JPH0734967Y2 - 耐火被覆鉄骨柱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は耐火被覆鉄骨柱、特に鉄骨柱の周囲を耐火被
覆材にて被覆して成る耐火被覆鉄骨柱に関するものであ
る。

従来の技術 従来、鉄骨構造物の鉄骨柱を耐火被覆材にて被覆する場
合に、例えば断面Ｈ形の鉄骨柱においては鉄骨柱の四隅
に補助用の取付柱を鉄骨柱に直接に熔接したり或は鉄骨
柱の近くに独立して設け、これら補助用の取付柱に順に
耐火被覆材をビスによって層状に取付けて耐火被覆を形
成している。

考案が解決しようとする問題点 併し乍ら、この様な従来における耐火被覆の形成におい
ては補助用の取付柱を鉄骨柱に熔接して直接取付けたり
或は独立して設けなければならず、補助用の取付柱の設
置に手間が掛かり且つ厄介である等の問題点が見られ
た。

従って、この考案の目的はこの様な従来における問題点
を解決するために、鉄骨柱に対して特別に補助用の取付
柱を設けることなく、隣接の耐火被覆材の隅部において
断面Ｌ字形の留め金具により耐火被覆材を互いに連結し
て鉄骨柱の周囲を耐火被覆材によって覆って鉄骨柱を耐
火被覆して、工期の短縮と施工管理の簡略化を計るよう
にした耐火被覆鉄骨柱を提供することにある。

問題点を解決するための手段 上述の目的を達成するために、この考案に依れば、耐火
被覆鉄骨柱は、鉄骨構造物の鉄骨柱の周囲を耐火被覆材
にて覆い隣接の該耐火被覆材の隅部にて断面Ｌ字形の留
め金具を介して耐火被覆材を連結し、該耐火被覆材を層
状に複数層設けて成ることを特徴としている。

作用 この様な手段によって、この考案は、鉄骨構造物の鉄骨
柱の周囲に耐火被覆材を設けて該耐火被覆材の隅部を断
面Ｌ字形の留め金具を介して互いに連結して成り、この
様な耐火被覆材を鉄骨柱の周囲に層状に複数層設けるこ
とによって鉄骨柱の耐火性能を一層高めることができ
る。

この考案の他の目的や特長および利点は以下の添付図面
に沿っての詳細な説明から明らかになろう。

実施例 図面はこの考案の耐火被覆鉄骨柱の一実施例を示すもの
で、図示の耐火被覆鉄骨柱１は鉄骨構造物の鉄骨柱２の
周囲に耐火被覆材３の層を少なくとも１層以上、好適に
は複数層設けて構成されている。鉄骨柱２にこれら耐火
被覆材３を層状に取付けるには、先ず断面Ｈ形の鉄骨柱
１の両側に対向して配置される耐火被覆材3aの両端縁に
断面Ｌ字形の留め金具5aが一方の脚片にてねじ6aにより
取付けられる。従って、留め金具5aの他方の脚片は鉄骨
柱２のフランジ端に係止される。次いで、鉄骨柱２の隣
接するフランジ側に耐火被覆材3bが配置され、この耐火
被覆材3bの両端縁に留め金具5bが一方の脚片にて同様に
ねじによって取付けられて、留め金具5bの他方の脚片が
先に取付けられた耐火被覆材3aの両端縁と留め金具5aの
他方の脚片の処に係止される。次ぎに、この耐火被覆材
3bに重なるようにして耐火被覆材3cを配置して両端縁に
留め金具5cが一方の脚片にて同様にねじによって取付け
られ、留め金具5cの他方の脚片は前の耐火被覆材3bの両
端面と留め金具5bの他方の脚片の処に係止される。次い
で、耐火被覆材3dが耐火被覆材3aに重なるように配置さ
れ、ねじ6bによって耐火被覆材3bの両端面に対して留め
金具5bの他方の脚片を介して耐火被覆材3dが取付けられ
る。次ぎに、耐火被覆材3cに重なるようにして耐火被覆
材3eを配置してねじ6cによって耐火被覆材3b、3cの両端
縁および留め金具5b、5cの一方の脚片を介して耐火被覆
材3eが取付けられる。最後に、耐火被覆材3fが耐火被覆
材3dに重なるようにして配置され、ねじ6dによって耐火
被覆材3dの両端縁および耐火被覆材3bの両端面に対して
留め金具5b,5cの他方の脚片を介して耐火被覆材3fが取
付けられ、耐火被覆材3a、3b、3c、3d、3e、3fが図示の
如く鉄骨柱２を囲んで層状に取付けられる。尚、図示実
施例では耐火被覆材は層状に複数層設けられているが、
１層以上適宜に設けることができることは勿論である。

耐火被覆材３には無機械維強化石コウボードやケイ酸カ
ルシウム板の様な適宜な耐火材が使用され、ねじにはタ
ッピングねじや釘、かすがい等が用いられる。また、留
め金具５には断面Ｌ字形の適宜な金属板材が使用でき
る。

考案の効果 この様に構成されたこの考案の耐火被覆鉄骨柱において
は、石コウボードの様な耐火被覆材を断面Ｌ字形の留め
金具とタッピングねじの様なねじだけによって鉄骨柱の
周りに層状に少なくとも１層以上耐火被覆材を取付けて
有効な耐火被覆を設けることができ、耐火被覆材の取扱
いが簡単容易で熟練を要さず、施工の手間が軽減され、
施工費用の引下げが出来ると共に工期を短縮でき、十分
良好な耐火性能をもって耐火被覆鉄骨柱を得ることがで
きる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の耐火被覆鉄骨柱の一実施例を示す概要
平面図である。図中、1:耐火被覆鉄骨柱、2:鉄骨柱、
３、3a、3b、3c、3d、3e、3f:耐火被覆材、5a、5b、5c:
留め金具、6a、6b、6c:ねじ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小山田 栄治 神奈川県藤沢市辻堂東海岸３―４―９ ア スク独身寮 (56)参考文献 実公 昭51−18574（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄骨構造物の鉄骨柱の周囲を耐火被覆材で
   覆って隣接の該耐火被覆材の隅部において断面Ｌ字形の
   留め金具を介して固着部材によって耐火被覆材を固着連
   結して、該耐火被覆材を層状に複数層設けて成ることを
   特徴とする耐火被覆鉄骨柱。