JPH07335B2 - 丸棒の押出し成形方法および装置 - Google Patents
丸棒の押出し成形方法および装置Info
- Publication number
- JPH07335B2 JPH07335B2 JP2324341A JP32434190A JPH07335B2 JP H07335 B2 JPH07335 B2 JP H07335B2 JP 2324341 A JP2324341 A JP 2324341A JP 32434190 A JP32434190 A JP 32434190A JP H07335 B2 JPH07335 B2 JP H07335B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- die
- resin
- extruder
- round bar
- outlet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、フツ素樹脂を丸棒に押出し成形する方法およ
びその装置に関する。
びその装置に関する。
従来の技術 従来からの熱可塑性樹脂を丸棒に押出し成形する装置の
概略的な構成を、第7図および第8図に示す。図におい
て、成形機1には、ホツパ2からペレツト状や粉末状の
樹脂原料が供給される。供給された樹脂原料は、成形機
1内で加熱溶融される。溶融された樹脂原料は、ダイ3
内に供給され、ダイ3の出口側の孔径によつて、予め定
められる径の丸棒に成形された押出成形品4として、ダ
イ3から押出される。押出成形品4は、引取装置5によ
つて連続的に引取られ、カツタ6によつて予め定める長
さ毎に切断される。
概略的な構成を、第7図および第8図に示す。図におい
て、成形機1には、ホツパ2からペレツト状や粉末状の
樹脂原料が供給される。供給された樹脂原料は、成形機
1内で加熱溶融される。溶融された樹脂原料は、ダイ3
内に供給され、ダイ3の出口側の孔径によつて、予め定
められる径の丸棒に成形された押出成形品4として、ダ
イ3から押出される。押出成形品4は、引取装置5によ
つて連続的に引取られ、カツタ6によつて予め定める長
さ毎に切断される。
第7図においては、ダイ3から押出された押出成形品4
は、溶融状態から固定状態になるまで送りローラ7によ
つて支持されて、引取装置5まで導かれる。第8図にお
いては、ダイ3から押出された押出成形品4は、冷却装
置8を介して引取手段5によつて引取られる。冷却装置
8内では、押出成形品4に対して水冷などを行い、急速
に冷却し、固化させる。
は、溶融状態から固定状態になるまで送りローラ7によ
つて支持されて、引取装置5まで導かれる。第8図にお
いては、ダイ3から押出された押出成形品4は、冷却装
置8を介して引取手段5によつて引取られる。冷却装置
8内では、押出成形品4に対して水冷などを行い、急速
に冷却し、固化させる。
発明が解決しようとする課題 従来からの丸棒の押出し成形においては、ダイ3から溶
融状態の押出成形品が水平に押出される。したがつて、
たとえば第7図に示すように、冷却されて充分に固化す
るまで送りローラ7などによつて保持したり、第8図に
示すように、冷却装置8によつて急冷し、樹脂を固化さ
せる必要がある。しかしながら、第7図のように、溶融
状態の押出成形品4を水平に搬送すると、押出成形品4
の自重などによつて、断面形状が変形しやすい。丸棒の
押出成形品4において、真空度が充分に得られず、偏平
な形になりやすい。第8図に示すように、溶融状態の押
出成形品4を冷却装置8によつて強制的に冷却するとき
は、丸棒状の押出成形品4では、内部に生じた気泡が残
留しやすい。特にポリクロロトリフルオロエチレン樹脂
では、溶融温度が高く、熱伝導が小さく、かつ粘度も高
いので、強制冷却によつて発泡しやすい。
融状態の押出成形品が水平に押出される。したがつて、
たとえば第7図に示すように、冷却されて充分に固化す
るまで送りローラ7などによつて保持したり、第8図に
示すように、冷却装置8によつて急冷し、樹脂を固化さ
せる必要がある。しかしながら、第7図のように、溶融
状態の押出成形品4を水平に搬送すると、押出成形品4
の自重などによつて、断面形状が変形しやすい。丸棒の
押出成形品4において、真空度が充分に得られず、偏平
な形になりやすい。第8図に示すように、溶融状態の押
出成形品4を冷却装置8によつて強制的に冷却するとき
は、丸棒状の押出成形品4では、内部に生じた気泡が残
留しやすい。特にポリクロロトリフルオロエチレン樹脂
では、溶融温度が高く、熱伝導が小さく、かつ粘度も高
いので、強制冷却によつて発泡しやすい。
本発明の目的は、特に以上のような技術的課題の多いフ
ツ素樹脂製丸棒の押出し後の断面形状の変化を少なくす
ることができ、内部の発泡を防止することができる押出
し成形方法および装置を提供することである。
ツ素樹脂製丸棒の押出し後の断面形状の変化を少なくす
ることができ、内部の発泡を防止することができる押出
し成形方法および装置を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂を押出
機中で、加熱溶融状態とする第1ステツプと、 押出機から溶融状態の前記樹脂を押出機に対してほぼ水
平方向に配置されるダイに押出す第2ステツプと、 ダイの出口で丸棒状に成形される溶融状態の前記樹脂
を、ダイの出口から鉛直方向上向きに保温カバーを介し
て引取る第3ステツプとを含むことを特徴とする丸棒の
押出し成形方法である。
機中で、加熱溶融状態とする第1ステツプと、 押出機から溶融状態の前記樹脂を押出機に対してほぼ水
平方向に配置されるダイに押出す第2ステツプと、 ダイの出口で丸棒状に成形される溶融状態の前記樹脂
を、ダイの出口から鉛直方向上向きに保温カバーを介し
て引取る第3ステツプとを含むことを特徴とする丸棒の
押出し成形方法である。
また本発明は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
ビニルエーテルとの共重合体樹脂またはテトラフルオロ
エチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂
を押出機中で、加熱溶融状態とする第1ステツプと、 押出機から溶融状態の前記樹脂を押出機に対してほぼ水
平方向に配置されるダイに押出す第2ステツプと、 ダイの出口で丸棒状に形成される溶融状態の前記樹脂
を、ダイの出口から鉛直方向下向きに引取る第3ステツ
プとを含むことを特徴とする丸棒の押出成形方法であ
る。
ビニルエーテルとの共重合体樹脂またはテトラフルオロ
エチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂
を押出機中で、加熱溶融状態とする第1ステツプと、 押出機から溶融状態の前記樹脂を押出機に対してほぼ水
平方向に配置されるダイに押出す第2ステツプと、 ダイの出口で丸棒状に形成される溶融状態の前記樹脂
を、ダイの出口から鉛直方向下向きに引取る第3ステツ
プとを含むことを特徴とする丸棒の押出成形方法であ
る。
また本発明は、樹脂を加熱溶融させて水平方向に押出す
押出機と、 前記押出機の樹脂押出方向に水平方向で隣接して配置さ
れるアダプタと、 前記押出機から押出された樹脂を丸棒に成形するための
出口が形成されており、その出口の軸線が鉛直方向上向
きまたは下向きに取付自在に前記アダプタに取付けられ
るダイと、 前記ダイの出口の軸線を通る一直線上、上側に保温カバ
ーを介してまたは下側に設けられる引取手段とを含むこ
とを特徴とする丸棒用押出し成形装置である。
押出機と、 前記押出機の樹脂押出方向に水平方向で隣接して配置さ
れるアダプタと、 前記押出機から押出された樹脂を丸棒に成形するための
出口が形成されており、その出口の軸線が鉛直方向上向
きまたは下向きに取付自在に前記アダプタに取付けられ
るダイと、 前記ダイの出口の軸線を通る一直線上、上側に保温カバ
ーを介してまたは下側に設けられる引取手段とを含むこ
とを特徴とする丸棒用押出し成形装置である。
作用 本発明に従えば、フツ素樹脂製丸棒の押出し成形方法
は、第1ステツプ、第2ステツプおよびダイ3ステツプ
を含む。第1ステツプでは、樹脂が押出機中で加熱溶融
される。第2ステツプでは、樹脂が押出機からダイに押
出される。第3ステツプでは、溶融粘度が高いポリクロ
ロトリフルオロエチレン樹脂は、ダイの出口で丸棒状に
成形され、上向きに押出され、保温カバーで保温されて
引取られる。また溶融粘度が比較的低いテトラフルオロ
エチレンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合体樹
脂またはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロ
ピレンとの共重合体樹脂は、ダイの出口で丸棒状に形成
され、下向きに押出されて引取られる。これらの樹脂
は、ダイの出口から押出されたときに溶融状態である。
上向きまたは下向きに引取られることは、樹脂が自重に
よつて軸線方向に変形しようとする。したがつて、押出
成形品はその軸線方向に圧縮または伸長されるけれど
も、断面形状の変化は生じにくい。このようにして、断
面形状の変化の小さな丸棒の押出し成形を行うことがで
きる。
は、第1ステツプ、第2ステツプおよびダイ3ステツプ
を含む。第1ステツプでは、樹脂が押出機中で加熱溶融
される。第2ステツプでは、樹脂が押出機からダイに押
出される。第3ステツプでは、溶融粘度が高いポリクロ
ロトリフルオロエチレン樹脂は、ダイの出口で丸棒状に
成形され、上向きに押出され、保温カバーで保温されて
引取られる。また溶融粘度が比較的低いテトラフルオロ
エチレンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合体樹
脂またはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロ
ピレンとの共重合体樹脂は、ダイの出口で丸棒状に形成
され、下向きに押出されて引取られる。これらの樹脂
は、ダイの出口から押出されたときに溶融状態である。
上向きまたは下向きに引取られることは、樹脂が自重に
よつて軸線方向に変形しようとする。したがつて、押出
成形品はその軸線方向に圧縮または伸長されるけれど
も、断面形状の変化は生じにくい。このようにして、断
面形状の変化の小さな丸棒の押出し成形を行うことがで
きる。
またダイと引取手段との間には、溶融粘度の高いポリク
ロロトリフルオロエチレン樹脂が上向きに押出されると
き、保温カバーがあるので、この樹脂を比較的長時間溶
融状態に保ち、発泡を防ぐことができる。
ロロトリフルオロエチレン樹脂が上向きに押出されると
き、保温カバーがあるので、この樹脂を比較的長時間溶
融状態に保ち、発泡を防ぐことができる。
さらに本発明に従えば、丸棒用押出し成形装置の押出機
は、樹脂を加熱溶融して水平方向にアダプタを介してダ
イに押出す。ダイには鉛直方向の軸線を有する出口が形
成されており、ダイの出口から丸棒状に成形された樹脂
を鉛直方向上向きまたは下向きに押出す。ダイの出口か
ら押出された樹脂を引取るために、出口の軸線を通る一
直線上、上側には保温カバーを介して、または下側には
直接引取手段が設けられる。ダイから押出された溶融状
態の樹脂が鉛直方向に引取られるので、丸棒の押出成形
品の断面形状の変化を少なくすることができる。ダイは
アダプタを介して、出口が上向きまたは下向きになるよ
うに押出機に取付自在に取付けられているので、1台の
丸棒押出し成形装置の押出機にダイを取替えて使用でき
る。
は、樹脂を加熱溶融して水平方向にアダプタを介してダ
イに押出す。ダイには鉛直方向の軸線を有する出口が形
成されており、ダイの出口から丸棒状に成形された樹脂
を鉛直方向上向きまたは下向きに押出す。ダイの出口か
ら押出された樹脂を引取るために、出口の軸線を通る一
直線上、上側には保温カバーを介して、または下側には
直接引取手段が設けられる。ダイから押出された溶融状
態の樹脂が鉛直方向に引取られるので、丸棒の押出成形
品の断面形状の変化を少なくすることができる。ダイは
アダプタを介して、出口が上向きまたは下向きになるよ
うに押出機に取付自在に取付けられているので、1台の
丸棒押出し成形装置の押出機にダイを取替えて使用でき
る。
実施例 第1図は本発明の一実施例の丸棒の押出し成形を行うた
めの構成を示す概略的な正面図である。押出機9はホツ
パ10から、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下「PC
TFE」と略称する)の粉末原料が供給される。供給され
たPCTFE樹脂は、融点が約210℃であり、充分な溶融状態
となる温度230〜290℃程度にまで加熱される。加熱され
て溶融状態となつた樹脂は、アダプタ11を介してダイ12
に導かれる。ダイ12の内部では、水平方向に供給された
樹脂が垂直上方に導かれ、ダイの出口において丸棒状に
押出し成形される。
めの構成を示す概略的な正面図である。押出機9はホツ
パ10から、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下「PC
TFE」と略称する)の粉末原料が供給される。供給され
たPCTFE樹脂は、融点が約210℃であり、充分な溶融状態
となる温度230〜290℃程度にまで加熱される。加熱され
て溶融状態となつた樹脂は、アダプタ11を介してダイ12
に導かれる。ダイ12の内部では、水平方向に供給された
樹脂が垂直上方に導かれ、ダイの出口において丸棒状に
押出し成形される。
ダイ12の出口から押出された樹脂は、融点以上の温度で
ある約230℃程度の溶融状態である。このときPCTFE樹脂
は、約107poise程度の高粘度の状態にある。したがつ
て、上方向に引張られても切れてしまうことはない。丸
棒状の押出成形品13は、ダイ12から押出された直後には
溶融状態である。この押出成形品13は、円筒状の保温カ
バー16を介してダイ12の出口の軸線上に設けられる引取
装置14によつて鉛直上方に引取られる。引取装置14に続
いて、カツタ15が設けられており、丸棒状の押出成形品
13を予め定められる長さ毎に切断する。
ある約230℃程度の溶融状態である。このときPCTFE樹脂
は、約107poise程度の高粘度の状態にある。したがつ
て、上方向に引張られても切れてしまうことはない。丸
棒状の押出成形品13は、ダイ12から押出された直後には
溶融状態である。この押出成形品13は、円筒状の保温カ
バー16を介してダイ12の出口の軸線上に設けられる引取
装置14によつて鉛直上方に引取られる。引取装置14に続
いて、カツタ15が設けられており、丸棒状の押出成形品
13を予め定められる長さ毎に切断する。
ダイ12から押出された溶融状態の押出成形品13に対する
急冷を防止するため、ダイ12と引取装置14との間には、
円筒状の保温カバー16が設けられている。これによつ
て、空冷による押出成形品13の冷却を遅らせ、冷却速度
を遅くして、押出成形品13内部に気泡などが発生するこ
とを防止する。
急冷を防止するため、ダイ12と引取装置14との間には、
円筒状の保温カバー16が設けられている。これによつ
て、空冷による押出成形品13の冷却を遅らせ、冷却速度
を遅くして、押出成形品13内部に気泡などが発生するこ
とを防止する。
第2図は、押出機9およびダイ12に関連する構成を説明
するための部分断面図である。押出機9内には、ホツパ
10から投入された樹脂材料を加熱溶融して、一定量ずつ
ダイ12に供給するためのスクリュー17が設けられてい
る。このスクリュー17がシリンダ9a内で回転するのに伴
い樹脂原料は溶融状態となってゲル化する。
するための部分断面図である。押出機9内には、ホツパ
10から投入された樹脂材料を加熱溶融して、一定量ずつ
ダイ12に供給するためのスクリュー17が設けられてい
る。このスクリュー17がシリンダ9a内で回転するのに伴
い樹脂原料は溶融状態となってゲル化する。
押出機9のスクリュー17によつて押出される溶融状態の
樹脂は、アダプタ11内を通過してダイ12内に導かれる。
アダプタ11は、押出機9とダイ12を接続するために使用
されている。アダプタ11を使用しないで、押出機9とダ
イ12とを直線接続するようにしてもよいが、ダイ12の交
換が困難であるので、本発明では、アダプタ11を設けダ
イ12の交換を容易にしている。これによつて従来からの
第7図および第8図に示されるような水平方向押出用の
ダイから容易に交換することができる。
樹脂は、アダプタ11内を通過してダイ12内に導かれる。
アダプタ11は、押出機9とダイ12を接続するために使用
されている。アダプタ11を使用しないで、押出機9とダ
イ12とを直線接続するようにしてもよいが、ダイ12の交
換が困難であるので、本発明では、アダプタ11を設けダ
イ12の交換を容易にしている。これによつて従来からの
第7図および第8図に示されるような水平方向押出用の
ダイから容易に交換することができる。
ダイ12は、構造用炭素鋼で形成され、ヒータ18が埋設さ
れており、供給された樹脂の温度を330℃程度にまで上
昇させる。このように温度上昇させられることによっ
て、水平方向から垂直上方に容易に押出し方向を交換す
ることができる。ダイ12の出口は、丸棒状の押出成形品
13として所望される径の丸孔が形成されている。押出成
形品13は、この出口から、毎分20〜30mmの引取速度で引
取られる。この引取速度によつて同じ内径のダイ12を用
いても、押出成形品13としての外径を調整することがで
きる。
れており、供給された樹脂の温度を330℃程度にまで上
昇させる。このように温度上昇させられることによっ
て、水平方向から垂直上方に容易に押出し方向を交換す
ることができる。ダイ12の出口は、丸棒状の押出成形品
13として所望される径の丸孔が形成されている。押出成
形品13は、この出口から、毎分20〜30mmの引取速度で引
取られる。この引取速度によつて同じ内径のダイ12を用
いても、押出成形品13としての外径を調整することがで
きる。
第3図は、ダイ12の出口付近における押出成形品13の状
態を説明するための概略的な側面図である。ダイ12から
押出された直後の押出成形品13は、温度が高く固化しな
い溶融部分13aから徐々に冷却されて固化する。押出方
向である矢符19に示す上方向に対して、溶融部分13aに
含まれる樹脂は、矢符20に示すような下方向に流れよう
とする。樹脂の流れは、粘度が小さいほど容易であるの
で、粘度の低い樹脂に対しては上方向19に低速度で引取
ることはできない。そのような低粘度の樹脂を上方向19
に押出すと、第4図に示すように引取速度の変動に過敏
に反応して外径寸法が変動してしまうので後述の下向き
に押出す方向を用いるのが好ましい。
態を説明するための概略的な側面図である。ダイ12から
押出された直後の押出成形品13は、温度が高く固化しな
い溶融部分13aから徐々に冷却されて固化する。押出方
向である矢符19に示す上方向に対して、溶融部分13aに
含まれる樹脂は、矢符20に示すような下方向に流れよう
とする。樹脂の流れは、粘度が小さいほど容易であるの
で、粘度の低い樹脂に対しては上方向19に低速度で引取
ることはできない。そのような低粘度の樹脂を上方向19
に押出すと、第4図に示すように引取速度の変動に過敏
に反応して外径寸法が変動してしまうので後述の下向き
に押出す方向を用いるのが好ましい。
第1図示の実施例において、PCTFE樹脂を用いてφ15の
丸棒を押出したときの押出成形品13について、従来から
の水平方向押出しによる押出成形品と比較した実験結果
を第1表に示す。
丸棒を押出したときの押出成形品13について、従来から
の水平方向押出しによる押出成形品と比較した実験結果
を第1表に示す。
第1表において真円度とは、φ15の丸棒外径に対する、
最大値および最小値の幅を意味する。第1表に示される
ように、第1図示の実施例によれば、従来からの水平方
向の押出成形に比較して、優れた寸法精度が得られるば
かりでなく、引張強度や伸び率などの物性値も優れた丸
棒の押出成形品13が得られる。これは丸棒中に発泡がな
いためと考えられる。
最大値および最小値の幅を意味する。第1表に示される
ように、第1図示の実施例によれば、従来からの水平方
向の押出成形に比較して、優れた寸法精度が得られるば
かりでなく、引張強度や伸び率などの物性値も優れた丸
棒の押出成形品13が得られる。これは丸棒中に発泡がな
いためと考えられる。
第2表は、第1図示の実施例においてはφ15丸棒を得る
ためのダイの出口の径であるφ18に対して、引取速度を
変えることによつて押出し可能な丸棒状の押出成形品13
の外径範囲を示す。
ためのダイの出口の径であるφ18に対して、引取速度を
変えることによつて押出し可能な丸棒状の押出成形品13
の外径範囲を示す。
ここで押出し可能な丸棒とは、押出成形品の物性、外径
性状、寸法などが予め定める規格内にある状態を意味
し、単に切れないで押出しすることが可能であるという
意味ではない。このように、第1図示の実施例によれ
ば、広い外径範囲の丸棒が得られる。特に注目されるの
は、引取速度を小さくして、ダイの径に近い外径の丸棒
が得られ得ことである。このような丸棒は、切削加工に
用いられ、加工を少なくするために、寸法精度が良好で
かつ各種の寸法が用意され、さらに表面状態が平滑であ
ることが要求される。
性状、寸法などが予め定める規格内にある状態を意味
し、単に切れないで押出しすることが可能であるという
意味ではない。このように、第1図示の実施例によれ
ば、広い外径範囲の丸棒が得られる。特に注目されるの
は、引取速度を小さくして、ダイの径に近い外径の丸棒
が得られ得ことである。このような丸棒は、切削加工に
用いられ、加工を少なくするために、寸法精度が良好で
かつ各種の寸法が用意され、さらに表面状態が平滑であ
ることが要求される。
第5図は、本発明の他の実施例による丸棒の押出し成形
を説明するための概略的な正面図である。第1図に示す
実施例に対応する部分荷は、同一の参照符を付す。注目
すべきは、ダイ12から押出成形品13を鉛直下方に引取る
ようにしていることである。本実施例においては、押出
機9のホツパ10に投入する樹脂は、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合体(以下
「PFA」と略称する)樹脂またはテトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(以下「FE
P」と略称する)樹脂のような比較的低粘の樹脂であ
る。このような樹脂を、ダイ12の出口から下方に押出
し、毎分1〜2mの引取速度で引取り、φ2〜5mmの溶接
丸棒を得る。これらのPFA,FEP樹脂の粘度は、107〜105p
oise程度の値となり、PCTFE樹脂の107poiseよりは小さ
い。したがつて、上向きに押出し成形することは困難で
ある。下向きに押出し成形するときは、第6図に示すよ
うに、下向きの押出方向21が、押出成形品13の溶融部13
aの流れ方向22と一致するので、比較的高速度の引取速
度であれば押出し成形が可能である。
を説明するための概略的な正面図である。第1図に示す
実施例に対応する部分荷は、同一の参照符を付す。注目
すべきは、ダイ12から押出成形品13を鉛直下方に引取る
ようにしていることである。本実施例においては、押出
機9のホツパ10に投入する樹脂は、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合体(以下
「PFA」と略称する)樹脂またはテトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(以下「FE
P」と略称する)樹脂のような比較的低粘の樹脂であ
る。このような樹脂を、ダイ12の出口から下方に押出
し、毎分1〜2mの引取速度で引取り、φ2〜5mmの溶接
丸棒を得る。これらのPFA,FEP樹脂の粘度は、107〜105p
oise程度の値となり、PCTFE樹脂の107poiseよりは小さ
い。したがつて、上向きに押出し成形することは困難で
ある。下向きに押出し成形するときは、第6図に示すよ
うに、下向きの押出方向21が、押出成形品13の溶融部13
aの流れ方向22と一致するので、比較的高速度の引取速
度であれば押出し成形が可能である。
以上の各実施例において使用する樹脂の性質を第3表に
示す。
示す。
第3表によれば、PCTFEは107程度の高粘度を有するの
で、押出方向が上向きであつて、押出直後に保温カバー
を設けた第1図に示す実施例によつて好適な丸棒状の押
出成形品が得られる。これよりも溶融粘度の低いPFAお
よびFEPは、押出方向が下向きである第5図に示す実施
例が好適である。
で、押出方向が上向きであつて、押出直後に保温カバー
を設けた第1図に示す実施例によつて好適な丸棒状の押
出成形品が得られる。これよりも溶融粘度の低いPFAお
よびFEPは、押出方向が下向きである第5図に示す実施
例が好適である。
発明の効果 以上のように本発明に従えば、ポリクロロトリフルオロ
エチレン樹脂製の丸棒状の押出成形品を得るために、ダ
イから押出される溶融状態の前記樹脂を、保温カバーの
ある上向きの押出しによって樹脂内部に気泡が形成され
ず、断面形状が正確な丸棒の押出成形を行うことができ
る。
エチレン樹脂製の丸棒状の押出成形品を得るために、ダ
イから押出される溶融状態の前記樹脂を、保温カバーの
ある上向きの押出しによって樹脂内部に気泡が形成され
ず、断面形状が正確な丸棒の押出成形を行うことができ
る。
また本発明によれば、テトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロビニルエーテルとの共重合体樹脂またはテトラフ
ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合
体樹脂製の丸棒状の押出成形品を得るために、ダイから
押出される溶融状態の前記樹脂を下向き押出しによっ
て、断面形状が正確な丸棒の押出成形を行うことができ
る。
ルオロビニルエーテルとの共重合体樹脂またはテトラフ
ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合
体樹脂製の丸棒状の押出成形品を得るために、ダイから
押出される溶融状態の前記樹脂を下向き押出しによっ
て、断面形状が正確な丸棒の押出成形を行うことができ
る。
さらに本発明によれば、押出機とダイとの間にアダプタ
を介在させることによつてダイの取替えを容易にし、ダ
イから押出される押出成形品を鉛直方向上向きに保温カ
バーを介して、または下向きに引取ることができ、内部
の気泡が少なく、断面が真円に近い丸棒を成形すること
ができる押出し成形装置を得ることができる。
を介在させることによつてダイの取替えを容易にし、ダ
イから押出される押出成形品を鉛直方向上向きに保温カ
バーを介して、または下向きに引取ることができ、内部
の気泡が少なく、断面が真円に近い丸棒を成形すること
ができる押出し成形装置を得ることができる。
第1図は本発明の一実施例を説明するための正面図、第
2図は第1図示の押出機9およびダイ12に関連する構成
を示す部分断面図、第3図は第1図示の実施例における
ダイ12から押出成形品13が押出される部分を示す側面
図、第4図は押出成形品の不良状態を示す斜視図、第5
図は本発明の他の実施例を説明するための正面図、第6
図は第5図示の実施例におけるダイ12から押出成形品13
が押出される部分の状態を示す側面図、第7図および第
8図は従来からの押出し成形を説明するための正面図で
ある。 9……押出機、10……ホツパ、11……アダプタ、12……
ダイ、13……押出成形品、14……取引装置、15……カツ
タ、16……保温カバー、17……スクリユー、18……ヒー
タ、19,21……押出方向、20,22……流れ方向
2図は第1図示の押出機9およびダイ12に関連する構成
を示す部分断面図、第3図は第1図示の実施例における
ダイ12から押出成形品13が押出される部分を示す側面
図、第4図は押出成形品の不良状態を示す斜視図、第5
図は本発明の他の実施例を説明するための正面図、第6
図は第5図示の実施例におけるダイ12から押出成形品13
が押出される部分の状態を示す側面図、第7図および第
8図は従来からの押出し成形を説明するための正面図で
ある。 9……押出機、10……ホツパ、11……アダプタ、12……
ダイ、13……押出成形品、14……取引装置、15……カツ
タ、16……保温カバー、17……スクリユー、18……ヒー
タ、19,21……押出方向、20,22……流れ方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−43156(JP,A) 高分子学会編「プラスチック加工の基 礎」(1982年3月25日)株式会社工業調査 会P.256,259 黒川孝臣,米谷穣,山田彰,小泉舜著 「プラスチック材料講座[6]ふっ素樹 脂」(昭和44年10月31日)日刊工業新聞社 P.171〜173,P.205〜206
Claims (3)
- 【請求項1】ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂を押
出機中で、加熱溶融状態とする第1ステツプと、 押出機から溶融状態の前記樹脂を押出機に対してほぼ水
平方向に配置されるダイに押出す第2ステツプと、 ダイの出口で丸棒状に成形される溶融状態の前記樹脂
を、ダイの出口から鉛直方向上向きに保温カバーを介し
て引取る第3ステツプとを含むことを特徴とする丸棒の
押出し成形方法。 - 【請求項2】テトラフルオロエチレンとパーフルオロビ
ニルエーテルとの共重合体樹脂またはテトラフルオロエ
チレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂を
押出機中で、加熱溶融状態とする第1ステツプと、 押出機から溶融状態の前記樹脂を押出機に対してほぼ水
平方向に配置されるダイに押出す第2ステツプと、 ダイの出口で丸棒状に形成される溶融状態の前記樹脂
を、ダイの出口から鉛直方向下向きに引取る第3ステツ
プとを含むことを特徴とする丸棒の押出成形方法。 - 【請求項3】樹脂を加熱溶融させて水平方向に押出す押
出機と、 前記押出機の樹脂押出方向に水平方向で隣接して配置さ
れるアダプタと、 前記押出機から押出された樹脂を丸棒に成形するための
出口が形成されており、その出口の軸線が鉛直方向上向
きまたは下向きに取付自在に前記アダプタに取付けられ
るダイと、 前記ダイの出口の軸線を通る一直線上、上側に保温カバ
ーを介してまたは下側に設けられる引取手段とを含むこ
とを特徴とする丸棒用押出し成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2324341A JPH07335B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 丸棒の押出し成形方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2324341A JPH07335B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 丸棒の押出し成形方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04189527A JPH04189527A (ja) | 1992-07-08 |
JPH07335B2 true JPH07335B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=18164704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2324341A Expired - Lifetime JPH07335B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 丸棒の押出し成形方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07335B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100400274B1 (ko) * | 2001-05-26 | 2003-10-01 | 김선경 | 폴리클로로트리플루오로에틸렌의 성형방법 및 그 성형품 |
-
1990
- 1990-11-26 JP JP2324341A patent/JPH07335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
高分子学会編「プラスチック加工の基礎」(1982年3月25日)株式会社工業調査会P.256,259 |
黒川孝臣,米谷穣,山田彰,小泉舜著「プラスチック材料講座[6ふっ素樹脂」(昭和44年10月31日)日刊工業新聞社P.171〜173,P.205〜206 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04189527A (ja) | 1992-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5665284A (en) | Process for manufacturing foam-filled extruded products | |
CN111601695A (zh) | 具有轴向位移的挤出机 | |
JP2020525328A (ja) | バルク形態の熱機械的変形可能材料の押出装置および押出方法、ならびにコンパクト・スクリュー押出機 | |
US6309574B1 (en) | Extrusion of high molecular weight polymers | |
US3632254A (en) | Apparatus for producing fiber reinforced plastics | |
JPH07335B2 (ja) | 丸棒の押出し成形方法および装置 | |
JP7164170B2 (ja) | コンクリート型枠用せき板の押出成形方法及びコンクリート型枠用せき板の押出成形装置 | |
JP4298725B2 (ja) | 面状発泡シートの成形方法および成形装置 | |
US10307952B2 (en) | Cylindrical extruding die and method for producing seamless tube | |
DE60024609T2 (de) | Apparat zur herstellung von klebstoff-patronen | |
JP2023546261A (ja) | 長繊維の熱可塑性材料加工のための方法およびシングルスクリュー押し出しシステム | |
CN109228220B (zh) | 一种高黏度材料的熔融挤出-流/压延成型方法及装置 | |
JPH10512508A (ja) | 押出機スクリュー | |
ES374058A1 (es) | Metodo de extrusion de plasticos. | |
US3308506A (en) | Process and apparatus for the continuous production of profiles from thermoplastics | |
CN218777066U (zh) | 一种吹膜机挤出熔化机构 | |
US3577589A (en) | Apparatus for increasing the density of thermoplastic foam | |
CN221187465U (zh) | 热管式温度调节螺杆 | |
JP3533083B2 (ja) | 木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法 | |
CN221660043U (zh) | 一种塑料管加工用单螺杆挤出机 | |
JP2956270B2 (ja) | 発熱体成形品 | |
CN116834172B (zh) | 一种改性工程塑料用造粒设备 | |
CN214820693U (zh) | 一种节约能源的模具加工装置 | |
US20080113059A1 (en) | Micro-Extrusion Line | |
CN111907030A (zh) | 一种箱包壳体板材及其生产设备 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080111 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090111 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111 Year of fee payment: 16 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |