JPH0735996U - 瓦乾燥用パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一パレットによりのし瓦と桟瓦の両方を乾
燥させることができ、しかも設備費用を削減できる瓦乾
燥用パレットを提供する。 【構成】 平行な基材１の間に瓦受け用の多数の受け型
を配置する。これらの受け型は、中央の共通受け型２
と、その両側に配置されたのし瓦用受け型５と、更にそ
の両外側に配置された桟瓦用受け型６とからなり、のし
瓦と桟瓦のいずれをも積載して乾燥させることができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、瓦を乾燥炉で乾燥させる際に使用される瓦乾燥用パレットに関する ものであり、特にのし瓦と桟瓦のいずれにも使用できる瓦乾燥用パレットに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

瓦は焼成前に乾燥炉に通して乾燥させるが、のし瓦と桟瓦については平乾燥の 技術が確立されており、従来から平行な基材の間に瓦受け用の受け型を配置した 瓦乾燥用パレットの上に平らに載せて乾燥されている。こののし瓦と桟瓦は組み 合わせて施工されるものであるが、例えばともにＪＩＳの五三Ａ判であっても、 のし瓦と桟瓦とでは外形サイズや形状が異なる。このために同一の瓦乾燥用パレ ットを使用することはできず、従来はのし瓦専用の瓦乾燥用パレットと、桟瓦専 用の瓦乾燥用パレットとが個別に使用されていた。しかしこのためにはそれぞれ に瓦乾燥用パレットが必要となり不経済であった。

【０００３】 そこで同一の基材の表裏両面に、のし瓦用の瓦受け用の受け型と、桟瓦用の瓦 受け用の受け型とを取り付けた瓦乾燥用パレットも使用されている。ところがこ のような表裏型の瓦乾燥用パレットは、高さ方向の寸法が大きくなるので、乾 燥炉の設備寸法を大きくする必要があること、瓦乾燥用パレットの表裏反転機 構が必要となること、１パレット当りの積載枚数がのし瓦と桟瓦とで異なるた め、積み降ろし設備が二重に必要となること等の多くの問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記した従来の問題点を解決し、同一パレットによりのし瓦と桟瓦の 両方を乾燥させることができ、しかも設備費用を従来よりも削減することができ る瓦乾燥用パレットを提供するためになされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案は、平行な基材の間に瓦受け用の 多数の受け型を配置した瓦乾燥用パレットであって、これらの受け型が中央の共 通受け型と、その両側に配置されたのし瓦用受け型と、更にその両外側に配置さ れた桟瓦用受け型とからなることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案の瓦乾燥用パレットは、中央の共通受け型とその両側に配置されたのし 瓦用受け型とを使用してのし瓦を乾燥させることができ、また中央の共通受け型 とのし瓦用受け型の両外側に配置された桟瓦用受け型とを使用して桟瓦を乾燥さ せることができる。このため、同一の瓦乾燥用パレットによりのし瓦と桟瓦の両 方を乾燥させることができる。しかも、のし瓦用として使用する場合にも桟瓦用 として使用する場合にも積載枚数に差が生じないので、積み降ろし設備が二重に 必要となることはない。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案を図示の実施例によって更に詳細に説明する。 図１は本考案の実施例の瓦乾燥用パレットの斜視図であり、図２はその中心線 の片側部分の拡大斜視図である。実施例では中心線の左右が同型であって同時に ２枚の瓦が乾燥できるが、１枚のパレット当りの瓦の積載枚数については種々の 変形が可能である。実施例の瓦乾燥用パレットは全体がステンレススチール等の 耐熱金属製のもので、１、１はチャンネル材よりなる二本の平行な基材であり、 これらの基材１、１の間に多数の受け型が配置されている。２は中央の共通受け 型であり、実施例では貫通孔３を備えた５個の突起４よりなる。図３、図４に示 すように、この共通受け型２はのし瓦20と桟瓦30の中央部分を支えるためのもの である。

【０００８】 この共通受け型２の両側には、のし瓦用受け型５が配置されている。こののし 瓦用受け型５は、図３に示すようにのし瓦20の背側の２か所を支えるためのもの で、その上面はのし瓦20の背の形状に合わせた傾斜面とされている。この傾斜面 にも多数の貫通孔３が形成されている。

【０００９】 これらののし瓦用受け型５の両外側には、桟瓦用受け型６がそれぞれ配置され ている。これらの桟瓦用受け型６は、図４に示すように桟瓦30の桟山31の裏面と 、襟側の裏面とを支えるためのもので、その上面は桟瓦30の裏面形状に合わせた 湾曲面あるいは傾斜面とされている。この上面にも多数の貫通孔３が形成されて いる。これらの各貫通孔３は、乾燥炉に通したときに炉内ガスが瓦の表面に十分 に接触するようにするためのものである。なお、ＪＩＳの五三Ａ判の瓦用の場合 、のし瓦用受け型５、５の外側面間の距離は210mm であり、桟瓦用受け型６、６ の外側面間の距離は290mm である。また各受け型の横幅は約250mm である。

【００１０】 このように構成された本考案の瓦乾燥用パレットは、図３のように共通受け型 ２とその両側ののし瓦用受け型５を使用してのし瓦20を支持することができる。 実施例のＪＩＳの五三Ａ判の場合はもちろん、その他の判の場合にものし瓦20の 外形寸法は桟瓦用受け型６、６の内側寸法よりも小さいため、図３の状態におい てのし瓦20が桟瓦用受け型６と接触することはなく、乾燥が行われる。

【００１１】 また図４に示すように、共通受け型２とその両外側の桟瓦用受け型６を使用し て、桟瓦30を支持させることができる。このため、本考案の瓦乾燥用パレットは のし瓦20と桟瓦30のいずれをも積載して乾燥させることができるとともに、のし 瓦20と桟瓦30のいずれの場合にもパレット１枚当りの瓦の乾燥枚数が同一である から、二重の設備が必要となることもない。なお、のし瓦20と桟瓦30とでは１枚 当りの質量が相違するために、本考案の瓦乾燥用パレットに積載して乾燥炉に入 れた場合の炉内の乾燥質量が変わることとなるが、最近の技術によれば温度カー ブを崩すことなく送車スピードの変更が容易に行えるので、問題が生ずるおそれ はない。

【００１２】

【考案の効果】 以上に説明したように、本考案の瓦乾燥用パレットは同一面を使用してのし瓦 と桟瓦のいずれをも平乾燥させることができるものであり、表裏反転機構は不要 である。しかもその積載枚数はのし瓦と桟瓦とで同一であるから、従来のように 積み降ろし設備が二重に必要となることはなく、設備費用の削減を図ることがで きる。よって本考案は従来の問題点を解消した瓦乾燥用パレットとして、その実 用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】 実施例の瓦乾燥用パレットの片側部分の斜視
図である。

【図３】 のし瓦を積載した状態の側面図である。

【図４】 桟瓦を積載した状態の側面図である。

【符号の説明】

１ 平行な基材 ２ 中央の共通受け型 ５ のし瓦用受け型 ６ 桟瓦用受け型

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行な基材(1) の間に瓦受け用の多数の
   受け型を配置した瓦乾燥用パレットであって、これらの
   受け型が中央の共通受け型(2) と、その両側に配置され
   たのし瓦用受け型(5) と、更にその両外側に配置された
   桟瓦用受け型(6)とからなることを特徴とする瓦乾燥用
   パレット。