JPH0736013A - ウォブリング用位相制御素子の製造方法 - Google Patents

ウォブリング用位相制御素子の製造方法

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JPH0736013A
JPH0736013A JP20175293A JP20175293A JPH0736013A JP H0736013 A JPH0736013 A JP H0736013A JP 20175293 A JP20175293 A JP 20175293A JP 20175293 A JP20175293 A JP 20175293A JP H0736013 A JPH0736013 A JP H0736013A
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JP
Japan
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liquid crystal
ions
wobbling
stage
alignment film
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Application number
JP20175293A
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English (en)
Inventor
Nobue Kataoka
延江 片岡
Keiichi Nito
敬一 仁藤
Akio Yasuda
章夫 安田
Eriko Matsui
恵理子 松居
Hidehiko Takanashi
英彦 高梨
Fumitomo Hide
史朝 秀
Eiho You
映保 楊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光学的に透明な基体20、21上に光学的に透明
な電極13、14を形成する工程と;この電極上に配向膜2
2、23を形成する工程と、この配向膜の形成前にイオン
の混入を防止する第1の処置を施す工程と;前記配向膜
の形成後に複数の前記基体を前記対向膜の側で対向さ
せ、一定の間隙を置いて互いに接着する工程と;前記間
隙内に液晶15を注入する工程と;この液晶の注入前にイ
オンの混入を防止する第2の処置を施す工程と;前記液
晶の注入後に少なくとも液晶注入口を封止する工程と;
を有する、ウォブリング用位相制御素子3の製造方法。 【効果】 ウォブリング用の液晶位相制御素子を確実に
して容易に作製することができる。しかも、上記の第1
の処置と第2の処置によって、液晶素子の作製プロセス
のうち特にイオンの混入が生じ易い段階でのイオンの混
入を十分に防止することができるため、得られた素子は
良好なメモリ性及びコントラストを示し、かつ応答性が
大幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶、プラズマ、EL
(エレクトロルミネッセンス)等の如く画素が離散的な
ディスプレイや、撮像画素が離散的なCCD(電荷結合
素子)により代表される固体撮像素子等のウォブリング
(絵素ずらし)に好適な位相制御素子の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶、プラズマ、EL等の如くモザイク
状、ドット状等の離散的な画素配列を持った表示素子に
対して、NTSC方式等で線順次走査の画素表示を行う
際、本来アナログ信号であるべき輝度信号が粗くサンプ
リングされて水平方向の位置情報が欠落してしまう。ま
た、垂直方向の画素分解能が走査線数だけ実装できない
場合、走査線の情報を欠落するか、あるいは同一画素上
に上書きするために、輝度信号等の位置分解能(即ち、
ディスプレイの解像度)を低下させていた。
【0003】例えば、NTSC方式で駆動するTFT(T
hin-Film-Transistor)−TN(Twisted Nematic)の液晶
ビューファインダーにおいて、NTSC方式では、1フ
レーム(つまり、ビューファインダーが表示する一枚の
絵)は、偶数本目の走査線と奇数本目の走査線からそれ
ぞれ成る二つのフィールドで形成され、フレーム周波数
は30Hz(つまり、フィールド周波数は60Hz)である。現
状のTFTビューファインダーは、NTSC方式の走査
線数 525本を実装できないため、奇数フィールドと偶数
フィールドを同一画素に書き込む等の方法をとってい
る。このため、垂直分解能がNTSC方式の原理よりも
低下しているのが現状である。
【0004】また、画素サイズが大きく、さらにブラッ
クマトリックス等の非表示画素部分のつなぎ目の存在に
より、離散的画素配列のモザイク状の画面が目立ち、画
面の質感を低下させていた。
【0005】上記の現象は、CCDによる撮像において
も同様に生じる。即ち、CCDを構成している撮像画素
が離散的なために、被写体の画像情報が構成画素ピッチ
でサンプリングされてしまうため、水平及び垂直の空間
分解能を低下させていた。
【0006】そこで、ウォブリング技術を採用して、絵
素ずらし素子を導入し、奇数フィールドと偶数フィール
ドの画像を空間的にずらすことにより、垂直分解能を向
上させる方法が提案されている。これは、水平方向にも
適用され、水平分解能の向上も可能である。
【0007】こうした絵素ずらし素子は、液晶素子が位
相制御素子として用いられることが知られている。即
ち、この液晶素子を水晶板等の複屈折媒体と組み合わせ
て、ウォブリングされるべき表示素子等の光路中に配
し、印加電圧の切り換えによって液晶素子への入射光の
位相を変調して偏光面を回転させ、この回転の有無によ
って液晶素子からの出射光を複屈折媒体の複屈折効果で
光軸を選択的に所定方向(ウォブリング方向)へずらす
ようにしている。
【0008】
【発明に至る経過】ところが、上記したウォブリング用
の位相制御素子については、目的とするウォブリング効
果を得る上で、これまでの作製プロセスは必ずしも適切
なものではなく、再現性良くかつ容易に素子を作製でき
る方法が望まれていた。
【0009】しかも、これまでの作製プロセスでは、途
中の段階で特に人手が介入する場合にNaCl等による
イオンが混入し易いことが判明した。例えば、液晶配向
膜としてポリイミドをスピンコートで形成する際、ポリ
イミド原料(ポリアミック酸等)をフィルタに通すのに
用いられる注入器(注射器)がポリプロピレンからなっ
ていてその摺り合わせ部分にグリースが付着されている
ため、このグリースからポリイミド原料中にイオンが混
入することがある。
【0010】このようなイオンの混入は、上記以外の段
階でも発生することがあり、次の如き問題を引き起こす
ことが分かった。即ち、液晶セル中に混入したイオンに
よって、使用する液晶のメモリ性が悪くなり、コントラ
ストが低下すること、電界を印加したときにイオンの分
極により反電界が発生し、有効に電界が作用せず、応答
性能が劣化すること等を回避することができない。これ
は、ウォブリング用としては致命的な欠陥となることが
あり、これまではその有効な対策が講じられてはいない
のが実情である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ウォ
ブリング用の液晶位相制御素子を再現性よくかつ容易に
作製し、イオンの混入を効果的に防止すること等によっ
て常に良品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、光学的
に透明な基体上に光学的に透明な電極を形成する工程
と;この電極上に配向膜を形成する工程と、この配向膜
の形成前にイオンの混入を防止する第1の処置を施す工
程と;前記配向膜の形成後に複数の前記基体を前記対向
膜の側で対向させ、一定の間隙を置いて互いに接着する
工程と;前記間隙内に液晶を注入する工程と;この液晶
の注入前にイオンの混入を防止する第2の処置を施す工
程と;前記液晶の注入後に少なくとも液晶注入口を封止
する工程と;を有する、ウォブリング用位相制御素子の
製造方法に係るものである。
【0013】本発明の製造方法によれば、上記の各工程
の組み合わせにより、ウォブリング用の液晶位相制御素
子を確実にして容易に作製することができる。しかも、
上記の第1の処置と第2の処置によって、液晶素子の作
製プロセスのうち特にイオンの混入が生じ易い段階での
イオンの混入を十分に防止することができるため、得ら
れた素子は良好なメモリ性及びコントラストを示し、か
つ応答性が大幅に向上することが分かった。
【0014】本発明の製造方法においては、更に、上記
の液晶注入口の封止後に、液晶の電界処理後及び/又は
電界処理中に位相差又は可視分光スペクトルを測定する
ことが望ましい。即ち、この測定によって、位相制御素
子をウォブリング用として出荷する以前に、その性能に
不可欠な位相差又は可視分光スペクトル(透過率変化)
が仕様条件に適合しているか否かをチェックし、作製さ
れた素子の中に規定外の素子が存在している場合はこれ
を除き、良品のみを確実に提供することができるのであ
る。従って、ウォブリング素子の組み立てを含む出荷後
の工程の歩留りが向上し、また、不良品の発生原因を解
析して素子の作製条件にフィードバックすることもでき
る。
【0015】本発明の製造方法において、イオンの混入
を防止する上記の第1の処置として、配向膜がポリイミ
ドであるときには、ポリイミド原料(ポリアミック酸
等)をスピンコーティングに供する前にフィルタに供給
するための原料注入器をガラス製とすれば、既述した如
きグリースの使用は不要となり、原料がイオンで汚染さ
れることはない。
【0016】また、イオンの混入を防止する上記の第1
の処置として、配向膜が酸化シリコン蒸着膜(例えばS
iO斜方蒸着膜)であるときには、蒸着源収容器(例え
ばタンタル製ボート)を加熱処理及び/又は洗浄処理す
ることにより、容器から蒸着源(従って、配向膜)への
イオンの混入を効果的に防止できる。
【0017】イオンの混入を防止する上記の第1の処置
として、更に、電極の形成前に基体の洗浄を十分に行う
ことも望ましい。
【0018】また、イオンの混入を防止する上記の第2
の処置としては、液晶注入前に用いる液晶供給手段(例
えばステンレス製の注入針)を毎回交換することによっ
て、針に付着して残った液晶にイオンが付着しても、こ
うした針は新しい針と交換され、この新しい針が液晶の
注入に使用されるために、イオンの混入しない液晶を常
に供給することができる。
【0019】本発明において、上記の液晶として種々の
ものが使用可能である。その中でも、応答速度が速くて
ウォブリング用として好適である強誘電性液晶と反強誘
電性液晶と電傾効果を示すスメクチック液晶とから選ば
れた少なくとも1種からなる液晶を用いるのが望まし
い。
【0020】こうした液晶は、電界の作用に対して液晶
ダイレクタの方向が変化し易く、応答速度が非常に速い
(例えば、立ち上がり及び立ち下がり時間ともにμsec
オーダー〜数msecであって、ツイストネマチック液晶の
特に立ち下がり時間に比べてはるかに速い)ので、ビデ
オレートでの駆動が十分可能となる。それだけに、この
液晶を用いる場合、既述したイオンの混入による応答速
度の低下等は、液晶の特長を損なうことになるため、本
発明によるイオンの混入防止処置が極めて有効となる。
【0021】なお、本発明の製造方法で作製される位相
制御素子は、水晶板等の複屈折媒体と組み合わされてウ
ォブリング(絵素ずらし)素子を構成するものである。
このウォブリング素子により高解像度化されるべき素子
としては、表示素子又は撮像素子等の光学素子がある
が、これは、離散的画素から構成されるツイストネマチ
ック液晶、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶等の液晶表
示素子、発光ダイオード等の自発光型表示素子又はCC
D等であってよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0023】図1は、ウォブリング用の位相制御素子
(液晶セル)の製造工程における基本的なプロセスフロ
ーを示し、図2は、そのプロセスフローをより具体的に
示すものである。以下に、本発明に基づくこの液晶セル
の製造工程を詳細に説明する。
【0024】1.ガラス基板とその洗浄 コーニング7059基板(コーニング社製)をクリーン
ルーム内で三槽式超音波洗浄機(サン電子株式会社製)
を用いて下記のように洗浄及び乾燥処理する。 第1槽:アルカリ洗剤(スキャット×20)を水温45℃
にして揺動させながら、超音波洗浄を3分間行う。 第2槽:純水シャワーで揺動させながら、3分間の超音
波すすぎを3回行い、アルカリ洗剤を流し落とす。 第3槽:水温80℃の純水に1分間つけて、エレベーター
機構により徐々に引上げ、乾燥を行う。
【0025】そして、この洗浄後、さらにUVドライス
トリッパークリーナー(サムコインターナショナル研究
所株式会社製)で室温で10分間、UVオゾン洗浄を行
う。
【0026】この基板洗浄によって、基板に付着してい
たNaCl等によるイオンを十分に除去することはでき
る。しかし、以後のプロセスにおいて、特に人手が介入
する工程においてイオンが混入しがちであるので、これ
の対策を講じる必要がある。
【0027】2.透明電極の形成 次いで、このガラス基板の片面に、スパッタ法により透
明ITO層(インジウムにスズをドープしたIndium tin
oxideからなる透明導電膜)を形成し、フォトリソグラ
フィ法により所定の透明電極にパターニングを行う。こ
のパターニングの一般的な手順(A)〜(J)を以下に
示す。
【0028】(A)ITOスパッタ (B)レジストスピンコート (C)プリベーク (D)ポストベーク (E)露光 (F)エッチング (G)ITOエッチング (H)洗浄 (I)レジスト膜剥離 (J)洗浄
【0029】3.液晶配向膜の形成とイオンの混入防止
処置 このようにして40nm厚の透明ITO膜(面抵抗 100Ω/c
m2)を形成した基板に、以下に示す方法で配向膜(ポリ
イミド膜又はSiO斜方蒸着膜)を形成する。
【0030】ポリイミド膜(JALS214又はJAL
S246):液晶配向膜として、20〜100nm 厚にポリイ
ミド(JALS214又はJALS246:日本合成ゴ
ム株式会社製、濃度 1.5wt%)をスピンナー(協栄セミ
コンダクター株式会社製)で塗布する。この時のスピン
コートは、初め 1000rpm、10秒、次に 3000rpm、30秒の
条件で行い、その後、空気中で 180℃、20分のアニール
処理を行い、溶媒を除去する。
【0031】ポリイミド膜(オプトマーAL−152
4):液晶配向膜として、20〜100nm 厚にポリアミック
酸(オプトマーAL−1524:日本合成ゴム株式会社
製、濃度12wt%)をスピンナー(協栄セミコンダクター
株式会社製)で塗布する。この際、スピンコートは、初
め 1000rpm、4秒、次に 3500rpm、30秒の条件で行い、
その後、空気中で50℃、20分、更に 180℃、 120分の熱
処理を行い、イミド化させる。
【0032】上記したポリイミド膜を基板に形成する際
は、クリーンルーム内で温度20〜28℃、湿度45%以下の
条件で行うと、ポリイミドが基板にむらなくスピンコー
トされる。
【0033】そして、重要なことは、上記のポリイミド
膜のスピンコートに際し、その原料であるポリイミド又
はポリアミック酸をフィルタに通してからコーティング
に供するが、そのフィルタに原料を注入するために用い
る注入器(ここでは注射器)をガラス製にしていること
である。即ち、このガラス製の注入器は、既述したポリ
プロピレン製のものとは違ってグリースの使用は不要で
ある等、NaClの如きイオンの混入は可能な限り防ぐ
ことができるものである。
【0034】このようにして、イオンの混入を防止した
状態でポリイミド膜をスピンコートにより製膜した後、
液晶分子を一定方向に配向させるためにポリイミド膜の
ラビング処理を行う。
【0035】この場合、図3に示すように、支持台107
上で上下に位置調整可能なローラー100 に、バフ材101
としてベンベルグCFやレーヨンを巻付け、一列状に配
した複数のガラス基板20を基準線105 から望ましくはδ
=22.5°傾けて真空チャックし、基板20の押し込み量
0.1〜0.2mm 、ステージ104 の移動速度150mm/分、ロー
ラー100 の回転速度 95rpmの条件で2回ラビングを行
う。なお、基板20を固定した回転台102 は、ポンプ103
を駆動源としてローラー100 に対し案内レール(図示せ
ず)上で往復動可能なステージ104 上に設けられてい
る。
【0036】このようなラビングによって、基板20上の
配向膜22は、図4に110 で示す方向(即ち、Y方向に対
しδ=22.5度をなして)配向処理される。他方、同様の
処理を基板20に対向させる他方の基板21(図6参照)上
のポリイミド配向膜23にも行うと(但し、図5のように
基準線105 に対して上記とは反対側に角度δだけ傾け
る。)、配向処理方向110'はY方向に対しδ=22.5度を
なし、上記の配向処理方向110 とはX方向に関して鏡像
関係となっている。
【0037】なお、こうした角度δをδ=22.5度(許容
範囲としては、22.5度±5度、即ち、17.5度〜27.5度の
範囲)として、角度δの方向に配向処理すれば、スイッ
チング時にこの配向処理方向を中心としてその両側にほ
ぼ等角度に液晶ダイレクタを位置せしめ、図12〜図15で
後述する如くにスイッチングを良好に行わせることがで
きる。この配向方向110 又は110'は、後述する液晶ダイ
レクタの2つのスイッチ状態のなす角度の2等分線16に
対応している。しかも、この角度δの設定によって、素
子環境温度に対する依存性も軽減できる。
【0038】SiO斜方蒸着膜:液晶配向膜としてSi
O斜方蒸着膜を形成する場合を説明する。図6は、そう
したSiO斜方蒸着用の蒸着装置を概略的に示すもので
ある。
【0039】蒸着に際しては、真空槽80内で、SiO粉
末(純度 99.99%:フルウチ化学株式会社製)81を入れ
たタンタルボート(日本バックスメタル株式会社製)82
を電源120 を用いて加熱(抵抗加熱)することにより、
ボート82上のITO膜付きのガラス基板20に対し真空蒸
着する。
【0040】この場合、基板20の法線が蒸着源の垂直線
となす角を85度とし、基板温度 170℃、真空度8×10-6
Torr、蒸着速度0.1nm/sec 、基板方位角δを22.5度とい
う条件で行う。この斜方蒸着によるSiO配向膜を50nm
厚に製膜後、空気中で 300℃、 120分、アニール処理を
行う。基板20は複数枚をホルダ87の傾斜底面側に固定
し、また、真空槽80の内壁に沿う案内レール88にホルダ
87を連結杆89で取付け、案内レール88に沿って任意の位
置に周回できるようにしている。
【0041】上記のように、蒸着方向85に対して基板20
(又は21)の向き86を角度δ(=22.5度)傾斜させて配
し、SiO斜方蒸着を行うことにより、得られたSiO
配向膜22(又は23)の配向方向は、図4及び図5で示し
たと同様に、蒸着方向(即ち、Y方向)に対して角度δ
だけずれることになる。
【0042】このSiO斜方蒸着膜の形成に際し、予め
タンタルボート82を所定温度で加熱処理したり、洗浄を
十分に行うことによって、ボートに付着しているイオン
を蒸発若しくは除去させることが重要である。これによ
って、蒸着時にボートから蒸着源(即ち、蒸着膜)への
イオンの混入を効果的に防止することができる。
【0043】4.空セルの作製 上記のようにして配向膜を形成した2枚のガラス基板
を、クリーンルームのイエロールーム内(紫外線硬化型
接着剤使用のため)で、配向膜のラビング方向又は蒸着
方向が互いに反平行又は平行となるように対向させる。
この状態で、スペーサ(真絲球:触媒化成株式会社製)
を 0.3wt%含んだ紫外線硬化型接着剤(フォトレック:
積水ファインケミカル株式会社製)によって、両基板を
互いに貼り合わせる。
【0044】この貼り合わせに使用する上記接着剤のシ
ールパターンを形成するには、グラビア印刷によって形
成する方法、ディスペンサーによるシールパターンを任
意に形成する方法、シルクスクリーンによる印刷などの
方法があるが、ここでは、テトロン製のシルクスクリー
ンによる印刷を行う。そして、接着剤の印刷されていな
い側の基板を透明ITO膜が内側になるように接着剤の
印刷されている基板に重ね合わせて、ギャップをとりな
がら紫外線照射を約3〜5分行い、接着剤を硬化させ、
両基板を完全に貼り合わせる。
【0045】こうして作製した空セルのギャップ測定を
大塚電子株式会社製のMS−2000によって行う。
【0046】5.液晶の注入とイオンの混入防止処置 次に、上記のように2枚のガラス基板で作製した空セル
のギャップの中に、液晶、特に強誘電性液晶(CS−1
014:チッソ株式会社製、ZLI−3774又はZL
I−3775:メルク株式会社製など)を注入する。こ
の注入は、以下に示す2種類の方法のいずれかで行う。
【0047】 図7のように、シールパターン25で貼
り合わせた両基板20、21を角度α=約70度傾斜させた支
持台121 上にセットし、一方の基板(例えば20)の上端
位置に液晶15を付ける。そして、液晶15のSmA相から
* 相に変わる相転移温度の約5℃下にセットされた真
空オーブンに、約70度傾けた上記の状態で入れ、オーブ
ンを真空に引き、60分程度(セルギャップ中及び液晶か
ら空気が脱泡されるまで)置く。
【0048】次に、その液晶のIso相の相転移温度の
約15℃上の温度において液晶15を矢印122 方向に流下さ
せて注入口125 からセルギャップ内に注入し、大気圧に
戻して自然冷却する。この際、液晶が側方をつたわって
下方に回り込まないように、両側に紫外線硬化型ボンド
で突起部123 を形成しておく。なお、接着剤25は基板の
下部には設けていないが、注入された液晶に表面張力が
あるため、その下部から液晶が漏出することはない。
【0049】 図8のように、液晶15を入れたボート
124 を、その液晶のIso相への相転移温度の約10℃上
にセットされた真空オーブンに入れ、真空に引き、脱泡
する。脱泡終了後、ボート124 の中に空セルを浸漬し、
毛細管現象により液晶15を注入口126 から上方へ注入す
る。注入後、大気圧に戻し、自然冷却する。
【0050】この液晶の注入においては、図7のように
基板上端位置に液晶を付けたり、図8のようにボート12
4 に液晶を装入するのに、例えばステンレス鋼製の注入
針を使用する。ここでも、本発明に基いてイオン混入防
止処置を行う。即ち、注入針は、セルを作製する度に毎
回新しいものと交換することによって、針に付着した液
晶からイオンが、セル内に注入されるべき液晶に混入す
ることを防止できる。
【0051】6.液晶セルの完成 次に、液晶を注入したセルの注入口その他の開口を、液
晶の変質やもれを防ぐために紫外線硬化型ボンド(ソニ
ーケミカル社製UV1000)でふさぐ。この時、紫外
線によって液晶が変質してしまうのを防ぐために、アル
ミ板のような紫外線を通さない物で液晶部分をカバー
し、約3〜5分照射する。
【0052】このようにして作製したセルに周波数30Hz
で±30Vの矩形波を10秒間印加して電界処理を行い、液
晶分子を均一に配向させる。こうして、図9に示す如
く、ウォブリング用の位相制御素子としての強誘電性液
晶(FLC)素子3を完成させる。なお、図中の13、14
はITO透明電極、24は真絲球のスペーサである。
【0053】7.位相差測定又は可視分光スペクトルの
測定 上記の電界処理後に、セルの位相差測定をオーク製作所
株式会社製ADR−60XY(複屈折測定装置)にて行
って、Δn・dを測定し、複屈折率差Δnが、260前後
(632.8nm の光源での測定)となるようにd(つまり、
セルギャップ)を設定する。
【0054】或いは、上記の電界処理後又は電界印加中
の可視分光スペクトルを図9に示すようにして測定し、
500〜650nm の透過率をチェックする。
【0055】この測定に用いる光学システムは、偏光顕
微鏡(ニコン社製のOPTIPHOTO−POL)70、
可視分光光度計(大塚電子株式会社100)91、パーソ
ナルコンピュータとモニタ72から構成される。ハロゲン
光源73から出た光は偏光子74/FLC(強誘電性液晶)
素子3/検光子75を通り、石英ファィバー76を経由して
可視分光器91により分光され、そのスペクトルを得るこ
とができる。
【0056】ここで、セル3の水平方向又は垂直方向
(高解像度化したい後述の表示素子に対応した方向)を
偏光子74、検光子75と平行にし、双極性の電圧をセル3
に印加し、いずれかの極性の時の透過率が低い方の値を
モニタし、これを仕様と比較する。
【0057】即ち、偏光子74と検光子75は平行に設置し
てあり、FLC3により偏光面の回転を受けない場合
は、偏光子74を透過した光はほぼ 100%検光子75を透過
し、分光器91に導入される。しかし、FLC分子ダイレ
クタのY軸からのずれをζとし、ζがゼロでない場合、
偏光子74からの光は偏光面の回転を受ける。ζ=45度
で、さらにギャップを調整すると、偏光面を丁度90度回
転できるようになる。その結果、検光子75で透過せず、
透過率0%となる。
【0058】そして、上記した位相差測定又は可視分光
スペクトル測定をFLC素子(セル)3をウォブリング
素子の組み立て工程へ送る前(出荷前)に行うことが望
ましい。即ち、セルが仕様条件に適合しているか否かを
チェックし、作製された素子の中に規定外の素子が存在
している場合はこれを除き、規定値を示す良品のみを確
実に提供することができるのである。従って、ウォブリ
ング素子の組み立てを含む出荷後の工程の歩留りが向上
し、また、不良品の発生原因を解析して素子の作製条件
にフィードバックすることもできる。
【0059】以上に説明したように、本発明に基づくF
LC素子の製造方法によれば、上記の各工程の組み合わ
せにより、ウォブリング用の液晶位相制御素子を確実に
して容易に作製することができる。
【0060】しかも、上記したように、イオンの混入防
止処置を適切に行っているので、液晶素子の作製プロセ
スのうち特にイオンの混入が生じ易い段階でのイオンの
混入を十分に防止することができ、得られた素子は良好
なメモリ性及びコントラストを示す。
【0061】また、イオンの混入防止によって、液晶素
子に電界を印加した時に有効に電界がかかり、これによ
って応答速度が大きく向上する。これについて、図11に
測定データを示す。
【0062】図11によれば、素子に対し双極性の電圧を
印加したとき、イオンの混入のない本発明に基づく素子
は、イオンの混入した素子に比べて、立ち上がり特性が
大きく向上し、透過率(又はスイッチ状態の保持)も非
常に良好となり、応答性が大幅に向上していることが明
らかである。
【0063】上記した液晶セル3に使用可能な強誘電性
液晶はチッソ(株)製、メルク(株)製、BDH社製、
あるいは他の公知の強誘電性液晶化合物又は非カイラル
液晶からなる組成物でも可能であるが、その制限はな
く、また、その相系列の制限も必要とせず、必要なのは
使用温度範囲でカイラルスメクチック液晶相をとること
である。
【0064】また、スイッチングスピードが高速であれ
ば、例えば、下記の反強誘電性液晶(AFLC)や電傾
効果を示すスメクチックA相でも適用可能である。
【0065】<反強誘電性液晶>反強誘電性液晶は、C
handani らにより1988年に見出されたものであって、次
の3点を特徴としている。 (1)反強誘電状態と2つの強誘電状態の3安定状態間
のスイッチングを利用する。 (2)明確なしきい値特性を示し、マルチプレクス駆動
した時のコントラストを高くとれる。 (3)プラスとマイナスのヒステリシスを交互に使い、
内部分極の発生が抑えられるため、焼き付き現象が起こ
りにくい。
【0066】この反強誘電性液晶材料の特徴としては、
強誘電性液晶と異なり、カイラル液晶がその組成物のほ
とんどであるということ(自発分極が大きく、強誘電性
液晶のほぼ10倍)、不斉炭素に関する置換基はCH
3 基、CF3 基、C2 5 基をもつ化合物は容易に反強
誘電性を示し、コア構造が拡張する。例えば、チッソ社
製のCS−4000がある。
【0067】<電傾効果を示すスメクチック液晶>電傾
効果とは、カイラル分子によって構成されるスメクチッ
クA相において、温度を一定としたときに電場によって
配向ベクトルの傾き角が誘起される現象である。スメク
チックA相において、配向ベクトルはスメクチック層の
法線方向を向き、長軸回りに自由回転しているが、層に
沿った電場を印加することによって自由回転が阻害さ
れ、電場方向の分極Pが誘起される。
【0068】分極Pと傾き角θの線形結合をP=kθと
仮定すれば、 P=(ε⊥* −ε⊥0)εO Ε 従って、θ=(ε⊥* −ε⊥0)εO Ε/k のように、印加電場Eに比例した傾き角が生じる。ここ
で、ε⊥* とε⊥0は光学活性物質のラセミ体の誘電
率、εO は真空の誘電率である。このことから、カイラ
ル液晶のラセミ体のそれぞれの誘電率の差が大きいほ
ど、大きな電傾効果を現す。
【0069】次に、上記の液晶位相制御素子を用いたウ
ォブリング(絵素ずらし)について説明する。図12及び
図13は、ウォブリング素子を組み込んだ光学装置の一例
を概略的に示すものである。
【0070】この例は、本発明を液晶光学表示装置1に
適用したものであって、同一光路中に光の進行方向に沿
って順次配置された液晶表示素子(LCD)2と、位相
変調光学素子(位相制御素子)としての強誘電性液晶素
子(FLC)3と、水晶板等の透明基板からなる複屈折
媒体4との組み合わせによって構成されている。ここ
で、理解容易のために、各構成素子は、液晶表示素子L
CDの1つの構成表示画素5に対応した区画についてそ
れぞれ示されており、また、ポリイミド液晶配向膜等は
図示省略している(以下、同様)。
【0071】上記のLCD2の画素5は全体としてモザ
イク状等の離散的な画素配列からなっており、また、使
用される液晶はTN(ツイストネマチック)、STN
(超ツイストネマチック)、SH(スーパーホメオトロ
ピック)、更にはFLC等からなっている。このLCD
2は、図示省略したが、公知の如くにパネル自身に偏光
板を有し、出力光6は直線偏光を有している。
【0072】そして、この直線偏光6に対し、上記のF
LC3と複屈折媒体4とで構成されるウォブリング素子
(絵素ずらし素子)7によって平行方向又は垂直方向に
絵素ずらしが行われる。
【0073】このためには、FLC素子3の一つの異常
光軸8を表示画素5の偏光面9と平行あるいは垂直とな
るように配置し、更に、等価的に一軸性の光学軸(一軸
的な光学異方性)を有する透明基板4の異常光軸10のX
−Y面(入射側)への射影成分を偏光面9に対し、平行
(Y方向)あるいは垂直(X方向)に配置している。
【0074】FLC素子3に用いる液晶は、ビデオレー
トで高速スイッチング可能なものであって、カイラルス
メクチック液晶等が挙げられ、また、複屈折媒体4には
水晶板等が使用可能である。但し、FLCに代えて反強
誘電性液晶(AFLC)や、電傾効果を示すスメクチッ
ク液晶(例えばスメクチックA)も有効であり、また、
水晶板以外の複屈折素子も勿論使用可能である。
【0075】次に、この表示装置1におけるウォブリン
グ動作を概略的に説明する。
【0076】まず、図12のように、強誘電性液晶素子3
のスイッチ状態が状態1の場合、表示素子2側から照射
される光6の偏光面9と強誘電性液晶素子3の異常光軸
8が平行のため、透過光11は偏光面を維持したまま複屈
折を有する水晶板4に照射される。水晶板4では、入射
偏光面内に水晶の異常光軸10を含むため、Y軸方向に偏
光している光は水晶板4の異常光軸10の傾いている方向
へ屈折し、再び空気層へ12として出るとき光軸と平行に
なり、入射光の光軸とのずれがY方向に生じる。
【0077】一方、図13のように、強誘電性液晶素子3
のスイッチ状態が状態2の場合、偏光面9と異常光軸8
が約45度の角をなしているため、透過光11は異常光軸の
向きに回転し、直線偏光(Y軸方向)→楕円偏光→円偏
光→楕円偏光→直線偏光(X軸方向)と強誘電性液晶素
子3内を変化し、偏光面は初期状態から90度回転し、水
晶板4に照射される。水晶板4では、入射偏光面内に水
晶の異常光軸10を含まないため、光11は屈折しないでそ
のままの光軸を維持し、再び空気層へ出射光12として出
る。
【0078】このように、FLC3のスイッチ状態、即
ち、状態1と状態2での水晶板4による屈折の有無で光
軸をずらし、この光軸のずれを絵素ずらしの動作原理と
して用いることができる。
【0079】ここで、FLC3における上記スイッチ状
態を決める液晶のコーン角について説明する。強誘電性
液晶(反強誘電性液晶でも同様)では、電界印加による
液晶ダイレクタのスイッチング挙動としては、「液晶辞
典」(培風館発行)のP150に記載されている南部−ゴ
ールドストーンモードに従って液晶分子が仮想的なコー
ン上を動く。さらに、電傾効果を有するスメクチックA
液晶(同液晶辞典のP145)では、同液晶辞典のP119 に
記載されているソフトモードを利用した場合でも、コー
ン角に類似した各液晶組成物に固有のコーン角を有して
いる。
【0080】即ち、図14に示すようなITO(インジウ
ムにスズをドープしたIndium tin oxide) からなる透明
電極13−14間に挟まれた液晶15のコーンモデルを考え
る。コーンの開き角をコーン角θrと呼び、このコーン
角の透明電極の付いたガラス基板への投影を見かけのコ
ーン角θと呼ぶ。光学的にはこの見かけのコーン角θに
ついて考えれば良い。
【0081】この見かけのコーン角が図15のように45度
から外れる(例えば45+γ度:ここでγは45>γ>−4
5)場合、ウォブリング動作において、スイッチ状態の
片方の状態での液晶ダイレクタの光軸を理想的に表示素
子側偏光面に平行あるいは直交して合わせると、このス
イッチ状態では透過光の偏光面は変化しない。この場合
には、偏光面が回転していないため、例えば図12のよう
に、水晶板4の異常光軸10の方向に 100%の光が屈折
し、光軸からのずれを与える。この時、Z軸上の成分は
ほとんどない。
【0082】そして、もう一方のスイッチ状態では45+
γ度となるために、γが正の場合は透過光の偏光面は90
度以上の回転をし、γが負の場合は偏光面は90度まで回
転しない。偏光面が完全に90度回転した時には、図13に
示したようにZ軸上の成分がほぼ 100%となるが、図15
に示したように、偏光面の回転が90度からγの角度ずれ
る場合、偏光成分としてY軸方向の成分も増加してくる
ので、Z軸上以外に、Y方向にずれた成分が含まれるよ
うになる。従って、この場合には、本来高解像度化する
べき画素ずらしの効果が減ぜられてしまう。
【0083】そこで、図16に示すように、この画素ずら
し時の解像度の低下を改善するために、上記2つのスイ
ッチ状態のなす角の2等分線16が、表示素子からの光の
偏光面(Y方向)あるいは偏光面に対して直交した線
(X方向)に対してなす角δが、理想的には22.5度の角
度をなしていれば良いことがわかった。
【0084】このように、液晶ダイレクタ8の向きを配
置することにより、両方のスイッチ状態でクロストーク
を生じるようになるが、各スイッチ状態でのクロストー
クは小さく、かつ、その和は片側だけクロストークが生
じる場合よりも平均化されて少なくなるため、高解像度
化の効果を減ずることはないことがわかった。
【0085】上記と同様の考え方でδ軸の範囲を考える
と、見かけのコーン角θが26度あるいは64度の場合はδ
=22.5度のみとなるが、見かけのコーン角θが45度の
時、δの範囲はδ=22.5±10度以下が良く、更に好まし
くはδ=22.5±5度以下が必要であることを示してい
る。
【0086】ここで、コーン角θの範囲、さらには、2
スイッチ状態の2等分線が表示素子からの光の偏光面或
いはそれに直交する線とのなす角δは、以下のウォブリ
ングの実験結果から明確となった。
【0087】即ち、片側の軸固定の検討では、θ=26〜
64度の範囲で、ウォブリング効果により高解像度化すべ
き元の液晶表示素子の 240TV本から 370TV本以上へと高
解像度化できた。さらに、θ=36〜54度の範囲で、色付
きの少ない高解像度化ができた。そして、θ=36〜54度
の範囲でδ軸の位置を検討した結果、δ=22.5±10度
で、色付きがほとんどなく、 370本以上へと高解像度化
できることがわかった。さらに、θ=36〜54度、δ=2
2.5±5度の範囲で、フィールド間のクロストークが少
なくなり、フィールド間のコントラスト比が高まるた
め、さらに 400本以上へと高解像度化することが目視に
より確認された。
【0088】なお、ここでの解像度評価は、NTSCの
解像度評価用パターン(ビデオシグナルパターンジェネ
レータ:ソニー社製MTSG−1000)からの信号を
ビデオ入力し、白黒のラインの解像性を観測により判別
した。
【0089】図17に示すノーマリーホワイトのTN液晶
表示素子の場合、TN液晶に電界が印加されない状態で
光源からの光が透過するものである。ここでは、バック
ライト17−偏光板18−TN液晶2−偏光板19の組み合わ
せ、或いは、反射板−偏光板18−TN液晶2−偏光板19
の組み合わせが従来と同様のTN液晶表示素子を示す。
そして、TN液晶素子2、強誘電性液晶素子3にはそれ
ぞれ、透明電極がその両面に配置してあるのは言うまで
もない。
【0090】この場合、電界強度が増大するにつれてT
N液晶2のねじれが解除され、徐々に偏光板を通して光
がもれ、階調表示が実現されるが、いずれの透過光も強
誘電性液晶素子3の前で偏光板19により同一の直線偏光
になるため、上述した動作原理に従って絵素ずらしを行
うことができる。
【0091】図18に示すノーマリーブラックのTN液晶
表示素子の場合、TN液晶に電界が印加された状態で光
が透過するモードであり、電界強度が減少するにつれて
TN液晶2のねじれが徐々に復帰し、徐々に暗くなり、
階調表示が実現されるが、いずれの透過光も強誘電性液
晶素子3の前で偏光板19により同一の直線偏光になるた
め、上述した動作原理に従って絵素ずらしを行うことが
できる。
【0092】このように、どのようなタイプの液晶表示
素子でも、表示素子から出てくる光がほぼ直線偏光であ
れば、本発明を適用できることが明確である。
【0093】上述した例は、偏光を有する表示素子につ
いてのものであるが、本発明は無偏光の表示素子にも勿
論適用できる。
【0094】図19に示すように、表示画素5からの光の
偏光度が小さい場合、偏光にするために、表示素子2と
絵素ずらし素子7を結ぶ光路中に偏光板19を挿入すれば
良い。光学的配置条件は上述の液晶表示素子の場合と同
様である。
【0095】ここで使用可能な無偏光ディスプレイ2と
しては、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ等
の自発光型表示素子がある。
【0096】上述した如く、ビデオレートで駆動可能な
カイラルスメクチック液晶をはじめとした位相変調素子
(強誘電性液晶、反強誘電性液晶、あるいは電傾効果を
有するスメクチックA液晶)3を用いたウォブリング素
子7を離散的な画素から構成される液晶、プラズマ、L
ED等のディスプレイと観測者の網膜とを結ぶ光路中に
配置し、ウォブリング(絵素ずらし)を行うことができ
るが、ここで、位相変調素子3としては下記の〔1〕、
複屈折媒体としては下記の〔2〕が挙げられる。
【0097】〔1〕ビデオレートで駆動可能な強誘電性
液晶、反強誘電性液晶あるいは電傾効果を有するスメク
チックA液晶のスイッチ状態において、少なくとも2つ
の状態が存在し、そのうち少なくとも2つの状態の異常
光軸が26〜64度の角をなすカイラルスメクチック液晶素
子で偏光面を回転できるように光学配置した素子。
【0098】〔2〕入射された光の偏光方向により光軸
のずれを与える透明基板であり、具体的には(a)ウォ
ブリング方向に等価的に一軸性の異常光軸の成分を有す
るように配置したもの(b)光が透過する基板対向面が
平行でない基板であり、見かけの異常光軸が両平面に垂
直な平面に平行あるいは垂直である素子。
【0099】上記したウォブリング動作にとって、液晶
の偏光面を90度回転させるためには位相を 180度ずらせ
ば良い。複屈折率(ne −no )、セルギャップdと位
相差δの間には以下の関係がある。 δ=2πd(ne −no )/λ
【0100】ここで、δ=πとすればよい。このために
は、セルギャップdを d=λ/2(ne −no ) とすれば良いことになる。しかし実際には、液晶分子の
基板とのなす角α(プレチルト角)は0度でないため
に、ne は小さくなり、ギャップ長dをさらに長くとら
なければならない。
【0101】ここで、常光no は入射角に依存せず、液
晶分子短軸方向の屈折率n⊥に等しい。即ち、no =n
⊥である。
【0102】具体的にはne はプレチルト角αの関数で
あり、
【数1】
【0103】dは次のようにプレチルト角αに依存す
る。 d=λ/2〔ne (α)−no
【0104】即ち、配向膜の種類によりαを求め、上記
関係式をもとに最適ギャップdを計算できる。さらに、
プレチルト角αが90度では、上記式によりギャップ長d
は無限大となってしまうため、0〜89度のプレチルト角
が必要である。但し、プレチルト角を45度を超えて制御
するのは難しいため、実用的には0〜45度のプレチルト
角が好ましい。
【0105】ウォブリング(絵素ずらし)では、立ち上
がりと立ち下がりの応答時間がフィールド時間の1/3
以下で、かつ、立ち上がり時間と立ち下がり時間との比
が互いに2倍を越えないものが好ましい。
【0106】この点、ネマチック液晶を用いた場合は、
高速のものでも電界印加時の立ち上がり時間は比較的短
いが、オフ時の立ち下がり時間は長いために、フィール
ド内でのスイッチングが十分でなく、有効な絵素ずらし
効果が得られない。ツイストネマチックの絵素ずらし素
子では、透過率変化0〜90%での立ち上がり+立ち下が
り時間は最小で15msec 程度(室温)であり、NTSC
の2:1線飛越走査方式(1フィールド当たり1/60秒
(16.7ms))でもかなり実現が困難であり、さらにフ
レーム数が同じで4:1線飛越走査方式を適用すれば、
1フィールド当たり1/120 秒(8.3ms)であり、全く
追従できなくなる。
【0107】これに対し、強誘電性液晶素子を用いた絵
素ずらし法は、そのスイッチング時間がTN液晶よりも
短いため、有効であることがわかる。ちなみに、強誘電
性液晶素子の立ち上がり+立ち下がり時間はμsec オー
ダーから、最も遅いものでも数ms以下である。
【0108】下記の表1には、各種液晶の応答時間を比
較して示すが、本発明に使用可能な液晶の応答速度は著
しく早い。
【0109】上記した高解像度化技術(ウォブリング技
術)は直視型、反射型、投射型等、様式を問わずに使用
できる。このうち、図20〜図21に投射型ディスプレイの
二例をそれぞれ示した。
【0110】図20の例では、ハロゲンランプ17からの光
をコールドフィルタ43を通してバックライトとして表示
素子2に導き、上述したウォブリング処理後にレンズ系
44からスクリーン45へと画像が投影される。
【0111】図21はミラー型ディスプレイを示し、光源
17からの光をフィルタ46を通し、各ダイクロイックミラ
ー47によって所定の波長光(R、G、B)にそれぞれ分
離し、コンデンサーレンズ48から各ウォブリング素子に
入射され、ここでウォブリングされた後、再び合成され
てスクリーン45上に投影される。
【0112】上述した高解像度化技術は、ディスプレイ
として応用するため、可視光の波長範囲で使用する。
【0113】本発明は、上述した表示素子2に限らず、
離散的な画素から構成されるCCD等の撮像素子と被写
体とを結ぶ光路中に上述したウォブリング素子7を配置
する場合にも適用される。
【0114】本発明を図22及び図23に示した撮像装置71
に適用する場合も、上述した表示装置において述べた各
種の条件及び原理、説明が同様にして採用されることが
望ましい。以下においては、上述した表示装置について
の内容と同様のものは特に繰り返して説明しないが、そ
れに比べて、撮像装置に特有のものを主として説明する
こととする。
【0115】撮像素子、例えばCCDを用いるとき、被
写体と撮像素子53を結ぶ光路中に、被写体−偏光子−F
LC素子−複屈折基板−撮像素子の順序で配置される。
この場合、レンズ系、アイリス、波長制限フィルタは被
写体と撮像素子を結ぶ光路中のどこに配してもよい。
【0116】図22、図23に示すように、強誘電性液晶素
子3のスイッチ状態が状態1の場合、被写体50の側から
の照射光成分aは、レンズ51、絞り52を通った後、偏光
板19により絵素ずらし方向に偏光される。光の偏光面と
強誘電性液晶素子3の異常光軸8が平行のため、透過光
は偏光面を維持したまま複屈折を有する水晶板4に照射
される。水晶板4では、入射偏光面内に水晶の異常光軸
を含むため、Y軸方向に偏光している光は水晶板の異常
光軸の傾いている方向へ屈折し、再び空気層へ出るとき
光軸と平行になり、入射光の光軸とのずれが生じ、CC
D撮像素子53の各絵素に照射される。
【0117】一方、強誘電性液晶素子3のスイッチ状態
が状態2の場合、偏光面と異常光軸8が約45度の角をな
しているため、透過光は異常光軸の向きに回転し、直線
偏光(Y軸方向)→楕円偏光→円偏光→楕円偏光→直線
偏光(X軸方向)と強誘電性液晶素子内を変化し、偏光
面は初期状態から90度回転し、水晶板4に照射される。
水晶板4では、入射偏光面内に水晶の異常光軸を含まな
いため、屈折しないでそのままの光軸を維持し、再び空
気層へ出て、CCD撮像素子53の各絵素に照射される。
即ち、被写体のa’部分を撮像することになる。この状
態1と状態2の光軸のずれを絵素ずらしの動作原理とし
て用いることができることは理解されるであろう。
【0118】ビデオカメラ、スチルビデオカメラ等の光
学系の場合、外界からの入射光は概ね偏光していないの
で、外界(被写体)と強誘電性スイッチング素子の間に
偏光板を入れることを特徴とし、レンズ、絞りに対して
の位置関係を問わない。その他の光学配置は、被写体−
レンズ−絞り−偏光板−強誘電性スイッチング素子−一
軸的な光学異方性を有する透明基板−撮像素子の順であ
る。ここで組み合わせる撮像素子としては、CCD、M
OS型素子等、その種類を問わない。
【0119】こうした撮像素子は、表示素子とは異な
り、受光素子であるために、被写体の空間解像度(空間
分離能)を向上させることができる。ここでは、表示素
子のように順次方式ではなく、同時方式で行えるため、
FLC素子3のスイッチング部はCCD素子全面に同時
に作用してよく、位相変調素子3の空間的な電極分割を
必要としない。
【0120】即ち、例えばCCD撮像素子の画素も、離
散的なために光軸のずれがない場合には各画素にa、
b、cの位置分解能しかないが、フレームを分割し、ま
ずこのa、b、cの情報を同時方式で蓄積後、転送し、
次のフィールドで強誘電性液晶素子3の絵素ずらしによ
り、a’、b’、c’の位置情報を同時方式で蓄積後、
転送し、最初のフィールドとの再合成を行うことによ
り、垂直分解能が2倍に向上する。
【0121】上記したセルのビデオカメラ:ハンディカ
ムTR−1(ソニー社製)への具体的実装例を説明する
が、まず、それに使用可能な赤外カットフィルタ及びロ
ーパスフィルタについて説明する。
【0122】〔1〕通常の可視光の撮像の場合 CCD撮像素子などの半導体撮像素子は、その感度域が
380〜1200nmにまで広がっている。通常の可視光の画像
を撮像する場合には、本来人間の眼で感知できない近赤
外光域まで撮像してしまうため、画像に対して悪影響を
及ぼす。従って、図24のように赤外カットフィルタ61を
被写体50とCCD53との間に入れる必要がある。
【0123】ここでは、絵素ずらし素子に赤外カットフ
ィルタ(700nm以上の波長をカットする。)61を組み合わ
せる場合の例を示す。さらに、ウォブリング素子に用い
られている水晶板だけでは、高周波成分のカットが不十
分であるため、光学ローパスフィルタが必要である。そ
こで、一般に高画質のCCDビデオカメラに用いられて
いる7点ボケ用の水晶ローパスフィルタ(複数の水晶板
64からなる。)を組み込んだ(図24、図25)。
【0124】このローパスフィルタは、1枚の水晶板中
で入射光をその複屈折を利用して2点ボケにし、さらに
光軸の周りに回転させた他の水晶板の積層により2点像
を4点像に、さらに3枚目の水晶板で7点像としてぼか
し、ローパスフィルタ特性を向上させることができるも
のである。
【0125】即ち、このように入射光をぼかすことによ
り、画像情報の空間周波数の高い成分を除去でき、モア
レ縞及び色偽信号等の問題を回避することができる。但
し、水晶板1枚の場合は、y方向のみ高周波成分をカッ
ト若しくは分散できるが、上記ではx、yの両方向にお
いて高周波成分をカット若しくは分散でき、低周波成分
の感度を保持したまま高周波成分の画像への影響(結像
した画像出力にモアレ縞パターンや色偽信号が生じるこ
と)を一層なくすことができる。
【0126】こうしたローパスフィルタを用いない実装
例を図26に、同ローパスフィルタを用いた実装例を図27
に示した。いずれも、絵素ずらし素子(ウォブリング素
子)7はCCD53の前位に設けられている。
【0127】ローパスフィルタ64を用いる場合、ローパ
スフィルタの第1の異常光軸がウォブリング時の偏光と
30〜60°の角度をなすときは、ローパスフィルタの効果
は得られるが、それ以外ではローパスフィルタ特性がフ
ィールドで変化してしまう。このとき、絵素ずらし素子
7と光学ローパスフィルタとの間にλ/4板(図示せ
ず)を入れることにより、フィールド間でのローパスフ
ィルタ特性の差を低減し、ローパスフィルタ特性を十分
発揮できるようになる。
【0128】図28には、CCDを3つ用いた色分解カメ
ラシステムを示している。但し、CCDドライブ回路、
ウォブリング素子ドライブ回路は省略した。
【0129】〔2〕赤外光の撮像の場合 CCD撮像素子などの半導体撮像素子の近赤外光域を利
用し、本来人間の眼で感知できない近赤外光域のみを撮
像することができる。この場合、敢えて、赤外カットフ
ィルタを入れる必要はない。
【0130】この場合、赤外光だけを撮像するには、可
視光カットフィルタ(760nm以下をカットする。)を被写
体とCCDとの間に入れる必要がある。これにより、被
写体の温度分布等を撮像することができる。このときの
撮像波長は 700〜1200nmにまで及ぶため、絵素ずらし素
子の位相差はその半波長の 350〜600nm が必要である。
【0131】以上に述べたように、本発明に基づく位相
制御素子の使用によって、離散的画素からなるディスプ
レイや、離散的受光画素からなる固体撮像素子等に対し
て高速のウォブリング(絵素ずらし)を可能にし、高解
像度化を効率よく達成でき、モザイク状の点描画的画面
等を継ぎ目のない連続的な画面に向上させることができ
る。
【0132】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
【0133】例えば、液晶素子の作製工程は上述した例
のものに限定されることはなく、特にイオンの混入防止
処置(又は処理)は上述した段階以外でも行うことがで
きる。
【0134】また、上述した液晶素子をはじめ、各構成
部分の構造、材質や形状等は種々変更してよい。基板も
ガラス板ではなく、他の光学的に透明な材質であればよ
い。液晶についても、種々のものが採用可能である。
【0135】本発明が適用される対象は、上述した表示
装置、撮像装置以外の光学システムにも適用できること
は勿論である。
【0136】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、光学的に透
明な基体上に光学的に透明な電極を形成する工程と;こ
の電極上に配向膜を形成する工程と、この配向膜の形成
前にイオンの混入を防止する第1の処置を施す工程と;
前記配向膜の形成後に複数の前記基体を前記対向膜の側
で対向させ、一定の間隙を置いて互いに接着する工程
と;前記間隙内に液晶を注入する工程と;この液晶の注
入前にイオンの混入を防止する第2の処置を施す工程
と;前記液晶の注入後に少なくとも液晶注入口を封止す
る工程と;によって、ウォブリング用位相制御素子を製
造方法しているので、ウォブリング用の液晶位相制御素
子を確実にして容易に作製することができる。
【0137】しかも、上記の第1の処置と第2の処置に
よって、液晶素子の作製プロセスのうち特にイオンの混
入が生じ易い段階でのイオンの混入を十分に防止するこ
とができるため、得られた素子は良好なメモリ性及びコ
ントラストを示し、かつ応答性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくウォブリング用液晶セル(位相
制御素子)の製造方法を示す概略プロセスフロー図であ
る。
【図2】同製造方法の具体的なプロセスフロー図であ
る。
【図3】同液晶セルのポリイミド配向膜のラビング装置
の概略斜視図である。
【図4】同ラビングによる配向処理方向を示す概略平面
図である。
【図5】他の基板に対するラビングによる配向処理方向
を示す概略平面図である。
【図6】同液晶セルのSiO配向膜の斜方蒸着装置の概
略断面図である。
【図7】同液晶セルの液晶注入時の要部斜視図である。
【図8】同液晶セルの他の方法による液晶注入時の要部
斜視図である。
【図9】同液晶セルの概略断面図である。
【図10】同液晶セルの可視分光スペクトルの測定システ
ムとその分光スペクトル図である。
【図11】印加電圧による液晶セルの透過率変化を比較し
て示すタイミングチャートである。
【図12】同液晶セルをウォブリング素子に用いた表示装
置の状態1での概略図である。
【図13】同表示装置の状態2での概略図である。
【図14】同表示装置に用いる強誘電性液晶(FLC)の
コーン角の説明図である。
【図15】同表示装置におけるFLCの異常光軸のずれを
説明するための図13と同様の概略図である。
【図16】改善された液晶ダイレクタ方向の説明図であ
る。
【図17】同表示装置にノーマリーホワイトのTN液晶表
示素子を用いた場合の概略図である。
【図18】同表示装置にノーマリーブラックのTN液晶表
示素子を用いた場合の概略図である。
【図19】偏光度の小さい表示素子を用いた表示装置の概
略図である。
【図20】上記表示装置を適用したディスプレイの断面図
である。
【図21】ディスプレイへの他の適用例の断面図である。
【図22】上記液晶セルをウォブリング素子に用いた撮像
装置の状態1での概略図である。
【図23】同撮像装置の状態2での概略図である。
【図24】水晶光学ローパスフィルタの実装状態の概略図
である。
【図25】同水晶フィルタ3枚により生じるボケを説明す
る原理図である。
【図26】上記撮像装置の実装例の断面図である。
【図27】他の実装例の断面図である。
【図28】更に他の実装例の断面図である。
【符号の説明】
1・・・(液晶光学)表示装置 2・・・(液晶)表示素子 3・・・強誘電性液晶素子(位相制御素子) 4・・・複屈折媒体 5・・・表示画素 7・・・ウォブリング素子(絵素ずらし素子) 8、10・・・異常光軸 9・・・偏光方向 13、14・・・透明電極 15・・・液晶 17・・・光源 18、19・・・偏光板 20、21・・・透明基板 22、23・・・配向膜 25・・・接着剤(シールパターン) 50・・・被写体 53・・・CCD素子 61・・・赤外カットフィルタ 64・・・光学ローパスフィルタ 71・・・撮像装置
フロントページの続き (72)発明者 松居 恵理子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 高梨 英彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 秀 史朝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 楊 映保 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に透明な基体上に光学的に透明な
    電極を形成する工程と;この電極上に配向膜を形成する
    工程と、この配向膜の形成前にイオンの混入を防止する
    第1の処置を施す工程と;前記配向膜の形成後に複数の
    前記基体を前記対向膜の側で対向させ、一定の間隙を置
    いて互いに接着する工程と;前記間隙内に液晶を注入す
    る工程と;この液晶の注入前にイオンの混入を防止する
    第2の処置を施す工程と;前記液晶の注入後に少なくと
    も液晶注入口を封止する工程と;を有する、ウォブリン
    グ用位相制御素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 液晶注入口の封止後に、液晶の電界処理
    後及び/又は電界処理中に位相差又は可視分光スペクト
    ルを測定する、請求項1に記載した製造方法。
  3. 【請求項3】 イオンの混入を防止する第1の処置とし
    て、配向膜がポリイミドであるときには、ポリイミド原
    料をフィルタに供給する原料注入器をガラス製とする、
    請求項1又は2に記載した製造方法。
  4. 【請求項4】 イオンの混入を防止する第1の処置とし
    て、配向膜が酸化シリコン蒸着膜であるときには、蒸着
    源収容器を加熱処理及び/又は洗浄処理する、請求項1
    又は2に記載した製造方法。
  5. 【請求項5】 イオンの混入を防止する第1の処置とし
    て、更に基体の洗浄も行う、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載した製造方法。
  6. 【請求項6】 イオンの混入を防止する第2の処置とし
    て、液晶注入前に用いる液晶供給手段を毎回交換する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載した製造方法。
  7. 【請求項7】 液晶として、強誘電性液晶と反強誘電性
    液晶と電傾効果を示すスメクチック液晶とから選ばれた
    少なくとも1種からなる液晶を用いる、請求項1〜6の
    いずれか1項に記載した製造方法。
JP20175293A 1993-07-22 1993-07-22 ウォブリング用位相制御素子の製造方法 Pending JPH0736013A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007319800A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Ulvac Japan Ltd インク塗布装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007319800A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Ulvac Japan Ltd インク塗布装置

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