JPH0733492B2 - 多層防食被覆剤および防食被覆方法 - Google Patents

多層防食被覆剤および防食被覆方法

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JPH0733492B2
JPH0733492B2 JP63316043A JP31604388A JPH0733492B2 JP H0733492 B2 JPH0733492 B2 JP H0733492B2 JP 63316043 A JP63316043 A JP 63316043A JP 31604388 A JP31604388 A JP 31604388A JP H0733492 B2 JPH0733492 B2 JP H0733492B2
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正春 高橋
正隆 田中
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Nippon Paint Co Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多層防食被覆剤および防食被覆方法に関する
ものである。
[従来の技術] 鉄構造物の防食保護を目的として、乾燥性の良い、ポリ
エーテルポリオールあるいはポリエステルポリオールと
ポリイソシアネートからなる二液性の無溶剤型ポリウレ
タン樹脂系塗料がある。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、この二液性無溶剤型ポリウレタン樹脂系塗料は
発泡しやすいといった問題点がある。
また、この塗料は、非常に低温に晒される環境下では耐
衝撃性が不十分であり、さらに長期の防食性能に対して
も性能が不十分であるといった問題点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは発泡が極めて少なく、強靭で低温下での性
能に優れ、長期の防食性に優れた多層防食被覆剤および
防食被覆方法を見い出すべく鋭意検討を行った結果、本
発明に到達した。
すなわち、本発明は、シリコンエポキシプライマーと該
プライマー面上に塗布される二液性の防食被覆剤とを組
み合わせてなる多層防食被覆剤であって、二液性の防食
被覆剤がポリオールおよびポリアミンからなる活性水素
含有成分と有機ポリイソシアネート化合物からなり、ポ
リアミンとしてアミノ基に対して少なくともオルト位に
1個の直鎖アルキル置換基を有する芳香族ジアミン
(a)と、ポリフェニル−ポリメチレンポリアミンのア
ミノ基に対するオルト位の少なくとも1つがクロル基で
置換された芳香族ジアミン(b)を使用することを特徴
とする多層防食被覆剤、および該多層防食被覆剤を用い
た防食被覆方法である。
本発明において、芳香族ジアミン(a)としては、フェ
ニレンジアミン、ナフチレンジアミンおよび一般式 (式中、XはC1〜C4のアルキレン基、−O−、 −SO2−または直接結合を表す)およびポリフェニルポ
リメチレンポリアミンのオルト位のアルキル置換体(好
ましくはフェニレンジアミンのアルキル置換体)が含ま
れる。
このようなアミン類は、一方のアミノ基に対してオルト
位に少なくとも1個(好ましくは2個)のアルキル置換
基を有し、かつ他方のアミノ基に対してオルト位に2個
のアルキル置換基を有する芳香族ジアミンが挙げられ
る。
上記アミンのアルキル置換基としては、炭素数1〜8の
アルキル置換基、たとえばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル基が挙げられ、好ましくは炭素数
1〜3の直鎖アルキル基である。
このような芳香族ジアミン(a)の具体例としては、1,
3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,
5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,
5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−2,
4−ジエチル−3,5−ジアミノベンゼン、1−メチル−2,
4−ジエチル−3,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエ
チル−2,6−ジアミノベンゼンなどおよびこれらの2種
以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいもの
は、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼ
ン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼ
ンおよびこれらの混合物である。
芳香族ジアミン(b)としては、アニリン−ホルムアル
デヒドの縮合によって得られるポリフェニル−ポリメチ
レンポリアミンのアミノ基に対するオルト位の少なくと
も1個(好ましい2個)がクルロ基で置換されている芳
香族ジアミンが挙げられる。
このような芳香族ジアミン(b)の具体例としては、2,
2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノフェニルメタン、2,3,
3′−トリクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
2,3,2′,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、2,6,2′,6′−テトラクロロ−4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタンなどが挙げられる。これらのうち好
ましいものは、2,3,2′,3′−テトラクロロ−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、2,6,2′,6′−テトラクロロ
−4,4′−ジアミノジフェニルメタンおよびこれらの混
合物である。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ヒマシ
油系ポリオール、ポリエステルポリオール、重合体ポリ
オール、ポリブタジエンポリオール等およびこれらの2
種以上の混合物が含まれる。
ポリエーテルポリオールとしては、低分子ポリオール
(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなどの二官能ポ
リオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、シュクローズなどの三官能以上のポ
リオールなど)、アミン類(アルカノールアミンたとえ
ばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、脂肪族ポリアミンたとえばエチレンジアミン、芳香
族ポリアミンたとえばトリレンジアミン、メチレンジア
ニリン、ポリメチレンポリフェニルアミンなど)等のよ
うな少なくとも2個の活性水素原子を有する化合物のア
ルキレンオキシド(炭素数2〜4のアルキレンオキシド
たとえばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチ
レンオキシドなど)付加物、アルキレンオキシドの開環
重合物(テトラヒドロフランの開環重合、加水分解によ
るテトラメチレンエーテルグリコールなど)など;ヒマ
シ油系ポリオールとしては、リシノール酸を主成分とす
るものであって、一般工業用ヒマシ油、精製ヒマシ油お
よびその誘導体、例えばヒマシ油脂肪酸のジグリセライ
ド、モノグリセライドおよびそれらの混合物など;ポリ
エステルポリオールとしては、ポリカルボン酸(脂肪族
ポリカルボン酸たとえばアジピン酸、マレイン酸、二重
化リノレン酸、芳香族ポリカルボン酸たとえばフタル酸
など)とポリオール(上述のような低分子ポリオールま
たはポリエーテルポリオール)との縮合により得られる
ポリエステルポリオール、ラクトンポリエステル(ポリ
カプロラクトンなど);重合体ポリオールとしてはポリ
オール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール等)中でビニルモノマー(アクリロニトリルおよび
/またはスチレンなど)を重合して得られるもの;ポリ
ブタジエンポリオールとしては、水酸基含有のラジカル
開始剤でブタジエンを重合させて得られたもの、ナトリ
ウム、リチウムなどのアニオン重合触媒を用いてブタジ
エンを重合させて得られた活性末端重合体に、エチレン
オキシドのような水酸基になる化合物を付加させて得ら
れたものなどが挙げられる。
これらのポリオールのうち好ましいものはポリエーテル
ポリオールおよびヒマシ油系ポリオールであり、特に好
ましいものは水酸基価から求めた分子量800〜5,000のポ
リエーテルポリオールおよびヒマシ油系ポリオールであ
る。
芳香族ジアミン(a)と芳香族ジアミン(b)の使用重
量比率は通常(a):(b)=1:1〜5:1好ましくは、2:
1〜3:1である。(a)の(b)に対する重量比率が5を
越えると、有機ポリイソシアネート化合物と混合した際
に、極端にポットライフが短くなり、また形成される塗
膜も硬く脆いものとなり、衝撃性が低下する。また
(a)の(b)に対する重量比率が1未満の場合、活性
水素含有成分自体の安定性が悪化し、結晶が析出した
り、有機ポリイソシアネート化合物と混合して形成され
る塗膜も十分な硬度が発現できず、目的とする性能に対
しては不十分である。
ポリオールの含有量は、ポリオール、芳香族ジアミン
(a)、芳香族ジアミン(b)の合計重量中に通常30〜
70重量%、好ましくは40〜60重量%である。ポリオール
が30重量%より少ない場合、被覆剤の流動性が少なくな
り、作業性が悪くなる。70重量%より多すぎる場合、得
られた塗膜は、極端に柔らかくなり目的とする性能に対
しては不十分である。
次に、有機ポリイソシアネート化合物としては、従来ポ
リウレタンの製造に使用されているものが使用できる。
このようなイソシアネート化合物としては、炭素数(NC
O基中の炭素を除く)2〜18の脂肪族イソシアネート
[例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
リジンジイソシアネート]:炭素数4〜15の脂環式イソ
シアネート[例えばイソホロンイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンイソシアネート]:イソシアネートシ
ラン類[例えばγ−イソシアネートプロピルトリメトキ
シシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシ
ラン(EIS)]:炭素数8〜15の芳香脂肪族イソシアネ
ート[例えばキシリレンジイソイシアネート]:炭素数
6〜20の芳香族イソシアネート[例えば2,4−及び/又
は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、
2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗
製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〈ホルムアルデヒ
ドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合
生成物:ジアミノフェニルメタンと少量(例えば5〜20
重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〉のホス
ゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)な
ど]:及びこれらのイソシアネートの変成物(ウレタン
基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、
ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、
イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変成物な
ど):及び特願昭59−199160号公報記載の上記以外のイ
ソシアネート:及びこれらの2種以上の混合物があげら
れる。これらのうち好ましいものは脂肪族イソシアネー
ト及びこれらの変成物である。
なお前記有機ポリイソシアネート化合物は、ポリオール
および/または芳香族ジアミン(a)、芳香族ジアミン
(b)と予め反応させ、末端イソシアネート基を有する
有機ポリイソシアネート成分として用いてもよいし、ま
たあらかじめポリオールおよび/または芳香族ジアミン
(a)、芳香族ジアミン(b)と反応させ末端活性水素
基を有する活性水素基含有成分として用いてもよい。
本発明の多層防食被覆剤は、シリコンエポキシプライマ
ープライマーおよび該プライマー面上に塗布される二液
性の防食被覆剤からなり、二液性の防食被覆剤はポリオ
ール、芳香族ジアミン(a)および芳香族ジアミン
(b)とからなる活性水素含有成分と、有機ポリイソシ
アネート化合物の二液からなる。二液の混合比率は、活
性水素成分の遊離イソシアネート基に対するアミノ基及
びヒドロキシル基の和の当量比が、通常0.9:1〜1.5:1好
ましくは1:1〜1.3:1である。
二液性の防食被覆剤には必要に応じて他成分を加えるこ
とができる。他成分としては、無機充填剤(炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、タルク、クレイ、珪石紛など)、
補強剤(カーボンブラック、ホワイトカーボン、コロイ
ダルシリカなど)、着色剤(チタン白、コバルトグリー
ン、ベンガラなど)、触媒(オクチル酸鉛、ビブチルチ
ンジラウレート、スタナスオクトエート、トリエチルア
ミン、トリエチレンジアミンなど)、樹脂改質剤(シラ
ンカップリング剤、オルガノシロキサンなど)、吸水剤
(合成ゼオライト、生石灰、可溶性無水石膏など)、沈
降防止剤及び老化防止剤などがあげられる。
他成分の量は活性水素含有成分と有機ポリイソシアネー
トの合計重量に基づいて無機充填剤の場合は通常100%
以下、好ましくは10〜90%、補強剤の場合は通常0〜10
%、好ましくは2〜5%、着色剤の場合は通常100%以
下、好ましくは1〜90%、触媒の場合は通常1%以下、
好ましくは0.5%以下、樹脂改質剤の場合は通常3%以
下、好ましくは0〜1%、吸水剤の場合は通常10%以
下、好ましくは1〜5%、沈降防止剤の場合は通常10%
以下、好ましくは1〜5%、老化防止剤の場合は通常3
%以下、好ましくは1%以下である。
本発明の多層防食被覆剤を鉄に適用する場合には、鉄に
シリコンエポキシプライマーを適用したのち、二液性の
防食被覆剤をプライマー面上に適用することにより行う
必要がある。
上記のシリコンエポキシプライマーとしては、1分子
中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、アミ
ノアルコキシシラン、モノエポキシ化合物、必要により
イソシアネート化合物からなるもの(特願昭62−249360
号明細書)および1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂、アミン化合物、モノエポキシシラ
ン必要によりモノエポキシ化合物および/またはイソシ
アネート化合物からなるもの(特願昭62−333018号明細
書)があげられる。
シリコンエポキシプライマーは、通常、溶液状で使用さ
れ、鋼材用プライマーとして使用される場合には、防食
性を向上せしめるために金属粉が併用される。金属粉と
しては、アルミ粉、亜鉛粉末があげられる。もっとも好
ましいのは亜鉛粉末である。亜鉛粉末としては、通常ジ
ンクリッチプライマーに使用されている金属亜鉛粉末及
び金属亜鉛合金末(Zn/Al合金町、Zn/Al/Mg合金末な
ど)があげられ、好ましくは金属亜鉛紛末である。亜鉛
粉末の粒径は通常は1〜5μmであり、その形状は通
常、球状である。亜鉛粉末の使用量ないし配合量は乾燥
プライマー塗膜中、通常40〜80重量%好ましくは50〜70
重量%である。
亜鉛粉末とともに顔料を使用してもよい。通常、顔料と
しては、タルク、マイカ、硫酸バリウム、ガラス粉末、
酸化チタン、ベンガラ、シアナミド鉛、ジンククロメー
トなどが使用される。これらの顔料は前もってシランカ
ップリング剤で表面処理されているものが好ましい。本
処理を行うと顔料表面の吸着水が少なく、プライマーへ
のなじみがよく、顔料を高配合しても粘度上昇が少なく
て良好な作業性が得られ易い等の利点が多い。
本発明の多層防食被覆剤の鉄への適用は、次の通りであ
る。先ず、必要に応じて、サンドブラスト処理を行った
鉄面へ亜鉛粉末を乾燥プライマー塗膜中に50〜70重量%
となるように配したシリコンエポキシプライマーを適用
する。プライマーの適用は刷毛塗り、ローラー塗布、ス
プレー塗布など何れでも良い。適用されたプライマー
は、常温で十分乾燥させる。好ましい乾燥条件は、5℃
〜50℃にて3時間〜24時間、好ましくは8時間〜12時間
である。乾燥後のプライマーの膜厚は、通常5〜200μ
m、好ましくは10〜100μmである。
次いでプライマー面上に、二液性の被覆剤を適用する。
活性水素含有成分と有機ポリイソシアネート化合物の二
液の混合比率は、遊離イソシアネート基とアミノ基及び
ヒドロキシル基の和の当量比が、通常0.9:1〜1.5:1好ま
しくは1:1〜1.3:1である。
塗布の方法としては、活性水素含有成分と有機ポリイソ
シアネート化合物の所定量を十分に撹拌混合し、必要に
応じて脱気を行ったあとプライマー面上に適用して均一
な樹脂層を形成させる。
本発明の場合、活性水素含有成分と有機ポリイソシアネ
ート化合物の二液を混合したあとゲル化に到達するまで
の時間が短いため、プライマー面への二液性の被覆剤の
適用は、2液1頭ガンエアレススプレーまたは、2液2
等ガンエアレススプレーによる適用がより好ましい。
上記エアレススプレー機械は、特にその使用可能につい
ての制限は受けず、活性水素含有成分と有機ポリイソシ
アネート化合物をそれぞれ別個に同時に計量送液された
2液を混合して1液として吐出するミキサーを備え、短
時間に2液を混合噴霧できるもの、または2個の噴霧ノ
ズルをもち、先端で霧状で混合可能なものであれば良
い。
活性水素含有成分と有機ポリイソシアネート化合物各々
の温度は、ゲル化時間に影響を与えるが、そのゲル化時
間が作業に支障を及ぼさない限り任意に変えることがで
きる。
硬化した二液性の被覆剤の厚みは、用途および適用環境
に応じて任意に変えることができるが、本発明の多層防
食被覆剤を適用しようとする厳しい環境下においては、
通常500〜2000μm、好ましくは700〜1500μmで使用さ
れる。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
はこれにより限定されるものではない。実施例中の部は
重量部である。
なお、実施例および比較例で行った各種のテスト方法
は、以下の通りである。
(イ)塗膜外観−1(発泡性) 仕上がった塗膜の外観を倍率50倍の顕微鏡で見て発泡の
程度について相対比較した。
判定 ○…発泡、ピンホール殆ど無し △…発泡が認められる ×…発泡が著しい (ロ)塗膜外観−2(平滑性) 仕上がった塗膜の外観を肉眼で観察し平滑性について相
対比較した。
判定 ○…極めて平滑である △…やや平滑性が劣る ×…平滑ではない (ハ)接着性 (i)1次接着 乾燥状態にてアドヒージョンテスター(エルコメーター
社)による垂直引張試験を行い相対比較した。
(ii)2次接着 試験片を温塩水(50℃、3%塩水)に1ヵ月浸漬後、ア
ドヒージョンテスター(エルコメーター社)による垂直
引張試験を行い相対比較した。
判定 ○…接着性良好 △…接着性やや不良 ×…接着性不良 (ニ)耐衝撃性 −60℃においてデュポン式落垂衝撃試験を行い相対比較
した。
判定 ○…耐衝撃性良好 △…耐衝撃性やや良好 ×…耐衝撃性不良 (ホ)着氷力試験 −60℃において試験片上に氷を付着させインストロン引
張試験を行い氷の着氷力を測定し相対比較した。
判定 ○…弱い力で氷がとれる △…やや強い力で氷がとれる ×…かなり強い力でないと氷はとれない (ヘ)防食性試験 試験片を食塩水に浸漬し防食塗膜試験器(新電子工業)
を用いて塗膜の交流電気抵抗の経日変化を測定し相対比
較した。
判定 ○…電気抵抗があまり変化しない △…電気抵抗やや低下する ×…電気抵抗の低下が大きい 製造例1 反応釜にエピコート828(ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、エポキシ当量約185、油化シェル製)370部、エチ
レンジアミン120、KBM−402(γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、信越化学工業製)992部お
よびメチルエチルケトン250部を投入し50℃にて5時間
反応させた。次いで室温に冷却後、エタノール25部を投
入、希釈してシリコンエポキシプライマーを得た。
このシリコンエポキシプライマー35部に亜鉛粉末60部を
密閉式ニーダーにて混練し、メチルエチルケトン5部を
投入し、混合希釈して亜鉛末含有シリコンエポキシプラ
イマーを得た。
実施例1 ポリオールとしてグリセリンのアルキレンオキシド付加
物(水酸基から求めた分子量1000、水酸基価168)60
部、芳香族ジアミン(a)として、DETDA(主成分は1
−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンおよ
び1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼ
ン、エチルコーポレーション製)30部、芳香族ジアミン
(b)として、2,6,2′6′−テトラクロロ−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン10部を計量混合し130℃まで加
熱して混合した。次いで、これを60℃まで冷却しジブチ
ルチンジラウレート0.1部を加え均一に撹拌後さらに30
℃まで冷却し硫酸バリウム40部、タルク40部、酸化チタ
ン5部、ベンガラ5部、合成ゼオライト2部を加え均一
に分散混合させ活性水素含有成分を得た。
この活性水素含有成分100部に有機ポリイソシアネート
化合物としてデュラネートTPA−100(ヘキサメチレンジ
イソシアネート及びポリイソシアネート、旭化成工業
製)110部を混合硬化せしめて本発明における二液性の
防食被覆剤とした。
実施例2 ポリオールとして、ヒマシ油脂肪酸のジグリセライド
(URIC H−53、伊藤製油製)を用いたほかは実施例1
と同様にして本発明における二液性の防食被覆剤とし
た。
実施例3 グリセリンのアルキレンオキシド付加物(水酸基から求
めた分子量1000、水酸基価168)47部を反応釜に仕込
み、3mmHgの減圧下110℃に加熱して1時間脱水を行っ
た。次いで、これにイソホロンジイソシアネート53部を
追加投入し窒素気流下、100%℃で3時間反応させプレ
ポリマーを得た。このプレポリマーにデュラネートTPA
−100(ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシ
アネート、旭化成工業製)150部を加え70℃で1時間撹
拌し有機イソシアネート含有成分を得た。プレポリマー
のNCO含有量は19%であった。
この有機ポリイソシアネート化合物134部に対し実施例
1の活性水素含有成分100部を混合、硬化せしめて本発
明における二液性の防食被覆剤とした。
比較例1 実施例1の芳香族ジアミン(a)を全く使用しない他
は、実施例1と同様に実施した。
比較例2 実施例1の芳香族ジアミン(a)の代わりに、エチレン
ジアミンのアルキレンオキシド付加物(水酸基から求め
た分子量300、水酸基価748)を用いた他は、実施例1と
同様に実施した。
実施例4 サンドブラスト処理をした鉄板上に、製造例1で得た亜
鉛粉末含有シリコンエポキシプライマーを刷毛塗りし、
常温で8時間乾燥した。プライマーの乾燥膜厚は50μm
であった。次に、実施例1で得た二液性の防食被覆剤を
二液混合スプレイ装置(東レエンジニアリング製)を用
いて1000μmの乾燥塗膜厚になるようにスプレー塗装し
て本発明の多層防食被覆剤とした。性能試験結果を表−
2に示す。
実施例5 二液性防食被覆剤として実施例2で得たものを用いたほ
かは、実施例4と同様にして塗膜を形成し本発明の多層
防食被覆剤とした。性能試験結果を表−2に示す。
比較例3 防食被覆剤として比較例2で得た被覆剤を用いたほか
は、実施例5と同様にして塗膜を形成した。性能試験結
果を表−2に示す。
比較例4 プライマーを全く用いずに実施例1で得た二液性の防食
被覆剤を用いて塗膜を形成した。性能試験結果を表−2
に示す。
[発明の効果] 本発明の多層防食被覆剤および防食被覆方法は、以下の
効果を奏する。
1. 従来の二液性無溶剤型ウレタン防食塗料において懸
念された発泡の問題点を解決したものである。
2. 形成された塗膜は非常に強靭で、低温下においても
優れた耐衝撃性を示す。
3. シリコンエポキシプライマーと組み合わせたので、
長期の防食性能が期待できる。
4. 発泡が抑えられたため、塗膜表面が平滑に仕上が
り、摩擦係数が低下することによって、氷などの付着力
が弱まり氷海用塗料として用いることができる。
5. 硬化が非常に速いため次の工程までの時間の短縮が
可能であるなど作業性に優れている。
6. 低温下での硬化性が優れている。
上記効果を奏することから、本発明の多層防食被覆剤お
よび防食被覆方法は、鉄鋼構造物たとえば建屋、機械
類、貯蔵タンク類、橋梁、鋼製道路上の陸上構造物シー
バース、海底油田掘削リグ、岸壁クレーン、海上橋等の
海洋構造物、水門、氷海域で操業する船舶および各種パ
イプライン、鋼管杭などに防食性を付与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/08 PPX 175/04 PHT // C08G 18/32 NDT (72)発明者 高垣 孟 東京都江東区豊洲3丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 高橋 正春 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 田中 正隆 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 小野 修司 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 小森 武義 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−26676(JP,A) 特開 昭61−223060(JP,A) 特開 昭61−31419(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンエポキシプライマーと該プライマ
    ー面上に塗布される二液性の防食被覆剤とを組み合わせ
    てなる多層被覆剤であって、二液性の防食被覆剤がポリ
    オールおよびポリアミンからなる活性水素含有成分と有
    機ポリイソシアネート化合物からなり、ポリアミンとし
    てアミノ基に対して少なくともオルト位に1個の直鎖ア
    ルキル置換基を有する芳香族ジアミン(a)と、ポリフ
    ェニル−ポリメチレンポリアミンのアミノ基に対するオ
    ルト位の少なくとも1つがクロル基で置換された芳香族
    ジアミン(b)を使用することを特徴とする多層防食被
    覆剤。
  2. 【請求項2】ポリオールがポリエーテルポリオールまた
    はヒマシ油系ポリオールである請求項1記載の多層防食
    被覆剤。
  3. 【請求項3】シリコンエポキシプライマーを塗布した
    後、ポリオールおよびポリアミンからなる活性水素含有
    成分と有機ポリイソシアネート化合物からなる二液性の
    防食被覆剤を塗布する方法において、ポリアミンとし
    て、アミノ基に対して少なくともオルト位に1個の直鎖
    アルキル置換基を有する芳香族ジアミン(a)と、ポリ
    フェニル−ポリメチレンポリアミンのアミノ基に対する
    オルト位の少なくとも1つがクロル基で置換された芳香
    族ジアミン(b)を使用することを特徴とする防食被覆
    方法。
  4. 【請求項4】ポリオールがポリエーテルポリオールまた
    はヒマシ油系ポリオールである請求項3記載の防食被覆
    方法。
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