JPH0733809Y2 - ガス系の固定式消火設備の非常放送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ○産業上の利用分野 本考案は、火災感知器の作動と連動して使用するガス系
（ハロン1301等）の固定式消火設備の非常放送装置に関
するものである。

○従来技術 火災感知器の作動と連動して使用するガス系の固定式消
火設備においては、火災発生の旨と消火設備を作動させ
る旨を、警報及び放送で知らせるよう構成された非常放
送装置が付設されている。

○従来技術の問題点 ガス系の固定式消火設備においては、火災感知器の回路
と消火設備の起動回路を“断”にしている場合（いわゆ
る手動放出）と、“入”にしている場合（いわゆる自動
放出）とがあり、また防護区画内に人が存在している場
合（有人）と人がいない場合（無人）があり、火災感知
器が作動した時点の状況に種々の態様が考えられる。

したがって、設備の機能に精通している保安係員、ある
いは監視員でも、その時点の実際の状況に見合った最適
の処置を取ることが難しい問題点があり、保安係員等に
最適の処置を迅速、明確に与えることが課題であった。

○課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本考案は、２台の火災感知器
と、消火装置の起動を切り換える手動・自動切換装置
と、防護区画内の人の有無を検知する有人・無人監視セ
ンサーを備えたガス系の固定式消火設備の非常放送装置
であって、前記２台の火災感知器の各々の出力信号と、
手動・自動切換装置の設定状態を示す出力信号と、有人
・無人監視センサーの出力信号が入力され、入力された
信号に基づいて予め記憶しておいた状況と処置を知らせ
る多数の放送内容の中からその時点の状況に応じたもの
を選択するように非常放送用の音声装置に出力信号を出
力する制御部を備えたことを要旨とする。

○作用 本考案によれば、火災感知器が作動した場合にその時点
での状況に適した最良の処置を放送で指示するものであ
る。

○実施例 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を詳細に説明
する。

第１図を参照して、10は非常放送装置で、制御部11及び
音声装置12とを含み、火災感知器（Ａ）１、火災感知器
（Ｂ）２、自動・手動切換装置３、有人・無人監視セン
サー４、消火設備制御装置５、手動起動装置６、スピー
カ７及び表示装置８が接続されている。

本実施例では、火災感知器（Ａ）１と火災感知器（Ｂ）
２が共に作動し、かつ自動・手動切換装置３が自動に設
定されている時は、消火装置制御装置５に起動信号が送
られ消火設備（図示なし）が自動的に作動し、火災感知
器（Ａ）１又は火災感知器（Ｂ）２が作動した時、ある
いは自動・手動切換装置３が手動に設定されている時
は、消火設備は自動的に作動せず、手動起動装置６から
起動信号を送るように、制御部11及び消火装置制御装置
５はマイコンプログラム制御又はシーケンス制御される
ように構成されている。

また、非常放送装置10の制御部（判断装置）11は火災感
知器（Ａ）１、火災感知器（Ｂ）２の作動の状態、自動
・手動切換装置３の設定の状態、有人・無人監視センサ
ー４による区画内の人の有無の検出等が第２図に示す状
況の組合せ（状況番号１〜８）のいずれであるかである
かをマイコンプログラム制御、又はシーケンス制御によ
り判断して、音声装置12に対し、状況番号１〜８のいず
れかを示す出力信号を供給する。

音声装置12は、状況番号１〜８のそれぞれについて第２
図に示すごとくそれぞれ予め決定された放送内容が記憶
されており、状況番号１〜８のいずれかを指示する制御
部11よりの出力信号を受けて、対応する放送内容の音声
信号を監視員室等に設置されるスピーカ７に送り、スピ
ーカ７より非常放送するよう構成されている。

本考案による非常放送の例を示すと、火災感知器（Ａ）
１、火災感知器（Ｂ）２が共に作動し、区画内は無人で
あり、自動・手動切換装置３は自動に設定されている
と、この場合制御部（判断装置）11は状況番号１と識別
し、状況番号１を示す出力信号を音声装置12に送り、音
声装置12から状況番号１に対する放送内容であるところ
の「火事です。区画内は無人です。消火剤が自動的に放
出します。」の音声信号をスピーカ７に送り、スピーカ
７より当該内容を放送することになる。

なお、実施例においては、表示装置８を付設しているの
で、制御部（判断装置）11の判定に応じて、表示装置８
にもその状況を表示する。したがって、スピーカ７と表
示装置８の両方から警報を発することとなり視覚及び聴
覚で状況を把持することができる。

なお、本考案の実施例では、火災感知器（Ａ）１、火災
感知器（Ｂ）２、自動・手動切換装置３、有人・無人監
視センサー４の出力信号を制御部11に入力し、これらの
信号に基づいてその時点の防護区画内の状況等を判断し
ているが、これに加えて、防護区画内の状況等を判断す
るために、例えば、区画出入口の扉の開閉状態を監視す
るセンサーの出力信号、その他の種々の信号を使用する
ことができる。

また放送内容も実施例に限定されず、使用する出力信号
の組合わせや、建物全体の防災体制によって任意のもの
とすることができる。

○考案の効果 火災感知器が作動したときなど非常時は、たとえ設備に
精通している人でもあわてて的確な判断ができないこと
があるが、本考案によれば、予め記憶しておいた状況と
処置を知らせる多数の放送内容の中からその時点の状況
に応じたものを選択して、音声でオペレーターにその時
点の状況と処置を知らせるようにしたため、オペレータ
ーは、非常時にあわてずに的確な対応を行うことが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す非常放送装置の大要を示
す略図。第２図は制御部における判断状況と音声装置に
記憶する放送内容を示す図である。 １……火災感知器（Ａ） ２……火災感知器（Ｂ） ３……自動・手動切換装置 ４……有人・無人監視センサー ５……消火設備制御装置 ６……手動起動装置 ７……スピーカ ８……表示装置 10……非常放送装置 11……制御部（判断装置） 12……音声装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２台の火災感知器と、消火装置の起動を切
   り換える手動・自動切換装置と、防護区画内の人の有無
   を検知する有人・無人監視センサーを備えたガス系の固
   定式消火設備の非常放送装置であって、前記２台の火災
   感知器の各々の出力信号と、手動・自動切換装置の設定
   状態を示す出力信号と、有人・無人監視センサーの出力
   信号が入力され、入力された信号に基づいて予め記憶し
   ておいた状況と処置を知らせる多数の放送内容の中から
   その時点の状況に応じたものを選択するように非常放送
   用の音声装置に出力信号を出力する制御部を備えたこと
   を特徴とするガス系の固定式消火設備の非常放送装置。