JPH0735779U - 斜板式圧縮機 - Google Patents

斜板式圧縮機

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JPH0735779U
JPH0735779U JP6578493U JP6578493U JPH0735779U JP H0735779 U JPH0735779 U JP H0735779U JP 6578493 U JP6578493 U JP 6578493U JP 6578493 U JP6578493 U JP 6578493U JP H0735779 U JPH0735779 U JP H0735779U
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swash plate
piston
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謙治 斉藤
正勝 榊
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 稼働中のみならず起動時にも斜板とシューと
の間に良好な摺動性をもたせた斜板式圧縮機の提供。 【構成】 回転軸4に固定した斜板7の軸方向端面のう
ちピストン17の下死点側に対応する部分に複数の放射
状の溝51を設ける。斜板の軸方向端面をピストンの下
死点側に対応した部分と上死点側に対応した部分とに分
ける第1の線分を想定する。前述の溝は、第1の線分に
直交する第2の線分上で交差する方向に所定曲率をもっ
てのびた所定曲線に沿って形成されてもよい。ピストン
は回転軸の周りのシリンダボア12に摺動自在に配され
ている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は斜板式圧縮機に関し、特に、斜板とシューとの摺動性の改良に関する 。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧縮機の一例は特公平1−35190号公報に開示されている。その 圧縮機は、回転軸の軸心に対し傾斜しかつこの軸心の回りで回転駆動される斜板 を含んでいる。軸心の周りには、軸心と平行なシリンダボアが形成されている。 即ち、シリンダボアは軸心から偏心している。そのシリンダボアにはピストンが 摺動自在に配されている。また斜板とピストンとの間にシューと呼ばれる部材が 介在している。シューはピストンに保持され、斜板の回転時にその斜板に摺接す る。ここでは斜板の回転時にシューに摺接する部分を摺接部と呼ぶ。
【0003】 回転軸を回転駆動すると、それにしたがって斜板が軸心の周りで回転し、シュ ーを介してピストンをシリンダボア内で往復動させる。この結果、所定の圧縮作 用が得られる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
運転時には、斜板とシューとは大きな荷重及び大きな速度をもって摺動するた めここには油膜が形成され難い。特に起動時には静止摩擦力と無潤滑に等しい摺 動条件が重なって斜板とシューとの間に焼き付きや摩耗を起こしやすい。焼き付 きが許されないのは勿論のこと、摩耗もまた斜板とシューとの隙間を増大させる ことになり騒音増加の原因になるため問題である。
【0005】 それ故に本考案の課題は、稼働中のみならず起動時にも斜板とシューとの間に 油膜が形成されやすい斜板式圧縮機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案によれば、軸心に対し傾斜しかつ該軸心の回りで回転駆動される斜板と 、前記軸心と平行なシリンダボアと、前記シリンダボアに摺動自在に配されたピ ストンと、前記斜板と前記ピストンとに介在しかつ前記ピストンに保持されたシ ューとを有する斜板式圧縮機において、前記斜板の軸方向端面のうち前記ピスト ンの下死点側に対応する部分のみに複数の放射状の溝を設けたことを特徴とする 斜板式圧縮機が得られる。
【0007】 また本考案によれば、軸心に対し傾斜しかつ該軸心の回りで回転駆動される斜 板と、前記軸心と平行なシリンダボアと、前記シリンダボアに摺動自在に配され たピストンと、前記斜板と前記ピストンとに介在しかつ前記ピストンに保持され たシューとを有する斜板式圧縮機において、前記斜板の軸方向端面のうち前記ピ ストンの下死点側に対応する部分のみに、前記ピストンの上死点側に対応する部 分の中央と下死点側に対応する部分の中央とを結ぶ線分の上で交差する方向にの びた複数の溝を設けたことを特徴とする斜板式圧縮機が得られる。前記複数の溝 は、好ましくは、前記線分の両側に前記線分に関して互いに対称に設けられる。 前記複数の溝の各々は、好ましくは、曲線に沿ってのびている。
【0008】
【実施例】
図1〜図3は本考案の一実施例による斜板式圧縮機を示す。図1を参照して、 この斜板式圧縮機は例えば自動車用空調装置の冷凍回路に使用されるものであり 、フロントシリンダブロック1と、これに突合わされたリアシリンダブロック2 とを含んでいる。フロントシリンダブロック1とリアシリンダブロック2は合せ て圧縮機本体3を構成している。
【0009】 圧縮機本体3の中心部には回転軸4が挿通されている。回転軸4はフロントシ リンダブロック1及びリアシリンダブロック2にラジアル軸受5,6を夫々介し て回転可能に支持されている。回転軸4には、その軸心に対し傾斜した斜板7が 嵌合しかつスプリングピン8によって固定されている。したがって、回転軸4が 回転駆動されると、斜板7は回転軸4とともにその軸心の回りで回転駆動される 。9及び11はスラスト軸受である。
【0010】 フロントシリンダブロック1とリアシリンダブロック2の各々には、回転軸4 の周囲に軸心と平行にのびた複数のシリンダ素子が形成されている。フロントシ リンダブロック1のシリンダ素子とリアシリンダブロック2のシリンダ素子とは 一対一で対応して互いに連通してシリンダボア12を構成している。したがって 圧縮機本体3は回転軸4の周囲に複数のシリンダボア12を有している。
【0011】 フロントシリンダブロック1とリアシリンダブロック2にはさらに、シリンダ ボア12の相互間にフロント吐出通路13とリア吐出通路14とが夫々形成され ている。フロント吐出通路13とリア吐出通路14は、圧縮機本体3に接続され た吐出フランジ15に形成した共通通路16に連通している。
【0012】 各シリンダボア12には、ピストン17が軸心と平行に摺動可能に配されてい る。ピストン17は軸方向中央部に空所を有し、この空所に斜板7の周辺部が挿 入されている。斜板7の軸方向両面とピストン17の空所の内面との間には鉄系 の材料で作ったシュー18が介在している。シュー18は球面部と平面部とで規 定される半球状を呈し、ピストン17に形成した球状凹面19に球面部が接した 状態でピストン17に保持されている。シュー18の平面部は斜板7に接してい る。斜板7は回転時にはその軸方向両面の各々の一部がシュー18に摺接する。
【0013】 さらに圧縮機本体3の軸方向両端面には、フロント弁板アセンブリ21及びリ ア弁板アセンブリ22を介して、フロントハウジング23及びリアハウジング2 4が備えられている。フロントハウジング23は、軸心の近くにフロント吸入室 25をまたその周囲にフロント吐出室26を形成している。またフロントハウジ ング23の内部には、軸封装置27,28が備えられている。これらの軸封装置 の一方27は回転軸4を回転可能に支持する。軸封装置の他方28は回転軸4と フロントハウジング23との隙間を実質的に封止するものである。リアハウジン グ24は、軸心の近くにリア吸入室31をまたその周囲にリア吐出室32を形成 している。
【0014】 フロント弁板アセンブリ21は、フロント弁板33と、この両面上のフロント 吸入弁34及びフロント吐出弁35とを含んでいる。フロント弁板33は、フロ ント吸入室25をシリンダボア12に連通させたフロント吸入孔36と、フロン ト吐出室26をシリンダボア12に連通させたフロント吐出孔37と、フロント 吐出室26をフロント吐出通路13に連通させたフロント連通孔38とを有して いる。フロント吸入弁34はフロント吸入孔36に対向している。フロント吐出 弁35はフロント吐出孔37に対向している。
【0015】 リア弁板アセンブリ22は、リア弁板41と、この両面上のリア吸入弁43及 びリア吐出弁42とを含んでいる。リア弁板41は、リア吸入室31をシリンダ ボア12に連通させたリア吸入孔44と、リア吐出室32をシリンダボア12に 連通させたリア吐出孔45と、リア吐出室32をリア吐出通路14に連通させた リア連通孔46とを有している。リア吸入弁43はリア吸入孔44に対向してい る。リア吐出弁42はリア吐出孔45に対向している。
【0016】 図示を省略した自動車のエンジン又は電動機等で回転軸4を回転駆動すると、 それにしたがって斜板7が軸心の周りで回転し、シュー18を介してピストン1 7をシリンダボア12内で軸方向に往復動させる。ピストン17の往復動にした がい次に説明するように冷媒ガスの圧縮作用が得られる。なお冷媒ガスは、通常 、潤滑油を含んでいる。
【0017】 冷媒ガスはフロント及びリアの吸入室25,31に図示を省略した通路を通し て供給され、フロント及びリアの吸入孔36,44を通ってシリンダボア12に 吸入される。シリンダボア12でピストン17にて圧縮された後、冷媒ガスはフ ロント及びリアの吐出孔37,45を通ってフロント及びリアの吐出室26,3 2に吐出される。さらに冷媒ガスはフロント及びリアの連通孔38,46を及び フロント及びリアの吐出通路13,14を通って共通通路16に送り出される。
【0018】 図2(a),(b)及び図3を参照して、斜板7の軸方向両面の各々は、第1 の線分51によって分けられた、ピストン17の下死点側に対応する部分52と 上死点側に対応する部分53とよりなる。斜板7の軸方向両面の各々には、ピス トン17の下死点側に対応する部分52にのみ複数の溝54を形成する。これら の溝54は周方向で互いに等間隔をもって配されている。溝54の各々は放射方 向に直線的にのびている。ピストン17の上死点側に対応する部分53は平坦面 とされている。
【0019】 これによると、冷媒ガスに含まれた潤滑油が溝54に保持されることになる。 したがって稼働時には斜板7とシュー18との間に油膜が速やかに形成されるた め潤滑性が向上し、発熱や焼き付きや摩耗という問題は解消される。さらに圧縮 機停止中は潤滑油が溝54に保持されるので、再起動時においても油膜が瞬時に 形成され良好な潤滑性が維持される。また摩耗を防止できるため、斜板7とシュ ー18との隙間の増大による騒音も低減できる。
【0020】 なお溝54の横断面形状は、図3に一例として半円形を示したが、これに限ら ず、様々な形状を採り得る。
【0021】 図4(a),(b)は斜板7の変形例を示す。この斜板7においては、複数の 溝54の各々は、第1の線分51に直交した第2の線分55の上で交差する方向 に所定曲率をもってのびた所定曲線に沿って形成されている。ここで第2の線分 55は、ピストン17の下死点側に対応する部分52の中央と上死点側に対応す る部分53の中央とを結ぶ線分である。
【0022】 第2の線分55の所定曲線の方向は、斜板7の軸方向端面上でのシュー18の 軌跡に沿った方向である。しかもこれらの溝54は第2の線分55の両側にその 第2の線分55に関して互いに対称に設けられている。
【0023】 これによると、溝54が少数であってもシュー18の摺動面が絶えず溝54に 対向する状態が得られ、連続的に潤滑できる。また回転軸4がいずれの方向に回 転した場合、即ち、正転方向及び逆転方向のいずれに動作した場合であっても、 潤滑性が良好に保たれる。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、稼働中のみならず起動時にも斜板とシ ューとの間に良好な油膜が形成される斜板式圧縮機を提供できる。したがって斜 板とシューとの間の潤滑性が良好に保たれ、両者間での発熱や焼き付きや摩耗と いう問題は解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による斜板式圧縮機の縦断面
図である。
【図2】図1の斜板式圧縮機に含まれた斜板と回転軸と
の組合せ体を示し、(a)は図1のa方向矢視図、
(b)は図1のb方向矢視図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿った断面図である。
【図4】斜板と回転軸との組合せの変形例を示し、
(a)は図1のa方向矢視図、(b)は図1のb方向矢
視図である。
【符号の説明】
3 圧縮機本体 4 回転軸 7 斜板 12 シリンダボア 17 ピストン 18 シュー 51 第1の線分 54 溝 55 第2の線分

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心に対し傾斜しかつ該軸心の回りで回
    転駆動される斜板と、前記軸心と平行なシリンダボア
    と、前記シリンダボアに摺動自在に配されたピストン
    と、前記斜板と前記ピストンとに介在しかつ前記ピスト
    ンに保持されたシューとを有する斜板式圧縮機におい
    て、前記斜板の軸方向端面のうち前記ピストンの下死点
    側に対応する部分に複数の放射状の溝を設けたことを特
    徴とする斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】 軸心に対し傾斜しかつ該軸心の回りで回
    転駆動される斜板と、前記軸心と平行なシリンダボア
    と、前記シリンダボアに摺動自在に配されたピストン
    と、前記斜板と前記ピストンとに介在しかつ前記ピスト
    ンに保持されたシューとを有する斜板式圧縮機におい
    て、前記斜板の軸方向端面のうち前記ピストンの下死点
    側に対応する部分に、前記ピストンの上死点側に対応す
    る部分の中央と下死点側に対応する部分の中央とを結ぶ
    線分の上で交差する方向にのびた複数の溝を設けたこと
    を特徴とする斜板式圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の斜板式圧縮機において、
    前記複数の溝は前記線分の両側に前記線分に関して互い
    に対称に設けられていることを特徴とする斜板式圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の斜板式圧縮機において、
    前記複数の溝の各々は曲線に沿ってのびていることを特
    徴とする斜板式圧縮機。
JP1993065784U 1993-03-10 1993-12-09 斜板式圧縮機 Expired - Lifetime JP2587488Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993065784U JP2587488Y2 (ja) 1993-12-09 1993-12-09 斜板式圧縮機
US08/207,640 US5495789A (en) 1993-03-10 1994-03-09 Swash plate type compressor with lubricating mechanism between the shoe and swash plate
EP94301704A EP0623745B1 (en) 1993-03-10 1994-03-10 Swash plate type compressor with lubricating mechanism of shoe and swash plate
DE69414697T DE69414697T2 (de) 1993-03-10 1994-03-10 Schiefscheibenverdichter mit Schmiervorrichtung für Gleitschuh und Schiefscheibe
DE69400347T DE69400347T2 (de) 1993-03-10 1994-03-10 Schiebscheibenverdichter mit Schmiervorrichtung für Gleitschuh und Schiebscheibe
EP95114645A EP0688953B1 (en) 1993-03-10 1994-03-10 Swash plate type compressor with lubricating mechanism between the shoe and swash plate

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JPH0735779U true JPH0735779U (ja) 1995-07-04
JP2587488Y2 JP2587488Y2 (ja) 1998-12-16

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