JPH0733827B2 - 気体スクロール圧縮機 - Google Patents

気体スクロール圧縮機

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JPH0733827B2
JPH0733827B2 JP62332007A JP33200787A JPH0733827B2 JP H0733827 B2 JPH0733827 B2 JP H0733827B2 JP 62332007 A JP62332007 A JP 62332007A JP 33200787 A JP33200787 A JP 33200787A JP H0733827 B2 JPH0733827 B2 JP H0733827B2
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suction
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hole
suction hole
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勝晴 藤尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/12Arrangements for admission or discharge of the working fluid, e.g. constructional features of the inlet or outlet

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機の吸入通路と吸入通路に
配置する逆止弁装置に関するものである。
従来の技術 低振動,低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部にあり、吐出ポートが渦巻きの中心部に設け
られ、圧縮流体の流れが一方向で往復動式圧縮機や回転
式圧縮機のような流体を圧縮するための吐出弁を必要と
せず、しかも吐出脈動が比較的小さくて大きな吐出空間
を必要としないことがよく知られている。
実際のスクロール気体圧縮機などでは停止直後の吐出圧
力と吸入圧力との差圧によって旋回スクロールが逆転
し、異音発生や吐出圧力の急降下による動力損失を防止
するために吐出ポートや吸入通路に逆止弁装置を設ける
ことも知られている。
しかし、吐出ポートの出口側に逆止弁装置を設ける構成
は、圧縮部の渦巻き角度で定まる圧縮比よりも大きな圧
縮比で運転した場合に断続吐出に追従して逆止弁装置が
吐出ポートを開閉し、衝突音を発生するという問題があ
った。
一方、吸入通路に逆止弁装置を設ける構成は、圧縮機運
転中の吸入気体の流れが一方向で逆止弁装置による異音
発生のない反面、吸入通路抵抗の増加の可能性があり、
逆止弁装置の設置構成に工夫する必要があった。
そこで、第13図のように密閉容器の直径寸法を大きくせ
ず、逆止弁装置の設置を容易にするために、圧縮機内の
吸入通路を長くして、その吸入通路途中に逆止弁装置を
設けて通路抵抗を少なくする構成が考えられている。
同図は固定スクロール802の巻き終り部に吸入穴と吸入
管823を駆動軸方向に設け、吸入管823は固定スクロール
802の上部のフタチャンバー826を貫通して圧縮機外部へ
連通し、吸入穴の底部と吸入管823の端面との間にピス
トン832とバネ831とが設けられ、バネ831の付勢力でピ
ストン832が吸入管823の端面を塞ぎ、逆止弁装置を形成
する構成である(特開昭59−110884号公報)。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第13図のような吸入管823を上部か
ら駆動軸方向下向きに配置する構成では、圧縮機停止直
後の気体逆流を防止するためにピストン832の自重を支
えるためのバネ831を吸入穴に設ける必要があり、バネ8
31の付勢力に相当する通路抵抗が生じると共に通路抵抗
を少なくできる程度のバネ831を装着する空間が必要で
あり、固定スクロール802の高さを低くできないのみな
らず、吸入管823が上方向に伸張するので圧縮機の軸方
向寸法が極めて大きくなるという問題があった。また、
特開昭59−10884号公報にも記載されているように、吸
入管を駆動軸の軸方向と直角な方向に配置する構成もあ
るが、ピストンとバネから成るバネ装置を吸入通路内に
配置すれば、駆動軸の軸方向と直角な方向の圧縮機寸法
が大きくなるという問題があった。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール圧縮機
は、吸入穴の吸入通路への開口部の端部と吸入穴に挿入
した吸入管の端部との間でのみ移動が可能な逆止弁を吸
入穴内に配置した構成において、吸入穴の底面と吸入管
の端部との間の間隔を逆止弁の最大外形寸法よりも短く
したものである。
作 用 本発明は上記構成によって、圧縮機吸入・圧縮作用をす
る時、逆止弁はその移動通路内で配置姿勢を反転するこ
となく吸入気体の流れに追従して吸入穴の底部に移動し
て静止し、吸入気体の流れを阻害させず、圧縮機停止直
後は圧縮室から吸入管へ逆流する圧縮気体の流れに追従
して逆止弁が吸入管の方へ移動し、吸入管の端面を塞い
で気体通路を遮断し、旋回スクロールの逆旋回を停止さ
せ、吐出室とそれに連通する空間を高圧状態に保持し
て、旋回スクロール逆旋回時の気体膨張音や異音の発
生、圧縮気体圧力の急降下に伴なう動力損失を防止する
ものである。
実施例 第1図において、1は鉄製の密閉ケースで、その内部全
体は吐出室2に連通する高圧雰囲気となり、上部にモー
タ3、下部に圧縮部を配置し、モータ3の回転子3aに固
定された駆動軸4を支承する圧縮部の本体フレーム5に
より、密閉ケース1の内部がモータ室6と吐出室とに仕
切られている。本体フレーム5は軽量化と軸受部の熱発
散を主目的とした熱伝導特性に優れたアルミニウム合金
製で、その外周部に溶接性に優れた鉄製のライナー8が
焼ばめ固定され、ライナー8の外周面が密閉ケース1に
全周内接し部分的に溶接固定されている。
モータ3の固定子3bの両端外周部は、密閉ケース1に内
接固定された軸受フレーム9と本体フレーム5によって
支持固定されている。駆動軸4は軸受フレーム9に設け
られた上部軸受10、本体フレーム5の上端部に設けられ
た下部軸受11、本体フレーム5の中央部に設けられた主
軸受12、本体フレーム5の上端面とモータ3の回転子3a
の下部端面との間に設けられたスラスト玉軸受13とで支
持され、その下端部には駆動軸4の主軸から偏心した偏
心軸受14が設けられている。
本体フレーム5の下端面にはアルミニウム合金製の固定
スクロール15が固定され、固定スクロール15は渦巻き状
の固定スクロールラップ15aと鏡板15bから成り、鏡板15
bの中央部には固定スクロールラップ15aの巻き始め部に
開口する吐出ポート16が吐出室2にも開口して設けら
れ、固定スクロールラップ15aの外周部には吸入室17が
設けられている。
固定スクロールラップ15aに噛み合って圧縮室を形成す
る渦巻き状の旋回スクロールラップ18aと駆動軸4の偏
心軸受14に支持された旋回軸18bとを直立させたラップ
支持円板18cとから成るアルミニウム合金製の旋回スク
ロール18は固定スクロール15と本体フレーム5と駆動軸
4とに囲まれて配置されており、旋回軸18bの外周部に
高張力鋼材料から成るスリーブ19が焼ばめ固定され、ラ
ップ支持円板18cの表面は硬化処理されている。
本体フレーム5に固定された平行ピン19に拘束されて軸
方向にのみ移動が可能なスラスト軸受20と固定スクロー
ル15の鏡板15bとの間にはスペーサ21が設けられ、スペ
ーサ21の軸方向寸法は油膜による摺動面のシール性向上
のためにラップ支持円板18cの厚さよりも約0.015〜0.02
0mm大きく設定されている。
駆動軸4の偏心軸受14の底部と旋回スクロール18の旋回
軸18bの端部との間の偏心軸受空間36とラップ支持円板1
8cの外周部空間37とは旋回軸18bとラップ支持円板18cに
設けられた油穴A38aにより連通されている。
スラスト軸受20は第2図のように、その中央部が2つの
平行な直線部分とそれに連なる2つの円弧状曲線部分か
ら成る形状に貫通成形されている。
旋回スクロール自転阻止用のオルダムリング24は、焼結
成形や射出成形工法などに適した軽合金や樹脂材料から
成り、第2図のように両面が平行な薄い環状板とその一
面に設けられた一対の平行キー部分とから成り、環状板
の外輪郭は2つの平行な直線部分とそれに連なる2つの
円弧状曲線部分から成り、直線部分が第2図のようにス
ラスト軸受20の直線部分に微少隙間で係合し摺動可能で
あり、平行キー部分は第1図,第2図のように旋回スク
ロール18のラップ支持円板18cに設けられた一対のキー
溝71に微少隙間で係合し摺動可能な形状に設定されてい
る。
第1図のように、本体フレーム5とスラスト軸受20との
間には約0.1mm前後のレリース隙間27が設けられ、その
レリース隙間27に対向して本体フレーム5にも環状溝28
が設けられ、環状溝28を囲んだゴム製のシールリング70
が本体フレーム5とスラスト軸受20との間に装着されて
いる。
モータ室6の上部と吐出室2とは密閉ケース1の側壁を
貫通して接続されたバイパス吐出管29を介して連通し、
バイパス吐出管29のモータ室6への開口位置は固定子3b
の上部コイルエンド30の側面に対向し、バイパス吐出管
29の上部開口端と密閉ケース1の上面に接続された吐出
管31とは軸受フレーム5に設けられた抜き穴32、密閉ケ
ース1の上面と軸受フレーム9との間に配置され多数の
小穴を有したパンチングメタル33を介して連通してい
る。
モータ室6の下部に設けられた吐出室油溜34はモータ室
6の上部とモータ3の固定子3bの外周の一部をカットし
て設けた冷却通路35により連通されている。また、吐出
室油溜34は本体フレーム5に設けられた油穴B38bを経由
して環状溝28に通じると共に、オルダムリング24が配置
された旋回スクロール18の背圧室39にも主軸受12の摺動
部微少隙間を介して通じ、更に偏心軸受14に設けられた
油溝A40aを介して偏心軸受空間36へも連通している。
また、本体フレーム5に設けられた油穴B38bは駆動軸4
の下部軸受11に対応する下部軸部4aの表面に設けられた
螺線状油溝41にも通じており、螺線状油溝41の巻方向は
駆動軸4が正回転する時に潤滑油の粘性を利用したネジ
ポンプ作用の生じるように設けられ、その終端は下部軸
受4aの途中まで形成されている。
第3図,第4図のように、固定スクロール15は吸入室17
の両端を連通する円弧状の吸入通路42が設けられ、それ
に直交する円形の吸入穴43が固定スクロールラップ15a
の側面に対しても直角方向に設けられ、吸入穴43の底部
は平面で吸入通路42の側面にまで到達している。第5図
のように、吸入穴43の中心は吸入通路42の底面44とずれ
ており、吸入通路42への開口部寸法W45は吸入穴43の直
径寸法より小さく設けられている。また、吸入穴43には
アキュームレータ46の吸入管47が密閉ケース1の側面を
貫通して接続されており、吸入穴43の底面44と吸入管端
面48との間には吸入管47の内径寸法および吸入管端面48
と底面44との間の吸入穴深さ寸法L49よりも大きく且つ
開口寸法W45よりも大きい円形薄鋼板の逆止弁50の一部
が吸入通路42に突出して配置されている。逆止弁50の表
面は油濡れ特性が悪く弾力性に富んだテフロン、または
ゴムなどがコーティングされている。
吸入室17にも吐出室2にも連通しない第2圧縮室51と外
周部空間37とは、第2圧縮室51に開口して鏡板15bに設
けられた細径のインジェクション穴52、鏡板15bと樹脂
製の断熱カバー53とで形成されたインジェクション溝5
4、外周部空間37に開口した段付き形状の油穴C38cとか
ら成るインジェクション通路55で連通され、油穴C38cの
大径部56には第6図に示すような外周の一部に切欠き57
を有する薄鋼板製の逆止弁58とコイルスプリング59とが
配置され、コイルスプリングは断熱カバー53に押さえら
れて逆止弁を常時付勢する。外周部空間37への油穴C38c
の開口位置は、第7図,第8図に示す如く、吐出ポート
16に連通する第3圧縮室60の容積減少行程が終了する近
傍にまで旋回スクロール18が移動した時(第7図参照)
に外周部空間37と油穴C38cとが連通し、それ以外の時
(第8図参照)にはラップ支持円板18cによって遮断さ
れる位置に設けらている。
第9図において、横軸は駆動軸4の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、吸入・圧縮・吐出行程における冷
媒ガスの圧力変化状態を表し、実線62は正常圧力運転時
の圧力変化を表し、点線63は異常圧力上昇運転時の圧力
変化を表す。
第10図において、横軸は駆動軸4の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、実線64は吐出室2にも吸入室17に
も連通しない第2圧縮室51a,52bのインジェクション穴5
2a,52bの開口位置における圧力変化を表し、点線65は吸
入室17に連通する第1圧縮室61a,61b(第3図参照)の
定点における圧力変化を表し、一点鎖線66は吐出室2に
連通する第3圧縮室60a,60bの定点における圧力変化を
表し、二点鎖線67は第1圧縮室61a,61bと第2圧縮室51
a,51bとの間の定点における圧力変化を表し、二重点線6
8は背圧室39の圧力変化を表す。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第10図において、モータ3によって駆動軸4が
回転駆動すると旋回スクロール18が旋回運動をし、吸入
・圧縮作用が開始されるに伴ない、圧縮機に接続した冷
凍サイクルから潤滑油を含んだ吸入冷媒ガスがアキュウ
ムレータ46に接続した吸入管47に流入し、その流れによ
って逆止弁はその移動通路内で配置姿勢を反転すること
なく吸入穴43内を移動して第3図のように吸入穴43の底
面で静止して吸入冷媒ガスの通路を全開し、吸入管47と
吸入通路42との間が開通し、吸入穴43,吸入通路42を順
次経て吸入室17に流入し、旋回スクロール18と固定スク
ロール15との間に形成された第1圧縮室61a,61bを経て
圧縮室内に閉じ込められ、常時密閉空間となる第2圧縮
室51a,51b、第3圧縮室60a,60bへと順次移送圧縮され、
中央部の吐出ポート16を経て吐出室2へと吐出される。
潤滑油を含んだ吐出冷媒ガスは圧縮機外部へ配管接続さ
れたバイパス吐出管29を経て再び圧縮機内のモータ室6
に帰還した後、外部の冷凍サイクルへ吐出管31から搬出
されるが、モータ室6に流入する際にモータ3の上部コ
イルエンド30の側面に衝突してモータ巻き線の表面に付
着することにより、潤滑油の一部を分離した後、軸受フ
レーム9に設けられた抜き穴32を通過する際に流れ方向
を変えたりパンチングメタル33の小穴を通過する際に潤
滑油の慣性力や表面付着などにより潤滑油が効果的に分
離される。
吐出冷媒ガスから分離された潤滑油の一部は上部軸受の
摺動面を潤滑した後、残りの潤滑油と共に冷却通路35を
通りモータ3を冷却しながら下部の吐出室油溜34に収集
される。
吐出室油溜34の潤滑油は駆動軸4の下部軸部4aの表面に
設けられた螺線状油溝41のネジポンプ作用によりスラス
ト玉軸受13へ給油され、下部軸受4aの端部の微少軸受隙
間を潤滑油が通過する際にその油膜のシール作用によ
り、モータ室6の吐出冷媒ガス雰囲気と主軸受12の上流
側空間とが遮断される。
吐出室油溜34の溶解吐出冷媒ガスを含んだ潤滑油は主軸
受12の微少隙間を通過する際に吐出圧力と吸入圧力との
中間圧力に減圧されて背圧室39に流入し、その後、偏心
軸受14の油溝A40a、偏心軸受空間36、旋回スクロール18
を通る油穴A38を経て外周部空間37に流入し、更に間欠
的に開口する油穴C38c、インジェクション溝54、インジ
ェクション穴52a、52bを経て第2圧縮室51a,52bに流入
し、その通路途中の摺動面を潤滑する。
また、吐出室油溜34は環状溝28やレリース隙間27とも通
じているのでスラスト軸受20はその背圧力により付勢さ
れてスペーサ21の端面に当接しており、旋回スクロール
18のラップ支持円板18cはスラスト軸受20と固定スクロ
ール15の鏡板15bとの間で微少隙間を保持されて円滑に
摺動すると共に固定スクロールラップ15aの端面とラッ
プ支持円板18cとの間、並びに旋回スクロールラップ18a
との端面と鏡板15bとの間の隙間も微少に保持されて隣
接する圧縮室間の気体漏れを少なくする。
第2圧縮室51a,51bのインジェクション穴52a,52bの開口
部は第10図の如く圧力変化64をし、吐出室2の圧力に追
従して変化する背圧室圧力68よりも瞬時的に高いが平均
圧力が低いので背圧室39からの潤滑油は油穴C38cの鏡板
開口端でラップ支持円板18cの摺動面により間欠的に開
閉され給油されながらインジェクション通路55を経て間
欠的に第2圧縮室51a,51bに流入し、正常運転時の背圧
室圧力68よりも瞬時的に高い第2圧縮室51a,51b内の圧
縮冷媒ガスは細径のインジェクション穴52a,52bで減衰
されてインジェクション溝54への瞬時的な逆流がなく、
インジェクション溝54内の圧力が背圧室圧力68よりも高
くならない。
なお、駆動軸4の一回転当たりの外周部空間37から油穴
C38cへの潤滑油流入量は、駆動軸4の回転速度が遅い場
合には多く、速い場合には少なくなるように流量調整さ
れ、第2圧縮室51a,52bへの油インジェクション量も相
応して増減する。
第2圧縮室51a,51bにインジェクションされた潤滑油
は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流
して隣接する圧縮室間の隙間を油膜により密封して圧縮
気体漏れを防ぎ、圧縮室間の摺動面を潤滑しながら圧縮
気体と共に吐出室2に吐出され、圧縮機低速運転時の吐
出冷媒ガス中の潤滑油は、吐出冷媒ガスの流速も遅く潤
滑油の混入も少ないため、モータ室6でほぼ分離され、
高速運転時には潤滑油の一部が外部へ吐出される。
また、背圧室39に差圧給油された潤滑油は、シールリン
グ70の弾性力と共に中間圧力の付勢力を旋回スクロール
18に作用させてラップ支持円板18cを鏡板15bとの摺動面
に押圧油膜シールして外周部空間37と吸入室17との間の
連通を遮断すると共に、スラスト軸受20とラップ支持円
板18cとの摺動面の隙間も潤滑シールする。
また、圧縮機の冷時始動後しばらくの間は、第9図,第
10図から理解できるように吐出室2の圧力が第2圧縮室
51a,51bの圧力よりも低いので、圧縮途中の冷媒ガスが
第2圧縮室51a,51bからインジェクション通路55を経て
背圧室39に逆流しようとするが、逆止弁58の逆止作用に
て外周部空間37への逆流が阻止され、吐出室油溜34の潤
滑油は吐出室2の圧力上昇と共に背圧室39、外周部空間
37にまで差圧給油される。
したがって、冷時始動初期のスラスト軸受20への背圧付
勢力が圧縮室圧力により生じ、旋回スクロール18を固定
スクロール15から離反させようとするスラスト荷重に抗
しながらスラスト軸受20が微少に後退して、旋回スクロ
ール18と固定スクロール15との間の軸方向隙間を拡大す
る。これにより圧縮空間に漏れを生じて圧縮室圧力を下
げ、始動初期の圧縮負荷を軽減する。
その後、吐出室2の圧力上昇に伴い、外周部空間37の潤
滑油はコイルスプリング59の付勢力に抗してインジェク
ション穴52a,52bを介して駆動軸4の回転速度に逆比例
するように計量制御されて第2圧縮室51a,51bへインジ
ェクションされる。
また、冷時始動初期や安定運転時に油インジェクション
やその他の原因で瞬時的な液圧縮が生じた場合の圧縮室
圧力は第9図の点線63のように異常な圧力上昇と過圧縮
が生じるが、吐出室2とそれに連通する高圧空間容積が
大きいので吐出室圧力の上昇が極めて小さい。
また、液圧縮により第2圧縮室51a,51bに連通するイン
ジェクション溝54なども異常圧力上昇するが、細径の油
穴C38cの絞り効果と逆止弁58の逆止作用により外周部空
間37とインジェクション溝54との間を遮断され、背圧室
39の圧力は変わらず、スラスト軸受20の背面に作用する
背圧付勢にも変動がなく、その結果、液圧縮時には旋回
スクロール18に作用する過大なスラスト力によって上述
のようにスラスト軸受20が後退して圧縮室圧力が降下
し、その後、正常運転を継続する。
なお、液圧縮途中でスラスト軸受20が後退することによ
り圧縮室圧力は第9図の一点鎖線63aの如く途中で降圧
する。
圧縮機停止後は、圧縮室内圧力により旋回スクロール18
に逆旋回トルクが生じ、旋回スクロール18が逆旋回して
吐出冷媒ガスが吸入側に逆流する。この吐出冷媒ガスの
逆流によって、吸入通路42にその一部が突出した逆止弁
に流圧が作用し、逆止弁50が第3図の位置から第4図の
位置にその移動通路内で配置姿勢を反転することなく移
動し、逆止弁50の表面に施されたテフロン被膜により、
吸入管端面48を密封して吐出冷媒ガスの逆流を制止し旋
回スクロール18の逆旋回が停止し、吸入通路42と吐出ポ
ート16との間の空間は吐出圧力を保持する。逆止弁50は
冷凍サイクル配管系を通じてアキュームレータ46と吸入
通路42とが均圧するまで吸入管端面を塞ぐ。
また、インジェクション通路55の逆止弁58を境にして圧
縮室に連通する通路は吐出圧力になるが、外周部空間37
と背圧室39との間の空間はしばらくの間、中間圧力を保
持し、吐出室油溜34からの潤滑油微少流入により次第に
吐出圧力に近付く。圧縮機停止時、旋回スクロール18は
逆転し第3圧縮室60a,60bが拡大して逆旋回トルクを生
じない位置に停止し、油穴C38cの外周部空間37への開口
部はラップ支持円板18cにより遮断される。
圧縮機停止後はコイルスプリング59の付勢力によっても
逆止弁58がインジェクション通路55を遮断するので外周
部空間37から圧縮室への潤滑油流入がない。
また、上記実施例では逆止弁50の両平面部を平担にした
が、第11図のように吸入穴43に対向する逆止弁50aの平
面部の中央部に突起50bを設けたり、また、第12図のよ
うに吸入穴43aの底面中央部に突起43bを設けて、圧縮機
停止直後の圧縮冷媒ガス逆流時に逆止弁50,50aが吸入穴
43a,43の底面から離反し易くしてもよい。
また、上記実施例では吸入室17の両端を連通する吸入通
路42を設けたが、特開昭59−110884号公報にも示されて
いるように、吸入室17の一端に連通する吸入通路を設け
てもよい。
以上のように上記実施例によれば渦巻き形の圧縮空間の
外側に設けた吸入室17に連通する吸入通路42に開口する
吸入穴43を渦巻き形状の固定スクロールラップ15aの巻
き方向に対してほぼ直角方向に固定スクロール15の鏡板
15bに設け、鏡板15bの外側から吸入穴43に吸入管47を挿
入し、吸入穴43の吸入通路42への開口部の最大寸法Wが
吸入穴43の内径寸法よりも小さく、吸入穴43の開口部端
と吸入管端部48との間に開口部の最大寸法よりも大き
く、且つ吸入管47の内径寸法よりも大きい薄鋼板製の逆
止弁50を備えたことにより、逆止弁50が吸入通路42に流
入して圧縮機を破損させることもない。また、逆止弁50
は軽量でしかも薄いので、吸入冷媒ガスが吸入穴43から
吸入通路42に流入する際の通路抵抗も小さく、吸入冷媒
ガスの流速が遅い場合でも、通過冷媒ガスに追従して移
動し易い。その結果、逆止弁50を付勢するためのバネ装
置も不要で、逆止弁50を作動させるための特別なスペー
スも必要とせず、圧縮機の小型化とコスト低減を図るこ
とができる。
また、吸入管47の挿入方向と吸入通路42との方向がほぼ
直交し、逆止弁50の一部が吸入通路42に突出しているの
で、圧縮機停止直後の圧縮空間から吸入管47へ圧縮冷媒
ガスが逆流する際に、通路の方向変換と障害物の影響を
受けて発生する渦により逆止弁50が浮き上り、圧縮空間
と吸入管47の側との差圧が小さい場合でも逆止弁50の作
動信頼性が高く、圧縮冷媒ガスの逆流を瞬時に阻止して
旋回スクロール18の衝突音や圧縮冷媒ガスの膨張音発生
を確実に防止することができる。
また上記実施例では吸入穴43aの底面の中央部、または
吸入穴43の底面に接する側の逆止弁50aの表面中央部に
突起部43b,50bを設けることにより、逆止弁50a(または
50)と吸入穴43(または43a)との接触面積が少なく油
の付着力も小さいので、圧縮機停止直後の冷媒ガス逆流
に際して逆止弁50a(または50)が吸入穴43(または43
a)から離反し易く、逆止弁50a(または50)の作動の信
頼性を高めることができる。
また、上記実施例では吸入穴43の底面と吸入管端面48と
の間の隔離Lを逆止弁50の外形寸法よりも短くすること
により、逆止弁50の回転が阻止されるので、冷媒ガスの
流れに対して逆止弁50の追従性がよくなり、逆止速度も
速く、逆止弁50のチャタリングもないことから逆止作用
時の異音発生がない。
また、上記実施例では逆止弁50の全体を油濡れ特性の悪
いテフロンやゴムなどで被覆することにより、逆止弁50
表面の油密着力が小さくでき、これによって逆止弁50の
移動が容易で逆止作用の信頼性をより一層高めることが
できる。
また、上記実施例では冷媒圧縮機について説明したが、
潤滑油を使用する酸素,窒素,ヘリウムなどの他の気体
圧縮機の場合も同様の作用効果を期待できる。
発明の効果 以上のように本発明は、吸入室に連通する吸入通路に開
口する吸入穴を固定スクロールの鏡板に設け、吸入穴に
吸入管を挿入し、吸入穴と吸入通路との交差部の吸入通
路への開口部の最大寸法を吸入穴の内径寸法よりも小さ
く設定し、さらに吸入穴の開口部の端部と吸入管の端部
との間でのみ移動が可能な逆止弁を吸入穴内に配置した
構成において、吸入穴の底面と吸入管の端部との間の間
隔を逆止弁の最大外形寸法よりも短くしたことにより、
逆止弁がその移動通路内で配置姿勢を反転や回転するこ
とがないので、吸入気体が吸入穴から吸入通路内に流入
する際の通路抵抗を少なくでき、吸入効率を高めること
ができる。また、圧縮空間と吸入管との間の差圧が小さ
い場合でも逆止弁が容易に移動し、逆止弁のチャタリン
グ音を発することなく静粛で且つ、逆止作動の信頼性を
向上することができる。また、逆止弁の位置を復帰させ
るためのバネ装置を配置させる空間を必要とせず、圧縮
機小型化とコスト低減を図ることができるなど数多くの
優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図、第2図は同圧縮機における主要部品の分
解図、第3図は第1図におけるA−A線での断面図、第
4図は第3図における吸入管接続部における逆止弁の位
置説明図、第5図は第4図におけるB−B線による縦断
面図、第6図は給油通路に用いる逆止弁の外観図、第7
図,第8図は吐出ポート部における圧縮室の移動説明
図、第9図は吸入行程から吐出行程までの冷媒ガスの圧
力変化を示す特性図、第10図は各圧縮室における定点の
圧力変化を示す特性図、第11図,第12図はそれぞれ本発
明の異なる別の実施例における逆止弁装置の静止状態説
明図、第13図は従来の逆止弁装置を備えたスクロール圧
縮機の縦断面図である。 2……吐出室、3……モータ、4……駆動軸、5……本
体フレーム、12……主軸受、15……固定スクロール、15
a……固定スクロールラップ、16……吐出ポート、17…
…吸入室、18……旋回スクロール、18a……旋回スクロ
ールラップ、18c……ラップ支持円板、34……吐出室油
溜、38c……油穴C、39……背圧室、42……吸入通路、4
3……吸入穴、48……吸入管端面、50……逆止弁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロール15の一部をなす鏡板15bの
    一面に形成された渦巻き状の固定スクロールラップ15a
    に対して旋回スクロール18の一部をなすラップ支持円盤
    18c上の旋回スクロールラップ18aを揺動回転自在にかみ
    合わせ、両スクロール間に渦巻き形の圧縮空間を形成
    し、前記固定スクロールラップ15aの中心部には吐出ポ
    ート16を設け、前記固定スクロールラップ15aの外側に
    は吸入室17を設け、前記圧縮空間は吸入側より吐出側に
    向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画され、前記旋
    回スクロール18がその自転阻止機構24と駆動軸4により
    旋回運動して流体を圧縮するスクロール圧縮機構を形成
    し、前記吸入室17に連通する吸入通路42に開口する吸入
    穴43を前記鏡板15bに設け、前記吸入穴43に吸入管47を
    挿入し、前記吸入穴43と前記吸入通路42との交差部の前
    記吸入通路42への開口部の最大寸法を前記吸入穴43の内
    径寸法よりも小さく設定し、さらに前記吸入穴43の前記
    開口部の端部と前記吸入管47の端部との間でのみ移動が
    可能な逆止弁58を前記吸入穴43内に配置した構成におい
    て、前記吸入穴43の底面と前記吸入管47の前記端部との
    間の間隔を前記逆止弁58の最大外形寸法よりも短くした
    気体スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】吸入穴43の底面の中央部または前記底面に
    接する側の逆止弁58の表面中央部に突出部を設けた特許
    請求の範囲第1項記載の気体スクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】吸入穴の底面または吸入管47の端部に接す
    る逆止弁58の表面を油濡れ特性の悪い材料で被覆した特
    許請求の範囲第1項記載の気体スクロール圧縮機。
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