JPH0733905Y2 - スプレー容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はスプレー容器に関するものである。

（従来の技術） ゴムと繊維を重ね合せた三層構造のチューブに液体類を
中に入れるとチューブが膨張し、チューブが元に戻ろう
とする力で液体を外へ噴出させる無公害スプレー容器は
知られている。

（考案が解決しようとする課題） フレオンガスを使用したスプレー容器は最近は公害問題
で使用禁止となり、これに代るものが開発されている
が、フレオンガスの代りに窒素ガスや炭酸ガスを使用し
ても化学変化を起す弊害がある。

そこで、以上のような無公害スプレーが開発されたもの
であるが、これとても全体をゴムで形成するので内容液
にゴムの臭いがついたり内溶液が化学変化を起こすとい
う欠点がある。

したがって、本案は内溶液に臭いがつかないしかも化学
変化を起さないスプレー容器をうることを目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段） 本案は、以上のような目的を達成するために次のような
スプレー容器を提供するものである。

すなわち、注入バルブを具えたシリンダーとこれに対し
て摺動自在に内装され、かつ排出バルブを具えたピスト
ンとからなる液体容器を伸縮自在な弾性筒体に内装した
スプレー容器であり、しかもピストンがシリンダーに対
して完全に後退した状態においても弾性体に収縮力を支
えるようにしたスプレー容器である。

（作用） シリンダーに圧入される内部液体は弾性筒によって常に
押されているピストンによって圧縮されており、ピスト
ン上方の排出バルブの開閉ロッドを押し下げることによ
りボール弁が開いて内部液をノズルから噴射する。

（実施例） 以下図面に示す実施例について説明する。

（１）は下端に注入バルブ（２）を具えたシリンダーで
あり、これに対してピストン（３）が摺動自在に内装さ
れている。

ピストン（３）の上部には排出バルブ（４）を具えてお
り、排出バルブ（４）はボール弁（５）とこれを押し下
げる開閉ロッド（６）とからなっていて、この排出バル
ブ（４）はノズル（７）につながっている。

以上のようなシリンダー（１）とピストン（３）とは液
体容器（８）を形成しており、この容器（８）は弾性筒
（９）に内装される。

液体容器（８）を弾性筒（９）に内装するにはピストン
（３）がシリンダー（１）に完全に後退した位置におい
て弾性筒が若干伸張している状態で内装される 第１図は液体容器（８）に液体が注入されていない状態
を示し、第２図は液体容器に液体が注入された状態を示
している。

液体容器に液体を注入するには注入バルブ（２）を押し
開いて注入するものであり、注入するとピストン（３）
は伸張し弾性筒体（９）も伸張する。液体容器（８）に
注入された液体は、ピストン（３）が弾性筒体（９）で
押されていることによりピストン（３）で常に圧縮され
ているものであり、使用時開閉ロッド（６）を押し下げ
てボール弁（５）を開くことによりノズル（７）から噴
射できるものである。

本案のスプレー容器の噴射はガス圧を利用するものでは
なく、弾性筒の弾性圧を利用して液体を噴射するもので
ある。

ピストンとシリンダーは合成樹脂で成形されるもので、
弾性筒（９）内に液体容器（８）を内装し易くするため
押し開き口（10）（11）を筒体（９）の上下に成形し、
この押し開き口（10）（11）に挿入される小径部（1a）
をシリンダー（１）の底部に形成し、かつピストン
（３）の小径部（3a）をピストン（３）の上部に形成す
る。

以上のような小径部を形成することによりシリンダーの
小径部（1a）と大径部（1b）との間の段部が筒体（９）
に対するシリンダー（１）のストッパーとなり、ピスト
ンの小径部（3a）と大径部（3b）が筒体（９）に対する
ピストン（３）のストッパーとなるものである。

（考案の効果） 本案のものによれば、弾性筒体の伸張によって液体容器
内の液体を圧縮するものがあるからガス圧を使用しなく
て済み、無公害のスプレーがえられるのみならず噴射さ
れる液体は直接弾性筒体に接触しないから弾性筒体とく
にゴムの臭いが液体につかないし、液体が化学変化を起
すことがない。

しかして、液体容器に液体がなくなれば再度液体を注入
バルブから注入して何回でも使用でき、弾性筒体に予圧
を与えているので、すなわちピストンがシリンダーに完
全に後退しているときにもなお弾性筒体の収縮力が働い
ている状態にあるから液体容器内の液体をくまなく噴射
することができる。

本案の容器は化粧料容器、殺虫剤容器等のスプレー容器
として使用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は液体容器に液体が入っていない状態の本案スプ
レー容器の断面図、 第２図は液体容器に液体がはいっている状態の本案スプ
レー容器の断面図である。 （１）……シリンダー （２）……注入バルブ （３）……ピストン （４）……排出バルブ （８）……液体容器 （９）……弾性筒体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 83/58

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】注入バルブを具えたシリンダーとこれに対
   して摺動自在に内装され、かつ排出バルブを具えたピス
   トンとからなる液体容器を伸縮自在な弾性筒体に内装し
   てなるスプレー容器。
2. 【請求項２】ピストンがシリンダーに対して完全に後退
   した状態においても弾性筒体に収縮力を与えて形成した
   請求項（１）記載のスプレー容器。