JP2012237081A - 伸縮性長繊維不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛生材料に用いられる吸収性物品のトップシート、バックシート又はサイドギャザー部に適した、伸縮性に優れ、フィット性があり、高強度で肌触りが良好であり、さらに生産性にも優れた伸縮性長繊維不織布の提供。
【解決手段】第1成分としてのMFR10g/10分以上80g/10分以下のエラストマー系樹脂と第2成分としてのMFR10g/10分以上60g/10分以下のポリオレフィン系樹脂から構成され、該第1成分がコアとなり、該第2成分がシースとなるコア/シース構造を有し、該第2成分が1重量%以上15重量%以下の量で存在し、平均単糸繊度が1dtex以上8dtex以下であり、かつ、紡糸速度2000m/min以上で紡糸された伸縮性長繊維から形成された伸縮性長繊維不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は、伸縮性に優れ、高強度で肌触りが良好であり、さらに生産性にも優れた伸縮性長繊維不織布に関する。
近年、使い捨てオムツに対する要求性能が高まっており、使用される不織布の要求性能も急速に高まっている。特に、胴回りや足回りにはフィット性があり、肌触りがよく、漏れ防止性のある伸縮性不織布が要求されるようになっている。従来、胴回り、足回りにはフィット性を付与するために伸縮糸が使用されているが、伸縮糸では伸縮性能は非常に高いが肌と触れる接触面積が狭いため、締め付け感が強くなり、肌に締め付けた跡が残ってしまうことがよくある。また、伸縮性不織布も使用されているが、伸縮性能のよい不織布を得ようとすると、後加工によりドレープ加工や凹凸賦型加工、延伸加工などが必要であり、製造工程が煩雑になることやコストが高くなる、さらに後加工により強度が低下するなどの問題がある。
以下の特許文献1には、芯鞘構造による弾性不織布が開示されているが、不織布の伸度が非常に高いため、繊度が太く、紡速は遅いと考えられ、不織布としては強度が低いものとなると考えられる。
以下の特許文献2に記載された発明においては、不織布を交差マシン方向、又はマシン方向に延伸し、不織布の坪量や繊度を低下させることによって伸縮性を発現しているが、製造工程が煩雑になることや、強度が低下するといった問題がある。
また、以下の特許文献3に記載された発明においては、不織布を長手方向に張力を付与して延伸する工程と外周面に形成された複数の歯を互いに噛み合わせながら回転する一対のロールの間隙に不織布を通して延伸することで伸縮性を発現しているが、製造工程が煩雑になることや強度が低下するといった問題がある。
特許第3678652号公報 特表2008−509295号公報 特開2008−156785号公報
上記従来技術における問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、衛生材料に用いられる吸収性物品のトップシート、バックシート又はサイドギャザー部に適した、伸縮性に優れ、フィット性があり、高強度で肌触りが良好であり、さらに生産性にも優れた伸縮性長繊維不織布を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、特定範囲のMFRからなるエラストマー系樹脂とポリオレフィン系樹脂をコア/シース構造とすることでエラストマー系樹脂特有のゴムライクな触感を防ぎ、シースを構成するポリオレフィン系樹脂により衛生材料に好適に使用できる触感を持つ伸縮性長繊維不織布を見出した。さらに、本発明の不織布を構成する繊維の製造工程においては、ブロッキングを防ぐことができるため、生産性が格段に向上し、牽引工程にて繊維同士のブロッキングが解消され、紡糸速度を速くすることができ、強度が高く、細い繊維を得ることができる。
また、本発明者は、シースの量を1重量%以上15重量%以下とすることで、シースを構成するポリオレフィン系樹脂の応力を小さくし、コアを構成するエラストマー系樹脂の収縮応力を妨げず、さらに不織布の製造工程において牽引装置入口の繊維温度と牽引エアー風速を特定範囲とすることで急速に繊維を延伸し、繊維配向を促進することで、牽引工程出口で延伸応力が開放された後、繊維が収縮し伸縮性能が良く、高強度な不織布を得ることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]第1成分としてのMFR10g/10分以上80g/10分以下のエラストマー系樹脂と第2成分としてのMFR10g/10分以上60g/10分以下のポリオレフィン系樹脂から構成され、該第1成分がコアとなり、該第2成分がシースとなるコア/シース構造を有し、該第2成分が1重量%以上15重量%以下の量で存在し、平均単糸繊度が1dtex以上8dtex以下であり、かつ、紡糸速度2000m/min以上で紡糸された伸縮性長繊維から形成された伸縮性長繊維不織布。
[2]前記不織布の破断強度が5N/5cm以上50N/5cm以下である、前記[1]に記載の伸縮性長繊維不織布。
[3]前記不織布の熱圧着面積が5%以上15%以下となるように部分熱圧着されてなる、前記[1]又は[2]に記載の伸縮性長繊維不織布。
[4]前記不織布の目付が10g/m以上150g/m以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の伸縮性長繊維不織布。
[5]前記不織布の第1成分のエラストマー系樹脂がポリウレタン系エラストマーである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の伸縮性長繊維不織布。
[6]前記不織布の第1成分のエラストマー系樹脂がポリオレフィン系エラストマーである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の伸縮性長繊維不織布。
[7]前記不織布の第2成分のポリオレフィン系樹脂がポリエチレンである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の伸縮性長繊維不織布。
[8]前記不織布の第2成分のポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の伸縮性長繊維不織布。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の伸縮性長繊維不織布を含む衛生材料。
[10]使い捨てオムツ、生理用ナプキン又は失禁パットの形態にある、前記[9]に記載の衛生材料。
本発明の伸縮性長繊維不織布は、コア/シース構造の繊維から形成される不織布であって、コアを形成するエラストマー系樹脂により伸縮性能を発現し、シースを構成するポリオレフィン系樹脂により触感の柔らかい不織布を形成することができる。さらに、通常、コアを形成するエラストマー系樹脂はゴムライクであり表面の摩擦抵抗が高いため、繊維の製造工程においては、繊維が設備にひっかかることや、繊維同士がくっつき融着するブロッキング現象が発生するが、コア/シース構造とすることで、直接コア成分が設備や繊維同士で接触することを防ぎ、ブロッキングを抑制することができる。また、シースを形成する成分を1重量%以上15重量%以下とすることで、シースを構成するポリオレフィン系樹脂の応力が小さくなり、コアを構成するエラストマー系樹脂の収縮応力を妨げず、非常に伸縮性能の良好な不織布を得ることができる。
また、不織布の製造工程においては、牽引装置入口の繊維温度と牽引エアー風速を特定範囲とすることで急速に繊維を延伸し、繊維配向を促進することで、牽引工程出口で延伸応力が開放された後、繊維が収縮し、非常に伸縮性能が良く、高強度な不織布を得ることができる。
本発明の不織布を衛生材料に使用すると、不織布が面で身体にフィットするため締め付け応力が分散し、接触面積の狭い伸縮糸で発生する強い締め付け感や締め付けの跡などの発生を抑制することができる。
したがって、本発明の不織布は、衛生材料に用いられる吸収性物品のトップシート、バックシート又はサイドギャザー部に適した伸縮性に優れる不織布である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の不織布を構成する繊維の第1成分としてのエラストマー系樹脂としては、例えば、ポリウレタン系やポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリブタジエン系などのエラストマーが挙げられる。なかでも伸縮性能、シース成分となるポリオレフィン系樹脂との相溶性の観点からポリウレタン系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のエラストマーであることが好ましい。また、その繊維形状も通常の円形繊維のみでなく、捲縮繊維、異形繊維などの特殊形態の繊維であってもよい。
本発明の不織布を構成するエラストマー系樹脂のMFRは、10g/10分以上80g/10分以下であり、好ましくは15g/10分以上65g/10分以下、より好ましくは20g/10分以上50g/10分以下である。MFRがこの範囲であれば、糸切れがなく繊維形状を安定的に生産することができる。
本発明の不織布を構成する繊維の第2成分としてのポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらのモノマーと他のα−オレフィンとの共重合体などの樹脂から成る繊維が挙げられる。
ポリプロピレンは、一般的なチーグラナッタ触媒により合成されるポリマーでもよいし、メタロセンに代表されるシングルサイト活性触媒により合成されたポリマーであってもよく、また、エチレンランダム共重合ポリプロピレンであってもよい。
ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)でもよいし、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であってもよい。なかでも伸縮性能、コア成分となるエラストマー系樹脂との相溶性の観点から、ポリエチレンは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。
他のα−オレフィンとしては、炭素数3〜10のものが挙げられ、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。これらは1種類単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。あるいは、ポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、共重合ポリエステルなどのポリエステル系繊維、ナイロン−6繊維、ナイロン−66繊維、共重合ナイロンなどのポリアミド系繊維、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性繊維を1種類又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の不織布を構成する繊維の第2成分としてのポリオレフィン系樹脂のMFRは、10g/10分以上60g/10分以下であり、好ましくは15g/10分以上55g/10分以下、より好ましくは20g/10分以上50g/10分以下である。MFRがこの範囲であれば、糸切れがなく繊維形状を安定的に生産することができる。
本発明の不織布を構成する繊維には、目的に応じて核剤、難燃剤、無機充填剤、顔料、着色剤、耐熱安定剤、帯電防止剤などを配合してもよい。
本発明の不織布を構成する繊維の第2成分としてのシース成分は、第1成分と第2成分の合計重量に基づき、1重量%以上15重量%以下であり、好ましくは3重量%以上10重量%以下である。シース成分がこの範囲であれば、伸縮性が非常に良好であり、生産性の良い不織布を得ることができる。
本発明の不織布の接合手段としては、部分熱圧着法、熱風法、溶融成分での接合(ホットメルト剤)法、その他各種の方法が挙げられるが、強度の観点から、部分熱圧着法が好ましい。
本発明の不織布の部分熱圧着における熱圧着面積率は、強度保持及び柔軟性の点から、5%以上15%以下であることが好ましく、より好ましくは6%以上11.4%以下である。
また、本発明の部分熱圧着処理は、超音波法により又は加熱エンボスロール間にウェブを通すことにより行うことができ、これにより、表裏一体化され、例えば、ピンポイント状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状等の浮沈模様が不織布全面に散点する。生産性の観点から、部分熱圧着処理には、加熱エンボスロールを用いることが好ましい。
本発明の不織布を構成する繊維の平均単糸繊度は、1dtex以上8dtex以下であり、好ましくは1.2dtex以上7.5dtex以下、より好ましくは1.5dtex以上7dtex以下である。紡糸安定性の観点から、平均単糸繊度は、1dtex以上であり、主として衛生材料に使用されるため、不織布の強力の観点から、8dtex以下である。
本発明の不織布を構成する繊維の紡糸速度(紡速)は、2000m/min以上5500m/min以下であり、好ましくは2000m/min以上5000m/min以下である。紡糸速度がこの範囲にあると衛生材料に好適に使用することができる繊維強度を得ることができる。
本発明の不織布の目付は、好ましくは10g/m以上150g/m以下であり、より好ましくは10g/m以上100g/m以下、さらに好ましくは15g/m以上60g/m以下である。10g/m以上であれば衛生材料に使用される不織布に要求される強力要件を満足し、一方、150g/m以下であれば、部分熱圧着性が良く、耐毛羽性にも優れたものとなる。
本発明の不織布の破断強度は、好ましくは5N/5cm以上50N/5cm以下であり、より好ましくは5N/5cm以上40N/5cm以下、さらに好ましくは6N/5cm以上35N/5cm以下である。破断強度がこの範囲にあると、衛生材料加工時に破断することがなく良好に加工することができる。
本発明の不織布の伸張回復率は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。伸張回復率が70%以上であると衛生材料に使用するには良好となる伸縮性を得ることができる。
本発明の不織布を構成する繊維の製造においては、牽引装置入口の繊維温度を30℃以上とし、牽引エアー風速を5000m/min以上で強力な牽引力で牽引することにより繊維が細化し、伸縮性が良く、強度の高い繊維を得ることができる。繊維温度は、好ましくは30℃以上80℃以下であり、より好ましくは35℃以上70℃以下である。牽引エアー風速は、好ましくは5500m/min以上30000m/min以下、より好ましくは6000m/min以上20000m/min以下である。牽引装置入口の繊維温度と牽引エアー風速をこの範囲にすることで、伸縮性が良く、強度の高い繊維を得ることができ、衛生材料に好適に使用することができる。
本発明の不織布の製造方法は、特に限定されないが、主に衛生材料に使用されるため、強度の観点から、スパンボンド(S)法であることが好ましく、SS、SSS、SSSSと積層することで分散が向上するため、より好ましい。また、目的に応じて、スパンボンド(S)繊維をメルトブロウン(M)繊維と積層してもよく、SM、SMS、SMMS、SMSMSと積層した構造であってもよい。
本発明の不織布は、伸縮性が高く、肌触りが非常に良好なため衛生材料に好適に使用することができる。衛生材料としては、使い捨てオムツ、生理用ナプキン又は失禁パットが挙げられ、それらの表面のトップシート、外側のバックシート、足回りのサイドギャザー等に好適に使用される。
また、本発明の不織布の用途は前記用途に限られず、例えば、マスク、カイロ、テープ基布、防水シート基布、貼布薬基布、救急絆基布、包装材、ワイプ製品、医療用ガウン、包帯、衣料、スキンケア用シート、産業資材などにも使用することもできる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において使用した各種特性の評価方法は下記のとおりであり、得られた物性を以下の表1に示す。
1.平均単糸繊度(dtex)
製造した不織布の両端10cmを除き、幅方向にほぼ5等分して1cm角の試験片をサンプリングし、顕微鏡で繊維の直径を各20点ずつ測定し、その平均値から繊度を算出した。
2.目付(g/m2
JIS−L1906に準じ、タテ20cm×ヨコ5cmの試験片を任意に5枚採取して質量を測定し、その平均値を単位面積当たりの重量に換算して求めた。
3.MFR(g/10分)
JIS−K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」の表1に準じて、メルトインデクサー(東洋精機社製:MELT INDEXER S−101)溶融流量装置を用い、オリフィス径2.095mm、オリフィス長0.8mm、荷重2160gで測定した。測定温度はポリプロピレンは230℃、ポリエチレンは190℃、ポリウレタンは215℃、ポリエステルは300℃で測定し、一定体積分を吐出するのに要する時間から10分間当たりの溶融ポリマー吐出量(g)を算出して求めた。
4.破断強度(N/5cm)、破断伸度(%)
JIS L−1906に準じ、不織布の布帛試料の両端10cmを除き、幅方向均等になる様に、幅5cm、長さ10cmの試料を切り取り、引張試験機で、つかみ間隔5cm、引張速度10cm/分で測定した。タテ・ヨコ方向各5点の試料を測定し、タテ方向とヨコ方向の測定値を平均して破断強度と破断伸度を算出した。
5.伸張回復率(%)
不織布の布帛試料の両端10cmを除き、幅方向均等になる様に、幅5cm、長さ10cmの試料を切り取り、引張試験機で、つかみ間隔5cm、引張速度10cm/分で100%伸張した。100%伸張下で1分放置し、次に試料をゼロ点まで戻した。再度引張速度10cm/分で伸張し、伸張応力がゼロのままである距離を測定し下記式から伸張回復率を算出した:
伸張回復率(%)=[5(cm)−伸張応力がゼロのままである距離(cm)]/5(cm)×100
〔実施例1〕
MFRが21g/10分のポリウレタン系エラストマーをコア成分とし、MFRが17g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をシース成分とし、シース構成比率5重量%、単孔吐出量1.2g/分・Hole、紡糸温度230℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を10,000m/minで紡速3,500m/minで牽引し、移動捕集面に向けて押し出し、平均単糸繊度3.4dtexの長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm、圧着面積率6.3%)の間に通して温度70℃と線圧35kgf/cmで繊維同士を接着し、目付30g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例2〕
MFRが33g/10分のポリプロピレン(PP)をシース成分とし、シース構成比率10重量%、牽引装置入口の繊維温度を40℃、牽引エアー風速を10,000m/min、紡速3,500m/minとし、その他は実施例1と同様にして平均単糸繊度3.4dtex、目付150g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例3〕
MFRが20g/10分の高密度ポリエチレン(HDPE)をシース成分とし、シース構成比率10重量%、牽引装置入口の繊維温度を60℃、牽引エアー風速を6,000m/min、紡速2,000m/minとし、その他は実施例1と同様にして平均単糸繊度6.0dtexの長繊維ウェブを調整した。次いで、得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:縦0.4mm×横2.6mm長方形、千鳥配列、横ピッチ5.4mm、縦ピッチ1.7mm、圧着面積11.4%)の間に通して、温度70℃と線圧35kgf/cmで繊維同士を接着し、目付50g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例4〕
MFRが15g/10分のポリエチレン系エラストマーをコア成分とし、MFRが17g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をシース成分とし、シース構成比率10重量%、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を17,500m/min、紡速5,000m/minとし、その他は実施例1と同様にして平均単糸繊度2.4dtex、目付30g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例5〕
シース構成比率5重量%、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を10,000m/min、紡速3,500m/minとし、その他は実施例4と同様にして平均単糸繊度3.4dtex、目付20g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例6〕
MFRが33g/10分のポリプロピレン(PP)をシース成分とし、シース構成比率10重量%、牽引装置入口の繊維温度を40℃、牽引エアー風速を12,500m/min、紡速4,000m/minとし、その他は実施例4と同様にして平均単糸繊度3.0dtex、目付30g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例7〕
MFRが60g/10分のポリプロピレン系エラストマーをコア成分とし、MFRが17g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をシース成分とし、シース構成比率5重量%、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を8,000m/min、紡速3,000m/minとし、その他は実施例1と同様にして平均単糸繊度4.0dtex、目付100g/mの長繊維不織布を得た。
〔実施例8〕
MFRが33g/10分のポリプロピレン(PP)をシース成分とし、シース構成比率5重量%、牽引装置入口の繊維温度を40℃、牽引エアー風速を6,000m/min、紡速2,000m/minとし、その他は実施例7と同様にして平均単糸繊度6.0dtex、目付100g/mの長繊維不織布を得た。
〔比較例1〕
シース構成比率20重量%、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を10,000m/min、紡速3,000m/minとし、その他は実施例1と同様にして平均単糸繊度4.0dtex、目付30g/mの長繊維不織布を得た。
〔比較例2〕
シース構成比率5重量%、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を3,000m/min、紡速750m/minとし、その他は実施例4と同様にして平均単糸繊度12dtex、目付30g/mの長繊維不織布を得た。
〔比較例3〕
MFRが50g/10分の低融点共重合ポリエステル(PET)をシース成分とし、シース構成比率10重量%、紡糸温度255℃、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を17,500m/min、紡速5,000m/minとし、その他は実施例4と同様にして平均単糸繊度2.4dtex、目付30g/mの長繊維不織布を得た。
〔比較例4〕
MFRが33g/10分のポリプロピレン(PP)をコア成分とし、シース構成比率10重量%、牽引装置入口の繊維温度を50℃、牽引エアー風速を10,000m/min、紡速3,500m/minとし、その他は実施例1と同様にして平均単糸繊度3.4dtex、目付20g/mの長繊維不織布を得た。
Figure 2012237081
本発明の不織布は、伸縮性が良くフィット性があり、更に強度が高く、柔軟性に優れるため、衛生材料のトップシート、バックシート、サイドギャザー等に好適に利用可能である。

Claims (10)

  1. 第1成分としてのMFR10g/10分以上80g/10分以下のエラストマー系樹脂と第2成分としてのMFR10g/10分以上60g/10分以下のポリオレフィン系樹脂から構成され、該第1成分がコアとなり、該第2成分がシースとなるコア/シース構造を有し、該第2成分が1重量%以上15重量%以下の量で存在し、平均単糸繊度が1dtex以上8dtex以下であり、かつ、紡糸速度2000m/min以上で紡糸された伸縮性長繊維から形成された伸縮性長繊維不織布。
  2. 前記不織布の破断強度が5N/5cm以上50N/5cm以下である、請求項1に記載の伸縮性長繊維不織布。
  3. 前記不織布の熱圧着面積が5%以上15%以下となるように部分熱圧着されてなる、請求項1又は2に記載の伸縮性長繊維不織布。
  4. 前記不織布の目付が10g/m以上150g/m以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮性長繊維不織布。
  5. 前記不織布の第1成分のエラストマー系樹脂がポリウレタン系エラストマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の伸縮性長繊維不織布。
  6. 前記不織布の第1成分のエラストマー系樹脂がポリオレフィン系エラストマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の伸縮性長繊維不織布。
  7. 前記不織布の第2成分のポリオレフィン系樹脂がポリエチレンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の伸縮性長繊維不織布。
  8. 前記不織布の第2成分のポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の伸縮性長繊維不織布。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の伸縮性長繊維不織布を含む衛生材料。
  10. 使い捨てオムツ、生理用ナプキン又は失禁パットの形態にある、請求項9に記載の衛生材料。
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