JPH0734355B2 - 扁平陰極線表示管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スクリーンを有する光学的に透明な平らなフ
ェースプレートより成る前壁とこの前壁と対向する後壁
とを有する容器、後壁に隣接して配置され、電子ビーム
を後壁上をフェースプレートと平行に向ける電子ビーム
発生装置、電子ビームがフェースプレートと平行に反対
方向に進むようにこの電子ビームを転向す反転レンズ、
転向された電子ビームをスクリーンに向けて偏向する偏
向装置、および容器内に位置されたゲッタ装置を有する
扁平陰極線表示管に関するものである。

一般的なこの種の扁平陰極線表示管は、公告された英国
特許出願第2101396Aに記載されている。この管では、容
器の容積は、フェースプレートに平行に延在する仕切り
によって前部と後部とに分けられ、電子ビームは最初は
この仕切りの一方の側の上をこれと平行に向けられ、次
いで反転レンズにより反転されて仕切りの他方の側と平
行に進み、この他方の側は、フィールド走査用のビーム
偏向電極を有する。更にこの管は、容器の後部内に電子
ビームを発生装置すなわち電子銃と隣接して、ライン走
査を行うため、仕切りおよびフェースプレートに平行な
平面内でビームを偏向する役をする別の電子ビーム偏向
電極装置と、偏向電極装置による偏向に続いて電子ビー
ムを増倍するための、スクリーン近くに隣接してこれと
平行に配置されたチャンネルプレート電子増倍器を有す
る。

前記の英国特許出願には特に言及されていないが、陰極
線表示管では普通のように、ゲッタ装置が容器内に入れ
られる。ゲッタ装置を付活した時に容器内の敏感な動作
要素がこのゲッタ装置より放散された物質により汚染さ
れないことが、ゲッタ装置の位置決めにおいて重要な考
慮事項である。従来はゲッタ装置は電子銃の領域に配置
されていた。ゲッタ装置の付活によってこのゲッタ装置
よりの物質で電子銃が汚染されるのを阻止するために
（このような汚染は電子銃の性能を損なうことがあ
る）、容器内に別体の障壁部材が取付けられて電子銃の
しゃ蔽に用いられているが、この場合、この障壁部材
は、ゲッタ装置と電子銃との中間に配置され、ゲッタ装
置より放散されて電子銃に直接向かう物質が電子銃に到
達するのを阻止する。

このような障壁部材は完全に満足すべきものでなく、多
くの欠点を有している。製造は比較的簡単であるが、そ
の製造および容器内への取付が管の組立に要する全時間
を増し、また内蔵される構成要素の数を増やす。更に、
容器内部の利用スペースの大きさは最小限のものであ
り、追加の要素がこの貴重なスペースをふさぐことにな
ることはわかるであろう。この障壁部材の付設は、管の
内部構成要素の組立を面倒にする外、更に、他の構成要
素を、これを入れることができるように配する必要があ
る。

本発明の目的は、容器内に配置されたゲッタ装置を有す
る前述の種類の陰極線表示管において、これに関係した
前記の欠点を除去した陰極線表示管を得ることにある。

本発明の特徴とするところは、スクリーンを有する光学
的に透明な平らなフェースプレートより成る前壁とこの
前壁と対向する後壁とを有する容器、後壁に隣接して配
置され、電子ビームを後壁上をフェースプレートと平行
に向ける電子ビーム発生装置、電子ビームがフェースプ
レートと平行に反対方向に進むようにこの電子ビームを
転向する反転レンズ、転向された電子ビームをスクリー
ンに向けて偏向する偏向装置および容器内に位置された
ゲッタ装置を有する扁平陰極線表示管において、ゲッタ
装置は、容器の後壁に隣接した電子ビーム発生装置の側
方に、容器の後壁に形成され且つ少なくとも部分的に後
壁の細長いリブによって限界された少なくとも１つのく
ぼみ内に位置され、このくぼみの壁が電子ビーム発生装
置を直接ゲッタ装置よりしゃ蔽するようにしたことにあ
る。

このようにゲッタ装置が入るくぼみを限界するリブを有
する後壁を形成することによって、電子ビーム発生装置
を阻止す有効な障壁が都合よく得られ、この目的のため
のの余分な構成要素は必要なくなる。更に、この観点で
のリブの付設は、このリブが容器の後壁を補強するとい
う別の顕著な利点をもたらす。容器内の高い真空状態の
下では著しい力が容器の後壁に働くことはわかるであろ
う。そこに形成されたリブは後壁の剛性を増し、後壁が
容器の内方にそるのを阻止する。このため後壁に薄い壁
を用い、管の全重量をへらすことも可能である。後壁
は、ゲッタ装置を収容し、容器の深さを目立つ程増加す
ることなしに容器内に十分な自由スペースを維持するよ
うに容易に設計することができる。

リブは、容器の外向きに突出し、この場合リブの内表面
自体がくぼみを形成するようにすることもできる。けれ
ども好ましい実施態様では、リブは容器の内向きに突出
し、電子ビーム発生装置をゲッタより直接しゃ蔽する。
管が電子ビーム発生装置に隣接して別のビーム偏向電極
装置例えばライン走査電極を有する場合は、この別の電
極装置もやはり前記のリブによってゲッタ装置より直接
しゃ蔽されるのが好ましい。

ゲッタ装置は、後壁に形成された各くぼみ内に位置する
２つのゲッタ例えばタングステン−チタニウムゲッタ線
より成り、各くぼみは、電子ビーム発生装置すなわち電
子銃をそれと関係するゲッタより直接しゃ蔽する夫々の
細長いリブによって少なくとも部分的に限界されるよう
にすることができる。このようにリブを設けることによ
り、後壁に一層大きな機械的強度が与えられる。２つの
ゲッタは電子ビーム発生装置の軸の両側方に配設され、
この場合電子ビーム発生装置は２つのリブの中間領域に
配置される。

後壁は、リブの形成を容易にし適当な機械的強度を与え
る例えばニッケル−鉄合金または軟鋼の金属プレスとし
てつくるのが好ましい。

以下に本発明の扁平管を添付の図面を参照して実施例で
説明する。

第１図において、扁平表示管10は、光学的に透明な平ら
なガラスのフェースプレート14、このフェースプレート
14と対向する後壁15および側壁17とで構成された普通は
方形の容器12を有し、この場合側壁と後壁は軟鋼で形成
される。フェースプレート14は、その内面に、後段スク
リーン加速電極を構成するアルミニウムバック層18を有
するけい光スクリーン16を有する。

フェースプレート14と後壁15とに平行に延在する仕切り
20は、容器12を前部と後部に分ける。電子銃30は後壁15
に隣接した後部内に設けられ、後壁15と仕切り20とに平
行に上向きに低エネルギ電子ビーム32を向け、この場合
夫々仕切り20と後壁15の表面部分より成る電極26と28は
無電界領域を形成する。電子銃30に隣接する静電偏向電
極34は、電子銃で発生された電子ビーム32をライン走査
のためフェースプレート14と平行な面内で偏向する役を
する。

容器12の上端には、電子ビーム32が仕切り20の他方の側
に隣接して容器の前部を反対方向に進行するようにこの
電子ビーム32を180°転向する働きをする反転レンズ装
置36が設けられている。横方向に細長く、垂直方向に間
隔をおいた複数の電極42が仕切り20の前側に支持され、
フレーム偏向電極装置を構成する。複数の電極42は、フ
ェースプレート14と間隔をおいてこれに平行に延在する
チャネルプレート電子増倍器44の入力面に向けて電子ビ
ームを偏向しこれを走査できるように、選択的に付勢可
能である。電子ビームは増倍器内で増倍され、反対の出
力面でこの増倍器より出ると電極18によってけい光スク
リーン16に向けて加速され、けい光材料を励起する。

この表示管は公告された英国特許出願第2101396A号と同
じである。管およびその動作のより詳細な説明について
必要あれば前記の英国特許出願を参照されたい。

チャネルプレート電子増倍器は、例えば英国特許明細書
第1,401,969号および2,023,332A号に記載されているよ
うな積層ダイノード電子増倍器或いはチャネルのマトリ
ックスを有するガラスマイクロチャネルプレート増倍器
より成るものでもよい。後者の種類の増倍器の製法は一
般に知られているが、より詳細な情報は例えばアクタ・
エレクトロニカ（Acta Electronica）第14巻、第２号
（1971年３月）より得ることができる。

第２図および第３図において、容器12の方形の後壁15
は、一定の壁厚（1.0mmと1.5mmの間）のニッケル‐鉄合
金または軟鋼のプレスより成り、ハウジングの側壁17の
部分を形成する一体の直立した側部を有する全般に平ら
なベース領域50として形成される。管の組立に当たっ
て、前記のプレスは、側壁17の残りを形成し且つガラス
のフェースプレート14がシールされる別の金属合金また
は軟鋼（図示せず）と合わされ、直立した側部の端の外
向きの連続した縁に沿って溶接することにより別のプレ
スに確りと固定される。

後壁には、その一方の端に対称的に位置するよう突出部
51が設けられ、この突出部の夫々には、管の内部構成要
素との電気接続を確立するために場合によっては多ピン
貫通部52がシールされる。

第3a図と3b図よりよくわかるように、後壁15のベース領
域50は、プレスの間に２つの平行な上の平らな細長いリ
ブ55と共に形成され、このリブ55は、内側に突出し、突
出部51より後壁の長手方向に延在し、後壁15の中心線の
両側に対称的に位置する。前記のリブは代わりに上面が
円滑に彎曲されてもよい。これ等のリブは、ベース領域
50と直立した側壁との間の移行部に隣接して形成され且
つやはり突出部51より延在する別の２つのリブ56の夫々
１つと、２つのリブ55の中間にあってベース領域50と接
するくぼみ領域58の側方に夫々半円径のくぼみ57を形成
する。

タングステンの心とこの心に巻かれたタングステンとチ
タニウムのらせんとより成るゲッタ線60が各くぼみ55内
に配置され、このくぼみに沿って後壁15の表面と平行に
延在し、この場合、一方の端は、後壁に取付けられた導
電性の端子ポスト61と接続され、他方の端は、絶縁性の
支持ポスト63を経て導線62と接続され、多ピン貫通部52
の各ピンと接続される。前記ゲッタ線は、リブ55の最も
内側のレベルの下にあるように夫々のくぼみ内に置かれ
る。

管の最終組立に際して、電子銃30と偏向電極34とが、適
当な支持体により、リブ55の中間の領域58内に（第２図
および３図に点線で示す）後壁15のベース領域の表面に
隣接しこれを間隔を保って位置され、この場合それ等の
軸は重なり、後壁の中心線と平行である。端子ポスト61
と導線62を経てゲッタ線に電流を通すことによりゲッタ
線60が付活されると、このワイヤより蒸発した物質がリ
ブ55のため電子銃30と偏向電極34の両方の構造体に直接
到達するのを阻止され、したがって、電子銃と偏向電極
の汚染が妨がれる。

リブはこのように障壁として働く外に更に後壁15を強化
する構造補強部としての重要な役目もし、後壁を、取り
立てる程のそりもなしに容器内の真空状態に耐えること
ができるようにする。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の扁平陰極線表示管の断面図、 第２図は管の容器の後壁の平面図、 第3a図は第２図のＩ−Ｉにおける断面図、 第3b図は第２図のII−IIにおける断面図である。 12…容器、14…フェースプレート 15…後壁、16…けい光スクリーン 17…側壁 18…アルミニウムバック層 20…仕切り、26,28,42…電極 30…電子銃、34…偏向電極 36…反転レンズ 44…チャネルプレート電子増倍器 50…ベース領域、51…突出部 55,56…リブ、57…半円径くぼみ 58…くぼみ領域、60…ゲッタ線 61…端子ポスト、62…導線 63…絶縁性ポスト

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スクリーンを有する光学的に透明な平らな
   フェースプレートより成る前壁とこの前壁と対向する後
   壁とを有する容器、後壁に隣接して配置され、電子ビー
   ムを後壁上をフェースプレートと平行に向ける電子ビー
   ム発生装置、電子ビームがフェースプレートと平行に反
   対方向に進むようにこの電子ビームを転向する反転レン
   ズ、転向された電子ビームをスクリーンに向けて偏向す
   る偏向装置、および容器内に位置されたゲッタ装置を有
   する扁平陰極線表示管において、ゲッタ装置は、容器の
   後壁に隣接した電子ビーム発生装置の側方に、容器の後
   壁に形成され且つ少なくとも部分的に後壁の細長いリブ
   によって限界された少なくとも１つのくぼみ内に位置さ
   れ、このくぼみの壁が電子ビーム発生装置を直接ゲッタ
   装置よりしゃ蔽することを特徴とする扁平陰極線表示
   管。
2. 【請求項２】細長いリブは容器の内方に突出し、電子ビ
   ーム発生装置を直接ゲッタ装置よりしゃ蔽する特許請求
   の範囲第１項記載の扁平陰極線表示管。
3. 【請求項３】電子ビーム発生装置に隣接した別のビーム
   偏向電極装置を有し、この別のビーム偏向電極装置は、
   やはりくぼみの壁によってゲッタ装置より直接しゃ蔽さ
   れた特許請求の範囲第１項または第２項記載の扁平陰極
   線表示管。
4. 【請求項４】ゲッタ装置は、後壁に形成された各くぼみ
   に夫々位置する２つのゲッタより成り、各くぼみは少な
   くとも部分的に後壁の細長いリブによって限界された特
   許請求の範囲第１項から第３項の何れかの１項記載の扁
   平陰極線表示管。
5. 【請求項５】２つのゲッタは、２つのリブの中間領域に
   配置された電子ビーム発生装置の軸の両側方に配置され
   た特許請求の範囲第４項記載の扁平陰極線表示管。
6. 【請求項６】ゲッタ装置は、各くぼみの縦方向に延在す
   るタングステン−チタニウム線より成る特許請求の範囲
   第１項から第５項の何れかの１項記載の扁平陰極線表示
   管。
7. 【請求項７】後壁は金属プレスより成る特許請求の範囲
   第１項から第６項の何れかの１項記載の扁平陰極線表示
   管。