JPH0733829B2 - スクロ−ル圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル圧縮機

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JPH0733829B2
JPH0733829B2 JP2143686A JP2143686A JPH0733829B2 JP H0733829 B2 JPH0733829 B2 JP H0733829B2 JP 2143686 A JP2143686 A JP 2143686A JP 2143686 A JP2143686 A JP 2143686A JP H0733829 B2 JPH0733829 B2 JP H0733829B2
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勝晴 藤尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール圧縮機に係り、圧縮機の効率向上な
らびに摺動面の耐久性向上に関するものである。
従来の技術 スクロール圧縮機は、吸入室が外周部にあり、吐出ポー
トがうず巻きの中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一
方向のため高速運転時の流体抵抗が小さくて圧縮効率が
高いことは一般によく知られている。
また、この種の高圧ガス密閉シェル構造の圧縮機として
は、第7図に示す構成も考えられ、背圧室の適切な圧力
設定により軸方向のスラスト力を軽減しながら各摺動部
の潤滑が次のように構成されていた。
すなわち第7図において、旋回スクロール105は、円盤1
08の背面の旋回軸受部110に駆動軸104のクランク109が
挿入され、旋回スクロール105の自転を防止する旋回機
構111を有している。また旋回スクロール105の背面は、
フレーム107により独立した空間112を形成し、この空間
112は、旋回スクロール105の軸方向荷重をバランスする
ために円盤108に設けた均圧穴113により、圧縮途中の圧
縮室と連通して吸入圧力より高く、吐出圧力よりも低い
中間圧力に設定されている。そして旋回軸受部110やラ
ジアル軸受120、121への給油は、駆動軸104の軸内に貫
通して設けた偏心穴126を通して、吐出圧力と同圧力の
密閉容器内下部の油溜の潤滑油を、中間圧力状態の空間
112へ差圧を利用して流入させる過程で行い、さらに均
圧穴113を通して圧縮途中の圧縮室へ潤滑油を流入させ
る構成であった。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第7図のような開度が固定した給油
通路に上記のような差圧を利用する給油方式では、冷時
起動運転、熱時運転、冷凍サイクルの熱負荷、圧縮機駆
動軸104の回転速度などの運転条件によっては、潤滑油
の流動性、油溜から圧縮室までの差圧が不安定となり、
それにともない給油量が変化して、空間112の中間圧力
追従性の悪化に起因するスラスト力の増加、あるいは軸
受部の摩耗による動力損失の増加や耐久性の低下、圧縮
室への潤滑油流入量の増大による圧縮効率の低下を招く
などの問題があった。
そこで、本発明は圧縮機の運転条件に応じて給油通路の
開度を制御し、摺動部への適切な給油と、中間圧力の追
従性改善を行い、摺動部の摩擦損失が少なく、耐久性に
優れ、圧縮効率の高いスクロール圧縮機を提供するもの
である。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のスクロール圧縮機
は、潤滑油供給源と背圧室とは駆動軸に係合する軸受部
を介して連通し、背圧室と吸入室またはこれに通じる吸
入側との間、あるいは背圧室と初期圧縮行程に位置する
圧縮室との間に、ラップ支持円盤を経由する第1および
第2の連通路を設け、圧縮機運転状態検出装置を圧縮機
の内部または外部に設け、前記第1および第2の連通路
の途中には前記圧縮機運転状態検出装置に応答して作動
し前記第2の連通路の開度を制御する給油通路制御装置
を備えたものである。
作用 本発明は上記構成によって、圧縮機の駆動軸の回転速
度、潤滑油の温度、圧縮機内部の圧力または圧力差など
を検出し、初期(冷熱)起動時か定常(温熱)運転時か
によって給油通路制御装置の通路の開度調整を行うこと
により、連通路の通路抵抗を調整して圧縮機運転状況に
応じた背圧室の適切な中間圧力を維持するものである。
これにより、旋回スクロールにおけるスラスト荷重を軽
減するとともに、駆動軸に係合する軸受部に供給される
潤滑油は、潤滑油供給元と背圧室との差圧および潤滑油
の温度(粘性)に追従増減し、圧縮負荷や熱負荷に対応
して潤滑油供給源から摺動面を潤滑し、漸次減圧されな
がら背圧室に流入の後、連通路を通して圧縮室や吸入室
または吸入側に流入する。したがって、負荷に応じた圧
縮室への無駄な潤滑油流入を防止することができ、摺動
部の摩耗や摩擦トルクを少なくして耐久性に優れ、圧縮
効率の高いスクロール圧縮機を提供するものである。
実施例 以下本発明の3実施例のスクロール圧縮機について、図
面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール冷媒
圧縮機の縦断面図、第2、第3図は第1図におけるA部
の給油通路制御装置の作動を説明する縦断面図、第4
図、第5図、第6図は他の実施例におけるスクロール冷
媒圧縮機の部分銃断面図を示すものである。
第1図において、1は密閉シェル、2は密閉シェル1に
圧入固定された本体フレーム、3、4は本体フレーム2
の中心に設けられた軸受、5は軸受3、4に支承され下
端が開口した偏心油穴6と軸受4に連通して横油穴7を
設けた駆動軸で、その上端には表面に極細の螺旋状油溝
8を有した偏心軸部9が設けられ、下端は密閉シェル1
の底部の油溜10にまで伸びて没入している。11はモータ
でその回転子12は駆動軸5に、固定子13は密閉シェル1
にそれぞれ圧入固定されている。
偏心軸部9に連結し、その中心の軸受穴14に軸受15を備
えた旋回スクロール16のラップ支持円盤17は、その上面
に直立した旋回スクロールラップ18が一体に形成され、
さらに軸受穴14から外周にまで貫通した第1の連通路で
ある放射状油穴19と、放射状油穴19の途中から斜外側方
向に延び、環状の吸入室20に連通した第2の連通路であ
る絞り通路21が設けられている。そして前記放射状油穴
19と絞り通路21との交叉部には、第2図、第3図でその
詳細を示す通り、シリンダ45の内部に装着された弁体4
6、弁体46を付勢するバネ装置47とバネ装置47の移動を
止め、その中央に通路A48を有した止メネジ49とで構成
した給油通路制御装置50が取付けられている。前記弁体
46にはその中央部に通路B51、その外周部に通路C52、通
路C52に隣接して極細通路を有する通路D53が設けられて
いる。前記バネ装置47はそれ自身の温度が上昇すると収
縮し、下降すると伸長する形状記憶特性を備えた材質か
ら成る。ラップ支持円盤17の下面は本体フレーム2の上
端開口穴に突出したスラスト軸受座23に支承され、旋回
スクロールラップ18はその平面形状がうず巻き状をな
し、その断面は矩形をなして、隣り合う旋回スクロール
ラップ18は平行関係にある。
自転阻止用のオルダムリング24は、平らなリングの両面
に互いに直交する平行キー形状のキー部を備えたもの
で、ラップ支持円盤17とスラスト軸受座23との間に設け
られており、駆動軸5の回転によってラップ支持円盤17
は、駆動軸5の軸心のまわりに円運動を行い、旋回スク
ロールラップ18は旋回運動をする。また、本体フレーム
2の上端面には、上端開口穴をふさいでラップ支持円盤
17の背圧室25とした固定スクロール26の鏡板27が取付け
られ、旋回スクロール16は、この固定スクロール26の鏡
板27とスラスト軸受座23によって旋回可能に取付られて
いる。また、本体フレーム2、ラップ支持円盤17、スラ
スト軸受座23とで形成された給油空間28は、給油通路制
御装置49、放射状油穴19、軸受穴14、螺旋状油溝8を介
して背圧室25に連通している。
前記鏡板27のラップ支持円盤側摺動面32には環状油溝33
が設けられ、その内側には環状の吸入室20が設けられ、
さらにその内側には、旋回スクロールラップ18と固定ス
クロールラップ34とで圧縮室が形成され、さらに固定ス
クロール26の中心部には、密閉シェル1の内側を吐出空
間35とした吐出ポート36が設けられている。
また、環状の吸入室20には、側方より密閉シェル1を貫
通した吸入管37が接続され、密閉シェル1の側面にはモ
ータ11の上部コイルエンド側空間38に開口した吐出管39
が接続されている。密閉シェル1に圧入固定された本体
フレーム2の外側面には切欠き溝40が設けられ、この切
欠き溝40が、密閉シェル1内の鏡板27の側の吐出空間35
とモータ11側の空間38とを連通している。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、以下第1図、第2図、第3図を用いてその動作を説
明する。
モータ11によって回転子12が回転し、駆動軸5が回転駆
動されると、旋回スクロール16が旋回運動をし、吸入管
37を通して冷媒ガスが吸入室20に吸入される。この冷媒
ガスは、旋回スクロールラップ18と固定スクロールラッ
プ34間に形成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スク
ロール16の旋回運動にともなって圧縮され、最終吐出ポ
ート36より吐出空間35へ吐出される。このとき冷媒ガス
中に含まれる潤滑油の一部は、その自重などによって冷
媒ガスから分離して密閉シェル1と本体フレーム2との
間の切欠き溝40などを経て底部の油溜10に収集され、残
りの潤滑油は吐出冷媒ガスと共に吐出管39を経て外部の
冷凍サイクルへ搬出される。
一方、固定スクロール26の鏡板27と本体フレーム2とに
よって吐出空間35から隔離して形成された背圧室25を経
由する、高圧側の油溜10から低圧側の吸入室20までの差
圧給油は次のようにして行われる。
すなわち、圧縮機の起動後、吐出冷媒ガスで充満された
密閉シェル1の底部の油溜10の潤滑油は、起動軸5に設
けられた偏心油穴6、横油穴7と駆動軸5を支承する軸
受3、4と駆動軸5との間の微少隙間を通過することに
よって漸次減圧給油され、吸入圧力と吐出圧力との中間
圧力の状態で背圧室25に供給される。さらに潤滑油は、
偏心軸部9の表面に設けられた極細の螺旋状油溝8や、
偏心軸部9と旋回スクロール16の軸受部15との間の微少
隙間を通り、漸次減圧給油された後、旋回スクロール16
に設けた軸受穴14、放射状油穴19、弁体46の通路B51、
通路C52を経て、極細の通路D53と絞り通路21を通過しな
がら、漸次減圧されて吸入室20に流入する。さらに、遠
心力作用で放射状油穴19やシリンダ45、通路A48を経て
給油空間28にも給油され、鏡板27とラップ支持円盤17と
の間の摺動面の微少リークや、鏡板27の環状油溝33を経
て漸次減圧されながら摺動面を潤滑し、吸入室20に流入
する。
また、圧縮機の回転速度が増加したり、圧縮負荷が大き
くなって、ラップ支持円盤17やその周囲の温度上昇が高
くなると、弁体46やバネ装置47の遠心力作用に加えて形
状記憶特性を有するバネ装置47が収縮し、給油通路制御
装置50は第2図の状態から第3図の状態に変化する。
すなわち、弁体46がラップ支持円盤17の外周方向に移動
して、絞り通路21と通路C52とが直接連通し、放射状油
穴19と吸入室20との間の通路抵抗が少なくなる。これに
より、潤滑油の流量が増加すると共に背圧室25の圧力が
少し低下する。また、給油通路制御装置50aは圧縮機の
回転速度や、バネ装置47の温度が低下すると再び第2図
の状態に戻る。
この差圧給油方式によれば、ラップ支持円盤17の背面の
背圧室25の圧力を、給油通路の通路抵抗調整によって、
吐出圧力に近い状態から吸入圧力に近い状態にまで自由
に設定できるので、ラップ支持円盤17の背面に作用する
ガス圧荷重と圧縮室内のガス圧荷重との荷重差を自由に
調整でき、それによってラップ支持円盤17を、鏡板27の
側へ押しつけることも、また、鏡板27から離してスラス
ト軸受座23の側に押しつけることもできる。
本実施例では定常運転時など、潤滑油の粘性が低い場合
(潤滑油の温度が高い場合)のラップ支持円盤17は、鏡
板21の側へスラスト力が作用するように、また、冷時起
動直後など潤滑油の粘性が高い場合(潤滑油の温度が低
い場合)のラップ支持円盤17は、スラスト軸受座23の側
へスラスト力が作用して、鏡板27とラップ支持円盤17と
の間の摺動面の隙間を調整し、潤滑油の粘性に応じた摺
動面の通路抵抗調整を行なって流量調整をし、背圧室25
の中間圧力を調整する機能を備えている。
また、圧縮機停止後は、給油通路制御装置50の弁体46が
背圧室25と吸入室20との間の連通路を狭め、背圧室25か
ら吸入室20への潤滑油流入を防止するとともに、背圧室
25と油溜10または偏心油穴6などとの間の差圧が零にな
るまで潤滑油が背圧室25に供給される。したがって、圧
縮機再起動時の背圧室25は、潤滑油でほぼ充満されてい
る。
なお、本実施例では油溜10から背圧室25への差圧のみに
よる給油方式での給油例について説明したが、駆動軸5
の先端部や駆動軸5の中に設けたポンプ装置などによる
強制給油方式併用の場合も同様の作用をする。
また、本実施例では放射状油穴19と吸入室20との間に絞
り通路21を設け、絞り通路21と放射状油穴19との間に給
油通路制御装置50の弁体46を配置したが、第4図に示す
実施例のように、放射状油穴19aと初期圧縮行程の圧縮
室54との間に絞り通路21aを設け、絞り通路21aと放射状
油穴19aとの間に弁体46を設けて給油通路制御装置50aを
構成しても同様の作用をする。
また、本実施例では油溜10から背圧室25までの給油通路
を軸受3、4を介してのみ連通したが、第5図に示す実
施例のように、駆動軸5aの偏心油穴6aを偏心軸部9の端
まで延長し、油溜10と軸受穴14aとを連通して背圧室25
への給油を、偏心軸部9の軸受隙間や油溝を通した給油
経路と、横油穴7、軸受3、4を経由した給油通路とで
行い、背圧室25から吸入室20への給油通路を、ラップ支
持円盤17bに設けた小穴55、放射状油穴19、第2図、第
3図あるいは第4図に示す給油通路制御装置50、絞り通
路21で構成しても同様の作用をする。
また、本実施例では給油通路制御装置50をラップ支持円
盤17に設けたが、第6図に示す実施例のように他の給油
通路制御装置を圧縮機の外部に設けてもよい。
すなわち、ラップ支持円盤17の外周部に設けられ放射状
油穴19に連通する給油空間28から密閉シェル1を貫通し
たバイパス管56を介してバイパス通路57を導出し、吸入
側まで給油通路をバイパスさせ、バイパス通路57の途中
に第2の給油通路制御装置50aを設ける構成である。こ
の第2の給油通路制御装置50aは、圧力変換装置60を経
由して吐出配管系の圧力、密閉シェル1の底部に取付た
温度センサー58、モータ電流などからの入力信号を収集
・演算、判断する機能を備えた中央制御装置59aの出力
信号によって作動するもので、圧縮機の高負荷運転時に
は、バイパス通路57を通過する給油量を増加し、逆に低
負荷運転時には給油量を減少し、また冷時起動直後時な
どは給油量を増加するようにその通路開度を制御する。
また、第6図では、バイパス通路57の下流側を吸入側に
接続したが、密閉シェル1を貫通して圧縮初期行程の圧
縮室54に接続してもよい。
また、給油通路制御装置50aあるいはバイパス通路57
に、熱交換器などの冷却機能を備えて潤滑油を冷却後に
吸入側または圧縮初期行程の圧縮室に接続してもよい。
また、上記実施例では放射状油穴19と吸入室20との間の
連通、あるいは放射状油穴19と圧縮初期行程の圧縮室54
との間の連通をそれぞれ単独の実施例で示したが、単一
の給油通路制御装置(50または50a)で放射状油穴19か
ら吸入室20と圧縮初期行程の圧縮室24への連通制御をさ
せてもよい。
また、本実施例では油溜10から背圧室25への給油が、駆
動軸5に係合する軸受3、4や偏心軸部9の隙間を介し
てのみ行われているが、油溜10と背圧室25との間の給油
経路の適当な位置から、給油経路を圧縮機の外部に導き
出し、潤滑油の冷却や油量調整を行って後、再び給油経
路を圧縮機の内部に戻しても良い。
以上のように、上記実施例によれば油溜10から軸受3、
4または偏心軸部9を通して給油された潤滑油をプール
する背圧室25と、吸入室20またはこれに通じる吸入側あ
るいは圧縮初期行程の圧縮室54との間の連通には、ラッ
プ支持円盤17に設けられた放射状油穴19を経由する連通
路を設け、圧縮機の運転状態の検出装置(例えば給油通
路制御装置50の弁体46とバネ装置、または温度センサー
58や圧力変換装置60など)を圧縮機の内部(ラップ支持
円盤17)または外部に設け、連通路の途中には圧縮機の
運転状態の上記検出装置に応答して作動しその通路を制
御する給油通路制御装置50、50aを備えることにより、
ラップ支持円盤17を境界としてその両側に、連通路の上
流側(背圧室25)と下流側(圧縮初期工程の圧縮室54ま
たは吸入室20または吸入側)が位置し、さらに連通路が
ラップ支持円盤17を経由するように設けているので、連
通路の流入側開口位置や開口数の選定に自由度がある。
しかも圧縮機の運転状態(圧縮機の回転速度、冷媒圧
力、温度など)に応じて連通路の開度を制御し、給油量
を調整するため、通路の開度精度や応答性などの機能が
向上できる。さらに背圧室25から吸入側または圧縮室54
への潤滑油の過大流入を防止して圧縮効率を高めるとと
もに、背圧室25の圧力調整やラップ支持円盤17の摺動面
に作用するスラスト力の適正付加と摺動部への適正給油
により、摩擦損失の低減と耐久性の向上がはかれる。
また、上記実施例では、それ自身が圧縮機の運転状態の
検出機能と制御機能とを兼ね備えたバネ装置47と弁体46
などで構成される給油通路制御装置50を、ラップ支持円
盤17に配置することにより、圧縮室54または吸入室20ま
たは吸入側と背圧室25側との圧力差や、それぞれの側の
温度、あるいは旋回スクロール18の旋回速度など、圧縮
機の運転状態を、弁体46に作用する遠心力や温度変化で
伸縮するバネ装置47で直接検出し、弁体46を移動させて
給油量を直接制御するため、制御手段が簡単でコストが
安く、制御精度や応答性が向上して圧縮効率や摺動面の
耐久性を高めることができる。
また、上記実施例では連通路の一部を、ラップ支持円盤
17に設けられた放射状油穴19に連通する給油空間28から
分岐して圧縮機の外部に迂回させ、吸入側に接続したバ
イパス通路57の途中に、温度センサー58や圧力変換装置
60などからの入力信号により作動する給油通路制御装置
50aを設けることにより、圧縮機の外部にも連通路が導
かれるので、圧縮機の運転状態を調べる検出装置(温度
センサー58、圧力変換装置60など)や制御装置(中央制
御装置59a、給油通路制御装置50a)の選択自由度が高く
なり、その結果、目的に応じた連通路の機能付加が容易
になり、効率や信頼性を向上できる。
また、上記実施例では給油通路制御装置50aまたはバイ
パス通路57に熱交換器などの冷却機能を付加させること
により、バイパス通路57を通過する潤滑油を冷却し、吸
入室20などに流入する熱量を少なくできるため、吸入冷
媒ガスの過熱度を低減して圧縮効率を高めることができ
る。
発明の効果 以上のように本発明は、潤滑油供給源とは駆動軸に係合
する軸受部を介して連通した背圧室と、吸入室または吸
入側または圧縮初期工程の圧縮室との間に、ラップ支持
円盤を経由する潤滑油の連通路を設け、この連通路の途
中に、圧縮機の運転状態を検出する圧縮機運転状態検出
装置の検出結果に応答して作動し、その連通路の開度を
制御する給油通路制御装置を設けたもので、ラップ支持
円盤を境界としてその両側に連通路の上流側(背圧室)
と下流側(吸入室または吸入側または圧縮初期工程の圧
縮室)が配置でき、したがって、連通路は、ラップ支持
円盤を経由して設けられるため、連通路の流入側開口位
置や開口数の選定に自由度があり、しかも圧縮機の運転
状態に応じて連通路の開度を制御し、給油量を調整する
ため、通路の開口精度や応答性などの制御機能を高める
ことができ、その結果、背圧室から吸入室または吸入側
または圧縮初期工程の圧縮室への潤滑油の過大流入を防
止して圧縮効率を高めるとともに、背圧室の圧力調整や
ラップ支持円盤の摺動面に作用するスラスト力の適正軽
減と摺動部への適正給油により、圧縮機における摩擦損
失の低減と耐久性を向上することができる。
また、それ自身が圧縮機の運転状態の検出と、連通路を
通る潤滑油の流通量を制御する制御機能を備えた第1の
給油通路制御装置を、ラップ支持円盤に配置することに
より、背圧室と圧縮室側との圧力差、それぞれの側の温
度、旋回スクロールの旋回速度など、給油量の調整に必
要な圧縮機運転状態を直接検知し、給油量を直接制御で
きるため、制御手段の構成が簡単でコストが安く、制御
精度や応答性などの制御機能を高めることができる。
また、連通路の一部から分岐したバイパス通路を、圧縮
機の外部に迂回して設け、そのバイパス通路の途中に、
第2の給油通路制御装置を設けることにより、圧縮機の
外部に圧縮機運転状態検出装置や連通路の開度を制御す
る制御装置の設置が可能となり、その結果、これらの取
付箇所などの選択自由度が、圧縮機の内部に限る場合に
比較して向上し、より高く目的に応じた連通路の機能付
加が容易になる。
また、第2の給油通路制御装置に、バイパス通路を流れ
る潤滑油の冷却機能を設けたことにより、圧縮室に流入
する潤滑油の熱量を下げることができ、その結果圧縮効
率の向上がはかれ、さらに耐久性、圧縮効率など数多く
の優れた効果を有するスクロール圧縮機を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール冷媒
圧縮機の縦断面図、第2図および第3図は第1図におけ
るA部の給油通路制御装置の作動状態を説明する縦断面
図、第4図、第5図は他の実施例におけるスクロール冷
媒圧縮機の部分断面図、第6図は他の実施例におけるス
クロール冷媒圧縮機の給油通路と制御系統を説明する断
面図、第7図は従来のスクロール圧縮機の縦断面図であ
る。 1……密閉シェル、2……本体フレーム、5……駆動
軸、10……油溜潤滑油供給源、16……旋回スクロール、
17……ラップ支持円盤、20……吸入室、21……絞り通
路、24……オルダムリング(自転阻止機構)、25……背
圧室、26……固定スクロール、27……鏡板、36……吐出
ポート、37……吸入管、39……吐出管、46……弁体、47
……バネ装置、50……給油通路制御装置、54……圧縮
室、57……バイパス通路、58……温度センサー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロール26の一部をなす鏡板27の一
    面に形成されたうず巻状の固定スクロールラップ34に対
    して旋回スクロール16の一部をなすラップ支持円盤17上
    の旋回スクロールラップ18をかみ合わせ、前記固定スク
    ロールラップ34の外側には吸入室20を形成し、さらに前
    記ラップ支持円盤17を、駆動軸5を支承する本体フレー
    ム2と前記鏡板27との間に形成されかつ前記本体フレー
    ム2の外側とは圧力的に遮断された背圧室25に遊合状態
    で配置し、前記背圧室25を、前記駆動軸5に係合する軸
    受部15を介して油溜10と連通し、さらに前記ラップ支持
    円盤17は、前記背圧室25内において自転阻止機構24を介
    して旋回可能に前記駆動軸5によって支承され、前記固
    定スクロールラップ34と前記旋回スクロールラップ18と
    の間に形成される圧縮室の容積変化を利用して流体を圧
    縮するようにしたスクロール式圧縮機構を形成し、前記
    背圧室25と前記吸入室20またはこれに通じる吸入側との
    間、あるいは前記背圧室25と初期圧縮行程に位置する圧
    縮室との間に、前記ラップ支持円盤17を経由する第1の
    連通路19および第2の連通路21を設け、さらに圧縮機の
    運転が初期起動時か定常運転時かを検出する圧縮機運転
    状態検出装置47を設け、前記第1連通路19および第2の
    連通路21の途中に、前記圧縮機運転状態検出装置47によ
    る圧縮機運転状態に応答して作動し、前記第2の連通路
    21の開度を制御する給油通路制御装置50を備えたスクロ
    ール圧縮機。
  2. 【請求項2】それ自身が圧縮機の運転状態の検出と、第
    2の連通路21を通る潤滑油の流通量を制御する制御機能
    を備えた第1の給油通路制御装置50を、ラップ支持円盤
    17に配置した特許請求の範囲第1項記載のスクロール圧
    縮機。
  3. 【請求項3】第1の連通路19の一部から分岐したバイパ
    ス通路57を、圧縮機の外部に迂回して設け、そのバイバ
    ス通路57の途中に、第2の給油通路制御装置50aを設け
    た特許請求の範囲第1項または第2項記載のスクロール
    圧縮機。
  4. 【請求項4】第2の給油通路制御装置50aに、バイパス
    通路57を流れる潤滑油の冷却機能を設けた特許請求の範
    囲第3項記載のスクロール圧縮機。
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