JPH0737052U - ミシンの布押え圧制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被縫物の段差を布押さえ金の傾きから自動的
に検出し、その検出結果を基に、布押さえ金の押圧力の
調節作業をしないで、滑らかに被縫物を縫製する。 【構成】 被縫布の厚さにより被縫布の押さえ圧を制御
する手段を備えるミシンにおいて、被縫布の厚さの変化
を検出する手段と、弾性体に構成されたことを特徴とす
るミシンの布押さえ圧制御装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は被縫布の厚さの変化を自動的に検出して、その厚さの変化に対応し た押圧力を発生させることによってミシンの布押さえの下部に被縫布が滑らかに 滑り込むようにしたミシンの布押さえ圧制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の布押さえ機構を図４に示す。この従来の布押さえ機構は、すでに実公昭 ６２−８８６６号等にて明らかにされかにされている。すなわち、押え調節ネジ １のネジ込み量が多い程、押え調節バネ５を強く圧縮し、結果として押え調節バ ネ５に基づく押圧力で被縫布（図示しない。）を押さえている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の布押さえ機構では、押え調節ネジ１のねじ込み量により押圧力の大きさ が決まる。従って、押圧力の大きさを弱くする為には押さえ調節ネジナット２を 緩め、押え調節ネジ１のねじ込み量を変えてから、改めて押え調節ネジナット２ を回して前記頭部フレ−ム３に固定しなければならない。この一連の作業は、す べて手作業で行われる。

【０００４】 この為、被縫布の厚みが変化している部分や段差がある場合は、作業者が縫製 作業を中止し、一連の作業を手作業で行う。すなわち、被縫物の厚さが薄い部分 から厚い部分に変化する場合は、被縫物の段差部分に布押さえ金８が差し掛かっ た時に、一時的に布押さえ金８に伝達される押圧力を弱くする様に前記一連の作 業を行う。逆に、厚い部分から薄い部分に被縫布の厚さが変化する場合は、一時 的に押圧力を強くする様に行う。上記の様に、被縫布の厚みの変化や段差がある 場合は、縫製作業を中止し上記一連の作業を行うが、オペレ−タは被縫布の厚さ が変化している段差があっても、その被縫布の厚さが変化している段差を見逃す ことが多く、その被縫物を押さえている布押え金の押圧力で縫製するため、布押 さえ金が段差に直接当たり、被縫布を強く押し付けたり、あるいは破ることにな る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は課題を解決するために、被縫布の厚さにより被縫物の押え圧を制御す る手段を備えるミシンに於いて、被縫布の厚さの変化を検出する手段と、弾性体 に構成されたことを特徴とする構成を採用した。

【０００６】

【作用】

このような構成に於いて、被縫布の厚さが薄い部分から厚い部分に変化する場 合には布押さえの押圧力が一時的に弱くなり、また、被縫布の厚さが厚い部分か ら薄い部分に変化する場合には布押さえ金の押圧力が一時的に強くなり、この結 果被縫布を滑らかに縫製することになる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に示す実施例に従い本考案を詳細に説明する。図１から図３には、 本考案の布押さえ圧制御装置を図示する。下端を中空状とした押さえ調節ネジ１ ３をミシンア−ム部３０にねじ込み調節可能に取り付け、中空状の押え案内棒１ ４を押さえ調節ネジ１３の内部に挿入し、押さえ案内棒１４の下方向より押さえ 調節バネ１５を挿入し、押さえ案内棒１４上端の大径部分１４ａの下端面に押さ え調節バネ１５を当てる。この時、押さえ案内棒１４の二又脚部１４ｂを押さえ 棒上端に配置したバネ止め板１６の２個の穴に挿入し、かつ前記押さえ棒７の穴 に挿入する。大径部１４ａとバネ止め板１６との間に配された押さえ調節バネ１ ５は、圧縮されて押さえ棒７を押下する。また、押さえ系統に付加して、本考案 では、押さえ案内棒１４の内部に別系統の調節押え系統を設ける。すなわち、ソ レノイド９とソレノイドの下端部９ａに補助復帰バネ１０を通し、更に補助バネ 押さえ棒１１の上端孔１１ａに下端部９ａを挿入し、かつ押さえ案内棒１４の中 空部を通るように補助バネ押さえ棒１１を挿入し、その下端１１ｂが補助バネ１ ２を介して、バネ止め板１６を押さえる。

【０００８】 また、前記ソレノイド９は布押さえ金８の傾きの変化を検出する検出部からの 信号により励磁される。 布押さえ金８の傾きの変化を検出する検出部を図３に示す。この検出部は、布 押さえ金８の上面に接触するように図３に向かって左側と右側に傾き検出棒２０ を配置し、傾き検出棒２０の中央円板部２０ａより前記傾き検出棒２０の上方に 傾き検出棒押さえバネ１９を挿入する。

【０００９】 更に、前記傾き検出棒２０の上端にはポテンシオメ−タ１８を連結し、このポ テンシオメ−タ１８の下端面と中央円板部２０ａの間に前記検出棒押さえバネ１ ９を把持する。 尚、本考案の構成をより明確にするために、図１に記載されている断面Ａ−Ａ ’の断面図を図２に示す。ただし、前記押え棒７以降は記述を省略している。

【００１０】 このように構成された布押さえ圧制御装置に於いて、通常の平坦な布の縫製作 業を行っているっているときは、押さえ調節ネジ１３からバネ止め板１６に至る 押圧力生成手段と、ソレノイド９から前記バネ止め板１６に至る押圧力生成手段 の並列した２系統の押圧力生成手段により被縫布は押さえられている。この時、 布押さえ金は被縫物の段差を検出しないので、ソレノイド９は励磁されない。 従って、ソレノイド９は補助バネ押さえ棒を図中上方に吸い上げない。

【００１１】 次に、被縫布の厚さが薄い部分より厚い部分に変化する場合は、布押さえ金８ が段差を検出するので、ソレノイド９が励磁状態となり補助バネ押さえ棒１１を 上方向に吸引する。この為、ソレノイド９からバネ止め板１６に至る押圧力生成 手段から生成される押圧力が弱められ、結果として布押え金８の押え圧が弱めら れ、被縫布が滑らかに布押さえ金８の下に滑らかに滑り込む。

【００１２】

【考案の効果】

以上の様に、本考案によれば、被縫布に段差がある場合は、布押さえ金の先端 部が上がり、この傾きを検出する検出部が布押さえ金の傾きを検出し、その検出 結果によりソレノイドが補助バネ押え棒を吸引し、これによって補助押さえ手段 の押圧力が一時的に弱くなり、被縫物を押えている布押さえ金の押圧力も弱まり 、被縫布が滑らかに布押さえ金の下に滑り込む。逆に、被縫布の縫製が終わりに 差し掛かる場合、すなわち布押さえ金の後端部が先端部よりも上がる時は補助バ ネ押え棒を押し下げ、これにより布押さえ金の押圧力を一時的に強くし、被縫布 が滑らかに布押さえ金より抜け出す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の布押さえ圧制御装置の組立図

【図２】図２中Ａ−Ａ’部分の略断面図

【図３】押え脚傾き検出部の図

【図４】従来の被縫布押さえ機構

【符号の説明】

７ 押さえ棒 ８ 布押さえ金 ９ ソレノイド ９ａ 下端部 １０ 補助復帰バネ １１ 補助バネ押さえ棒 １１ｂ 下端部 １２ 補助バネ １３ 押さえ調節ネジ １４ 押さえ案内棒 １４ａ 大径部 １４ｂ 二又部 １５ 押さえ調節バネ １６ バネ止め板 １８ ポテンシオメ−タ １９ 検出棒押さえバネ ２０ 検出棒 ２０ａ 中央円板部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被縫布の厚さにより被縫物の押え圧を制
   御する手段を備えるミシンに於いて、被縫布の厚さの変
   化を検出する手段と、弾性体に構成されたことを特徴と
   する、ミシンの布押さえ圧制御装置。