JPH0637877B2 - 差圧給油用逆止弁装置を備えたスクロ−ル気体圧縮機 - Google Patents

差圧給油用逆止弁装置を備えたスクロ−ル気体圧縮機

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JPH0637877B2
JPH0637877B2 JP18718387A JP18718387A JPH0637877B2 JP H0637877 B2 JPH0637877 B2 JP H0637877B2 JP 18718387 A JP18718387 A JP 18718387A JP 18718387 A JP18718387 A JP 18718387A JP H0637877 B2 JPH0637877 B2 JP H0637877B2
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    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は圧縮機の高圧側で圧縮気体から分離した潤滑油
を吸入室や圧縮室に戻す装置を有する差圧給油用逆止弁
装置を備えたスクロール気体圧縮機に関するものであ
る。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部にあり、吐出ポートがうず巻きの中心部に設
けられ、圧縮流体の流れが一方向で往復動式圧縮機や回
転式圧縮機のような流体を圧縮するための吐出弁を必要
とせず吐出脈動が比較的小さくて大きな吐出空間を必要
としないことがよく知られている。
しかし、実際のスクロール気体圧縮機などでは停止直後
の逆転防止のために吐出通路または吸入通路に逆止弁を
設けて圧縮流体の逆流を阻止する場合が多い。
また、特に気体を圧縮する場合などは圧縮部の漏れ隙間
を小さくするためにうず巻き部の寸法精度を極めて高く
する必要があるが部品形状の複雑さ、寸法バラツキなど
によりスクロール圧縮機のコストが高く性能バラツキも
大きいという問題があった。
そこで、この種の問題解決のための方策として、圧縮途
中の圧縮空間隙間の気体漏れ防止のために潤滑油膜を利
用したシール効果により渦巻き部寸法精度の適正化と圧
縮機性能の安定化を期待して第9図に示すように潤滑油
を圧縮途中の圧縮室に直接流入させる構成が知られてい
る。同図に示す構成は、密閉容器701内の上部にモー
タ703を配置し下部に圧縮部を配置して密閉容器内空
間702を吐出室とした構造で、吐出室底部の油溜71
0の潤滑油を固定スクロール705の鏡板705aに挿
入固定した絞り通路を有する油吸い込み管722を介し
て圧縮途中の圧縮室723に直接流入させる構成であっ
た(特開昭57−8386号公報)。
また、第10図のように潤滑油が駆動軸部を経由した
後、吸入通路に流入する構成も考えられ、同図は可動ス
クロール部材819に連結する主軸813が下方に延び
るように配置され、上方に固定スクロール部材818と
その周囲に吐出室831を配置し、吐出室831の底部
に収集した潤滑油がフィルター834、オリフィス83
3を経由して減圧された後、主軸813の摺動部を潤滑
して吸入通路825で吸入ポート829から流入してき
た吸入ガスと合流し吸入室に流入後、圧縮ガスと共に圧
縮されながら圧縮空間の隙間を油膜密封の後、固定スク
ロール部材818の側板8181に設けられた吐出ポー
ト8186と逆止弁500を経て再び吐出室831に吐
出される構成であった(特開昭59−192890号公
報)。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第9図のような圧縮室723と油溜
710とが常時連通する構成では、スクロール式圧縮機
構において流体圧縮のための吐出弁を必要とせず圧縮比
が一定なために、閉サイクル配管系に接続して運転する
圧縮機の冷時起動後しばらくの間は圧縮室723よりも
密閉容器内空間702の油溜710の方が低圧力の状態
が続き、圧縮室723の圧縮途上気体が油溜710に逆
流し、油溜710の潤滑油が逆流気体によって拡散され
吐出気体と共に圧縮機の外部配管系に流出して無くな
る。このため、圧縮機起動後しばらくして密閉容器内空
間702の圧力が上昇して圧縮室723の圧力よりも高
い状態になった場合でも、潤滑油が再び油溜710に収
集されるまでは圧縮室723への油流入による圧縮空間
隙間の密閉効果もなく、逆に密閉容器内空間702の圧
縮気体が圧縮室723に流入して圧縮効率の著しい低下
や異常温度上昇による摺動部耐久性の低下を招くなどの
問題があった。
また、上記の第10図においても第9図の場合と同様に
吐出室131の底部の潤滑油が圧縮機停止直後の差圧に
よって吸入室や圧縮室に流入充満し、圧縮機再起動時の
負荷が異常増加したり潤滑油の突出などによって主軸1
13の摺動部や逆止弁500の耐久性を著しく劣下させ
る問題があった。
そこで、本発明は圧縮室へのインジェクション通路と摺
動部への給油通路の途中に両通路兼用の逆止弁装置を設
けて圧縮室から油溜への圧縮気体の逆流と圧縮機停止後
の油溜から圧縮室への流入継続を防止して潤滑油の有効
利用による圧縮効率や耐久性に優れたスクロール気体圧
縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のスクロール気体圧
縮機は、吐出通路または吸入通路に逆流防止弁装置を設
け、吐出室の油溜または吐出室に通じる油溜を上流側と
し、油溜よりも圧力が低く吐出室に通じない第1圧縮室
または吸入室に通じる第2圧縮室を下流側とする絞り通
路を有するインジェクション通路を設けてその通路途中
には常に付勢力を有する逆止弁装置を配置し、油溜と第
1圧縮室、第2圧縮室、吸入室または吸入室に通じる吸
入側との間を通路と開閉弁とを有する給油通路で連通
し、開閉弁の下流側の給油通路の途中には旋回スクロー
ルおよびその駆動軸に係わる摺動部を経由する潤滑通路
を設け、逆止弁装置が開閉弁を兼ねてほぼ同時に開閉作
動する構成である。
作 用 本発明は上記構成によって、圧縮機が冷時始動し、圧縮
機に流入し吸入通路途中で潤滑油を混入された吸入気体
は吸入室と圧縮室を経て吐出室に吐出され、潤滑油の一
部を分離すると共に吐出室圧力を次第に上昇させる。
しかし、インジェクション通路の開口する圧縮室(第1
圧縮室または第2圧縮室)の圧力が吐出室圧力よりも高
い間は、逆止弁装置の作動によってインジェクション通
路と給油通路とが閉じており、圧縮途中気体が吐出室の
油溜へバイパスせずに順次圧縮されて圧縮終了後に吐出
ポートを経て吐出室へ吐出する。
その後、吐出室圧縮がインジェクション通路の開口する
圧縮室圧よりも高くなるとインジェクション通路と給油
通路が開いて吐出室の油溜(または吐出室に通じる油
溜)に溜まった潤滑油がインジェンクション通路を通じ
て圧縮室に直接流入すると共に給油通路を通じても旋回
スクロールや駆動軸の摺動部を潤滑して圧縮室に流入
し、圧縮室間の微小隙間を油膜で密封して圧縮気体漏れ
を防ぎ、圧縮効率の向上と圧縮部冷却効果による摺動部
耐久性を向上する。
圧縮機が停止すると圧縮室間の隙間を通じて圧縮室の圧
力と吸入室圧力がほぼ等しくなり(圧縮機停止直後は、
逆流防止弁装置が圧縮室と吐出室との間に設けられてい
る場合は圧縮室と吸入室の圧力が吸入側の圧力になり、
逆流防止弁装置が吸入側に設けられている場合は圧縮室
と吸入室の圧力が吐出室圧力になる。)、圧縮室圧力が
吐出室圧力に等しくなる構成ではインジェクション通路
と給油通路を通じての差圧給油が直ちに停止し、圧縮室
圧力が吸入室圧力に等しくなる構成では潤滑油が絞り通
路を有するインジェクション通路と給油通路を経て吐出
室の油溜(または吐出室に通じる油溜)から圧縮室に少
しずつ流入するが、次第に低下する吐出室の圧力と次第
に上昇する圧縮室の圧力との間の差圧が設定値以下にな
って潤滑油の圧縮室流入が早期に停止し、油溜からのそ
れ以上の無駄な潤滑油流出と圧縮機再起動時の負荷を低
減するものである。
実施例 以下本発明の一実施例のスクロール気体圧縮機につい
て、図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール気体
圧縮機の縦断面図、第2図は第1図のA−A線における
圧縮部の横断面図、第3図は吸入行程から吐出行程まで
の気体の圧力変化を示す特性図、第4図は各圧縮室にお
ける定点の圧力変化を示す特性図、第5図は第1図にお
ける逆止弁装置取り付け部の部分断面図、第6図は第5
図の部分外観図、第7図、第8図は本発明のそれぞれ異
なる別の実施例のおける部分断面図を示す。
第1図において、1、2ば鉄製の密閉ケース、3は鉄製
のフレームでその外周面部で密閉ケース1、2と共に単
一の溶接ビード4によって溶接密封され密閉ケース1、
2内の上側の吐出室5と下側の駆動室6(低圧側)とに
仕切っている。
フレーム3に支承されインバータ電源(図示なし)によ
って運転制御されるモータ7により回転駆動される駆動
軸8の上端部の偏心穴9には旋回スクロール10の旋回
軸11がはめ込まれ、旋回スクロール10の自転阻止部
品12が旋回スクロール10とフレーム3に係合し、旋
回スクロール10に噛み合う固定スクロール13がフレ
ーム3にボルト固定され、固定スクロール13の鏡板1
4には吐出ポート15と油吸い込み穴41および油穴4
6が設けられ、鏡板14の上面には吐出ポート15の開
口端を塞ぐリードバルブ型の逆流防止弁装置16、油吸
い込み穴41と油穴の開口端を塞ぐ逆止弁装置17が取
り付けられている。吐出室5の底部は吐出室油溜18
で、その上部には多数の小穴を有した傘状のパンチング
メタル19が密閉ケース1に取り付けられ、密閉ケース
1のパンチングメタル19との間には細金属線材から成
るフィルター20が詰められ、吐出室5は密閉ケース1
の上面に設けられた吐出管21を通じて外部の冷凍サイ
クル配管系を経て密閉ケース2の側面に設けられた吸入
管22を通じて低圧側の駆動室6に連通し、駆動室6の
底部にはモータ室油溜23が設けられている。
第1図、第2図、第5図、第6図において、吐出室5に
も吸入室33にも連通しない第1圧縮室39bと吐出室
油溜18との間は、鏡板14に設けられた油吸い込み穴
4、鏡板14に吐出室仕切り板を兼ねた薄鋼板製の弁板
42と共に取り付けられた逆止弁装置17の弁押え43
と鏡板14との間に形成された弁空間44、弁板42の
打ち抜き溝45、鏡板14に設けられた極細通路のイン
ジェクションァ穴30bとから成る絞り通路を有した第
1インジェクション通路によって連通し、第1圧縮室3
9aと吐出室油溜18との間は、インジェクション穴3
0bから分岐して鏡板14に設けられたインジェクショ
ン連通穴59、インジェクション穴30aとから成る絞
り通路を有する第2インジェクション通路によって連通
している。
吐出室油溜18と低圧側の駆動室6や吸入室33との間
は、第1インジェクション通路の途中から分岐して弁空
間44、鏡板14に設けられた油穴46、フレーム3に
設けられた極細通路の油穴47、駆動軸8を支承しフレ
ーム3に設けられた上部軸受穴49の軸受隙間、旋回軸
11と偏心穴9との隙間、駆動軸8に設けられた偏心油
穴24と横油穴50、駆動軸8を支承しフレーム3の下
端に設けられた下部軸受51と上部軸受49との間の軸
受油溜52、下部軸受51の軸受隙間を経由して駆動室
6に流入する第1潤滑通路と上部軸穴48から自転阻止
部品12の摺動部を経由して吸入室33に流入する第2
潤滑通路から成る潤滑通路を有した給油通路によって連
通している。
逆止弁装置17のリード弁53と逆流防止弁装置16の
リード弁54とは弁板42の一部を打ち抜いて構成さ
れ、逆止弁装置17の弁押え43はわずかに気体を通過
させ得る多孔質の焼結合金成型品から成り、その一部が
逆流防止弁装置16の弁押え55を兼ねており、弁押え
43の上面には油溜を兼ねた浅穴56、57が設けられ
ている。
第3図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、吸入・圧縮・吐出過程における冷
媒ガスの圧力変化状態を表す。
第4図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、実線60は吐出室5にも吸入室3
3にも連通しない第1圧縮室39a、39bのインジェクシ
ョン穴30a、30bの開口位置における圧力変化を表
し、点線61は吸入室33に連通する第2圧縮室40
a、40b(第2図参照)の定点における圧力変化を表
し、一点鎖線62は逆流防止弁装置16を介して吐出室
5に連通する第3圧縮室63a、63b(第2図参照)
の定点における圧力変化を表し、二点鎖線64は第1圧
縮室39a、39bと第2圧縮室40a、40bとの間
の定点における圧力変化を表す。
第7図は別の実施例の逆流防止弁装置17aの配置、給
油通路、吸入通路の状態を示し、固定スクロール13c
とフレーム3aとの間に鉄製の仕切り板101を配置固
定し、この仕切り板101はその外周面部で密閉ケース
1、2と共に単一の溶接ビード4によって溶接密封され
密閉ケース1、2内を上側の吐出室5aと下側の駆動室
6a(低圧側)とに仕切っている。
吸入管22は密閉ケース2の側面に設けられ、吸入管2
2を通じて密閉ケース2内に流入してきた吸入冷媒ガス
を吸入室33aに導くためにその先端が概水平方向に自
由な傾斜板102を有したサクションガイド103がフ
レーム3aに取付けられ、吸入室33aとサクションガ
イド103との間の固定スクロール13cの鏡板14a
に設けたサクション通路104aの上終端部の吸入室33
aとの接続付近に逆流防止弁装置16aが設けられてい
る。
逆流防止弁装置16aは薄板のフラッパーバルブ105
とコイルバネ106とから成り、吸入冷媒ガスの流れが
無い時にフラッパーバルブ105がその自重で落下して
仕切板101に設けられたサクション通路104bを塞
ぐ寸法構成で、コイルバネ106はそれ自身の温度が設
定値以下では伸長してフラッパーバルブ105に付勢力
を与え、それ自身の温度が設定温度を越えると元の長さ
に収縮してフラッパーバルブ105に付勢力を与え無い
ようなバネ特性を有する形状記憶合金材料から成る。
鏡板14aに設けた油吸い込み穴41aと油穴46aの
鏡板上面開口端をリード弁53aがほぼ同じに開閉する
構成で、リード弁53aは第6図の場合と同様に鏡板1
4aに弁押え43aと共に固定された弁板42aの一部
を打ち抜いて形成され、鏡板14a、リード弁53a、
弁押え43aで形成された弁空間44aが鏡板14aに
設けられた極細通路のインジェクション穴30c、30
d、インジェクション連通穴59aを介して吐出室5a
に通じない第1圧縮室39c、39dに連通している。
インジェクション穴30c、30d間を連通するインジ
ェクション連通穴59aは鏡板14aの上面に設けられ
た浅溝を弁板42aが塞ぐことによって形成されてい
る。
駆動軸8の上端とフレーム3aの軸受穴と旋回スクロー
ル10とによって形成された上部軸受穴48aは、第1
図の場合と同様にフレーム3aに設けられた油穴47
a、仕切り板101に設けられた油穴107、油穴46
aを介して弁空間44aに連通し、フレーム3aのスラス
ト軸受部108を浅い油溝109を経由するバイパス通
路を介して吸入室33aに連通し、駆動軸8に係わる軸
受隙間を介して駆動室6aにも連通しており、その他の
構成については第1図の場合と同様である。
第8図は別の実施例の逆流防止装置16bと給油通路に
おける潤滑通路の異なる構成を示し、旋回スクロール1
0bのうず巻き形の旋回ラップ201を支持する鏡板2
02の平面部が固定スクロール13dの鏡板14bとフ
レーム3bのスラスト軸受部108bとの間に微少隙間
を有して配置され、鏡板14bの外周部を囲む空間は吐
出室5bと駆動室6bから隔離された背圧室203を形
成している。
駆動軸8の上端とフレーム3bの軸受穴と旋回スクロー
ル10bの鏡板202によって形成され上部軸受穴48
bは、第1図、第7図の場合と同様にフレーム3bに設
けられた油穴47b、仕切り板101bに設けられた油
穴107b、油穴46bを介して弁空間44bに連通
し、フレーム3bのスラスト軸受部108bの極細油溝
109b、旋回スクロール10bの鏡板202に設けら
れて自転阻止部材12と係合するキー溝204、鏡板2
02に設けられた極細のインジェクション穴230e、
鏡板202と旋回ラップ201を貫通して設けられた極
細のインジェクション穴230fを経由するバイパス通
路を介して吸入室33bや吸入室33bに通じる第2圧
縮室(第2図参照)に連通し、駆動軸8に係わる微少な
軸受隙間を介して駆動室6bにも連通している。
吸入管22の開口位置に対抗してフレーム3aに固定さ
れたサクションガイド103bの傾斜板102bの先端
とサクションガイド103bの固定部とが引張りバネ2
05で係合され、傾斜板102bの傾斜角度は吸入冷媒
ガスが傾斜板102bに衝突する際の運動エネルギーが
大きいほど吸入管22の開口端から離れる構成で、引張
りバネ205はそれ自身の温度が下降すれば伸張し、上
昇すれば伸長して傾斜板102bの先端への付勢力を変
化させる形状記憶合金材質から成る。
吸入室33bと駆動室6bとの間のサクション通路(1
04c、104d)の途中の鏡板14b内の上終端部に
はフラッパーバルブ型の逆流防止弁装置16bが設けら
れ、逆流防止弁装置16bは吸入冷媒ガスの流れが無い
時、その自重で仕切り板101bに設けられたサクショ
ン通路104dを塞ぐ。その他の構成については第1図また
は第7図の場合と同様であるので省略する。
以上のように構成されたスクロール気体圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第6図において、モータ7によって駆動軸8が
回転駆動を始めると旋回スクロール10が旋回運動を
し、圧縮機に接続した冷凍サイクルから吸入冷媒ガスが
吸入管22を通して駆動室6に流入し、その中に含まれ
る潤滑油の一部が分離された後に吸入室33に吸入さ
れ、この吸入冷媒ガスは旋回スクロール10と固定スク
ロール13との間に形成された第2圧縮室40a(40
b)を経て圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロール1
0の旋回運動に伴って第1圧縮室39a(33b)、第3
圧縮室63a(63b)へと順次移送圧縮され中央部の
吐出ポート15、逆流防止弁装置16を経て吐出室5へ
吐出され、吐出冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部はそ
の自重およびパンチングメタル19の小穴や細金属線か
ら成るフィルター20を通過する際にその表面に付着な
どして吐出冷媒ガスから分離して吐出室油溜18や弁押
え43の浅穴56、57に収集され、残りの潤滑油は吐
出冷媒ガスと共に吐出管21を経て外部の冷凍サイクル
へ搬出され、再び吸入冷媒ガスと共に吸入管22を通し
て圧縮機内に帰還する。
圧縮機の冷時始動後しばらくの間は、第3図に示すよう
に吐出室5の圧力が第1圧縮室39a(33b)の圧力
よりも低いので、吐出室油溜18の潤滑油は第1給油通
路を通して差圧給油されず、また、逆止弁装置の効果に
よって第1圧縮室39a(39b)から圧縮途中気体が
吐出室油溜18に逆流することがない。
圧縮機の冷時始動後しばらくの後、吐出室5の圧力が第
1圧縮室39a(39b)の圧力以上に上昇の後、吐出
室油溜18の潤滑油は逆止弁装置17のリード弁53の
付勢力に抗して第1インジェクション通路(第2インジ
ェクション通路)を経て漸次減圧され第1圧縮室39a
(39b)に差圧給油されると共に、第1インジェクシ
ョン通路の途中から分岐して構成される給油通路の打ち
抜き穴45、油穴46、47を経て漸次減圧され吐出側
圧力と吸入側圧力との中間圧力に調整されて旋回スクロ
ール10の反圧縮室側の上部軸受穴48にも差圧給油さ
れる。この上部軸受穴48の油圧力は、冷媒ガス圧縮時
に旋回スクロール10に作用する下向きのスラスト力を
軽減する。
第1圧縮室39a(39b)に差圧給油された潤滑油
は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流
して隣接する圧縮室間の微少隙間を油膜により密閉して
圧縮気体漏れを防ぎ、圧縮室間の摺動面を潤滑しながら
圧縮気体と共に吐出室5に再び吐出される。
一方、上部軸受穴48に差圧給油された潤滑油の一部
は、バイパス通路を通じて旋回スクロール10に作用す
るスラスト荷重を支持するフレーム3との摺動面部や自
転阻止部12の摺動面を潤滑して吸入冷媒ガスに混入し
再び圧縮室へ流入する。また、残りの潤滑油は潤滑通路
の一部である旋回軸11と偏心穴9との隙間、偏心穴
9、偏心油穴24、横油穴50を経由する通路と上部軸
受49の隙間とを経て軸受油溜52に流入し、下部軸受
51の微少隙間を通して最終減圧されて駆動室6に流入
し、その一部は吸入冷媒ガスに混入して再び圧縮室へ流
入するが残りの潤滑油はモータ室油溜23に収集され
る。
モータ室油溜23の潤滑油は、その油面がある程度高く
なるとモータ7の回転子の下端部に拡散されて駆動室6
内の吸入冷媒ガスに混入して再び圧縮室へ流入し、最終
的に吐出室油溜18に収集する。
圧縮機停止後は、逆流防止弁装置16のリード弁54が
吐出ポート15を塞ぎ、吐出ポート15から第2圧縮室
40a(40b)までの圧縮室間の圧力は圧縮室間の隙
間を通じて吸入室33の圧力に等しくなる。そこで圧縮
機停止直後の吐出室油溜18の潤滑油は、第1インジェ
クション通路、第2インジェクション通路、給油通路を
通じて第1圧縮室39a(39b)や上部軸受穴48に
少し流入するが、焼結合金材質から成る弁押え43の微
細粒子間を通して圧縮気体が弁室間44に少しずつ流入
し、吐出室5と弁空間44の圧力差が縮まり潤滑油の流
入が停止する。また、第1圧縮室39a(39b)や上
部軸受穴48の圧力は、インジェクション穴30a(3
0b)の通路や油穴47の通路が狭く通路途中の潤滑油
の密封効果により弁空間44に流入した圧縮気体の流入
量が少ないのであまり昇圧しない。
また、弁板42は吐出室油溜18の潤滑油面が吐出気体
により拡散されるのを防ぐ。
第7図において、圧縮機が冷時始動し旋回スクロール1
0の旋回運動に伴って吸入室33aの圧力が降下し、駆
動室6aや吸入室22に接続された冷凍サイクル配管系
内の吸入冷媒ガス(または吸入冷媒液)がサクション通
路104bを経て吸入室33aに流入しようとする。し
かし、圧縮機の冷時始動後しばらくの間は圧縮機内の温
度が低いので逆流防止弁装置16aのコイルバネ106
が伸長してフラッパーバルブ105に付勢力を与えてフ
ラッパーバルブ105を降下せしめており、サクション
通路(104aと104bとの間)の開度が小さい。こ
のため吸入冷媒ガス(または吸入冷媒液)が吸入室33
aに多量流入されず、圧縮機始動直後の負荷が小さいの
で旋回スクロール10は円滑な旋回運動を継続する。ま
たサクション通路の開度が絞られているので吸入室33
aの圧力および第1圧縮室39c、39dの圧力は圧縮
機冷時始動初期から吐出室5aの圧力よりも低く、逆止
弁装置17aのリード弁53aが押し上げられて吐出室
油溜18の潤滑油が油吸い込み穴41aから弁44aに
流入し、第1インジェクション通路および第2インジェ
クション通路を通じて第1圧縮室39c、39dに流入
する一方、給油通路を通じても油穴46a、107、4
7aを経て吐出圧力と吸入圧力との中間の圧力にまで漸
次減圧されて上部軸受穴48aに差圧給油される。第1
圧縮室39c、39dに流入し潤滑油は上述の如く圧縮
室間の隙間を油膜密封する。中間圧力状態の上部軸受穴
48a内の潤滑油はスラスト軸受部108の油溝109
を経由して減圧され、旋回スクロール10との摺動部を
潤滑して吸入室33aに流入すると共に上述の如く駆動
軸8に係わる時受隙間を経由して漸次減圧されて駆動室
に流入する。
圧縮機冷時始動しばらきの後、圧縮機内、特に固定スク
ロール13cの鏡板14aが温度上昇してコイルバネ1
06自身の温度が設定温度(例えば50℃)を超え、コ
イルバネ106が収縮してフラッパーバルブ105への
付勢力が解除してサクション通路が正常な開度に復帰す
る。圧縮機停止後は、逆流防止弁装置16aのフラッパ
ーバルブ105がその自重により落下してサクション通
路104bを塞ぎ、吐出室5aの圧縮冷媒ガスが吐出ポ
ート15aから逆流して圧縮空間、吸入室33a、サク
ション通路104aおよび上部軸受穴48aが吐出室圧
力に等しくなり、油吸い込み穴41a、油穴46aの開
口端がリード弁53aによって塞がれて吐出室油溜18
から第1圧縮室39c、39dや上部軸受穴48aへの
潤滑油流入が停止する。上部軸受穴48aの潤滑油は駆
動軸8に係わる軸受の微少隙間を通じて漸次減圧されな
がら駆動室6aに流入する。
熱時における圧縮機再始動直後は、吐出室5aの圧力上
昇が早いので吐出室油溜18の潤滑油が上述の如く差圧
給油される。
第8図において、圧縮機の冷時始動直後は旋回スクロー
ル10bの旋回運動に伴って第1圧縮室39e、39f
とこれに通ずる弁空間44bの圧力が吐出室5bの圧力
よりも高くなり、リード弁53bが油吸い込み穴41b
と油穴46の開口端を塞いで圧縮冷媒ガスが吐出室油溜
18と上部軸受穴48bとに逆流するのを防ぐと共に第
1圧縮室39e、39fの圧力低下を防止する。
圧縮機冷時始動後しばらくの後、吐出室5bの圧力が第
1圧縮室39e、39fよりも高くなると吐出室油溜1
8に通じる油吸い込み41bの潤滑圧力によってリード
弁53bが開いてインジェクション通路と給油通路が開
通し、吐出室油溜18の潤滑油が第1圧縮室39e、3
9fと上部軸受穴48bに給油される。上部軸受穴48
bに給油された潤滑油は、給油通路の途中であまり減圧
されず吐出室5bの圧力にほぼ同じ圧力で、低圧側の駆
動室6bに通じる軸受隙間などで構成される潤滑通路の
途中で漸次減圧され、背圧室203に通じるスラスト軸
受部108bの極細の油溝109bで低圧側に近い側の
中間圧力にまで減圧された後、キー溝204、インジェ
クション穴230e、230fを経由するバイパス通路
などから吸入室33bや吸入室33bに通じる第2圧縮
室(第2図参照)に流入して上述の如く圧縮室間の隙間
密封と摺動部の潤滑に供される。また、上部軸受穴48
bの潤滑油圧力は、圧縮室における冷媒ガス圧力によっ
て旋回スクロール10bが固定スクロール13dから離
れるのを防ぐ。
駆動軸8の回転速度が増加するに伴ない吸入管22から
駆動室6bに流入する吸入冷媒ガスの流速が早くなり、
吸入冷媒ガスがサクションガイド103bの傾斜板10
2に衝突する時のエネルギーが増大し、傾斜板102が
二点鎖線の如く傾斜する。この結果、駆動室における吸
入冷媒ガスの流れ分布が整流状態から乱流状態に変化し
て吸入冷媒ガス中の潤滑油の分離効率が良くなる。
また、駆動時8の回転速度が低下した場合には、サクシ
ョンガイド103の傾斜板102bが上述とは反対の側
に傾斜して吸入冷媒ガス中の潤滑油の分離効率が悪くな
る。
また、駆動室6bに流入する吸入冷媒ガスの温度によっ
て引張りバネ205の張力が変化して上述と同様に傾斜
板102bの傾斜角度が変わり、最終的には吐出室油溜
18の潤滑油面も影響を受ける。
圧縮機停止後は逆流防止弁装置16bがその自重により
落下してサクション通路104bを塞ぎ、第7図の場合
と同様にインジェクション通路と給油通路とが遮断され
る。
以上のように上記実施例によれば吐出ポート15と吐出
室5との間(または吸入室33の上流側)に逆流防止弁
装置(17または16aまたは16b)を設け吐出室油
溜18を上流側とし、吐出室油溜18よりも圧力が低く
吐出室5に通じない第1圧縮室39a、39b(または
39c、39dまたは39e、39f)または吸入室3
3(または33aまたは33b)に通じる第2圧縮室4
0a、40bを下流側とする絞り通路を有するインジェ
クション通路(油吸い込み穴41、弁空間44、インジ
ェクション穴30b、インジェクション連通穴59、イ
ンジェクション穴30aまたは油吸い込み穴41a、弁
空間44a、インジェクション穴30c、インジェクシ
ョン連通穴59a、インジェクション穴30dまたは油
吸い込み穴41b、弁空間44b、インジェクション穴
30e、インジェクション連通穴30fを順次経由する
通路)を設けて油吸い込み穴41(または41aまたは
41b)と弁空間44(または44aまたは44b)と
の間には常に油吸い込み穴41(または41aまたは4
1b)を閉塞しようとする付勢力を有する逆止弁装置1
7(または17aまたは17b)を配置し、吐出室油溜
18と第1圧縮室39a、39b(または39c、39
dまたは39e、39f)または第2圧縮室40a、4
0bまたは吸入室33(または33aまたは33b)ま
たは吸入室33(または33aまたは33b)に通じる
駆動室6(または6aまたは6b)との間を絞り通路と
開閉弁〔リード弁53(または53aまたは53b)〕
を有する給油通路〔油吸い込み穴41、弁空間44、油
穴46、油穴47、上部軸受穴48、駆動軸8の摺動部
に係わる隙間(49、51)や空間(9、52)などを
順次経由する通路または油吸い込み穴41a、弁空間4
4a、油穴46a、油穴107、油穴47a、上部軸受穴4
8a、駆動軸8の摺動部に係わる隙間と空間およびスラ
スト軸受部108の油溝109を順次経由する通路または
油吸い込み穴41b、弁空間44b、油穴46b、油穴
107b、油穴47b、上部軸受穴48b、駆動軸8の
摺動部に係わる隙間と空間およびスラスト軸受部108
bの極細の油溝109b、背圧室203、キー溝20
4、インジェクション穴230e、230fなどを順次
経由する通路〕で連通し、逆止弁装置17(または17
aまたは17)の弁体(リード弁53または53aまた
は53b)が給油通路の開閉弁を兼ねていることによ
り、圧縮機冷時始動後や暖時再始動後のしばらくの間、
吐出室5(または5a、または5b)の圧力よりもイン
ジェクション通路が開口する第1圧縮室39a、39b
(または39c、39dまたは39e、39f)の圧力
の方が高くとも圧縮途中の気体は逆止弁装置17(また
は17aまたは17b)の逆止弁作用によって吐出室油
溜18への逆流や上部軸受穴48(または48aまたは
48b)への流入がなく、圧縮完了後に吐出室5(また
は5aまたは5b)に吐出されて吐出室5(または5a
または5b)の圧力上昇を早めると共に、逆流気体によ
り吐出室油溜18(または18aまたは18b)潤滑油
が拡散して圧縮機外部の冷凍サイクルへ流出するのを防
ぐことが出来るので、吐出室圧力上昇の後第1圧縮室3
9a、39b(または39c、39dまたは39e、3
9f)への油インジェクション作用や給油通路への給油
を早めて圧縮室間隙間の密封による圧縮効率向上の早期
効果開始と摺動部耐久性向上を図ることが出来る。
また、逆流防止弁装置17(または17aまたは17
b)の弁体が給油通路の開閉弁を兼ねているので省スペ
ース、低コストでしかも開閉弁の動作が早くて確実な信
頼性の高い差圧給油用逆止弁装置を備えたスクロール気
体圧縮機を提供するものである。
なお、上記実施例では吐出室5(または5aまたは5
b)内の吐出室油溜18(または18aまたは18b)
の代りに圧縮機外の高圧側に油溜を設けて密閉ケース1
を貫通する給油配管を経由して上述の圧縮室や摺動部に
給油させてもよい。
また、上記実施例では冷媒圧縮機について動作を説明し
たが、潤滑油を使用する酸素、窒素、ヘリウムなどの他
の気体圧縮機の場合も同様の作用効果を期待できる。
また、上記実施例ではインジェクション通路の最上流側
の通路(油吸い込み穴41または41aまたは41b)
を給油通路の最上流側の通路と兼ねたが各々別々の通路
にしてもよい。
また、圧縮機停止後は、逆流防止弁装置17が吐出ポー
ト15と吐出室5との間に設けられている場合は、吐出
ポート15が逆流防止弁装置17によって閉塞されて圧
縮空間、吸入室33が低圧側圧力になり、逆止弁装置1
7のリード弁53の付勢力に抗して潤滑油が吐出室油溜
18から圧縮空間や吸入室33および給油通路に流入す
るが差圧が設定値以下になればリード弁53の付勢力に
よってインジェクション通路と給油通路が閉塞されて潤
滑油の流入が停止し、逆流防止装置17a(または17
b)が吸入室33a(または33b)の上流側に設けら
れている場合は、瞬時に圧縮空間や吸入室33a(また
は33b)が吐出圧力に等しくなってリード弁53の付
勢力によってインジェクション通路と給油通路が閉塞さ
れて潤滑油を流入が停止するので圧縮機再開始動時の油
圧縮を少なくして起動負荷を軽減し、圧縮機再始動後に
おける吐出室油溜18の潤滑油不足を防いで第1圧縮室
や摺動部への給油を円滑にして上述の効果をより一層高
めることが出来る。
発明の効果 以上のように本発明は、圧縮空間の上流または下流側に
逆流防止弁装置を設け、吐出室の油溜または吐出室に通
じる油溜を上流側とし、油溜よりも圧力が低く吐出室に
通じない第1圧縮室または吸入室に通じる第2圧縮室を
下流側とする絞り通路を有するインジェクション通路を
設けてその通路途中には常に付勢力を有する逆止弁装置
を配置し、油溜と第1圧縮室または第2圧縮室または吸
入室または吸入室に通じる吸入側との間を絞り通路と開
閉弁とを備えた給油通路で連通し、開閉弁の下流側の給
油通路の途中には旋回スクロールおよびその駆動軸に係
わる摺動部を経由する潤滑通路を設け、逆止弁装置が開
閉弁を兼ねることにより、スクロール式圧縮機構の圧縮
比が一定で吐出室に連通しない圧縮室の圧力が吐出室圧
力の影響をあまり受けず、圧縮機冷時始動後や暖時再始
動後のしばらくの間、吐出室の圧力よりもインジェクシ
ョン通路が開口する第1圧縮室または第2圧縮室の圧力
の方が高い場合でも逆止弁装置の逆止弁作用によってイ
ンジェクション通路が閉塞され、同時に給油通路も閉塞
されるので圧縮途中の気体が吐出室油溜(または吐出室
に通じる油溜)へ逆流せず、また、潤滑通路へも流入せ
ず、圧縮完了後に吐出室に吐出されて吐出室の圧力上昇
を早め、さらには逆流気体により吐出室油溜(または吐
出室に通じる油溜)の潤滑油が拡散して圧縮機外部の配
管系へ流出するのを防ぐことが出来るので、吐出室圧力
上昇後の第1圧縮室または第2圧縮室への油インジェク
ションを早く開始させて油膜による圧縮空間の隙間密封
により圧縮率向上の早期効果開始を図ると共に、摺動部
への気体流入を少なくして潤滑油膜機能を高めて摺動部
の耐久性向上ならびに潤滑通路における急激な圧力降下
を阻止して吸入即などへの潤滑油多量流入による圧縮効
率低下を防ぐことが出来る。
また圧縮機停止後は、常に付勢力を有した逆止弁装置に
よってインジェクション通路と給油通路が閉塞されるの
で油溜から圧縮室や吸入側への無駄な潤滑油流出を少な
くして圧縮機再始動時の油圧縮による過大な負荷発生を
防いで摺動部の焼付きやかじりを防止すると共に圧縮機
再始動後における潤滑油不足を無くして上述の油膜効果
をより一層高めることが出来る。
また、逆止弁装置が給油通路の開閉弁を兼ねているので
省スペースでありコストも安く、開閉弁の動作が早くて
確実で信頼性が高いなど数多くの優れた効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール気体
圧縮機の縦断面図、第2図は第1図のA−A線における
圧縮部の横断面図、第3図は吸入行程から吐出行程まで
の気体の圧力変化を示す特性図、第4図は各圧縮室にお
ける定点の圧力変化を示す特性図、第5図は第1図にお
ける逆止弁装置取り付け部の部分断面図、第6図は第5
図の部分外観図、第7図、第8図は本発明のそれぞれ異
なる別の実施例における逆止弁装置取り付け部の部分断
面図、第9図、第10図は従来の給油通路を備えたスク
ロール気体圧縮機の断面図を示す。 1、2……密閉ケース、5……吐出室、6……駆動室、
7……モータ、10……旋回スクロール、13……固定
スクロール、14……鏡板、15……吐出ポート、16
……逆流防止弁装置、17……逆止弁装置、18……吐
出室油溜、21……吐出管、22……吸入管、23……
モータ室油溜、30a、30b……インジェクション
穴、33……吸入室、39a、39b……第1圧縮室、
40a、40b……第2圧縮室、41……油吸い込み
穴、43……弁押さえ、45……打ち抜き穴、53、5
4……リード弁、55……弁押さえ、59……インジェ
クション連通穴。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールに対して旋回スクロールを
    揺動自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形の圧
    縮空間を形成し、前記圧縮空間は吸入側より吐出側に向
    けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧
    縮するスクロール圧縮機構を形成し、前記圧縮空間の上
    流または下流側に逆流防止弁装置を設け、吐出室の油溜
    または吐出室に通じる油溜を上流側とし、前記油溜より
    も圧力が低く前記吐出室に通じない第1圧縮室または吸
    入室に通じる第2圧縮室を下流側とする絞り通路を有す
    るインジェクション通路を設け、前記インジェクション
    通路の途中に常に付勢力を有する逆止弁装置を配置し、
    前記油溜と前記第1圧縮室、前記第2圧縮室、吸入室、
    または吸入室に通じる吸入側との間を絞り通路と開閉弁
    とを備えた給油通路で連通し、前記開閉弁の下流側の前
    記給油通路の途中に前記旋回スクロールおよびその駆動
    軸に係わる摺動部を経由する潤滑通路を設け、前記逆止
    弁装置が前記開閉弁を兼ねた差圧給油用逆止弁装置を備
    えたスクロール気体圧縮機。
JP18718387A 1987-07-27 1987-07-27 差圧給油用逆止弁装置を備えたスクロ−ル気体圧縮機 Expired - Lifetime JPH0637877B2 (ja)

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