JPH0735451U

JPH0735451U - 線材束ほどき装置

Info

Publication number: JPH0735451U
Application number: JP6686193U
Authority: JP
Inventors: 訓男磯部
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 1993-12-15
Filing date: 1993-12-15
Publication date: 1995-07-04

Abstract

(57)【要約】【目的】電線や樹脂チューブ等の環状の線材束を簡単
且つ確実に固定させて、空回りや送り速度の変動なく線
材を供給し得る線材束ほどき装置を提供する。【構成】回転基板５に放射状に設けられた複数の押圧
シリンダ６と、押圧シリンダ６に設けられ、線材束１０
の内径部に押接する押圧板８とを備える。また回転基板
５を固定する回転軸４がエア導入路を有し、エア導入路
の一方が複数の押圧シリンダ６に連通し、エア導入路の
他方がロータリジョイント１７を介してエア供給管に連
通する。さらに押圧板８に、回転基板５と対向する線材
束保持杆９を回動可能に設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電線や樹脂チューブ等の環状の線材束を簡単且つ確実に固定させて、線材束の外周部から線材をほどいて加工機等に供給させる線材束ほどき装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５は、従来の線材束ほどき装置を示すものである。この装置３１は、支柱３２に軸支されて環状の線材束１０を搭載させる垂直な回転基板３３と、該回転基板３３の裏側に対向して位置し、該回転基板３３を貫通する複数の支持杆３４を固定させた補助板３５と、該回転基板３３の表側に対向して設置され、支軸３６に固定されるカバー３７とにより構成される。

【０００３】該回転基板３３及び補助板３５は支持杆３４に対する半径方向の長孔３８，３９を有し、該支持杆３４は長孔３８，３９を貫通して補助板３５にナット４０で固定され、ナット４０を緩めて半径方向に移動可能である。それによって各種径の線材束１０に対応して線材束１０の内径部１０ａを支持し得る。またカバー３７は支軸３６のねじ部３６ａにナット４１で固定され、支持杆３４から線材束１０が外れるのを防ぐ。

【０００４】しかしながら、上記従来の装置においては、線材束１０のセットに際して作業者が一々ナット４０を緩めて複数の支持杆３４を移動させ、線材束１０の内径に合わせて位置調整しなければならず、大変面倒であった。また支軸３６に対して線材束１０の心がずれ、線材１０₁の送り速度が変動するという問題や、線材１０₁を送り出すにつれて支持杆１０ａと線材束内径部１０ａとの間に滑りを生じ、線材束１０が空回りして型崩れするといった問題もあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記した点に鑑み、電線や樹脂チューブ等の線材束を簡単にセットでき、しかも心ずれによる線材送り速度の不均一や空回りによる型崩れ等を防止できる電線束ほどき装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、回転基板に放射状に設けられた複数の押圧シリンダと、該押圧シリンダに設けられ、線材束の内径部に押接する押圧板とを備える構造を基本とする。そして、前記回転基板を固定する回転軸がエア導入路を有し、該エア導入路の一方が前記複数の押圧シリンダに連通し、該エア導入路の他方がロータリジョイントを介してエア供給管に連通する構造や、前記押圧板に、前記回転基板と対向する線材束保持杆を回動可能に設けた構造も有効である。

【０００７】

【作用】

線材束のセットに際しては押圧シリンダを圧縮させた状態で線材束を押圧板の外側に位置させる。次いで押圧シリンダを伸長させて該押圧板で線材束の内径側に押接させる。各押圧シリンダは均一な力で線材束を押し拡げて確実に保持させる。また放射状の各押圧シリンダの中心すなわち回転基板の中心と線材束の中心とが一致し、線材が一定の速度で繰り出される。

【０００８】

【実施例】

図１，２は本考案に係る電線束ほどき装置の一実施例を示すものである。該電線束ほどき装置１は、台座２に立設した支柱３の先端部に直交して設けられた回転軸４と、該回転軸４の前端に固定された垂直な金属製の円形回転基板５と、該回転基板５に対し中心部から放射状に等配に設けられた複数（本例では四本）のエア式の押圧シリンダ６と、該押圧シリンダ６のロッド７の先端に固定された押圧板８と、該押圧板８の前端に回動可能に設けられて該回転基板５に対向して位置する保持杆９とを備える。

【０００９】電線や樹脂チューブ等の環状の線材束１０は、押圧シリンダ６を圧縮した状態で押圧板８に束内径部１０ａを掛けてセットされ、該ロッド７を伸長させて固定される。線材１０₁は外径部１０ｂ側から繰り出されて図示しない加工機に供給される。

【００１０】図３に図１のＡ部拡大断面を示す如く、該回転軸４は中空に形成され、内部に押圧シリンダ６に対するエア導入路１１を有する。そして前記支柱３に受けブッシュ１２を介し、回転軸両端方に停止用カラー１３を固設して回動自在に設けられる。該回転軸４の後端方は、ベアリング１５やシール１６を有するロータリジョイント１７を介してエア供給管１８に接続する。該回転軸４の前端方は真直ジョイント１９を介して分配管２０に接続し、該分配管２０から図１，２の四本の各押圧シリンダ６にエアが導入される。

【００１１】本例において該押圧シリンダ６はエア圧力で伸長し、内部に設けられた図示しないスプリングで大気圧において圧縮する単動押出し型を用いている。エア圧力は図示しない減圧弁で電線やチューブの種類に応じて調整可能である。本例で押圧シリンダ６は上下左右に直交して四本設けたが、等配に六本あるいは八本設けることも可能である。該シリンダ６のロッド７は押圧板８の回り止めを兼ねて平行二連式を用いている。

【００１２】図４に図１のＢ部拡大断面を示す如く、押圧シリンダ６はスペーサ２１を介して回転基板５に固定され、二本のロッド７，７の先端には連結部２２を介して前記押圧板８がボルトで固定される。該押圧板８は、線材束１０に対する真直ないし湾曲状の押圧部８ａと、押圧部前端からシリンダ側に屈曲した保持杆支持部８ｂとを有する。

【００１３】該支持部８ｂにはねじ孔２３と該ねじ孔２３の上下に一対のボール溝２４，２４とが形成され、該ねじ孔２３にボルト２５を螺挿し、該ボルト２５に受けブッシュ２６を介して保持杆９が回動自在に設けられる。該保持杆９は、ボール溝２４に対する係合ボール２７とボール押圧ばね２８とによりなるボールプランジャ２９を有し、線材束１０のセット前に内側（シリンダ側）に回動し係止され、セット後に外側に回動し係止される。

【００１４】線材束１０のセットは押圧シリンダ６を圧縮させた状態で行われ、エア駆動により各シリンダ６のロッド７を伸長させることにより、ロッド先端の各押圧板８が均一な力で線材束１０の内径部１０ａに押接して線材束１０を回転軸４と同心に保持させる。そして線材１０₁の供給に従って押圧板８に対する線材束１０の緊迫力が減少しても、押圧シリンダ６が一定の力で線材束１０に押接する。該押圧シリンダ６の伸縮ストロークを充分長く設定することにより、あらゆる内径寸法の線材束１０を保持可能である。

【００１５】なお上記実施例においては回転基板５を垂直に配設したが、回転基板５及び押圧シリンダ６を水平に位置させて線材束１０を回転基板５上に載置させてもよく、その場合は保持杆９を使用しなくともよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上の如くに、本考案によれば、押圧シリンダの伸縮操作で環状の線材束を簡単に保持させることができ、線材束の種類が変わっても押圧シリンダのストローク範囲において容易に対応できる。そして複数の押圧シリンダが均一な力で線材束を保持するから、回転基板の回動中心と線材束の中心とが一致して一定の速度で線材が供給されると共に、線材束の滑りが防止されて線材束の型くずれがなくなる。また、回転基板を垂直に設置させた場合においても押圧シリンダにより線材束を確実に押圧保持でき、線材束保持杆により線材束の外れが防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る線材束ほどき装置の一実施例を示
す側面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】図１のＡ部拡大断面図である。

【図４】図１のＢ部拡大断面図である（但し保持杆は上
向き状態を示す）。

【図５】従来例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

４回転軸５回転基板６押圧シリンダ８押圧板９保持杆１０線材束１１エア導入路１７ロータリジョイント１８エア供給管

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】回転基板に放射状に設けられた複数の押
圧シリンダと、該押圧シリンダに設けられ、線材束の内
径部に押接する押圧板とを備えることを特徴とする線材
束ほどき装置。
【請求項２】前記回転基板を固定する回転軸がエア導
入路を有し、該エア導入路の一方が前記複数の押圧シリ
ンダに連通し、該エア導入路の他方がロータリジョイン
トを介してエア供給管に連通する請求項１記載の線材束
ほどき装置。
【請求項３】前記押圧板に、前記回転基板と対向する
線材束保持杆を回動可能に設けた請求項１，２記載の線
材束ほどき装置。