JPH0735632B2 - 弾性不織布およびその製造方法 - Google Patents

弾性不織布およびその製造方法

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JPH0735632B2
JPH0735632B2 JP61021793A JP2179386A JPH0735632B2 JP H0735632 B2 JPH0735632 B2 JP H0735632B2 JP 61021793 A JP61021793 A JP 61021793A JP 2179386 A JP2179386 A JP 2179386A JP H0735632 B2 JPH0735632 B2 JP H0735632B2
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泰三 杉原
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【発明の詳細な説明】 本発明は伸長回復率の優れたポリオレフイン系不織布に
関する。
融点の異る成分からなるポリオレフイン系複合繊維を熱
処理し低融点成分の融着により繊維間に接着点を形成さ
せたいわゆる熱接着不織布は、耐薬品性に優れ、疎水性
で柔軟な風合を有し衛生的である等の物性上の長所の他
製造コストが低い等の長所を有することから、紙オムツ
等の表皮材、化粧用パツト、マスク、パツプ剤基布、包
帯等の衛生材料、医療品等の分野で広く使用されるよう
になつた。またこれら衛生材料等の分野では従来より身
体の動きに無理なく追従でき、20%伸長時の伸長回復率
80%以上の適度な伸縮性を有する素材が求められてお
り、編織物の組織を工夫したりエラストマー繊維を混用
する、更には布にポリウレタン等をコーテイングする等
の方法がとられてきた。しかし、いずれの方法によつて
も加工工程は長くかつ複雑となり、製品は目付重量の大
きなものとなり、製造コストがかさむばかりでなく、コ
ーテイング法によるものは通気性が悪るく、肌荒れの原
因になる等の欠点を有する。
ポリプロピレンを紡糸速度1000m/mm以上で高速紡糸し、
ついで140℃近辺の温度で30分以上熱処理することによ
り、ハードエラスチツク構造と言われる結晶構造を有
し、伸長回復率の優れた弾性繊維が得られることが知ら
れている。
このようにして得られた弾性繊維はゴム等の通常のエラ
ストマーと異り、伸長時の応力が非常に大きく、ニード
ルパンチ法あるいは接着剤法により不織布に加工した場
合、布が伸長する以前に繊維の交絡点あるいは接着点が
破壊され、充分な伸縮効果を発揮することができない。
このような弾性繊維から成る編織物は伸長応力が大きす
ぎて身体の動きへの追従性が悪るい。またこのような弾
性繊維を熱接着法による不織布に加工すると、結晶構造
が変化して伸長回復能力の劣つたものしか得られない。
本発明者らは、適度な伸縮性を有し衛生的でかつ低コス
トのポリオレフイン系不織布を得るため鋭意研究の結
果、特定のポリプロピレン系弾性複合繊維を少くとも10
wt%含有するウエブを熱処理することにより所期の目的
が達せられることを知り、本発明を完成するに到つた。
本発明で用いるポリプロピレン系弾性複合繊維(以下弾
性複合繊維と略称)は結晶性ポリプロピレンを第1成分
とし、融点100〜150℃の熱可塑性樹脂を第2成分とし、
第2成分が繊維表面の少くとも一部を繊維長さ方向に連
続して形成するように並列型もしくは鞘芯型に配して複
合紡糸して得られる未延伸糸を、延伸温度10〜50℃で延
伸倍率2倍以下に延伸した後、第2成分の融点未満の温
度(T℃)で熱処理時間(t)=0.913T-170秒以上熱処
理して得られる。
上記弾性複合繊維の第1成分として用いる結晶性ポリプ
ロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、プロピレ
ンを主体としエチレンであるいは他のα−オレフインと
の共重合体であつて結晶化度が40%以上のものの中から
適宜選択することができ、メルトフローレート3〜50g/
10mmのものが好ましく用いられる。第2成分として用い
る熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン、酢
酸ビニル共重合体、ポリブテン−1、エチレン・プロピ
レンラバー等のポリオレフイン系樹脂、低融点ポリエス
テル、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラス
トマーおよびこれらの変成ポリマーあるいは混合物の中
から融点が100〜150℃のものを適宜選択することができ
る。
第2成分が融点が100℃未満のものでは、高温滅菌処理
等の熱処理時に不織布が変質するので好ましくない。ま
た第2成分が融点が150℃を超すものでは、不織布化の
ための熱処理時に第1成分である結晶性ポリプロピレン
の結晶構造に変化を生じ、不織布の弾性回復率が低下す
るので好ましくない。
第1成分と第2成分の複合比は70/30〜30/70の範囲が好
ましく、更に好ましくは60/40〜40/60の範囲である。第
1成分が30以下になると複合繊維を用いた不織布の弾性
回復率が低下し、第2成分が30以下になると接着点が小
さくかつ少くなり不織布強力が低下し、いずれも好まし
くない。
複合紡糸の方法は従来公知の並列型あるいは鞘芯型がい
ずれも利用できるが、鞘芯型とするときは第2成分を鞘
成分となるように配する。紡糸速度には特別の制限はな
いが、2成分間の剥離が生じたり、第2成分の紡糸斑の
発生を防ぐために、1000m/mm以下の速度が好ましい。
このようにして得られた未延伸糸は所望により延伸温度
10〜50℃で2倍以下に延伸して繊度を調整した後、第2
成分の融点以下の温度で熱処理される。延伸温度が10℃
未満では延伸性が悪く、50℃を超すと伸長回復率が不充
分となる。また、延伸比が2倍を超すと伸長応力が過大
となり好ましくない。熱処理温度(T)が第2成分の融
点を超すと繊維間に融着が発生し好ましくない。熱処理
時間(t)は0.910T-270秒以上必要であり、この値未満
では伸長回復率が不充分となる。熱源としては熱風、水
蒸気、温水、赤外線等がいずれも利用できるが、熱風吸
引式ドライヤーが簡便で好ましい。
上記延伸および熱処理により、複合繊維は、100%伸長
時の伸長応力が0.6g/d以下、伸長回復率が80%以上とい
う優れた弾性複合繊維となる。
このようにして得られた弾性複合繊維は、長繊維あるい
は短繊維の形で、それ自身単独であるいは他の繊維と混
合して、所望の目付重量のウエブとし弾性複合繊維の低
融点成分の軟化点以上150℃以下の温度で熱処理されて
不織布される。弾性複合繊維と混合する他の繊維として
は、上記不織布化のための熱処理により変質しない繊維
がいずれも使用でき、木綿、麻、絹等の天然繊維、ポリ
アミド系、ポリエステル系、ポリオレフイン系等の合成
繊維等の中から目的とする弾性不織布の用途に合せて適
宜選択することができる。混合繊維中の弾性複合繊維の
含有量は10wt%以上を必要とする。弾性繊維含量が10wt
%未満では、不織布の伸長回復率および強力が不充分と
なる。繊維を混合しウエブとする方法としては、短繊維
ではカードあるいはランダムウエバーによる方法、乾式
バルブ法、湿式抄紙法等、長繊維ではトウブレンド法が
使用できる。
不織布化のための熱処理には熱板、熱ロール、熱風、過
熱蒸気、赤外線等の熱源が使用でき、目的とする不織布
の性状によつて、カレンダーロール等加圧状態であるい
はヤンキードライヤー等非加圧状態で実施できる。熱処
理温度が弾性複合繊維の低融点成分の軟化点未満では繊
維間の接着が不充分となり不織布は弾性回復率および強
力の小さなものとなる。熱処理温度が、150℃を越すと
弾性複合繊維の変質に起因する不織布の伸長回復率の低
下が起り易いので好ましくない。
このようにして得られた本発明のポリプロピレン系弾性
不織布は20%伸長時の伸長回復率が80%以上あり、伸長
応力が小さく、かつソフトな風合を有するため人体の動
きに無理なく追従する適度な伸縮性を有し、かつ混合し
て用いる他の繊維の種類および混合量を選ぶことにより
親水性の程度を調整することが可能であるので、傷面保
護ガーゼ、パツプ剤基布、包帯、サポーター、肌着等の
素材として好適に使用することができる。
実施例によつて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1(弾性複合繊維の製造) ポリプロピレン(密度0.905g/cm3、MFR8.0)を第1成分
とし、低密度ポリエチレン(密度0.918g/cm3、MFR19、m
p107℃)、線状低密度ポリエチレン(密度0.925g/cm3
MFR23、mp120℃)、エチレン・プロピレン共重合体(密
度0.880g/cm3、MFR30、mp150℃)あるいはエチレン・酢
酸ビニル共重合体(MFR23、酢酸ビニル含量10%、mp105
℃)のいずれかを第2成分として種々条件で紡糸、延
伸、熱処理して弾性複合繊維を製造した。製造条件を第
1表に示した。なお、複合比はいずれも50/50とした。
実施例2(弾性不織布の製造) 実施例1で製造した弾性複合繊維を長繊維のままあるい
は短繊維に加工し、他の繊維と混合しあるいは混合せず
に、加熱カレンダーロール(105℃、線圧20kg/cm)、ヤ
ンキードライヤー(130℃)あるいは熱風循環式オープ
ン(105℃、10分間)を用いて不織布を製造した。短繊
維の場合にはカードを用いて混繊し、目付(30g/m2)の
ウエブとし、長繊維の場合にはトウブレンドを行い目付
(30g/m2)のウエブとした。製造条件ならびに不織布の
物性を第2表に示した。
弾性複合繊維の製造条件に欠陥がある実験例3,4,5,9の
繊維を用いた不織布(実験例13,14,15,19)は伸長回復
率の劣つたものであつた。また熱処理温度が低い実験例
21は不織布が得られず、高温すぎる実験例22は伸長応力
が過大であつた。弾性複合繊維含量の少い実験例23では
伸長回復率が不充分であつた。
不織布の物性測定は以下の方法によつた。
JIS L 1079(化学繊維織物試験方法)に準じ定速引張試
験機を用い、幅5cmの試料をつかみ間隔100mmで伸長速度
100mm/mmで引張り、20mm伸長し、その状態で3分間保持
した後つかみ間隔を狭め無張力状態になつたときのつか
み間隔(lmm)を求め、 伸長回復率(%)=100×(120−l)/20 を算出する。
また、上記試験で最初に20mm伸長したときの応力を測定
して伸長応力とする。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点の異なる成分からなる複合繊維を少な
    くとも10wt%含有するウェブを該複合繊維の低融点成分
    の軟化点以上高融点成分の融点以下の温度で熱処理する
    ことにより、低融点成分の熱融着により繊維間に接着点
    を形成させた不織布であって、複合繊維が結晶性ポリプ
    ロピレンを第1成分とし、融点が100〜150℃に熱可塑性
    樹脂を第2成分とし、第2成分が繊維表面の少なくとも
    一部を繊維長さ方向に連続して形成するように並列型も
    しくは鞘芯型に配して複合紡糸して得られる未延伸糸
    を、延伸温度10〜50℃で延伸倍率2倍以下に延伸した
    後、第2成分の融点未満の温度(T℃)で熱処理時間
    (t=0.913T-170)秒以上熱処理して得られるポリプロ
    ピレン系の弾性複合繊維であり、20%伸長時の伸長回復
    率が80%以上であることを特徴とするポリプロピレン系
    の弾性不織布。
  2. 【請求項2】融点の異なる成分からなる複合繊維を少な
    くとも10wt%含有するウェブを該複合繊維の低融点成分
    の軟化点以上高融点成分の融点以下の温度で熱処理する
    ことにより、低融点成分の熱融着により繊維間に接着点
    を形成させる不織布の製造方法において、複合繊維とし
    て結晶性ポリプロピレンを第1成分とし、融点が100〜1
    50℃に熱可塑性樹脂を第2成分とし、第2成分が繊維表
    面の少なくとも一部を繊維長さ方向に連続して形成する
    ように並列型もしくは鞘芯型に配して複合紡糸して得ら
    れる未延伸糸を、延伸温度10〜50℃で延伸倍率2倍以下
    に延伸した後、第2成分の融点未満の温度(T℃)で熱
    処理時間(t=0.913T-170)秒以上熱処理して得られる
    ポリプロピレン系の弾性複合繊維を用い、第2成分の軟
    化点以上150℃以下で不織布化したことを特徴とする20
    %伸長時の伸長回復率が80%以上のポリプロピレン系の
    弾性不織布の製造方法。
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