JPH0736338Y2 - カメラのレンズ鏡筒 - Google Patents

カメラのレンズ鏡筒

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JPH0736338Y2
JPH0736338Y2 JP1988115399U JP11539988U JPH0736338Y2 JP H0736338 Y2 JPH0736338 Y2 JP H0736338Y2 JP 1988115399 U JP1988115399 U JP 1988115399U JP 11539988 U JP11539988 U JP 11539988U JP H0736338 Y2 JPH0736338 Y2 JP H0736338Y2
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ring
locking
optical axis
lens
frame
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【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案はカメラのレンズ鏡筒に関する。
(従来の技術) 近年、自動焦点合せ(以下AFと称する)と手動焦点合せ
(以下MFと称する)とを切換え可能なカメラのレンズ鏡
筒が普及しつつある。この種のレンズ鏡筒によれば、AF
時、レンズはモータ等のアクチュエータにより光軸方向
に移動される。また、MF時、レンズは、光軸回りで回動
自在に設けられた距離リングを手動で回動することによ
り光軸方向に移動される。
AFとMFとの切換えを行うことにより、MF時、距離リング
とレンズとはクラッチ機構等により互いに連結され、AF
時には、レンズと距離リングとの連結が解除される。し
たがって、AF時において、距離リングは自由に回動可能
な状態となっている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、上記のように、AF時には距離リングが自
由に回動できる状態となっているため、レンズ鏡筒を保
持する際、撮影者の手が距離リングに触れると、距離リ
ングが不用意に回転してしまう。その結果、カメラのホ
ールデイング性が低下する。また、AF状態が設定されて
いるにも拘らず、距離リングが自由に回転できることか
ら、撮影者はMF状態であると誤解してしまう場合があ
り、AF状態を判断しにくいという問題がある。
この考案は以上の点に鑑みなされたもので、その目的
は、ホールデイング性に優れたカメラのレンズ鏡筒を提
供することにある。
[考案の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、この考案のレンズ鏡筒によれ
ば、モータによりレンズを移動する自動調整を設定する
第1の位置と手動にて回動される操作環の回動力により
レンズを移動させる手動調整を設定する第2の位置との
間をレンズ光軸に対し円周方向に沿って移動可能に設け
られた切換操作部材と、レンズ光軸方向に沿って移動可
能に設けられ、上記操作環と係合して操作環の回動を阻
止する係止位置と、上記操作環から離間する解除位置と
へ移動する係止部材と、上記切換操作部材が上記第1の
位置に移動した際、上記係止部材を上記係止位置に向け
て付勢し、上記切換操作部材が上記第2の位置に移動し
た際、上記係止部材への付勢を解除する付勢手段と、を
有し、上記切換操作部材が上記第1の位置にある状態
で、上記操作環に所定以上の回動力が付与された際に
は、上記係止部材を上記付勢手段に抗して上記操作環か
ら一時的に離間可能となるように構成されている。
(作用) 上記構成によれば、操作環は手動調整時のみ回動可能で
あり、自動調整時、操作環の回動は係止部材によって阻
止される。そのため、自動調整時、操作環の不用意な回
動を防止でき、レンズ鏡筒のホールデイング性が向上す
るとともに、自動調整状態を直ちに認識することができ
る。また、自動調整時、操作環に過度の回動力が加わっ
た場合には、係止部材が操作環から一時的に離間し、操
作環は一時的に回動が許容されるため、操作環及び切換
操作部材等の損傷を防止できる。
(実施例) 以下、図面を参照しながら、この考案の実施例について
詳細に説明する。
第2図は、この考案に係るレンズ鏡筒を示している。レ
ンズ鏡筒は、第1および第2のレンズ群10、12を有する
ズームレンズとして構成され、第2図は広角状態を示し
ている。
レンズ鏡筒は、レンズ鏡筒を図示しないカメラ本体に装
着するためのマウント14を備え、このマウントには、焦
点を調整するためのスペーサ15を間に挟んで環状の固定
枠16が連結されている。固定枠16の内側には環状の固定
枠18が固定され、互いに同軸的に位置している。固定枠
16、18間には、光軸Oの回りで回動自在に、かつ、光軸
方向には移動不能に環状のズームカム20が嵌合されてい
る。固定枠16の外周には、ズーム環21が回動自在に嵌合
されている。また、ズーム環21は、固定枠16に取付けら
れたカバー環22により、光軸方向の移動が規制されてい
る。ズーム環21は内方に突出した図示しないピンを有
し、このピンは固定枠16に形成された図示しない周溝を
貫通してズームカム20に連結されている。したがって、
ズーム環21を回動することにより、ズームカム20が一体
的に回動するように構成されている。ズーム環21の回動
は、上記ピンが周溝の各端に当接することにより所定の
範囲内に規制されている。また、ズーム環21の外周面に
は、操作性を良くするためのゴムリング21aが被着され
ている。
固定枠18の先端部、つまり、第2図において左端部内に
は、段付き円筒形状を有する1群枠24の小径部が摺動自
在に挿入されている。1群枠24の小径部の外周面には、
円周方向に離間して2〜3個(1つのみを図示する)の
ローラ25が植設されている。各ローラ25は、固定枠18に
形成された直線溝18aおよびズームカム20に形成された
螺旋状のカム溝20aに挿通されている。また、固定枠18
の基端部、つまり、第2図において右端部内には、2群
枠26が摺動自在に嵌合されている。2群枠26の外周面に
は、2〜3個(1つのみを図示する)のローラ27が植設
されている。各ローラ27は、固定枠18に形成された直線
溝18bおよびズームカム20に形成された螺旋状のカム溝2
0bに挿通されている。したがって、ズーム環21によりズ
ームカム20が光軸0の回りで回動されると、1群枠24お
よび2群枠26は光軸に沿って所定量移動されズーミング
が行われる。
1群枠24には、ねじ28により環状のモータ支持枠30が固
定され、1群枠の先端部、つまり、大径部の内側に位置
している。そして、モータ支持枠30は、中空の超音波モ
ータ32を支持している。超音波モータ32は、ステータ3
3、ロータ34、ロータ押え35、ロータばね36、およびば
ね押え37を有し、これらの部材はそれぞれ環状に形成さ
れているとともに、モータ支持枠30の外周に順番に取付
けられている。。ロータ34とロータ押え35との間には、
ベアリング38が設けられている。ステータ33はモータ支
持枠30に対して回動不能に固定されている。また、ロー
タ34は、ベアリング38、ロータ押え35介して、ばね36に
よりステータ33に押付けられている。この押圧力は、モ
ータ支持枠30の外周面にねじ込まれたばね押え37の締付
け力を調整することによって制御される。このように構
成された超音波モータ32によれば、ステータ33に所定の
周波数の電流を流すことにより、光軸0の回りでロータ
34が回動する。
ロータ34の外周部側面には、円周方向に互いに離間して
3個(1つのみ図示する)の遊星ギア40が設けられ、各
遊星ギアは光軸0と平行に延びる支軸41によりロータに
回転自在に取付けられている。また、1群枠24の段部内
には、円周方向に離間して3つの(1つのみ図示する)
遊星ギア42が設けられ、それぞれ光軸0と平行に伸びる
支軸43により回転自在に支持されている。ロータ押え35
の外周には、環状のギア枠44が光軸0の回りで回転自在
に嵌合されている。ギア枠44の外周面には、環状の第1
および第2のギア部44a、44bが形成され、光軸0方向に
沿って互いに離間して位置している。そして、第1のギ
ア部44aは遊星ギア40と歯合し、第2のギア部44bは遊星
ギア42と歯合している。
1群枠24の大径部内には、環状の距離カム46が光軸0の
回りで回動自在に嵌合されている。距離カム46は、1群
枠24の先端に取付けられた前押え枠47により光軸0方向
に移動が規制されている。距離カム46の基端部内周面に
は、環状のギア部46aが形成され、遊星ギア40と歯合し
ている。また、距離カム46の外周面には、ストッパピン
48が植設され、このストッパピンは、1群枠24に形成さ
れて円周方向に伸びる溝24a内に挿入されている。1群
枠24の先端部外周には環状の前枠49が嵌合され、この前
枠は前押え枠47により1群枠からの脱落が防止されてい
る。更に、1群枠24の大径部の外周面には、前枠49と並
んで、距離リング50が光軸0の回りで回動自在に嵌合さ
れている。距離リング50の基端部内周面には、環状のギ
ア部50aが形成され遊星ギア42と歯合している。また、
距離リング50の基端側周縁には、歯部52が形成されてい
る。距離リング50の外周面には、操作性を良くするため
のゴムリング51が被着されている。なお、この実施例に
おいて、距離リング50は、この考案における操作環を構
成している。
1群枠24の大径部の基端には、後述する切換スイッチ54
が固定され、距離リング50の歯部52と対向して位置して
いるとともに、固定枠16およびズームカム20と干渉しな
い領域に位置している。
距離カム46の内側には、環状の移動枠56が摺動自在に装
着されている。移動枠56の外周面にはピン57が植設され
ており、このピンは、距離カム46に形成された螺旋状の
カム溝46bを貫通し、1群枠24に形成された図示しない
直線溝に挿入されている。したがって、距離カム46が回
動することにより、移動枠56は光軸0方向に沿って移動
する。移動枠56の内側には、1群レンズ枠58がねじ込ま
れ、モータ支持枠30の内側に位置している。1群レンズ
枠58は、ビス59により移動枠56に対して回動不能に固定
されているとともに、環状のばね60を介して移動枠に当
接している。また、1群レンズ枠58の小径部内には、第
1群レンズ10が取付けられ、押え環61によって保持され
ている。
一方、2群枠26の小径部内には、第2群レンズ12が取付
けられ、環状の押えばね62、Cリング63、および押え環
64によって保持されている。また、2群枠26には、絞り
機構のモータ66が固定されているとともに、環状の矢車
67が光軸0の回りで回動自在に取付けられている。モー
タ66の回転軸に固定されたピニオンギア68は、矢車67の
外周面に形成されたギア部67aと歯合している。2群枠2
6と矢車67との間には、複数枚(1枚のみ図示する)の
絞り羽根70が回動自在に設けられている。そして、モー
タ66により矢車67が回動されると、これに連動して絞り
羽根70が回動し絞り口径を調整するように構成されてい
る。また、2群枠26の小径部外周面には、矢車67の回動
量を制限するストッパ71が固定されている。
次に、第1図および第3図なしい第7図を参照して、切
換スイッチ54について詳細に説明する。
切換スイッチ54は、1群枠24に固定された中空の外枠72
を備え、外枠の下面には、円弧状の基盤74がねじ75によ
ってねじ止めされている。基盤74の中央部には、凹所76
が形成されており、この凹所は距離リング50の軸方向に
伸びる一対の平行なガイド面76aを有している。凹所76
には、板状の係止部材78が配設されている。係止部材78
はガイド面76aに接触した両側面を有し、ガイド面に沿
って距離リング50の軸方向(矢印A方向)に摺動可能と
なっている。係止部材78は、距離リング50の歯部52と歯
合可能な歯部78a、カム溝80、および突起81を有してい
る。外枠72の外周面には細長い凹所82が形成され、この
凹所82には操作つまみ83が摺動自在に装着されている。
操作つまみ83は、第3図に示されたMF設定ようの第2の
位置と後述するAF設定ようの第1の位置との間を、距離
リング50の円周方向(矢印B方向)に沿って摺動可能と
なっている。なお、操作つまみ83は、この発明における
切換操作部材を構成している。操作つまみ83は下方に突
出した突起83aを有し、この突起は、凹所82の底に形成
された細長い貫通孔84を通して外枠72内へ伸びている。
突起83aの先端面には、細長い板ばねからなる接片85が
ビス86によってねじ止めされている。そして、操作つま
み83は、接片85により外枠72からの抜けが防止されてい
る。
接片85の先端部85aは二股に形成されているとともに基
盤74に向って折曲げられている。また、接片85の後端部
には、外枠72の内面に向って突出した湾曲部85bが形成
されている。外枠72の内面には、接片85の湾曲面85bに
対応して一対の係合凹所72a、72bが形成され、矢印B方
向に沿って互いに離間して位置している。そして、湾曲
部85bは、操作つまみ83が第3図ないし第5図に示す第
2の位置に移動した際、係合凹所72bに係合し、操作つ
まみが第6図および第7図に示す第1の位置に移動した
際、係合凹所72aに係合する。したがって、湾曲部85bと
係合凹所72a、72bとの作用により、操作つまみ83を第1
の位置あるいは第2の位置に弾性的に保持して操作つま
みの不用意な移動を阻止しているとともに、操作つまみ
の切換操作時における、いわゆるクリック感を得てい
る。
また、基盤74上には、AF-MF検出用のプリント基盤88が
固定されている。プリント基盤88には、長さの異なる一
対の平行な導通パターン88a、88bが形成され、矢印B方
向に沿って伸びている。そして、操作つまみ83が第2の
位置に移動した際、接片85の先端部85aは導通パターン8
8aのみに接触する。そのため、導通パターン88a、88bは
非導通状態となっている。また、操作つまみ83が第1の
位置に切換られると、接片85の先端部85aはそれぞれ導
通パターン88a、88bに接触する。それにより、これらの
導通パターンは互いに導通する。そして、導通パターン
88a、88bの導通および非導通により、操作つまみ83の第
1および第2の位置、つまり、AF設定およびMF設定が電
気的に検出される。このように、接片85およびプリント
基盤88は、AF、MFを検出する検出手段を構成している。
接片85を固定しているビス86の頭部は、係止部材78のカ
ム溝80内に挿入され、操作つまみ83の移動に応じてカム
溝内を移動可能となっている。また、ビス86には、付勢
手段としてねじりばね90が巻装されている。ねじりばね
の一方の腕部90aは、係止部材78の突起81に掛けられ、
他方の腕部90bは、距離リング50と反対側に位置した外
枠72の側壁内面に当接している。そのため、係止部材78
はねじりばね90により距離リング50に向って付勢されて
いる。したがって、操作つまみ83が第2の位置に切換ら
れると、係止部材78は、ビス86によりねじりばね90の付
勢力に抗して押圧され、第4図および第5図に示すよう
に、歯部78aが距離リング50の歯部52から離間する解除
位置に移動される。また、操作つまみ83が第1の位置に
切換られると、係止部材78は、ねじりばね90により距離
リング50に向って押圧され、第6図および第7図に示す
ように、歯部78aが距離リング50の歯部52と歯合する係
止位置に切換られる。このように、係止部材78は、操作
つまみ83の切換動作に連動して係止位置と解除位置との
間を切換えられる。
次に以上のように構成されたレンズ鏡筒の動作について
説明する。
まず、ズーミングを行う場合、ズーム環21を光軸0の回
りで回動することによりズームカム20が一体的に回動さ
れ、その結果、1群枠24および2群枠26が光軸方向に移
動される。したがって、第1群レンズ10および第2群レ
ンズ12が光軸0に沿って独立して移動し、ズーミングを
行われる。
ピント調整を行う場合、まず、切換スイッチ54の操作つ
まみ83によりAFあるいはMFを選択する。
MFを行う場合、まず、操作つまみ83を第2の位置へ切換
する。すると、操作つまみ83の移動に連動して、係止部
材78が解除位置、つまり、歯部78aが距離リング50の歯
部52から離間する位置へ移動する。その結果、距離リン
グ50は手動にて回動可能な状態となる。また、操作つま
み83が第2の位置に切換られると、プリント基盤88の導
通パターン88a、88bは非導通となり、MFが設定されたこ
とが電気的に検出される。
この状態で、距離リング50を光軸0の回りで回動する
と、距離リングのギア部50aにより遊星ギア42、ギア枠4
4、および遊星ギア40が順次回動される。ここで、超音
波モータ32へは通電されていないため、超音波モータの
ステータ33とロータ34との間には非常に大きな摩擦が作
用している。そのため、ロータ34は不動状態に保持さ
れ、ロータに支持された遊星ギア40は、光軸0の回りで
公転することなく支軸41の回りで自転する。したがっ
て、遊星ギア40の回動に応じて距離カム46が光軸0の回
りで回動される。その結果、移動枠56と共に第1群レン
ズ10が光軸0方向に沿って移動し、焦点調整が行われ
る。
また、AFを行う場合、まず、切換スイッチ54の操作つま
み83を第1の位置へ切換える。すると、係止部材78は操
作つまみ83に連動して係止位置へ移動する。それによ
り、係止部材78の歯部78aは、距離リング50の歯部52と
歯合し、距離リングを回動不能な状態に係止する。ま
た、操作つまみ83の切換えにより、プリント基盤88の導
通パターン88a,88bが導通し、その結果、AF状態が電気
的に検出され、超音波モータ34への通電が可能となる。
この状態で、焦点のずれ量に応じた電流が超音波モータ
32に供給されると、ロータ34が光軸0の回りで回動す
る。ここで、距離リング50の回動は切換スイッチ54によ
って規制されているため、遊星ギア42およびギア枠44は
不動状態となっている。したがって、ロータ34に支持さ
れた遊星ギア40は、ロータと共に光軸0の回りを公転し
ながら支軸41の回りで自転する。その結果、距離カム46
が光軸0の回りで回動し、焦点調整が行われる。
以上のように構成されたレンズ鏡筒によれば、AF時、切
換スイッチ54により距離リング50を回動不能な状態に保
持することができる。そのため、AF時において、レンズ
鏡筒を保持した撮影者の指が距離リング50に接触した場
合でも、距離リングが不用意に回動することがなく、レ
ンズ鏡筒のホールテイング性を向上させることができ
る。また、距離リング50が回動不能であることから、撮
影者はAF状態を直ちに認識することができ、操作の混乱
を招くことがない。
第8図ないし第10図は、切換スイッチ54の第2の実施例
を示している。なお、第2の実施例において、上記第1
の実施例の同一の部分には同一の参照符号を付してその
詳細な説明を省略する。
第2の実施例によれば、上記第1の実施例における係止
部材およびこれを付勢したばねは、単一の係止ばね92と
して形成されている。また、ビス86によって操作つまみ
83に固定された接片85は、二股に形成された先端部85a
のみを有し、湾曲部は省略されている。基盤74には、凹
所76に代わり、操作つまみ83の移動方向Aに沿って伸び
たガイド溝94が形成されている。
係止ばね92は、細長い板ばねで形成されており、ケース
72の内面にねじ止めされた基端92aを有している。係止
ばね92の先端部は約180度折曲げられて基端部と対向し
ている。そして、折曲げ部は、円形に湾曲されて第1の
係合部92bを構成しており、この第1の係合部は、ビス8
6の径と略等しい径を有している。また、係止ばね92の
第1の係合部92から先端側に離間した位置には、円形に
湾曲された第2の係合部92cが形成されている。第2の
係止部92cも、ビス86と略等しい径に形成されている。
第1の係合部92bと第2の係合部92cとの間は、ビス86の
径よりも小さな幅dを有する平行部92dを構成してい
る。更に、係止ばね92の先端は、カギ状に折曲げされ、
距離リング50の歯部52と係合可能な係止部92eを構成し
ている。
また、ビス86の頭部は、係止ばね92の折曲げ部の間を通
って基盤74のガイド溝94内に挿入されている。そして、
操作つまみ83が第2の位置にある際、第10図に示すよう
に、ビス86は係止バネ92の第2の係合部92c内に位置
し、係止部92cは距離リング50の歯部52から離間してい
る。したがって、距離リング50は自由に回動可能であ
り、MFを行うことができる。
また、操作つまみ83がAFを設定するための第1の位置に
切換えられると、第11図に示すように、ビス86はガイド
溝94に沿って移動し、第2の係合部92cから平行部92dを
介して第1の係合部92b内へ至る。それにより、係止ば
ね92はビス86に押圧されて弾性変形し、基端92aを支点
として距離リング50方向へ回動する。その結果、係止ば
ね92の係止部92eが距離リング50の歯部52と係合し、距
離リングの回動を阻止する。したがって、AF時における
距離リング50の不用意な回動を防止することができる。
ここで、係止ばね92の先端部は、第1の係合部92bを支
点とし、係止部92eを作用点とするクリックばねとして
作用する。そのため、距離リング50にクリックばねの付
勢力を越える非常に大きな回動力が加えられると、クリ
ックばねは距離リング50から離れる方向に弾性変形し、
その結果、係止部92eと距離リングとの係合が解除され
る。したがって、距離リング50は一時的に回動可能な状
態となる。しかしながら、距離リング50に作用している
回動力が除去されると、係止部92eは再び距離リングの
歯部52と係合し、距離リングの回動を規制する。
このように、AF状態において、誤って大きな回動力が距
離リング50に加えられた場合、距離リングは一時的に回
動が許容される。そのため、距離リング50を無理に回動
させた場合でも、距離リングおよび切換スイッチ54の損
傷を防止することができる。また、距離リング50に与え
られた大きな回動力は、係止ばね92を通してビス86およ
び操作つまみ83にも作用するが、ビスはガイド溝94に嵌
合されているため、力はビスを通して基盤74に分散され
る。そのため、ビス86および操作つまみ83に作用する負
荷を小さく押えることができる。
また、係止ばね92の第1および第2の係合部92b、92c間
に位置した平行部92dは、ビス86の径よりも小さな幅に
形成されているとともに、上述したように、係止ばねの
先端部はクリックばねとして作用する。そのため、ビス
86が第1あるいは第2の係合部内に移動した際、ビスは
係止ばねによって弾性的に保持される。したがって、操
作つまみ83の切換え操作時クリック感を得ることができ
るとともに、操作つまみの不用意な移動を防止すること
ができる。
また、上記のように構成された切換スイッチ54によれ
ば、単一の係止ばね92により係止部材および付勢部材を
構成しているため、部品点数が少なく、切換スイッチ54
をコンパクトにできるとともに組立て作業性も向上す
る。また、AF時において、係止ばね92の係止部92eは常
に距離リング50に向って付勢力を作用させているため、
距離リングのガタを小さく押えることができる。
なお、第2の実施例において、係止ばね92の基端92aは
ねじ止めに限らず、外枠72に回動可能に取付けられてい
てもよい。また、係止ばね92は、第12図に示すように、
線材で形成されていてもよい。この場合、切換スイッチ
54を一層薄型にできるとともに、係止ばねの加工も容易
となる。
第13図に示すように、係止ばね92は、第1および第2の
係止部92e、92fを備えていてもよい。操作つまみ83が第
1の位置に切換えられると、係止ばね92の係止部92e、9
2fは略同時に距離リング50の歯部52と係合する。距離リ
ング50に過度の回動力が加えられた場合、上記と同様
に、係止部92e、92fは距離リングから離間する方向に押
圧され、距離リングの回動が一時的に許容される。ここ
で、距離リング50が矢印A方向に回動する場合、係止ば
ね92の係合を解除しようとする力の作用点は係止部92e
上の点βであり、距離リングが矢印B方向に回動する際
の力の作用点は係止部92f上の点αとなる。そして、操
作つまみ83が第1の位置にあるとき、ビス86は係止ばね
92の第1の係合部92b内に位置し、この時のビス86の中
心から点β、αまでの距離をそれぞれLβ、Lαとする
とLα<Lβとなる。ここで、係止ばね92の形状によ
り、点αを押圧して係止部92e、92fと距離リング50との
係合を解除するための力は、点βを押圧して係合を解除
するための力よりも大きいが、Lα<Lβの関係にある
ため、上記係合が解除されるときの距離リングの回動力
は、A方向およびB方向のいずれにおいてもほぼ同一と
することができる。
なお、この実施例において、係止ばね92の第1および第
2の係合部92b、92cは円形に形成されておらず、この場
合、第1の実施例と同様に接片85の基端に湾曲部85bを
形成することにより、操作つまみ83の切換え操作時にお
けるクリック感を得るようにしてもよい。
また、線材で形成された係止ばねを使用する場合、第14
図に示すように、ビス86の外周面に環状のガイド溝86a
を形成し、このガイド溝に係止ばねを係合するようにし
てもよい。この場合、ビス86に対する係止ばね92の位置
ずれを防止することができ、切換スイッチ54の信頼性を
向上させることができる。
なお、この考案は上述した実施例に限定されることな
く、この考案の範囲内で種々変形可能である。
例えば、上記実施例においては、AFとMFとの切換えにつ
いて説明したが、この考案を、モータによりズーム環を
回動させるいわゆるパワーズームと手動によりズーム環
を回動させるマニュアルズームとを切換え可能なレンズ
鏡筒に適応し、パワーズーム時にズーム環の回動を阻止
するようにしてもよい。
[考案の効果] 以上のように構成されたレンズ鏡筒によれば、操作環は
手動調整時のみ回動可能であり、自動調整時、操作環の
回動は係合部材によって阻止さる。そのため、自動調整
時、操作環の不用意な回動を防止でき、レンズ鏡筒のホ
ールデイング性が向上するとともに、自動調整状態を直
ちに認識することができる。また、自動調整時におい
て、係止部は常に操作環に向って付勢されるため、操作
環のガタを小さく押さえることができる。さらに、自動
調整状態において、操作環に過度の回動力が加わった場
合でも、操作環は一時的に回動が許容されるよう構成さ
れているため、操作環、切換操作部材等の損傷を防止で
きる。また、切換操作部材を円周方向に沿って作動させ
て、自動調整と手動調整との切換えをするので、レンズ
光軸方向へ少量作動をすればよい係止部材を作動させる
切換操作部材の操作量を、レンズ鏡筒のレンズ光軸方向
のスペースをとらずに増大することができ、操作性を良
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は、この考案の第1の実施例に係る
レンズ鏡筒を示し、 第1図は切換スイッチの分解斜視図、 第2図はレンズ鏡筒全体を示す断面図、 第3図は切換スイッチの縦断面図、 第4図はMF設定時における切換スイッチの横断面図、 第5図はMF設定時における切換スイッチの平面図、 第6図および第7図はAF設定時における切換スイッチの
横断面図および平面図、 第8図ないし第11図は、切換スイッチの第2の実施例を
示し、 第8図は、切換スイッチの分解斜視図、 第9図は切換スイッチの縦断面図、 第10図および第11図はMF時およびAF時における切換スイ
ッチをそれぞれ示す平面図、 第12図および第13図は係止ばねのそれぞれ異なる変形例
を示す斜視図、 第14図はビスの変形例を示す斜視図である。 10……第1群レンズ、12……第2群レンズ、32……超音
波モータ、50……距離リング、52……歯部、54……切換
スイッチ、78……係止部材、78a……歯部、83……操作
つまみ、85……接片、86……ビス、88……プリント基
盤、90……ねじりばね、92……係止ばね。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】手動にて回動される操作環の回動力により
    レンズを光軸方向に沿って移動させる手動調整と、モー
    タによりレンズを光軸方向に沿って移動する自動調整と
    が可能なカメラのレンズ鏡筒において、 上記自動調整を設定する第1の位置と手動調整を設定す
    る第2の位置との間をレンズ光軸に対して円周方向に沿
    って移動可能に設けられた切換操作部材と、 レンズ光軸方向に沿って移動可能に設けられ、上記操作
    環と係合して操作環の回動を阻止する係止位置と、上記
    操作環から離間する解除位置とへ移動する係止部材と、 上記切換操作部材が上記第1の位置に移動した際、上記
    係止部材を上記係止位置に向けて付勢し、上記切換操作
    部材が上記第2の位置に移動した際、上記係止位置へ向
    かう付勢を解除する付勢手段と、を有し、 上記切換操作部材が上記第1の位置にある状態で、上記
    操作環に所定以上の回動力が付与された際には、上記係
    止部材を上記付勢手段に抗して上記操作環から一時的に
    離間可能にしたことを特徴とするカメラのレンズ鏡筒。
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