込みが
可能な車内送信機と、鉄道駅に設置され、前記非接触式
ＩＣカードの経由点情報をも非接触で読み出し及び書き
込み可能な自動改札機または自動精算機とから構成され
ているので、非接触式ＩＣカードの利用客に対しては、
経由路線に応じた適正な運賃を徴収することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明に係る自動改札機の一実施例を示す上
面図である。

【図２】本願発明に係る自動改札機の概略構成を示すブ
ロック図である。

【図３】本願発明に係る自動精算機の操作面を示す外観
図である。

【図４】本願発明に係る自動改札機及び自動精算機の一
設置例を示す駅の上面図である。

【図５】本願発明に係る乗降証査用の非接触式ＩＣカー
ドの一実施例の構成を示す分解図である。

【図６】図５の非接触式ＩＣカードの機能的構成を説明
するブロック図である。

【図７】本願発明に係る鉄道路線の一例を模式的に説明
する図である。

【符号の説明】

１０…ＩＣカード（非接触式ＩＣカード）、 ２０…車内送信機、 ３０…自動改札機、 ４０…自動精算機。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗客が鉄道利用時に携帯し経由点情報を
   記録可能な乗降証査用の非接触式ＩＣカード(10)と、 鉄道車両内に設置され車内の乗客が所持する前記非接触
   式ＩＣカード(10)に所定経由点通過時に非接触で経由点
   情報を書き込み可能な車内送信機(20)と、 鉄道駅に設置され、前記非接触式ＩＣカード(10)の経由
   点情報をも非接触で読み出し及び書き込み可能な自動改
   札機(30)または自動精算機(40)と、 を含み構成された改札システム。