JPH0734342Y2 - 計器用指針 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は計器用指針、詳しくは
車両用計器等に使用される計器用指針に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の計器用指針として、実開平
２−７５２３号公報に記載のものが知られている。

【０００３】この従来の計器用指針は、指針本体部と指
針本体部の上面に貼着された着色部とを備え、指針本体
部を着色部と同色の蛍光染料が混入された透明樹脂材料
により形成することにより、指針本体部の漏光が着色部
の発光色と同色になるようにし、指針の表示品質（見栄
え）を図るようにしたものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、一般には透明
樹脂材料であっても蛍光染料の混入により透光性が低下
すると考えられる。

【０００５】このため、上記のような従来の計器用指針
によると、指針先端部に到達する光量が減少し、指針先
端部の輝度が他の箇所の輝度と比べ低くなり、この点で
表示品質が低下するおそれがある。

【０００６】この考案は上記の点にかんがみ、指針先端
部への到達光量の減少を招くことなく、指針本体部の漏
光による表示品質の低下を防止することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、この考案に係る計器用指針は、透明層と光拡
散層との二層構造からなり、前記透明層には外部からの
入射光を指針先端部へ曲折させる反射面が形成されてい
る指針本体部と、前記光拡散層の上面に形成された着色
部と、を備える計器用指針であって、前記光拡散層が前
記着色部と同色の透光性着色材料により形成されてなる
ことを特徴とする。

【０００８】

【考案の作用効果】この考案に係る計器用指針におい
て、外部から当該指針に入射してきた照明光の一部は、
ほとんど減衰することなく指針本体部の透明層を通って
指針先端部まで到達する。このため、指針先端部への到
達光量が増大し指針先端部の着色部の輝度が増大して表
示品質が向上するようになる。

【０００９】また、指針本体部からの漏光の一部は、着
色部と同色の透光性着色材料により形成された光拡散層
からの漏光となる。従って、この漏光は着色部の発光色
と同色となり、表示品質の低下を防止することができ
る。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１ないし図４に基づいて
説明する。

【００１１】図１に示すように、この実施例に係る計器
用指針１は、文字盤２が上面にもうけられた導光体３の
上方に、ムーブメント（図示せず）によって回転されう
るよう配設されている。

【００１２】計器用指針１は、図５に示すように、指針
本体部４と、着色部５と、軸部６と遮光板部７とからな
る指針軸１１と、キャップ８とからなる。

【００１３】 指針本体部４は透明層４ａと光拡散層
４ｂとの二層構造からなる。

【００１４】透明層４ａはアクリル樹脂材料等透明な材
料により形成されている。また透明層４ａには、外部す
なわち導光体３からの入射光を指針先端部１ａへほぼ直
角に曲折させる反射面９が、軸部６の近傍に形成されて
いる。この反射面９は、入射光の指針先端部１ａへの集
光率を増大させるよう構成されている。すなわち、反射
面９は、図３に部分拡大断面図として示すように、例え
ば２つの連続した反射面９ａ，９ｂからなり、それぞれ
の反射面９ａ，９ｂでの反射光が指針先端部１ａで集光
するよう構成されている。その他、反射面９は３つ以上
の連続した反射面からなるものであったり、曲面からな
るものであってもよい。すなわち、反射面９は集光手段
として機能するものであればよい。

【００１５】光拡散層４ｂは着色部５と同色の透光性着
色材料により形成されている。例えば、着色部５が赤色
である場合、光拡散層４ｂは赤色の透光性着色材料によ
り形成されている。

【００１６】 着色部５は、光拡散層４ｂの上面に、
ホットスタンプ（スタンプ箔を接着剤にて熱圧着するこ
と）又は印刷（インクをスクリーン印刷すること）によ
り形成されている。軸部６はムーブメント（図示せず）
に連結されている。遮光板部７は指針本体部４の後端部
４ｃへの入光を防止するためのものである。キャップ８
は黒色材料からなり、指針本体部４の軸部６近傍の側面
４ｄを覆うように指針本体部４に取り付けられ、指針本
体部４の漏光を減少させるなどする。なお、図中の他の
符号１０はバルブ等光源を表わしている。

【００１７】次に、上記のように構成された計器用指針
１の作用を説明する。

【００１８】光源１０の照明光は導光体３に入射され導
光体３を経て導光体３から出射する。

【００１９】導光体３の出射光は当該指針１の指針本体
部４の透明層４ａに入射する。透明層４ａに入射した照
明光は、反射面９ａ，９ｂでほぼ直角に曲折し、その一
部の照明光はほとんど減衰することなく指針本体部４の
透明層４ａを通って指針先端部１ａまで到達する。この
ため、指針先端部１ａへの到達光量が増大し、指針先端
部１ａの着色部５の輝度が増大して表示品質が向上する
ようになる。

【００２０】指針本体部４の透明層４ａに入射した照明
光のごく一部は、図２に示すように、着色部５と同色の
透光性着色材料により形成された光拡散層４ｂを通って
外部へ漏れ出る。この漏光は、光拡散層４ｂが着色部５
と同色の透光性着色材料により形成されていることか
ら、着色部５の発光色と同色となり、表示品質の低下を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例に係る計器用指針及びその周辺の構成
を示すための図４図示I-I 線による断面図

【図２】同じく図４図示II-II 線による断面図

【図３】図１における要部拡大図

【図４】同計器用指針の斜視図

【図５】同計器用指針の分解斜視図

【符号の説明】

１ 計器用指針 １ａ 指針先端部 ４ 指針本体部 ４ａ 透明層 ４ｂ 光拡散層 ５ 着色部 ９ 反射面 ９ａ，９ｂ 反射面

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明層と光拡散層との二層構造からな
   り、前記透明層には外部からの入射光を指針先端部へ曲
   折させる反射面が形成されている指針本体部と、 前記光拡散層の上面に形成された着色部と、 を備える計器用指針であって、 前記光拡散層が前記着色部と同色の透光性着色材料によ
   り形成されてなることを特徴とする計器用指針。
2. 【請求項２】 前記反射面は、前記入射光を前記指針先
   端部へ集光する凹面であることを特徴とする請求項１に
   記載の計器用指針。
3. 【請求項３】 前記反射面は、前記入射光を前記指針先
   端部へ集光する凹曲面であることを特徴とする請求項２
   に記載の計器用指針。
4. 【請求項４】 前記反射面は、前記入射光を前記指針先
   端部へ集光する凹形状連続多平面であることを特徴とす
   る請求項２に記載の計器用指針。