JPH0736034Y2 - グローブボックスのロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両の補助席側の前方に設けられたグローブ
ボックスをロックするロック装置、特にこのロック及び
ロックの解除の際の騒音の発生を極力緩和したロック装
置に関する。

〔従来の技術〕

車両の補助席の前方には、一般に第４図に示すように、
開閉自在なグローブボックス１がその下端を揺動自在に
支承されて車両のインストルメント本体２の下方に備え
られ、このグローブボックス１の上部には、インストル
メント本体２の下面に固着した丸棒状のストライカ３を
保持してグローブボックス１を開放不能にロックするロ
ック装置４が備えられている。

従来、この種のロック装置４としては、例えば第５図及
び第６図に示すようなものが一般に採用されていた。

即ち、グローブボックス１には、略偏平な中空状でひさ
し部5aと後壁部5bとで２枚の板体を一体に連結したロッ
クボディ５が固着され、このロックボディ５の内部に
は、上方に突出した二股の爪部6a,6a′とその間の谷部6
bを有するフォーク６が枢軸７を介して回転自在に支承
されている。また、ロックボディ５の下部には、常時上
方に付勢させたレバー８が配設されているとともに、こ
のレバー８と外部から操作可能なハンドル９との間に
は、ハンドルアーム10が介装されている。更に、上記フ
ォーク６は、上記枢軸７の周りに装着したフォークリタ
ーンスプリング11を介して、常に復帰方向、第５図左方
向に付勢されている。

そして、グローブボックス１をロックする時には、グロ
ーブボックス１を前方に押すことによって、第５図に示
すように、先ずフォーク６の一方のストライカ３の後方
に位置する爪部6aをストライカ３に当接させ、この状態
で更に前方に押すことによってフォーク６をフォークリ
ターンスプリング11の弾性力に抗してロック方向（第５
図右方向）に回転させる。この回転によってストライカ
３をフォーク６の谷部6bに位置させ、これによってスト
ライカ３をフォーク６で保持するとともに、フォーク６
の後面6cがレバー８を通過した時に、このレバー８を上
動させ、この上動によってレバー８をフォーク６の後面
6cに当接させてフォーク６を復帰不能にロックする。

そして、上記ロックを解除してグローブボックス１を開
く時には、ハンドル９を手前に引くことによってハンド
ル９と一体に成形されたハンドルアーム10を第６図左方
向に回転させ、これによってハンドルアーム10を介して
レバー８を下動させる。すると、レバー８と、フォーク
６の後面6cとの当接は解かれ、フォーク６はフォークリ
ターンスプリング11の弾性力によって復帰方向に回転
し、第６図に示すように、上記ロックは解かれるととも
に、フォーク６はその後面6cとロックボディ５の後壁部
5bに当接することによって停止する。この状態で更にハ
ンドル９を介してグローブボックス１自体を手前にひく
ことによってこれを開くことができるよう構成されてい
た。

また、実開昭58−39348号として、グローブボックスの
開口部を開閉するリッドのリッドボディにスライドタイ
プロック装置やラッチタイプロック装置を任意選択して
取り付けられ、しかも、リッドボディ、ベース部材及び
ノブ等を共用することができるよう構成したものが提案
されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来例においては、グローブボック
ス１を前方に押してこれをロックする際に、金属製のフ
ォーク６の爪部6aと金属製のストライカ３とが、第５図
のＢ部において衝突して打音が発生し、またロックを解
除する際に、金属製のフォーク６の後面6cと、例えば亜
鉛ダイカスト製のロックボディ５の後壁部5bとが第６図
のＣ部において当たって打音が発生してしまうといった
問題点があった。

この打音は、どちらも金属同士による打音であり、商品
価値を損なうものであるが、スペース的にクッション材
等を付加して、この打音を緩和することは一般に困難で
あった。

このことは、上記実開昭58−39348号においても、上記
金属音の発生を緩和するための手段が備えられていない
以上、同様であると考えられる。

本考案は上記に鑑み、少ないスペースを利用して、金属
同士の衝突による金属音の発生を極力に防止するように
したものを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案におけるグローブボッ
クスのロック装置は、ロックボディ内に収納した回転自
在な二股の爪部を有するフォークで丸棒状のストライカ
を保持するとともに、この保持した状態でフォークの動
きを規制してグローブボックスをロックするようにした
グローブボックスのロック装置において、上記フォーク
のロック時にストライカに最初に当接する一方の爪部の
外周面に弾性体を被着するとともに、この爪部の弾性体
とロックボディとをフォークリターンスプリングの弾性
力を介して当接させてフォークの復帰を規制するように
したものである。

〔作用〕

上記のように構成した本考案によれば、ロックの際にフ
ォークの一方のストライカ後方に位置する爪部がこのス
トライカに衝突しても、この爪部が外周面は弾性体で被
着されているので、この打音を緩和することができる。
またロックを解除する時には、フォークは解除方向に回
転するが、この回転は弾性体を被着した爪部とロックボ
ディと当接によって規制されて、フォークとロックボデ
ィとが衝突することが防止されるため、この時の打音の
発生を緩和することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

上記従来例と同様に、ロック装置４には、略偏平な中空
状でひさし部5aと後壁部5bとで２枚の板体を一体に連結
してグローブボックス１に固着したロックボディ５と、
上方に突出した二股の爪部6a,6a′とその間の谷部6bを
有し、上記ロックボディ５の内部に収納して枢軸７を介
して回転自在に支承したフォーク６と、上記ロックボデ
ィ５の下方に配置し常時上方に付勢したレバー８と、外
部から操作可能なハンドル９と、上記レバー８とハンド
ル９との間に介装したハンドルアーム10と、上記フォー
ク６を復帰方向に付勢した枢軸７の周りに装着したフォ
ークリターンスプリング11とが備えられている。

そして、上記フォーク６のストライカ３の後方に位置す
る一方の爪部6aの外周面には、ゴム等の弾性体12が、ゴ
ム製のキャップを被せることにより、或いは塩化ビニル
またはナイロン等のコーティングを施すことによって被
着され、これによって、ロックを施す時に、ストライカ
３とフォーク６の爪部6aがこの弾性体12を介在させた状
態で、第１図Ｄ部に示すように衝突するよう構成されて
いる。

この弾性体12は、フォークリターンスプリング11の端部
に保持されて、ずれが生じてしまうことが防止されてい
るとともに、このスプリング11の弾性力によって、第２
図Ｅ部に示すようにフォーク６の爪部6aの弾性体12がロ
ックボディ５のひさし部5aに当接して、このフォーク６
の復帰が規制されるよう、即ち上記に弾性体12とロック
ボディ５のひさし部5aとが当接しても、フォーク６の後
面6cとロックボディ５の後壁部5bとの間に一定の間隙Ｓ
が生じて、第２図Ｆ部に示すように、両者5b,6cが衝突
してしまうことがないように構成されている。

これにより、ロックを解除する際に、フォーク６の後面
6cとロックボディ５の後壁部5bとが衝突して金属音が発
生してしまうことが防止されている。

なお、第３図中、符番13は、キーシリンダ部である。

而して、グローブボックス１をロックする時には、グロ
ーブボックス１を前方に押すことによって、第１図に示
すように、先ずフォーク６のストライカ３の後方に位置
する弾性体12を被着させた爪部6aをストライカ３に当接
させ、これによって、この時に打音が生じてしまうこと
を緩和させ、この状態で更に前方に押すことによってフ
ォーク６をフォークリターンスプリング11の弾性力に抗
してロック方向（第１図右方向）に回転させる。この回
転によってストライカ３をフォーク６の谷部6bに位置さ
せ、これによってストライカ３をフォーク６で保持する
とともに、フォーク６の後面6cがレバー８を通過した時
に、このレバー８を上動させ、この上動によってレバー
８をフォーク６の後面6cに当接させてフォーク６を復帰
不能にロックする。

そして、上記ロックを解除してグローブボックス１を開
く時には、ハンドル９を手前に引くことによってこれを
回転させ、これによってハンドルアーム10を介してレバ
ー８を下動させる。すると、レバー８と、フォーク６の
後面6cとの当接は解かれ、フォーク６はフォークリター
ンスプリング11の弾性力によって復帰方向に回転し、第
２図に示すように、上記ロックは解かれるとともに、フ
ォーク６はその弾性体12を被着させた爪部6aがロックボ
ディ５のひさし部5aに当接することによって停止する。
これによって、この時の打音は緩和され、しかもフォー
ク６の後面6cとロックボディ５の後壁部5bとが衝突する
ことがないので、この衝突による金属音の発生が防止さ
れる。この状態で更にハンドル９を介してグローブボッ
クス１自体を手前にひくことによってこれを開くのであ
る。

〔考案の効果〕

本考案は上記のような構成であるので、一ヶ所に、即ち
少ないスペースに最小限の弾性体を付加することによ
り、ロック時及びロック解除時に夫々異なる２カ所で発
生する打音を確実に緩和することができる。

しかも、弾性体はフォークリターンスプリングによって
ずれの発生が防止されているので、上記弾性体による緩
和効果を長期に亙って維持することができるといった効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、第１図は
ロックする直前の状態を示す要部（第４図のＡ部）拡大
断面図、第２図はロックを解除した直後の状態を示す要
部拡大断面図、第３図はロック装置の背面図、第４図は
グローブボックスの全体断面図、第５図は従来例を示す
第１図相当図、第６図は同じく第２図相当図である。 １……グローブボックス、３……ストライカ、４……ロ
ック装置、５……ロックボディ、６……フォーク、6a,6
a′……同爪部、6b……同谷部、８……レバー、９……
ハンドル、10……ハンドルアーム、11……フォークリタ
ーンスプリング、12……弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロックボディ内に収納した回転自在な二股
   の爪部を有するフォークで丸棒状のストライカを保持す
   るとともに、この保持した状態でフォークの動きを規制
   してグローブボックスをロックするようにしたグローブ
   ボックスのロック装置において、上記フォークのロック
   時にストライカに最初に当接する一方の爪部の外周面に
   弾性体を被着するとともに、この爪部の弾性体とロック
   ボディとをフォークリターンスプリングの弾性力を介し
   て当接させてフォークの復帰を規制するようにしたこと
   を特徴とするグローブボックスのロック装置。