JPH0733730Y2 - 床敷用マット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ｛産業上の利用分野｝ 本考案は、建物などの玄関その他に敷いて使用されるく
つぬぐい用、またはフロアや通路などに敷かれる床敷用
マットに関する。

｛従来の技術｝ くつぬぐい用その他の目的で床に敷いて使用されるマッ
トとして、例えば、実公昭54-21150号公報に開示された
ものが知られている。

この公報に開示されたマットは、断面Ｕ字状の保持材内
に繊維の端部を挿入固定してなるブラシ部材が、その保
持材側を、プラスチックで棒状に形成されたベース部材
の溝状凹部に挿入され、このベース部材の適数を、それ
らの各端部を順次重ねて並べて、ベース部材と保持材に
形成した各孔に金属バーを挿通し、その端部に形成され
たねじにナットをかみ合わせて締付けて、各ベース部材
を連結し適当な大きさのマットにしたものである。

｛考案が解決しようとする課題｝ 前記従来のマットは、複数のベース部材を金属バーで連
結したものであって、各ベース部材は金属バーを支軸と
して回動可能であるから、保管や輸送時などには巻いた
状態にすることが可能である。しかし、金属バーは、剛
性を有し、かつ各ベース部材をほぼ緊密に接触させた状
態になっているから、金属バーの長さ方向では、マット
は常に直線状態を維持し、その方向の変形は不能であ
る。したがって、このマットを敷いた床面に凹凸がある
場合にも、それに添ってマットをスムーズに変形させる
ことは困難である。そして、このマットを凹凸がある床
面で使用すると、それが反復して踏まれることで、前記
金属バーが徐々にわん曲してマット全体がわん曲し、端
部が床面から浮いた状態などになり、体裁が悪くなるな
どの問題がある。

本考案は、上記のような課題を解決するものであって、
ほぼ任意の状態に無理なく変形して、床面などの状態に
添わせることが可能であり、かつ体裁よく使用すること
ができる床敷用マットをうることを目的とする。

｛課題を解決するための手段｝ 「本考案の床敷用マットは、棒状のベース部材の表面側
に形成された溝状の凹部にブラシ部材が取付けられて、
ベース部材の両端部に、前記凹部の深さ方向に対して直
交方向に貫通する挿通孔が設けられ、かつ前記ベース部
材一端の挿通孔に挿通させて、ベース部材の両側面に断
面円形の挿入パイプが固着突設され、ベース部材他端の
挿通孔に連通させて、ベース部材の両側面に、前記挿入
パイプが挿入可能な支持パイプが固着突設されるととも
に、前記各支持パイプにおけるベース部材の裏面側また
は表面側の部分に、前記挿入パイプが入る幅の切欠部が
形成され、前記ベース部材の複数が、その挿入パイプを
支持パイプに挿入して各端部を順次に重ねて並べられ、
挿入パイプと挿通孔にワイヤロープなどの弾性変形可能
な連結線材を挿通して各ベース部材が連結されたことを
特徴とする。

前記ベース部材は、その一端に挿入パイプを、他端に支
持パイプをそれぞれ突出しているが、両端の各挿通孔に
連通させて両側面に挿入パイプが固着突設したベース部
材と、両端の各挿通孔に連通させて両側面に支持パイプ
を固着突設したベース部材とを設けられ、これらの各ベ
ース部材の支持パイプに挿入パイプを挿入して配置する
ことも可能である。

前記ベース部材の凹部に挿入したブラシ部材の取付け
は、金属からなる断面Ｕ字状の保持材に繊維の端部が挿
入固定されてブラシ部材を構成し、棒状のベース部材の
凹部の両端を壁体で閉鎖して、この凹部両端の各閉鎖壁
における凹部の口部側の端部に、凹部側に突出する係止
突部が設け、前記保持材を、その各端部が前記各係止突
部に重ねる長さに形成して、保持材の一端側を凹部に挿
入して係止突部の下側に挿入係止した状態でブラシ部材
をやや強く加圧して、凹部に挿入された端部側の繊維を
係止突部で加圧し弾性変形させて保持材の全長を凹部に
挿入し、保持材の両端を各係止突部の下側に挿入係止し
て、ベース部材にブラシ部材が取付けることができる。

また、金属からなる断面Ｕ字状の保持材に繊維の端部を
挿入固定してブラシ部材を構成し、ベース部材の溝状凹
部の幅方向の各側壁の口部側端部に、凹部側に突出する
係止突部を形成し、凹部に挿入された前記ブラシ部材の
保持材両側壁上縁部を前記各係止突部に係止して、ベー
ス部材にブラシ部材が取付けることも可能である。

前記連結線材としては、ワイヤロープをプラスチック層
で被覆したもの、または、プラスチック製の線材または
ひも状のものも使用可能である。

｛作用｝ 前記本考案の床敷用マットは、各ベース部材の端部に固
着した挿入パイプを、ベース部材に固着した支持パイプ
に挿入して複数のベース部材を並べ、それらの各挿通孔
に弾性変形が可能な連結線材を挿通して、各ベース部材
を連結したものである。そして、前記連結線材は弾性変
形でほぼ任意の方向に変形可能であるが、前記のように
各支持パイプに挿入パイプを挿入しているから、連結線
材の弾性変形で各ベース部材の位置が、それらの長さ方
向にずれることを挿入パイプと支持パイプとが防いで、
各ベース部材に配置状態を維持させる。また、各支持パ
イプに設けた切欠部に挿入パイプが入ることが可能であ
るから、連結線材の弾性変形で前記切欠部に挿入パイプ
が入り込むことで、隣り合った各ベース部材の関係がマ
ットの厚さ方向に折曲状態に変化することが可能であ
る。このため、各ベース部材の幅方向においてもほぼ任
意に変形可能である。

両端に挿入パイプを固着突設したベース部材と、両端に
支持パイプを固着突設したベース部材とを設けた場合
は、両端に挿入パイプを突設したベース部材と、両端に
支持パイプを突設してベース部材とを選択して、その支
持パイプに挿入パイプを挿入して配置する。

｛実施例｝ 本考案の床敷きマットの第１実施例を第１〜11図につい
て説明する。第１〜11図において、１はプラスチックで
棒状に形成されたベース部材で、その両端部を除く全長
に溝状の凹部２が形成されている。3a,3bはベース部材
１の両端部に形成された挿通孔、４は前記挿通孔3aに連
通させてベース部材１の両側面に一体に突設された断面
円形の挿入パイプ、５は前記挿通孔3bに連通させてベー
ス部材１の両側面に一体に突設された支持パイプで、こ
の支持パイプ５は前記挿入パイプ４を挿入可能な内径に
形成されている。６は支持パイプ５における凹部２の底
部側に形成された切欠部で、この切欠部６の幅は挿入パ
イプ４の外径よりもやや大きく形成されており、支持パ
イプ５に挿入パイプ４を挿入した状態で、挿入パイプ４
が支持パイプ５の径方向に移動して切欠部６に入ること
が可能に構成されている。

7,7は凹部２の両端を閉鎖した各壁体における凹部２の
口部の端部に、凹部２側に突設された係止突部、８は凹
部２の両側壁口部側において凹部２側に突設された係止
突部である。９はベース部材１の側壁上部に突設された
支承部である。

10はブラシ部材で、これは断面Ｕ字状に形成された金属
製の保持材11内に、プラスチックなどの繊維12の端部を
挿入し、保持材11を両側から加圧変形させて繊維12を固
着立設し、その保持材11を両側面から加圧し切断したも
のである。したがって、切断された保持材11の各端部
は、その両側壁がほぼ接触状態になって繊維12が逸脱す
ることを防いでおり、かつ保持材11は両端部が前記係止
突部7,7に重なる長さに切断されている。そして、前記
ブラシ部材10の保持材11の全長がブラシ部材１の凹部２
内に挿入され、かつ保持材11の各端部が係止突部7,7の
下側に挿入係止されるとともに、保持材11の両側壁上縁
が凹部２の両側壁に突設された係止突部8,8に係止し
て、ブラシ部材10がベース部材１に取付けられており、
繊維12は前記支承部９よりも突出している。

ベース部材１に対するブラシ部材10の取付けは、保持材
11の一端を一方の係止突部７の下側に挿入係止してか
ら、ブラシ部材10をやや加圧すれば、凹部２に挿入した
端部の繊維12を係止突部７が加圧弾性変形させて保持材
11の全長が凹部２に入って、保持材11の両端が係止突部
7,7の下側に挿入係止され、同時に保持材11の両側壁上
縁が係止突部8,8に係止される。

前記ように、ベース部材１に係止突部7,7と8,8とを設け
ておけば、ブラシ部材11をベース部材１により強固に取
り付けることができるが、係止突部7,7と、係止突部8,8
のいずれ一方のみを設けることも可能であって、こ場合
もブラシ部材11を不必要に分離することなく取付けるこ
とができる。

13はベース部材１とほぼ同じ長さにして棒状に形成され
た連結部材で、これは断面逆凹形状に形成されて、その
一側壁両端に連結孔14が設けられ、かつその内部に幅方
向の支持壁15が形成されて、この支持壁15に支持溝16が
設けられている。

前記のように構成されたベース部材１の複数を、第１図
と第７〜８図に示したように、それらの各端部を順次に
重ねる状態にして、各挿入パイプ４を支持パイプ５に挿
入して並べる。このように並べたベース部材１の幅方向
の各列で、最外側のベース部材１が内側に位置する列に
は連結部材13を配置する。また、第１図に示したよう
に、ベース部材１の長さ方向の最外側の各ベース部材１
の端部間に端部部材17を介在させる。この端部部材17
は、第11図に示したように、ベース部材１の挿通孔3a,3
bのいずれにも連通する通孔18が設けられている。

そして、ワイヤロープ19を軟質プラスチック層20で被覆
してなる連結線材21（第９図参照）を、各挿入パイプ４
と、それに連通した挿通孔3a,3bに挿通して各ベース部
材１を互いに連結する。連結線材21の端部は、各連結部
材13の連結孔14に挿通して支持溝16にはめ込み、かつ他
端の連結孔14から出して、第７図に示したように、次の
列の各ベース部材１を連結する。また、第８図に示した
ように、連結線材21の端部にパイプからなるストッパ22
を固着（第10図参照）して、このストッパ22を連結部材
13の支持壁15に係止して、ベース部材１の各列を各別の
連結線材21で連結することも可能である。

なお、第７図に示したように、ベース部材１の複数列を
連続した連結線材21で連結した場合も、その端部の固定
は、例えば、第８図に示したように、連結線材21にスト
ッパ22を固着して、連結部材11の支持壁15に係止する。
前記ストッパ22を端部部材17に係止することも可能であ
る。

このように、各ベース部材１を連結線材21で連結し、か
つこの連結線材21は弾性変形が可能なワイヤロープ19を
軟質プラスチック層20で被覆したものであって、容易に
わん曲するから、挿入パイプ４及び挿通孔3a,3bに対す
る連結線材21の挿通作業を容易に行うことができる。ま
た、ブラシ部材10は、その保持材11をベース部材１の係
止突部7,7,8,8に係止してベース部材１に取付けている
から、ベス部材１に対するブラシ部材10の取付けを容易
に能率よく行うことができ、かつ保持材11に固定用の孔
を設ける手間が不要である。

この実施例のベース部材１は、その側壁上部に支承部９
を突設しており、繊維12がくつなどで踏まれて弾性変形
でわん曲したとき、このくつなどを支承部９が支承し
て、それ以上の繊維12のわん曲を阻止する。したがっ
て、繊維12は、その長さ方向の中間部までがわん曲する
のみであるから、くつなどから解放された場合の復元が
容易であり、繊維12に長期間にわたって直立状態を維持
させて体裁よく使用することができる。

なお、第７〜８図に示したように連結部材13を用いるこ
となく、連結線材21を露出させて隣合ったベース部材1,
1を連結することも可能である。

第12図は第２実施例を示し、ベース部材に対するブラシ
部材の別の固定手段である。この第２実施例は、ベース
部材１の底壁を貫通したタッピングねじ23を保持材11の
底部にねじ込んで、ブラシ部材10をベース部材１に固定
している。また、図示を省略したが、ベース部材１の側
壁からブラシ部材10の繊維12部に小ねじまたはピンを挿
入するなどして、ブラシ部材10をベース部材１に固定す
ることができる。

第13図は第３実施例である。このマットは、両端の両側
面に挿入パイプ４が一体に突設されたベース部材1aと、
両端の両側面に、前記挿入パイプ４が挿入される支持パ
イプ５が突設されたベース部材1bからなるものであっ
て、各挿入パイプ４を支持パイプに挿入し、これらを連
結線材21で連結するものである。10はブラシ部材であ
る。

｛考案の効果｝ 本考案の床敷用マットは、上記のように、棒状のベース
部材の各端部に設けた挿通孔に連通して固着突設された
挿入パイプを支持パイプに挿入し、かつ挿入パイプと挿
通孔にワイヤロープなどの弾性変形を可能な連結線材を
挿通して各ベース部材を連結したものである。そして、
マットの表面側または裏面側において支持パイプに挿入
パイプが入る切欠部を設けている。したがって、連結線
材の弾性変形で、各ベース部材が、その長さ方向に移動
することを挿入パイプと支持パイプとが防いで、各ベー
ス部材に配置状態を維持させることが可能である。ま
た、挿入パイプと支持パイプとを支軸として各ベース部
材がマットの厚さ方向に変形することが可能であるとと
もに、挿入パイプの一部が支持パイプの前記切欠部に入
力ることで、各ベース部材が支持パイプの径方向にも移
動可能である。このように、連結線材の弾性変形で各ベ
ース部材がマットの長さ方向と幅方向において、その厚
さ方向に移動することが可能であるから、床などの表面
状態にマットの全体を添わせることが可能であり、体裁
よく使用することができる。

請求項３または４の床敷用マットは、ベース部材の両端
部、またはその両側壁に突設した係止突部に、保持材の
一部を係止して、ベース部材にブラシ部材を取付けるか
ら、ブラシ部材を簡単にかつ能率よくベース部材に取付
けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜11図は本考案の第１実施例を示し、第１図は平面
図、第２図はベース部材の拡大正面図、第３図はベース
部材の拡大底面図、第４図はブラシ部材の一部の拡大平
面図、第５図はブラシ部材を取付けたベース部材の断正
面図、第６図は第５図の断側面図、第７図と第８図はそ
れぞれ連結部材部の拡大底面図、第９図は連結線材の拡
大断面図、第10図は連結部材の拡大断面図、第11図は端
部部材の拡大底面図、第12図は第２実施例を示し、ブラ
シ部材を取付けたベース部材の断正面図、第13図は第３
実施例を示す平面図である。 1:ベース部材、2:凹部、3a,3b:挿通孔、4:挿入パイプ、
5:支持パイプ、6:切欠部、7,8:係止突部、10:ブラシ部
材、11:保持材、12:繊維、21:連結線材。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】棒状のベース部材の表面側に形成された溝
   状の凹部にブラシ部材が取付けられて、ベース部材の両
   端部に、前記凹部の深さ方向に対して直交方向に貫通す
   る挿通孔が設けられ、かつ前記ベース部材一端の挿通孔
   に連通させて、ベース部材の両側面に断面円形の挿入パ
   イプが固着突設され、ベース部材他端の挿通孔に連通さ
   せて、ベース部材の両側面に、前記挿入パイプが挿入可
   能な支持パイプが固着突設されるとともに、前記各支持
   パイプにおけるベース部材の裏面側または表面側の部分
   に、前記挿入パイプが入る幅の切欠部が形成され、前記
   ベース部材の複数が、その挿入パイプを支持パイプに挿
   入して各端部を順次に重ねて並べられ、挿入パイプと挿
   通孔にワイヤロープなどの弾性変形可能な連結線材を挿
   通して各ベース部材が連結された床敷用マット。
2. 【請求項２】両端の各挿通孔に連通させて両側面に挿入
   パイプが固着突設されたベース部材と、両端の各挿通孔
   に連通させて両側面に支持パイプが固着突設されたベー
   ス部材とが設けられ、これらの各ベース部材の支持パイ
   プに挿入パイプを挿入して並べられた請求項１記載の床
   敷用マット。
3. 【請求項３】金属からなる断面Ｕ字状の保持材に繊維の
   端部が挿入固定されてブラシ部材が構成され、棒状のベ
   ース部材の凹部の両端が壁体で閉鎖されて、この凹部両
   端の各閉鎖壁における凹部の口部側の端部に、凹部側に
   突出する係止突部が設けられ、前記保持材が、その各端
   部が前記各係止突部に重なる長さに形成されて、保持材
   の一端側を凹部に挿入して係止突部の下側に挿入係止し
   た状態でブラシ部材をやや強く加圧して、凹部に挿入さ
   れた端部側の繊維を係止突部で加圧し弾性変形させて保
   持材の全長を凹部に挿入し、保持材の両端を各係止突部
   の下側に挿入係止して、ベース部材にブラシ部材が取付
   けられた請求項１または２記載の床敷用マット。
4. 【請求項４】金属からなる断面Ｕ字状の保持材に繊維の
   端部が挿入固定されてブラシ部材が構成され、ベース部
   材の溝状凹部の幅方向の各側壁の口部側端部に、凹部側
   に突出する係止突部が形成され、凹部に挿入された前記
   ブラシ部材の保持材両側壁上縁部が前記各係止突部に係
   止されて、ベース部材にブラシ部材が取付けられた請求
   項１または２記載の床敷用マット。