JP3533083B2 - 木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法 - Google Patents
木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法Info
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- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
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Description
ち、セルロース系の破砕物である木粉、古紙の解砕物で
ある紙粉と熱可塑性樹脂からなる成形材を押出機で混練
して成形ダイより所定の肉厚に押し出すのに好適な木質
系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法に係り、特
に、押出機における押出生地圧力の調整が容易で、しか
も生産性の高い木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの
製造方法に関する。
や古紙を微粉砕した紙粉等の木質系材料と熱可塑性樹脂
からなる成形材を押出成形してなる木質系材料入りの熱
可塑性樹脂製ボードが開発されている。これらの木質系
材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造には、押出成形法
が用いられるが、木粉、紙粉等の木質系材料が充填され
ているために、押出成形の際に熱可塑性樹脂単独の押出
成形に比し摩擦抵抗が大きく、木質系材料を均一でしか
も高密度に分散させることは困難である。
熱可塑性樹脂製ボードの押出成形には、次のような問題
がある。即ち、押出の際にスクリュー回転数を上げてい
くと、回転数とともに押出生地量が増大し、同時に成形
部での押出生地圧力が上昇し、押出生地と成形ダイ内壁
との摩擦抵抗も増大する。スクリュー回転数が所定の回
転数に達すると押出生地圧力は一定となって安定し押出
成形が可能となる。これは、スクリューによる押出力と
摩擦抵抗とのバランスを取ることによる。しかしなが
ら、図2で示すように、この成形安定領域Lの押出速度
はきわめて遅い。生産効率を高めるために回転数を上げ
ていくと押出生地圧力が上がりすぎ、押出力よりも抵抗
力が大きくなり押出生地が動かなくなって押出が不可能
になる。
関係は、図2及び図3に示すグラフから明らかである。
スクリュー回転数を上げていくと押出生地圧力も上がっ
ていくが、一定の範囲のスクリュー回転数のところで押
出生地圧力は一定となり、安定する。さらに、スクリュ
ー回転数を上げていくと、押出力よりも摩擦抵抗の方が
大きくなり成形速度は逆に低下する。また、スクリュー
回転数を下げると押出生地圧力が下がりすぎて、熱可塑
性樹脂単独の場合のようにスクリューの回転数のみによ
って押出生地圧力を制御することはきわめて困難であ
る。このように、木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボード
の押出成形には、木粉、紙粉等の木質系材料と熱可塑性
樹脂からなる成形材の配合条件や成形条件により成形安
定領域が異なるとともに、きわめて限定された領域とな
るために、実際に良品を製造することはできなかった。
解決した熱可塑性樹脂製ボードの製造方法に、特開平7
−266313号公報記載の押出成形法がある。前記公
報記載の押出成形法は、「木粉と熱可塑性樹脂を混合し
て摩擦熱によりゲル化混練し、次いで冷却して10mm
以下に整粒形成した木質合成粉を加熱、練成し、スクリ
ューをもって成形ダイへの成形部へ押し出して所定の肉
厚に成形し、且つ成形部で徐冷して押出成形するととも
に、この成形板の押出力に抗する抑止力を加えて成形部
内の押出生地の密度を高くするようにした」ことを特徴
とするものである。
266313号公報記載の押出成形法は、押出機のスク
リューの回転数を一定に保持しながらブレーキ手段によ
り成形ダイのダイ出口より押し出された成形板に対し
て、押出方向と反対方向へ抵抗力を加えることにより木
質系材料を高密度で均一に分散させた熱可塑性樹脂製ボ
ードを得ようとするものである。この押出成形法は、成
形ボードの押出力をブレーキ手段によって抑制するもの
であるから、押出速度は1時間当たり4〜5mと遅く、
生産性が悪く高コストになるという問題がある。
ので、木粉、紙粉等の木質系材料と熱可塑性樹脂からな
る成形材を押出成形してなる木質系材料入り熱可塑性樹
脂製ボードの製造方法において、気泡、鬆等の発生を抑
え、木質系材料を高密度で均一に分散させた成形が可能
であるとともに、高速押出により生産効率の極めて高い
製造方法を提供するものである。
成するために次のような構成とした。即ち、この発明に
係る木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法
は、木粉、紙粉等の木質系材料と熱可塑性樹脂からなる
成形材とを混練りして押し出し成形する製造方法におい
て、押出機の成形安定領域におけるスクリューの回転数
をもって成形ダイへ押し出した押出生地を徐冷して成形
ボードとし、且つ、前記成形安定領域は前記成形ボード
を押出速度よりも遅い速度で引き取ることにより調整す
ることを特徴とする。そして、前記成形安定領域は、押
出速度と引き取り速度とを交互に上げながら、押出速度
よりも遅い速度で成形ボードを引き取ることにより調整
することができる。
いて詳細に説明する。まず、この発明に使用される押出
成形装置について説明すると、図1は押出成形装置の要
部断面図である。10は押出機であり、バレル11内に
スクリュー13が配設されており、前記バレル11の外
面にはバンドヒーター15が設けられている。スクリュ
ー13は図示しないホッパーから投入された木粉、紙粉
等の木質系材料と熱可塑性樹脂からなる成形材を混練り
しながらスクリュー13の前方へと押し出す。前記バン
ドヒーター15によりバレル11が加熱され、バレル1
1内の成形材の溶融を促進し混練りを容易にする。前記
バレル11の外周面には、一定の間隔を明けてカバー1
7が設けられている。
0を介して成形ダイ30が設けられており、成形ダイ3
0の前方には押し出された成形ボード32を引き取る引
取手段40が配設されている。前記アダプタ20の外周
面にはバンドヒーター23が設けられており、アダプタ
20のバレル11との接合面側にはスクリーン21を必
要に応じて設ける。押出機10から溶融した押出生地1
9は、加熱保温されながらアダプタ20から次の成形ダ
イ30へと流動して行く。アダプタ20にスクリーン2
1を設けた場合、スクリーンン21によって押出生地1
9内に混入した異物が成形ダイ30に流入するのを阻止
することができる。
のアダプタ20との接合面においては、導入孔31はア
ダプタ20と同じ大きさに形成されており、成形室33
に向かって徐々に板状に断面変形しながらに連通してい
る。アダプターの範囲でスクリュー形状から板形状にす
ることもできる。さらに、成形ダイ30の周壁内には、
前記導入孔31の外周を囲むようにヒーター35が埋設
され、成形室33の上下には冷却管37が埋設されてい
る。溶融した押出生地19は、加熱保温されながら導入
孔31から成形室33に流動して行き、冷却管37によ
って徐々に冷却されて所定の肉厚の成形ボード32に成
形される。成形ボード32は、成形ダイ30から押し出
される。
出方向に適宜の間隔で配設されており、水あるいは油等
の冷却液が循環して成形ボード32を冷却する。冷却管
37は冷却手段の一例を示すもので、冷却管37の大き
さや間隔等は適宜変更することができることは勿論であ
り、冷却できる構造であればよい。
よりも遅い速度で成形ボード32を引き取るものであ
り、前記引取手段40によって、高密度で且つ均一な木
質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの成形が可能とな
る。前記引取手段40は、両端が軸受された駆動ローラ
41にベルト43が張設された駆動体45を上下に相対
するように設けてなり、ベルト43は成形ボード32を
押出方向に移送するように矢印方向に回転する。前記駆
動体45は、押し出されてきた成形ボード32を上下に
おいて挾持しながら押出方向に引っ張って移送する。即
ち、前記引取手段40は成形ボード32を押出方向に引
き取るように駆動している。
脂製ボードの製造方法について説明すると、まず、図示
しないホッパーに投入された成形材が混練りされながら
スクリューの前方へと押し出される。任意のスクリュー
回転数による押出速度で成形を始めて成形ダイ30に押
出生地19が充填されると、押出機における押出生地圧
力が徐々に上昇していく。さらに、押出速度(スクリュ
ー回転数)を上げながら、押出生地圧力を成形安定領域
まで上昇させる。そこで、成形ダイ30から押し出され
た成形ボード32が引取手段40に達したときに、成形
安定領域におけるスクリュー回転数による押出速度より
も速い速度で成形ボード32を引き取る。
における押出生地圧力が低下するので、さらにスクリュ
ー回転数を上げて成形材の供給量を増やし押出生地圧力
を成形安定領域まで上げる。押出生地圧力が成形安定領
域まで上昇したところでさらに引取手段40の引き取り
速度を上げていく。このようにして、押出速度(スクリ
ュー回転数)と引き取り速度とを交互に上げながら、成
形安定領域における押出生地圧力を調整する。そして、
押出機の能力の高い部分で、安定した押出生地圧力を保
持して押出成形する。
取り速度を上げながら、押出速度よりも遅い速度で成形
ボード32を引き取ることによって保持される。引き取
り速度を押出速度よりも遅くすることによって、押出生
地圧力が上昇して高密度で且つ均一な木質系材料入り熱
可塑性樹脂ボードが成形される。押出生地圧力は引取手
段40の引き取り速度と押出機の押出速度(スクリュー
回転数)とのバランスを取りながら最適な押出生地圧力
を調整するので、摩擦抵抗に影響されずに押出機の吐出
能力の上限で成形することが可能となり、生産性を向上
させることができる。
は、1時間当たり25m〜30mとすることができる。
また、従来公知の方法のように、スクリュー回転数のみ
によって押出生地圧力を調整する場合に比して、押出生
地圧力の調整が容易であるばかりでなく、図4に示すよ
うに、成形安定領域L1の範囲を増大させることができ
る。
性樹脂には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン
(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル
(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド
(PA)等の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を混合し
たものを用いることができる。また、成形材に使用する
木質系材料の混合量は公知の混合量とすることができ、
適宜、尿素、炭酸カルシウム、酸化チタン、顔料等を添
加してもよい。また、上記説明における押出機は単軸押
出機であるが、多軸押出機であってもよく、この発明に
おける押出機の構造は特に限定されない。
号公報記載の押出成形法による比較例とともに述べる。
原料の主な素材は、両者とも、セルロース系破砕物であ
る木粉と熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(PP)と
の混合物であり、木粉は平均粒径120メッシュ以下で
水分含有量0.1wt%である。混合比は、ポリプロピ
レン(PP)40wt%、木粉60wt%である。押出
機は直径50mm単軸型押出機であり、成形ダイの成形
部分の寸法は、幅130mm、高さ12mm、長さ10
00mmである。
の吐出量は実施例では時間当たり32kg、比較例では
時間当たり6.5kgであった。比較例では前記以上の
吐出量になるようにスクリュー回転数を上げたところ、
押出生地圧力が安定せず成形することができなかった。
成形ボードの押出速度は、比較例が時間当たり約5mで
あるのに対して、実施例では時間当たり約25mであっ
た。実施例では高密度で気泡、鬆等の発生を押さえ、内
部残留応力が少なく、しかも比較例に比して約5倍の生
産性が得られた。
樹脂製ボードの製造方法は、押出速度と引き取り速度を
交互に上げながら、最後に押出速度よりも遅い速度で成
形ボードを引き取ることにより、成形安定領域における
押出生地圧力とするので、従来に比し速い押出速度での
成形が可能となり、きわめて高い生産性を得ることがで
きる。また、押出生地圧力を引取手段の引き取り速度と
押出機の押出速度とのバランスを取りながら調整するの
で、成形安定領域を広く取ることができる。
ある。
地圧力を示すグラフである。
係を示すグラフである。
圧力を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 木粉、紙粉等の木質系材料と熱可塑性樹
脂からなる成形材とを混練りして押し出し成形する製造
方法において、押出機の成形安定領域におけるスクリュ
ーの回転数をもって成形ダイへ押し出した押出生地を徐
冷して成形ボードとし、且つ、前記成形安定領域は前記
成形ボードを押出速度よりも遅い速度で引き取ることに
より調整することを特徴とする木質系材料入り熱可塑性
樹脂製ボードの製造方法。 - 【請求項2】 押出速度と引き取り速度とを交互に上げ
ながら、押出速度よりも遅い速度で成形ボードを引き取
ることにより成形安定領域を調整することを特徴とする
請求項1記載の木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10360198A JP3533083B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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JPH11277509A JPH11277509A (ja) | 1999-10-12 |
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ID=14358301
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JP10360198A Expired - Fee Related JP3533083B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 木質系材料入り熱可塑性樹脂製ボードの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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CN100406218C (zh) * | 2001-09-28 | 2008-07-30 | 全能株式会社 | 复合木材及其制备方法 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP10360198A patent/JP3533083B2/ja not_active Expired - Fee Related
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