JPH07337061A - スイッチ式リラクタンスモータの制御方式 - Google Patents

スイッチ式リラクタンスモータの制御方式

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JPH07337061A
JPH07337061A JP6151822A JP15182294A JPH07337061A JP H07337061 A JPH07337061 A JP H07337061A JP 6151822 A JP6151822 A JP 6151822A JP 15182294 A JP15182294 A JP 15182294A JP H07337061 A JPH07337061 A JP H07337061A
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JP
Japan
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excitation
angle
phase
current command
rotation speed
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JP6151822A
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English (en)
Inventor
Takayuki Sato
貴之 佐藤
Kentaro Fujibayashi
謙太郎 藤林
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータの回転速度や電流指令値の変化による
発生トルクの低下を軽減し、発生トルクを有効に利用す
ることができるスイッチ式リラクタンスモータの制御方
式を提供する。 【構成】 スイッチ式リラクタンスモータにおいて、モ
ータの回転速度及び電流指令値の少なくとも何れか一方
により励磁区間を定める励磁角を設定し、該励磁区間に
おいてコイルに励磁電流を供給するものであり、モータ
の回転速度及び電流指令値の少なくともいずれか一方を
検出し、その検出値に基づいて位相進み量を算出し、静
止時における励磁開始角と励磁終了角に前記位相進み量
を用いて位相進み補償を行って励磁区間を算出し、該励
磁区間とロータ電気角の検出値との比較を行い、ロータ
電気角が前記励磁区間中にあるときコイルに励磁電流を
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチ式リラクタン
スモータの制御方式に関し、特に、ステータの励磁制御
に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチ式リラクタンスモータは、ロー
タとステータに突極を設け、ステータの突極に巻回され
た巻線に電流を流すことによってステータ突極を励磁
し、該突極に生じる磁気吸引力によってロータ突極を引
き寄せ回転力を発生する可変リラクタンスモータにおい
て、励磁するコイルの切り替えをスイッチにより順次行
うものである。例えば、図11に示すリラクタンスモー
タの回転方法を説明する図において、図11の(a)に
示すロータとステータとの位置関係でA相のコイルを励
磁すると、ロータは反時計方向に回転を開始し、また、
図11の(b)に示すロータとステータとの位置関係で
B相のコイルを励磁すると、ロータは反時計方向に回転
を開始し、同様に図11の(c)に示すロータとステー
タとの位置関係でC相のコイルを励磁すると、ロータは
反時計方向に回転を開始する。また、逆に、図11の
(a)においてB相のコイルを励磁し、図11の(b)
においてC相のコイルを励磁し、(c)においてA相の
コイルを励磁すると、ロータは時計方向に回転を開始す
る。したがって、ステータ巻線に流す電流の向きに関係
なく、ロータの位置、即ちロータの電気角に応じて、通
電する巻線の相を決定する。
【0003】ステータ突極とロータ突極が対向を開始す
る位置から完全に対向するまでの間に巻線に電流を流せ
ばロータ回転方向のトルクを発生する。図12はリラク
タンスモータにおけるトルクを説明する図である。例え
ば、図12の(a)に示すようにステータ20のA相の
突極20Aとロータ21の1つの突極21aが対向を開
始する位置からA相の巻線(突極20Aに巻回された巻
線)に電流を流せばステータ20のA相の突極20Aは
ロータ突極21aを吸引し、ロータ21を図12の
(a)において反時計方向に回転させるトルクを発生す
る。そして、図12の(b)に示すようにステータ20
のA相の突極20Aとロータ突極21aが完全に対向す
る位置まで、A相に電流を流せば反時計方向のトルクが
発生する。しかし、図12の(b)に示すロータ21の
位置よりさらにロータ21が反時計方向に回転した位置
までA相に電流を流すと、逆に時計方向へのトルクを発
生する。即ち、トルクは常に磁気抵抗を減少させる方向
に発生する。そこで、図12の(a)に示すようにA相
のステータ突極20Aとロータ21の1つの突極が全く
対向しないロータ位置を電気角0度とし、ステータ突極
20Aとロータ突極が完全に対向する図12の(b)中
のロータ位置を電気角180度、次に再びロータ突極が
ステータ突極20Aと全く対向しないロータ位置を電気
角360度とすると、電気角0度から180度の間に通
電すると反時計方向のトルクが発生し、電気角180度
から360度の間に通電すると時計方向のトルクが発生
する。
【0004】そして、この通電区間において、実際にス
テータコイルに励磁電流を供給する励磁区間を設定する
ことによってなるべく大きな駆動トルクを発生するよう
にしている。図7は、電気角0°から電気角180°の
間における電気角に対する発生トルクの図である。この
発生トルクは前記したステータとロータ突極との相対位
置におけるインダクタンス変化等によるトルク定数に応
じて決まり、例えば、図7に示す特性のように、電気角
に対して小さな電気角において大きなトルクを発生する
非対照の発生トルク特性を示す。従来のリラクタンスモ
ータにおいては、通常、励磁区間を電気角aから電気角
bで示される固定区間とし、この区間内においてステー
タに励磁電流を供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のスイッチ式リラ
クタンスモータの制御方式では、モータの回転速度や電
流指令値の大きさによって、発生するトルクを有効に利
用することができないという問題点がある。従来のリラ
クタンスモータにおける励磁方式においては、前記した
励磁区間における発生トルクの大きさは電気角に応じて
異なり、例えば、Aで示される斜線区間とBで示される
斜線区間とで比較すると、その発生トルクの特性からA
の区間の発生トルクの方がBの区間の発生トルクより大
きくなっている。そして、この発生トルク曲線におい
て、励磁開始及び励磁終了においてそのコイルの持つイ
ンダクタンスによって実際に発生するトルクは変化す
る。これは、コイルに励磁電流を供給すると、この励磁
電流はコイルのインダクタンスによって立ち上がり及び
立ち下がりに時定数が生じ、励磁電流の供給を開始した
時には発生トルク曲線に達するまで時間がかかり、ま
た、励磁電流の供給を停止した時には発生トルクが減少
するまで時間がかかるためである。図8に示す発生トル
ク特性図中において、一点鎖線は発生トルク曲線を示
し、実線は実際の発生トルクを示している。実際の発生
トルクは、励磁区間のaから立ち上がって遅延時間の経
過の後に発生トルク曲線に従い、励磁区間のbから立ち
下がって遅延時間の経過の後に零となる。
【0006】本出願人は、このようなスイッチ式リラク
タンスモータにおいて、インダクタンスによる変化の他
に、モータの回転速度や電流指令値の大きさによって発
生トルクが異なることを確認した。図8及び図9はモー
タの回転速度による発生トルクの変化を説明する図であ
って、それぞれ低速及び高速の場合の発生トルクの概略
を示している。図8の(b)に示す低速時の励磁電流変
化において、図8の(a)中のAで示すトルク定数の大
きな区間で励磁電流を長時間流すことができるので、図
8の(a)の実線で示すような良好な発生トルクを得る
ことができる。これに対して、図9の(b)に示す高速
時の励磁電流変化において、図9の(a)中のAで示す
トルク定数の大きな区間で励磁電流を長時間流すことが
できず、励磁電流が立ち上がった時点ではBで示すトル
ク定数の小さな区間となり、一点鎖線で示す発生トルク
を充分に利用することができない。これは、モータの回
転速度が高速であるため、印加した励磁電流が立ち上が
る頃には、トルク定数の大きな区間を通過してトルク定
数の小さな区間にさしかかるためである。
【0007】また、図10はモータの電流指令値の大き
さによる発生トルクの変化を説明する図であって、図1
0の(a)及び(b)はそれぞれ電流指令値が小さい場
合,及び電流指令値が大きい場合の発生トルクの概略を
示している。図10の(a)に示す小電流指令値の場合
においては、指令した電流値に比較的短時間で到達する
ことができるため、図中の実線で示すような良好な発生
トルクを得ることができる。これに対して、図10の
(b)に示す大電流指令値の場合においては、指令した
電流値に到達するのに長時間を要するため、図中のAで
示すトルク定数の大きな区間で励磁電流を長時間流すこ
とができず、励磁電流が立ち上がった時点ではBで示す
トルク定数の小さな区間となり、一点鎖線で示す発生ト
ルクを充分に利用することができない。したがって、最
大トルクを発生させようとして、指令電流値を増加させ
ても、単純に発生トルクを増大させることができない。
【0008】さらに、リラクタンスモータはその大きな
インダクタンスのために、励磁区間を過ぎても電流が切
れるまでに時間を要し、ロータの歯とステータの歯が完
全に向き合う位置であるアライン位置(電気角c=18
0°)を過ぎても励磁電流が零にならない場合がある。
この場合には、逆向きのトルクを発生することになり、
リラクタンスモータの効率を低下させる要因となる。そ
こで、本発明は前記した従来の問題点を解決して、モー
タの回転速度や電流指令値の変化による発生トルクの低
下を軽減し、発生トルクを有効に利用することができる
スイッチ式リラクタンスモータの制御方式を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スイッチ式リ
ラクタンスモータにおいて、モータの回転速度及び電流
指令値の少なくとも何れか一方により励磁区間を定める
励磁角を設定し、該励磁区間においてコイルに励磁電流
を供給することにより、前記目的を達成するものであ
る。そして、この励磁区間は、初期設定された励磁区間
の励磁角をモータの回転速度及び電流指令値の少なくと
も何れか一方により定まる位相進み量により位相進み補
償を行って新たな励磁角を求めて設定することができ
る。位相進み補償における位相進み量は、モータの回転
速度及び電流指令値の少なくとも何れか一方を変数とす
るテーブルにより格納しておき、そのテーブルを読み出
すことにより求めることができ、また、モータの回転速
度及び電流指令値の少なくとも何れか一方を変数とする
関係式を演算することにより求めることができる。関係
式は直線近似式により設定することができる。
【0010】したがって、本発明は、スイッチ式リラク
タンスモータにおいて、モータの回転速度及び電流指令
値の少なくともいずれか一方を検出し、その検出値に基
づいて位相進み量を算出し、静止時における励磁開始角
と励磁終了角に前記位相進み量を用いて位相進み補償を
行って励磁区間を算出し、該励磁区間とロータ電気角の
検出値との比較を行い、ロータ電気角が前記励磁区間中
にあるときコイルに励磁電流を供給するものである。ま
た、本発明は、スイッチ式リラクタンスモータにおい
て、ロータの電気角と回転速度を検出する検出手段と、
各相ごとの励磁開始角及び励磁終了角を保持する励磁角
保持手段と、そのロータの電気角と回転速度と励磁開始
角及び励磁終了角に基づいて励磁開始角及び励磁終了角
を算出し設定する励磁角補償手段を備え、この励磁角補
償手段により設定された励磁区間中にコイルに励磁電流
を供給することにより、前記目的を達成するものであ
り、励磁角補償手段は、ロータの電気角と回転速度に基
づいて位相進み量を算出する位相進み量を算出する位相
進み量演算手段と、励磁角保持手段から読み出した励磁
開始角及び励磁終了角を該位相進み量を用いて位相進み
補償を行う位相進み補償手段とによって構成することが
できる。
【0011】本発明の実施態様は、位相進み量を求める
テーブル及び関係式を実測値から求めるものであり、例
えば、モータの回転速度,電流指令値,及び位相進み量
を設定してその設定値による発生トルクを測定し、所定
のトルク特性に対するモータの回転速度,電流指令値,
及び位相進み量間の関係を求め、この関係をテーブルあ
るいは関係式の形式により表すことができる。また、本
発明の他の実施態様は、位相進み量を求めるテーブル及
び関係式を記憶手段に格納し、モータの回転速度,電流
指令値をアドレス値とし、該アドレス値に対応した位相
進み量あるいは関係式を読み出し、関係式を読み出しす
場合にはその関係式にモータの回転速度,電流指令値を
代入することによって位相進み量を求めることができ
る。
【0012】
【作用】図1は本発明のスイッチ式リラクタンスモータ
の制御方式を説明する概略図である。図1において、本
発明のスイッチ式リラクタンスモータの制御方式では、
モータの回転速度と電流指令値を求めて位相進み量演算
手段10に入力して、モータの回転速度と電流指令値の
少なくとも何れか一方の値に基づいて位相進み量を求
め、位相進み量補償手段11においてその求めた位相進
み量により励磁区間を定める励磁角を設定する。位相進
み量演算手段10では、モータの回転速度、あるいは電
流指令値、もしくはモータの回転速度と電流指令値に基
づいて位相進み量を算出する。位相進み量演算手段10
における位相進み量の算出は、テーブルあるいは関係式
を用いて行うことができ、テーブルを用いる場合には、
求めたモータの回転速度、または電流指令値、あるいは
モータの回転速度と電流指令値を変数とし、そのテーブ
ルから対応する位相進み量を読み出して求め、また、関
係式を用いる場合には、求めたモータの回転速度、また
は電流指令値、あるいはモータの回転速度と電流指令値
を変数として対応する関係式を求めるとともにその関係
式に回転速度,電流指令値を代入することにより求める
ことができる。
【0013】そして、求めた位相進み量を用いて、初期
設定された励磁区間の励磁角の位相を進めて新たな励磁
角を求め、その励磁角によりステータへの励磁電流の供
給を行い、スイッチ式リラクタンスモータの制御を行
う。この励磁角の位相を進ませて励磁区間を変更し、こ
の励磁区間によるステータへの励磁電流の供給によっ
て、発生トルクのトルク定数の大きな部分を有効に利用
することができる。励磁区間によるステータへの励磁電
流の供給は、該励磁区間とロータ電気角の検出値との比
較を行い、ロータ電気角が前記励磁区間中にあるときコ
イルに励磁電流を供給することによって行うことができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。 〔本発明の実施例の構成〕はじめに、本発明の実施例の
構成について、図2のブロック線図を用いて説明する。
図2はスイッチ式リラクタンスモータの速度ループ及び
電流ループについてのブロック線図であり、速度指令v
cmdはモータ5の速度をロータリエンコーダ6及び速
度検出の項7を介して得られるフィードバック速度を減
算してPI補償のブロック1に入力される。PI補償の
ブロック1から得られた電流指令icmdは、PWMア
ンプ4から電流検出のブロック8を介してフィードバッ
クされる電流を減算し、本発明の位相進み補償のブロッ
ク11を介して励磁相切替えのブロック2に入力され
る。励磁相切替えのブロック2は、前記電流指令icm
dとフィードバック電流との差の電流指令を印加する励
磁相の切替え、及びステータへの励磁区間中における励
磁電流の供給を行う。この励磁相切替えのブロック2に
おける励磁相の切替えでは、ロータが励磁相切替え角を
通過したことを検出するため、前記ロータリエンコーダ
6及び電気角検出のブロック9を介して得られる電気角
を入力し、該電気角と励磁相切替え角と比較を行う。そ
して、電気角が設定したある励磁相切替え角を通過した
ときに、励磁相の切替えを行う。また、励磁相切替えの
ブロック2における励磁区間中における励磁電流の供給
では、ロータが励磁区間の励磁開始角及び励磁終了角を
通過したことを検出するため、前記ロータリエンコーダ
6及び電気角検出のブロック9を介して得られる電気角
を入力し、該電気角と励磁開始角及び励磁終了角との比
較を行う。そして、電気角が励磁開始角に達したときに
ステータへの励磁を開始し、電気角が励磁終了角に達し
たときにステータへの励磁を終了する。
【0015】そして、励磁相切替えブロック2からの電
流指令は、電流ループゲインのブロック3を経て電圧指
令として後、PWMアンプ4を介してモータ5に指令さ
れる。本発明の構成では、この励磁相切替えブロック2
において励磁区間を定める励磁開始角と励磁終了角と
を、位相進み補償ブロック2によって位相進み補償を行
う。この位相進み補償ブロック2において補償する位相
進み量は、位相進み量換算ブロック10から出力される
位相進み量により設定される。位相進み量演算ブロック
10では、回転速度と電流指令値によって位相進み量を
定めるものであり、回転速度はロータリエンコーダ6及
び速度検出ブロック7を介して得られる速度を用いるこ
とができ、また、電流指令値はPI補償ブロック1から
の電流指令値を用いることができる。そして、この位相
進み量演算ブロック10は、例えば、ROM等のメモリ
中に回転速度と電流指令値を変数とし、位相進み量をデ
ータ値とするテーブルを格納することにより構成するこ
とができる。また、ROM等のメモリ中に回転速度と電
流指令値と位相進み量との関係を表す関係式を格納し、
回転速度と電流指令値を変数として読み出した関係式に
その変数を代入することにより位相進み量を求める構成
とすることもできる。
【0016】(本発明の実施例の作用)次に、本発明の
実施例の作用について説明する。位相進み量演算ブロッ
ク10において、回転速度v及び電流指令値iに対する
位相進み量θの関係は、例えば図3に示す関係図によっ
て表すことができる。図3の関係図においては、X軸方
向に電流指令値iをとり、Y軸方向に回転速度vをと
り、Z軸方向に位相進み量θをとっている。例えば、回
転速度v1において、電流指令値が0の場合の位相進み
量θはθ01であり、電流指令値がi1の場合の位相進
み量θはθ11であり、電流指令値がi2の場合の位相
進み量θはθ21である。位相進み量演算ブロック10
は、回転速度vの値と電流指令値iの値を入力し、その
値に対応する位相進み量θを求め、位相進み補償11に
出力して励磁区間の励磁開始角と励磁終了角の位相を位
相進み量θだけ進める。この図3の関係をテーブルの形
式で表したものが、図4に示す位相進み量θのテーブル
である。位相進み量演算ブロック10では、このテーブ
ルをメモリ中に格納し、回転速度v及び電流指令値iを
アドレスとしてその内容値を読み出すことにより位相進
み量θを出力することができる。以下、本発明の実施例
の作用において、回転速度変化による励磁区間の位相進
み補償と電流指令変化による励磁区間の位相進み補償を
各場合に区分して説明する。
【0017】(回転速度による位相進み補償)図5は回
転速度による位相進み補償を説明する図であり、図5の
(a)と(b)は電流指令icmdがi1で速度vがv
1の場合の発生トルクと位相進み補償前後の励磁区間を
示している。図5の(b)において、位相進み補償前の
励磁区間は位相進み補償の基準となる励磁開始角aと励
磁終了角bであり、例えば静止時における発生トルクか
ら設定することができる。ここで、電流指令icmdが
i1で速度vがv1の場合の位相進み量θを前記図3の
関係図及び関係式、あるいは図4のテーブルを用いて求
め、この位相進み量θ11によって励磁区間の位相進み
を行う。この位相進み量θ11による励磁区間の位相進
み補償は、図5の(b)において、励磁開始角a及び励
磁終了角bをθ11だけ位相を進ませて励磁開始角a’
(=a−θ11)及び励磁終了角b’(=b−θ11)
とし、この励磁開始角a’と励磁終了角b’により励磁
区間を設定する。
【0018】この位相進み補償した励磁区間により励磁
を行ったときの発生トルクは、図5の(a)中の実線の
トルク特性となり、位相進み補償しない場合よりも発生
トルクの立ち上がりの位相が進められることになる。ま
た、図5の(d)において、前記図5の(b)と同様
に、位相進み補償前の励磁区間は位相進み補償の基準と
なる励磁開始角aと励磁終了角bであり、例えば静止時
における発生トルクから設定することができる。ここ
で、電流指令icmdがi1で速度vがv2の場合の位
相進み量θを前記図3の関係図及び関係式、あるいは図
4のテーブルを用いて求め、この位相進み量θ12によ
って励磁区間の位相進みを行う。この位相進み量θ12
による励磁区間の位相進み補償は、図5の(d)におい
て、励磁開始角a及び励磁終了角bをθ12だけ位相を
進ませて励磁開始角a’(=a−θ12)及び励磁終了
角b’(=b−θ12)とし、この励磁開始角a’と励
磁終了角b’により励磁区間を設定する。
【0019】この位相進み補償した励磁区間により励磁
を行ったときの発生トルクは、図5の(c)中の実線の
トルク特性となり、位相進み補償しない場合よりも発生
トルクの立ち上がりの位相が進められることになる。そ
して、この速度v2が速度v1より大きいとすると位相
進み量θ12はθ11より大きく、大きな位相進み補償
が行われることになる。また、この位相進み補償によ
り、励磁終了時における発生トルクの立ち下がり分の位
相を進めて電気角180°以内とし、逆トルクの発生を
抑えることができる。
【0020】(電流指令による位相進み補償)図6は電
流指令による位相進み補償を説明する図であり、図6の
(a)と(b)は電流指令icmdがi1で速度vがv
1の場合の発生トルクと位相進み補償前後の励磁区間を
示しており、前記図5の(a)と(b)と同様であっ
て、図6の(b)の位相進み補償前の励磁区間は位相進
み補償の基準となる励磁開始角aと励磁終了角bであ
る。ここで、電流指令icmdがi1で速度vがv1の
場合の位相進み量θを前記図3の関係図及び関係式、あ
るいは図4のテーブルを用いて求め、この位相進み量θ
11によって励磁区間の位相進みを行う。この位相進み
量θ11による励磁区間の位相進み補償を行うと、励磁
開始角a及び励磁終了角bはθ11だけ位相が進み励磁
開始角a’(=a−θ11)及び励磁終了角b’(=b
−θ11)となり、この励磁開始角a’と励磁終了角
b’により励磁区間を設定される。
【0021】また、図6の(d)において、前記図6の
(b)と同様に、位相進み補償前の励磁区間は位相進み
補償の基準となる励磁開始角aと励磁終了角bである。
ここで、電流指令icmdがi2で速度vがv1の場合
の位相進み量θを前記図3の関係図及び関係式、あるい
は図4のテーブルを用いて求め、この位相進み量θ21
によって励磁区間の位相進みを行う。この位相進み量θ
21による励磁区間の位相進み補償は、図6の(d)に
おいて、励磁開始角a及び励磁終了角bをθ21だけ位
相を進ませて励磁開始角a’(=a−θ21)及び励磁
終了角b’(=b−θ21)とし、この励磁開始角a’
と励磁終了角b’により励磁区間を設定する。この位相
進み補償した励磁区間により励磁を行ったときの発生ト
ルクは、図6の(c)中の実線のトルク特性となり、位
相進み補償しない場合よりも発生トルクの立ち上がりの
位相が進められることになる。そして、この電流指令i
2が電流指令i1より大きいとすると位相進み量θ21
はθ11より大きく、大きな位相進み補償が行われるこ
とになる。
【0022】また、この位相進み補償により、励磁終了
時における発生トルクの立ち下がり分の位相を進めて電
気角180°以内とし、逆トルクの発生を抑えることが
できる。前記作用においては、回転速度と電流指令とを
区分し、それぞれ別々に変化した場合の作用を説明して
いるが、両者が同時に変化した場合の作用についても、
求めた位相進み量によって位相進み補償を行うことによ
り同様な作用を行うことができる。
【0023】(回転速度及び電流指令に対する位相進み
量の関係の算出)次に、本発明のリラクタンスモータの
制御における回転速度及び電流指令に対する位相進み量
の関係の算出について説明する。本発明のリラクタンス
モータの制御においては、データテーブルや関係式によ
って表される回転速度及び電流指令に対する位相進み量
の関係を用いて、回転速度及び電流指令の変化に対して
所望の発生トルクが得られるように位相進み量を求めて
いる。そのため、この回転速度及び電流指令に対する位
相進み量の関係をあらかじめ求め、データテーブルある
いは近似式の形式によって記憶しておく必要がある。こ
の回転速度及び電流指令に対する位相進み量の関係は、
回転速度及び電流指令について種々の組み合わせの条件
で実際にリラクタンスモータを駆動し、所望の発生トル
クが得られるよう励磁区間を調節することによって位相
進み量を実測することによって求めることができる。
【0024】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、モータの回転速度や電流指令値の変化による発生ト
ルクの低下を軽減し、発生トルクを有効に利用すること
ができるスイッチ式リラクタンスモータの制御方式を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチ式リラクタンスモータの制御
方式を説明する概略図である。
【図2】スイッチ式リラクタンスモータのブロック線図
である。
【図3】回転速度及び電流指令値に対する位相進み量の
関係を示す関係図である。
【図4】位相進み量のテーブルである。
【図5】本発明の回転速度による位相進み補償を説明す
る図である。
【図6】本発明の電流指令による位相進み補償を説明す
る図である。
【図7】電気角に対する発生トルクの図である。
【図8】モータの回転速度による発生トルクの変化を説
明する図である。
【図9】モータの回転速度による発生トルクの変化を説
明する図である。
【図10】モータの電流指令値の大きさによる発生トル
クの変化を説明する図である。
【図11】リラクタンスモータの回転方法を説明する図
である。
【図12】リラクタンスモータにおけるトルクを説明す
る図である。
【符号の説明】
1 PI補償ブロック 2 励磁相切替えブロック 3 電流ループゲインブロック 4 PWMアンプブロック 5 モータ 6 ロータリエンコーダ 7 速度検出ブロック 8 電流検出ブロック 9 電気角検出ブロック 10 位相進み量演算ブロック 11 位相進み補償ブロック

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチ式リラクタンスモータにおい
    て、モータの回転速度及び電流指令値の少なくとも何れ
    か一方により励磁区間を定める励磁角を設定し、該励磁
    区間においてコイルに励磁電流を供給することを特徴と
    するスイッチ式リラクタンスモータの制御方式。
  2. 【請求項2】 前記励磁区間は、初期設定された励磁区
    間の励磁角をモータの回転速度及び電流指令値の少なく
    とも何れか一方により定まる位相進み量を用いて位相進
    み補償を行うことにより設定する請求項1記載のスイッ
    チ式リラクタンスモータの制御方式。
  3. 【請求項3】 前記位相進み量は、モータの回転速度及
    び電流指令値の少なくとも何れか一方を変数とするテー
    ブルにより格納され、該テーブルを読み出すことにより
    求める請求項2記載のスイッチ式リラクタンスモータの
    制御方式。
  4. 【請求項4】 前記位相進み量は、モータの回転速度及
    び電流指令値の少なくとも何れか一方を変数とする関係
    式から求める請求項2記載のスイッチ式リラクタンスモ
    ータの制御方式。
  5. 【請求項5】 前記関係式は直線近似式である請求項4
    記載のスイッチ式リラクタンスモータの制御方式。
  6. 【請求項6】 スイッチ式リラクタンスモータにおい
    て、モータの回転速度及び電流指令値の少なくともいず
    れか一方を検出し、該検出値に基づいて位相進み量を算
    出し、静止時における励磁開始角と励磁終了角に前記位
    相進み量を用いて位相進み補償を行って励磁区間を算出
    し、該励磁区間とロータ電気角の検出値との比較を行
    い、ロータ電気角が前記励磁区間中にあるときコイルに
    励磁電流を供給することを特徴とするスイッチ式リラク
    タンスモータの制御方式。
  7. 【請求項7】 スイッチ式リラクタンスモータにおい
    て、ロータの電気角と回転速度を検出する検出手段と、
    各相ごとの励磁開始角及び励磁終了角を保持する励磁角
    保持手段と、前記ロータの電気角と回転速度と励磁開始
    角及び励磁終了角に基づいて励磁開始角及び励磁終了角
    を算出し設定する励磁角補償手段を備え、該励磁角補償
    手段により設定された励磁区間中にコイルに励磁電流を
    供給することを特徴とするスイッチ式リラクタンスモー
    タの制御方式。
  8. 【請求項8】 前記励磁角補償手段は、ロータの電気角
    と回転速度に基づいて位相進み量を算出する位相進み量
    を算出する位相進み量演算手段と、励磁角保持手段から
    読み出した励磁開始角及び励磁終了角を該位相進み量を
    用いて位相進み補償を行う位相進み補償手段とを備える
    請求項7記載のリラクタンスモータの制御方式。
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