JPH0736410Y2 - 架空電線の凧取り器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は架空送電線、架空配電線等の架空電線に引っか
かった凧を取除く凧取り器、特に架空電線に設置したカ
ウンターウェートの通過を可能にした架空電線の凧取り
器に関するものである。

（従来の技術及び解決しようとする課題） 寒冷地における架空送電線には、着雪防止対策として難
着雪リングが装着されており、着雪時荷重に対するねじ
れ防止対策としてカウンターウェートが装着されてい
る。

一方架空送電線には、特に正月の時期に集中して凧が引
っかかる現象が発生する。この凧が原因となって地絡事
故等の重大事故につながる危険性があるため、送電線の
保守作業として凧の除去を行なう必要がある。

第２図は上記の送電線の保守作業として行なう凧の除去
に用いる凧取り器の一例の説明図で、同図（イ）は正面
図、同図（ロ）は側面図である。

図面に示すように、上部枠（31）の下方に取付けた枠体
（33）には架空送電線等の架空電線（１）上を走行する
前後１対のローラー（32A）（32B）が装着されており、
上記枠体（33）の両側面には凧取り用糸切り歯（34）が
設けられている。又枠体（33）の下方には下部金具（3
5）が取付けられており、これには絶縁チェーン（36）
が締着してある。

上記絶縁チェーン（36）を地上より操作することによ
り、１対のローラー（32A）（32B）は架空電線（１）上
を走行する。この時架空電線（１）に凧が引っかかって
おれば、前記凧取り用糸切り歯（34）で凧を切断し除去
する。

上述した従来の凧取り器においては、１対のローラー
（32A）（32B）を装着した枠体（33）の下方に凧取り用
糸切り歯（34）を設けた一体構造であるため、架空電線
（１）の通過部分の空間部（Ａ）の面積が小さく、架空
電線（１）に装着さている難着雪リング（２）は通過で
きるが、カウンターウェートの個所では通過することが
出来ず、保守作業に支障を来たすという問題点があっ
た。

（課題を解決するための手段） 本考案は上述の問題点を解消した架空電線の凧取り器を
提供するもので、その特徴は、それぞれ連結板で連結さ
れ架空電線上を走行する前後１対の主ローラーとその前
方に位置する前後１対の凧取り用ローラーを備え、上記
主ローラーの連結板には下方に延びる枠体を取付け、前
記凧取り用ローラーの連結板には水平方向に延びる凧取
り用ローラー連結アームの前部を取付けその後部を前記
枠体の下部に取付けてあり、前記凧取り用ローラーの前
部ローラーに凧取り用鋸歯を設けたことにある。

（実施例） 第１図は本考案に係る架空電線の凧取り器の具体例の全
体図である。

図面において、（10A）（10B）は連結板（11）により連
結され、架空電線（１）上を走行する前後１対の主ロー
ラーである。上記主ローラー（10A）（10B）の連結板
（11）には下方に延びカウンターウェート（３）を通過
させるに充分な空間（Ｂ）を有する枠体（12）がピン
（19）を介して取付けられており、該ピン（19）により
連結板（11）を介して１対の主ローラー（10A）（10B）
はヤジロベー運動をなし得るようになっている。又上記
枠体（12）の下部にはチェーン状の絶縁性の主ロープ
（13）が締着されている。（14A）（14B）は連結板（1
6）により連結され、架空電線（１）上を走行する前後
１対の凧取り用ローラーで、前部ローラー（14A）の外
周には凧切り用鋸歯（15）を設けてある。上記凧取り用
ローラー（14A）（14B）の連結板（16）には水平方向に
延びる凧取り用ローラー連結アーム（17）の前部がピン
（21）により取付けられており、その後部は前記枠体
（12）の下部にピン（20）により取付けられている。こ
のピン（20）を中心軸として凧取り用ローラー連結アー
ム（17）は円弧運動が可能であり、又ピン（21）を軸と
して凧取り用ローラー（4A）（14B）は連結板（16）を
介してヤジロベー運動をなし得る。凧取り用ローラー連
結アーム（17）の最後部にはチェーン状の絶縁性の補助
ロープ（18）が締着されている。

（作用） 上述した本考案の凧取り器において、主ロープ（13）を
地上より操作することにより、主ローラー（10A）（10
B）及び凧取り用ローラー（14A）（14B）は架空電線
（１）上を図の左方向に走行する。そして、架空電線
（１）に引っかかった凧を先頭の凧取り用ローラー（14
A）の鋸歯で切断し除去する。この場合、各ローラー（1
0A）（10B）及び（14A）（14B）は架空電線（１）に装
着されている難着雪リング（２）を容易に通過するの
は、従来の凧取り器において実証ずみである。

凧取り用ローラー（14A）（14B）が架空電線（１）に装
着されているカウンターウェート（３）のクランプ
（４）にさしかかった場合には、補助ロープ（18）を下
方に引くことによって、凧取り用ローラー連結アーム
（17）はピン（20）を軸として円弧運動を行ない、凧取
り用ローラー（14A）（14B）が架空電線（１）から浮い
た状態となってカウンターウェート（３）のクランプ
（４）を通過させる。又主ローラー（10A）（10B）は上
記クランプ（４）を通過させる溝構造を有しており、ヤ
ジロベー運動によりクランプ（４）上を乗越えて通過す
ることができる。この際、カウンターウェート（３）は
枠体（12）の空間部（Ｂ）内を通過していく。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の架空電線の凧取り器によ
れば、架空電線上を走行する主ローラーから分離して凧
取り用ローラーを設けることにより、主ローラーを取付
けている枠体の空間部を大きくすることが出来、架空電
線に設置されているカウンターウェートをこの空間部を
通過させることが可能となり、架空電線の保守作業の効
率が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る架空電線の凧取り器の具体例の全
体図である。 第２図は従来の凧取り器の一例の説明図で、同図（イ）
は正面図、同図（ロ）は側面図である。 １……架空電線、２……難着雪リング、３……カウンタ
ーウェート。 10A、10B……１対の主ローラー、11……連結板、12……
枠体、13……主ロープ、14A、14B……１対の凧取り用ロ
ーラー、15……凧取り用鋸歯、16……連結板、17……凧
取り用ローラー連結アーム、18……補助ロープ、19、2
0、21……取付ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ連結板で連結され架空電線上を走
   行する前後１対の主ローラーとその前方に位置する前後
   １対の凧取り用ローラーを備え、上記主ローラーの連結
   板には下方に延びる枠体を取付け、前記凧取り用ローラ
   ーの連結板には水平方向に延びる凧取り用ローラー連結
   アームの前部を取付けその後部を前記枠体の下部に取付
   けてあり、前記凧取り用ローラーの前部ローラーに凧取
   り用鋸歯を設けたことを特徴とする架空電線の凧取り
   器。