JPH0737057U

JPH0737057U - ミシンの押え金

Info

Publication number: JPH0737057U
Application number: JP6858493U
Authority: JP
Inventors: 稔林; 達矢小川; 正剛熊本
Original assignee: ジューキ株式会社
Priority date: 1993-12-22
Filing date: 1993-12-22
Publication date: 1995-07-11

Abstract

(57)【要約】【目的】模様縫いミシンの逆送り縫いを行う際にヒッ
チステッチが発生して、糸の消費を多くしたり、糸調子
の乱れが起きないようにする。【構成】模様縫いミシンの押え金１において、逆送り
縫いの際に、針に対する上糸の位置が、縫目がヒッチス
テッチに成らない側に成るように押え金針穴の手前部に
傾斜部２を持たせた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、前後送りを可能としたミシンの押え金に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、水平釜を備えた本縫いミシンでは、水平釜が針に対して布送り方向手前または後方に配置されているものがあり、このようなミシンでは、釜との関係から針の針穴を布送り方向に沿うようにして針棒に針を装着する必要がある。そしてミシンにより本縫い目を形成するとき、縫い目が図２に示されるパーフェクトステッチあるいは図３に示されるヒッチステッチのどちらかになること、そして通常は見栄えの損なわれるヒッチステッチよりも綺麗なパーフェクトステッチとなるように設定されていることも知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したような針に対して布送り方向前後の一方に釜を配置したミシンにおいては、前記したように針穴が布送り方向に沿うように配置され、この針穴に対して針糸を布送り方向手前または後方から挿通するようにしている。この挿通された針糸は垂下すると針先に対向した位置になり、このため、例えば針糸を布送り方向手前から針穴に挿通したミシンにおいて送り方向を逆送りとしたときに、針先に対して針糸が左または右にさばかれ、左に位置したとき（図４）はパーフェクトステッチが形成されるが、右に位置したとき（図５）はヒッチステッチが形成されてしまう。一方、布送り方向後方から針穴に挿通したミシンにおいては、逆に正方向送りの時に針先で針糸がさばかれ、右に位置したときにパーフェクトステッチ、左に位置したときにヒッチステッチとなる。

【０００４】したがって針先による針糸のさばき具合でヒッチステッチが形成されてしまい、縫い目が安定せず商品の品質を低下する欠点を生じた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は上記課題を解決するために、逆送り縫いの際に、針に対する上糸の位置が、縫目がヒッチステッチにならない側になるように押え金の針穴の手前部に傾斜部２を持たせたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

このような手段における模様縫いミシンの押え金によれば、逆送り縫いの際に上糸が傾斜部により針の、縫目がヒッチステッチにならない側にくるようにして、ヒッチステッチに成らずにパーフェクトステッチに成るようにすることができる。

【０００７】

【実施例】

図面に基づいてこの考案の実施例を説明する。図１はこの考案に係わるミシンの押え金の一実施例である。１は押え金、２は逆送り縫いの際に上糸を針の左側（縫目がヒッチステッチにならない側）にくるようにするための傾斜部であり、３は針である。

【０００８】模様縫いミシンにおいて、図６に示すような模様を縫う場合、逆送り縫いを行うこととなる。その場合、逆方向（Ａ）への布送りに従い、上糸が押え金の針穴の手前穴端の傾斜部２に押し付けられる。このため、上糸は傾斜方向に沿って針の左方向（図５）へ寄せられ、その状態で針が下がってくるため、図４の状態となりパーフェクトステッチを形成し、ヒッチステッチの防止を行う。

【０００９】以上、本考案者の示す実施例にしたがって本考案を説明してきたが、本考案は上記実施例に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲で変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施例においては、現在使われている一般的な模様縫いミシンの釜の設定位置から判断して針が上糸の右側に落ちたとき、パーフェクトステッチになるとしてきたが、これはもちろん釜の設定が違う場合、針が上糸の左側に落ちたとき、パーフェクトステッチになることもあり、その場合には、傾斜部は逆に設定する必要があり、また、針穴の後方から糸を通す場合は正方向（図１、Ａ）へ送る際にヒッチステッチが起きるので、後側の縁に傾斜部を形成する必要がある。

【００１０】

【考案の効果】

この考案に係わるミシンの押え金は以上説明した構造により、正送りの結節はパーフェクトステッチとなり易く、逆送り側がヒッチステッチとなる為に発生していた糸締まりの差が防止できる。また、ヒッチステッチによる糸の消費が多くなったり、糸調子の乱れ、見栄えの悪化等も防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すミシンの押え金。

【図２】パーフェクトステッチの断面図を示す。

【図３】ヒッチステッチの断面図を示す。

【図４】正面から見た針に対して上糸が左側にきている
様子を示す。

【図５】正面から見た針に対して上糸が右側にきている
様子を示す。

【図６】模様の一実施例を示す。

【符号の説明】

５．上糸６．布７．下糸

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】針穴が布送り方向前後に貫通形成された
針を装着し、前記針穴に対して、前方または後方から糸
を通すようにしたミシンにおける押え金１において、針に対する上糸の位置が縫い目がヒッチステッチになら
ない側になるように布送りに従って糸を案内する押え金
の針穴の前後縁の少なくとも一方に傾斜部２を設けたこ
とを特徴とするミシンの押え金。